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湖と森林とサウナの国と思っていた国が、ロシアからの侵略を受けた後の国家賠償で原生林を消耗し、それらをどう回復させ恒続林施業するかの紆余曲折試行錯誤が記されています。
原題は「私たちの後の森」で本書の主題そのもの。私が炭素の循環をどこまで理解できたかは怪しいですが、宝くじが当たったら一山買って放置したいと思いました。(笑)欧州に原生林はないと本多勝一がむかし書いていたが、フィンランドも同じ状況であることが分かり、緯度と地形こそ違うが、フィンランドと国土面積と森林率が同じで人口が24倍の日本は「私たちの後の森」そのものです。実際に鹿などの増殖とマダニ、ヒルの生息域拡大についても記されています。恥ずかしながら先住民サーミの存在を本書で初めて知りました。世界で最も最年少の女性首相がどのようなかじ取りをするか気になるところです。
映画はさておき、北欧の森林事情など全く知らず勉強になりました。
サーミとアイヌでは状況がずいぶん違うことに考えさせられました。「サーミの血」を探して観てみたいです。
フィンランドで本書は出版から5ヶ月で2刷りされ文学賞を受賞し、日本ではまだなじみの薄いオーディオブックになり、図書館では500人待ちだそうです。私たちは戦時中にほぼ屋久杉が消え、役に立たない縄文杉などを見て喜んでいるようでは間に合わないかなと思います。
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