高校3年生になり親に大学に行くと言ったら反対されたのでならば自分の力でと家を出ました。アイヌモシリの北海道新聞の住み込みを決め込み近所の道立札幌南高校に編入手続きに出かける。出会った生徒に編入するので校長室はどこだと聞きました。生徒に今どこの高校に在籍するのですかと聞かれ都立だというと神を崇めるような眼差しになる。校長室で教頭と話すと君の高校からわが校に編入するのは難しいといわれる。住み込み売店に戻り状況を話すと南高校は北海道一の進学校であること、北海道では道立など公立以外の高校は全く認められていない。どうにもならない子が私立に入ると聞かされる。次に私立高校に談判に出かける。そこで初めて未成年が親の承諾なく親元を離れて高校に編入できないと知らされました。夏休みには大雪山縦走と知床半島縦断を企んでいたのに諦めて帰京して早稲田の新聞店に住み込み元の高校に戻る。
さて本書は佐藤優の書評を読んで購入しました。
著者のご両親はどうも佐藤優氏のご両親の対極的な方のようです。度を越した教育ママとパパの著者に対するお前のためだと行う虐待は意外と多くの方が経験しているのではないでしょうか。植民地支配と重ね合わせるあたりは分かり易くていいですね。このような本が出版されることは大いに歓迎できますが、高校3年生から家を飛び出して自活した私としては、どこか岡林の「手紙」のような甘さを感じます。著者の成長記ですね。著者のご両親を肯定は勿論しませんが、親なんて生んでくれてありがとうと言うだけの存在です。安吾曰「親があっても子は育つ」。村上龍のファンだけあって文章は非常に読み易いです。
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