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今我々が常識として持っている知識は自ら知らぬ間に得た教養のように感じているが、実は先人達の命との引き替え、失敗の反省から生まれてきた貴重な常識であることを知らされる。
私も1980年代はザイルを使う山登りをしていたが、既にザイルは岩角で切れやすいものとして、取り扱ってきた。
事実、足尾の松木沢では自分で落とした岩で簡単にザイルが切れたのを鮮明に覚えています。
その切り口はナイフで切ったようでした。
ナイロンザイル事件は過去のものと捉え、たまに「ナイロンザイル事件」を取り扱う記事を見かけると、まだやって居るんだというレベルで、見出しを読み流ししていた。
この本を読み、「ナイロンザイル事件」が平成の時代まで続いたことを知り、己の認識不足に恥じ入るばかりである。
何年間も穂高に通ったが、今度行った時は植生の前進と後退の中を佇み続けたケルンに立ち寄ってみようと思う。
また、大町山岳博物館にはその切れたナイロンザイルと、繊維が付着していた岩角を石膏でかたどったレプリカが展示されています。
常識の礎です。
borav64m さん、今日は。
この本が最初の事件、三重山岳会の若山氏が前穂で遭難し、後に裁判になり、小説「氷壁」のモデルになった事件かどうかは知りませんが、この裁判は物凄く長引いて、時間が掛かりました。
それには、日本山岳会の妨害がありました。私は、これには利権と言ふか、金銭が絡んでいたと思っています。
この本がその件に言及しているかどうかは知りませんが、この疑惑は日本の山岳関係者が明らかにして欲しいと思います。
現在の日本は環境問題その他、利権だらけですが、この頃から在ったのだと思います。
日本人は金に弱いですね。直ぐに経済効果とかいって、オリンピックも金目で評価してます。
mesnerさん コメントおありがとうございます。
おっしゃる通り井上靖の「氷壁」のモデルになった事件です。
ただ当事者の方たちは「氷壁」にかなり不満があったようです。
映画にもなりましたね。
当然、本書では日本山岳会が1956年に出した「山日記」問題にも言及しています。
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