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先住民の養父に山で一人で生きていく術を叩き込まれた猟師が鹿や羆を生きるために殺し、己の存在理由に葛藤する物語です。(ちがうかな)
「新たな熊文学の誕生!!」などと宣伝に騙され読んでしまいました。
バイコフの「偉大なる王」やアルセーニエフの「デルスウ・ウザーラ」のような作品を期待したが外れました。
山で育った熊爪が哲学的な思考をするならもう少し違う表現があったのではないだろうか。
犬についても山本茂美の「喜作新道」レベルに達して欲しかった。
近親相姦を知った母親から片目を潰され、もう片方の目も見えないことにした陽子の目の描写で「異様」とか「怪しい光」と安易な言葉を使うのも如何なものかと思います。
最後に羆と戦って左肩に深手を負った犬が後日談では腹に傷のある犬になっていた。校正者がさぼっているのかな。
ひょっとしたら父親に犯されと奉公先の旦那さんと熊爪の子を孕んだ陽子(はるこ)が主人公かな。
太宰治の「人間失格」で語られる「女のシノニムは?」「臓物」を思い出しました。
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