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「好きだ」と言う人は心配いらない必ずわかる時が来るから
嫌いだという人も心配しないことだ
何かのはずみでおもしろくなれば
より深くつきあえばよい
だからいつまでも数学とは
縁を切らないでほしい
酒井 耕
1989年3月18日長野県山岳総合センター主催の「冬の野外生活研修会」に、4月からの山岳部顧問を請われて参加して雪崩で亡くなられた酒井耕当時24歳が松本蟻ケ崎高校教諭の生徒会誌に残した文です。
非常に深く広範囲にヒアリングをし、関連文書の読み込みを重ね、お母様の悲しみ、結婚を約束した女性の悲しみが伝わります。
お母様は十分な調査、検討もされず、原因はどこにあったのか、全く明確でない報告書に納得できず、弁護士と相談の上、国家賠償法第一条に基づき損害賠償を請求するという手段で真相究明を行います。
5年に及ぶ長野地裁松本支部での公判で被告側は経験と勘を超える自然災害であると訴え、原告側は無雪期の地形と植生、積雪の時期と量および弱層テストで雪崩は予見できたと訴えます。
論点は雪崩は自然災害か人災かであり、裁判官に積雪期の現場の同行を求めることまでしました。
今年86歳になられる著者は読者の感情を揺さぶるのが巧く読ませます。
諸事情により出版が遅れましたが、その間に那須岳の遭難も起きてしまいました。
まだ整理がつかずうまく概要を記せないので一読をお勧めします。
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