シベリアのビートルズ 多田麻美

親の都合で小学生から中学生の３年間をアメリカで暮らし、帰国後は京大で中国文学を学び、それが高じて北京に留学し、２０１８年からイルクーツクでビートルズという共通項で画家の伴侶を得てフリーライターになったという著者。
イルクーツクの図書館のおばさんに経歴を話すと「あらら、あんたは世界人なんだね」と目を丸くされたとか。
−４２℃になるイルクーツクにはリバプールというライブハウスもあったそです。

本文中には足が悪いのでとしか書いていませんが、ご本人のツイターによると昔から悪かった右足を昨年に切断したようです。
その際、切った足を見せてほしと医者に言うともう供養して焼却したと言われたそうです。
それに対して供養ということは仏教か。足には宗教の自由はないかと憤慨してみせる面白い人です。

そういえば私から摘出した腎臓癌を見せてほしいと言ったら、スライスしちゃったと言われました。
手術前に所有権放棄の念書もなかったし、所有権は私にあると思うのですが。

後半はウクライナ侵攻という戦時下ですぐ近くの若者の戦死や物資不足の状況も伝えます。
とても視野が広くパワフルな女性による海外事情エッセイです。

１２月に１３年年間ロシアに赴任していた後輩が帰国したので、実際の所をいろいろ聞いてみたいと思います。

非常に読みやすい文章です。