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日記
新田次郎は「嘘」を書く作家として知られていますが、八甲田でも「嘘」を書いていたのですね。映画で健さんが演じた将校は地元のマタギの犠牲の上に生還したのに、それら事実にかん口令を敷いたのですね。同じように戦時中に然ヶ岳対岸の集落二つが消えた大規模な山津波もかん口令が敷かれていたのですね。また、本作の主な舞台の白神が酷いことになっているとは聞いていましたが、観光道路建設を阻止できましたが、その結果マタギを締め出して、営林署(国)が見事な仕返しをしたわけです。本書では主にツキノワグマを対象としたマタギの話ですが、加害者、殺す側の熊の生態はいくつも読みましたが、殺される側の熊の生態は初めて読みました。その瞬間鬼にならなくては生業としてのマタギ、又鬼は生きていけないという話も、マタギとハンターの違いもよくわかりました。しかし最後の「老マタギと犬」泣けました。「喜作新道」のぺスにも泣けましたが、老マタギの山中での死を知らせた犬がその葬儀の最中に息を引き取るなんて。文章も非常に読み易く秀作です。
マタギ奇談 工藤隆雄 山と渓谷社
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