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読んで驚いたのは河出書房の編集者であった坂本一亀(かずき)は野間宏「真空地帯」、椎名林蔵、三島由紀夫「仮面の告白」、中村真一郎、埴谷雄高、水上勉、高橋和巳「非の器」、小田実「何でも見てやろう」などを無名時代から書き下ろしなどで引っ張り上げ文壇に登場させた人だったことです。
全国の同人誌、雑誌を読み漁りこれはと思う作家に直接会い「書きなさい。」と叱咤する。
無名に近い作者に書き下ろしで書かせるということは、本になるまでその作者の生活の面倒を見るということで、出版社にとっては博打ですね。
だからこそ、持ち込まれた原稿に赤を入れるというか、変更を加え、作者が元に戻すとまた変更を加えるというところまでやり取りをしたようです。
著者である田辺園子氏は元部下で金曜日の夜に大量の原稿を渡され「月曜日の朝までに校正しろ。」と命令されたそうです。
結果的に河出書房は経済的に行き詰まり河出書房新社になり、編集者はサラリーマンであってはならないという考えの坂本一亀は労働組合から会社を追い出されるのですが。
本書は坂本龍一が父が生きているうちに父ことを本にしてほしいというのが発端だそうです。
ただ坂本一亀本人の意向で死後に出版されました。
写真左は本書。
中は今朝の北葛、針の木、蓮華、鍬の峰。
右は同じく爺、鹿島槍、五竜、白馬三山。
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