家族が誰かを殺しても 阿部恭子

「東池袋自動車暴走死傷事故」「東北保険金殺人事件」「岩手妊婦死体遺棄事件」「宮崎家族三人殺人事件」を中心に、加害者家族の現実とその後の人生をNPO法人WorldOpenHeart理事長の著者がそれらを支援する活動を記したものですが、加害者本人をも支援しているようで中途半端。
どのような犯罪者であってもその家族は別人格なのだから不当な扱いを受けてはならないという活動なら理解し易いが、加害者の服役中の環境や反省の弁や冤罪の可能性への言及は主題を判り難くします。
NPOの資金調達方法も分からない。
著者の宣伝が前面に出すぎている。
著者は法学部出身だが、文学部出身の文章構成のよう。
確かに警察発表を売れ筋で仕上げるマスコミはお得意様広告主に嚙みつくより、老人を叩いた方が売り上げは伸びるでしょう。
ともあれ加害者家族の支援は必要だし、できれば公的機関が存在すべきだと思います。