越後三山駈け 〜2日では足りず〜
- GPS
- 25:43
- 距離
- 35.2km
- 登り
- 3,500m
- 下り
- 3,537m
コースタイム
- 山行
- 9:35
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 10:14
- 山行
- 15:32
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 17:08
- 山行
- 0:16
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 0:17
天候 | おおむね晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
越後三山森林公園へは車の乗り入れ不可 坂本神社近くの大倉橋=工事中につき車では渡れず 徒歩は可 |
コース状況/ 危険箇所等 |
水無川とともに歩く 十二平登山口まではアブとランデブー あきらめるしかなし。 |
写真
感想
五頭、菅名を仰ぎ見る地に生まれ育ち
二王子、粟で山行を重ね
飯豊にあそび
川内に遊んでもらい
そんな筆者が10年をかけて目指してきたのが 今回の登路と言える。
思い入れはかなりのものであった。
通過時刻を見れば、ほぼ遭難 そうなんですよカワサキさん< なにそれ?
4(金)夕方、自宅へ tel
山の神 says 「どういん!さっきK察(南魚沼署)から電話あったんよ!(怒)」
不自然な道路脇に駐車していて、丸2日停めっぱなしだったのを近隣住民が通報したようだ。
こちらからK察へtel 事情説明
そんなこんなの山行だった。
*****************
では 振り返ってみよう。
水無川にかかる大倉橋にほど近い所へ駐車し、時計まわりに周回。舗装路をかなりの距離歩くので出だしはズック。ラジオ体操の小学生とその保護者にあいさつし、高ぶる気持ちで進む。そんな快適歩行を打ち破るのは、想定はしていたものの「アブの集団」。水無川という清冽な流れ、奴等が好きそうな環境だもの。手ではらうのも追いつかず、無数に被害を受ける。
いつのまにか、そいつらもいなくなった。
例年、遅くまで雪の残る箇所は雪橋もあったが、自然の雪(氷)の隧道となっていた。フード付きの上着を着て、照明を出して中にもぐった。短い距離で出口から入る光が見えたので恐怖感はほぼ無かった。
十二平からグシガハナへは急登ではあるが、十字峡から中ノ岳、丹後山へのカモエダズンネ。はたまた、飯豊の梶川、丸森両尾根などなどを歩き慣れているのならどうってことはない。
要所である右:中ノ岳、左:駒 の分岐へは15時。ハイドレーションからの給水が残っている水の少なさを訴えかけていた。確認すると案の定、少量しか残ってない。駒の小屋へ行けば潤沢な水を得られるだろう。未知の天狗平、檜廊下に進むにはリスクが大き過ぎる。ここは小屋で水を得て、もどってここで泊まろう そう決断するのに時間はかからなかった。そしてここで泊まる理由のひとつに「長岡花火」が見える可能性がある というのも大きかった。
結局、花火はガスに遮られ音のみ聞こえただけだった。
夜露でしっとりと濡れはしたが、わりとよく眠れた。
長い一日になるとの覚悟はあったが、ほぼ楽観的思考が脳内を占めていた。
駒の小屋であらためて水を満たした。
分岐へもどり、未踏のゾーンへと踏み出す。歩きにくいと小耳にはさんでいたので、それなりの覚悟とともに進む。
左に北ノ又川を見下ろす。この谷が只見川に出て、阿賀野川へ合わさる。広大な阿賀野川水系の一部。今はガスに覆われ全貌を見せてはくれない。
檜廊下南の1866高点ひと山が笹の繁茂で掻き分けないと足元が確認できない感じだった。そこを抜けたあたりで、裏三山周回中の群馬の男女ペアと行き交う。山旅なのでたっぷりと会話を愉しむ。
檜廊下は聞いていた通りの通過しにくさだった。
中ノ岳への登り返しは段階を経て高度を稼ぐ感じでじっくりと取り組んだ。
で、心拍数が上がり過ぎず、且つ持続可能なペースを探るわけだが、
初日、登山口へ向かう車のラジオでラブサイケデリコのフリーダムがなっていた。
その曲は数年前のNHKメジャーリーグのテーマソングでもあったので、耳馴染みがあった。
その曲のギターのリフのテンポが、前述の継続可能なペースに近いと感じた。以後登り返しの時は脳内でそれを鳴らして歩く。
縦走路の要所、中ノ小屋まで着た。時間は予想よりおしているが、この時点ではこのあとのことを想像できてはいない。さぁ、ここからが永年、思い描いていた道。不安よりもわくわく感が勝っていた。
いい感じの草原を抜け、枯れ沢沿いに下る。笹が元気に道を覆っている。やや通過に閉塞感をともなうが、そこを抜ければオアシス祓川は近い。
オアシスで荷をおろし、顔を洗い、水を満たし、先にひかえしいくつかのポイントに心の準備。
御月山へはすぐだったが、その後は次々とあらわれる小ピーク、最低鞍部のオカメノゾキは知らぬ間に通過。日も暮れかかった五龍岳が実に遠かった。
入道岳への登り返しは当然休み休み。八ツ峰迂回路分岐から梯子でずんずん高度を下げ、弱々しくなっていく太陽光。手探りで脇の鎖を確かめながら進むが、長く感じられる迂回路だった。
千本檜小屋のアンテナが見えて安堵。そこか女人堂かいまひとつ確信は持てぬが、小屋前にベンチが数個あったので、そこで横になり夜空を見上げて休む。
心配なのは照明の電池切れ。案じても切れる時は切れる。
四合目半から大倉口へ右折。視界があればこれほど下りやすい道はない、と言える道なのだが、足を踏み外さぬように神経をすり減らしながらの下降。これだけ長く行動していれば、昼に満たした水も枯渇する。予備の500mlペットを取り出しやすい所に出す。
かなり強い光のライトが切れ、予備電池に換えるが点かない。蛍の光のような実に頼りなさ気なライト頼みとなる。斜度がある所では、しゃがんで手触りで確かめ、ずり落ちながら下る感じで進んだ。
神社が近づき地形が凡庸としてくると進行方向の判断に苦しむ。最後の手段でスマホの懐中電灯アプリを使う。これが明るさたっぷりで無事神社に辿り着けた。
車を停めた場所まではかなり車道を歩かされた。
とりあえず環は閉じられた。
着替えて、家路へ。無理せず何回かの小休止をはさむ。
帰宅するも、小一時間で出勤時刻となり出社。なんとか大きなミスもやらかさずに一日を終え退社。
*******************
2週間が経ち、今思うのは機会が有れば、また行ってみたいと懲りずに思っている。こんなに道ほかになかなか無いと思う。
ここをまともに歩くことが出来て、ようやく「越後の岳人」の称号が、故藤島玄翁から渡される。そんな風に勝手に妄想している。
長文 読んでくださりお礼申し上げる。 '17 8/17 記
コメント
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おはようございます。
kは、あれだけど…目標達成おめでとうございます㊗すんばらしぃ。
ありがとオ!
どっぷり愉しみましたですよ。
期待を裏切ること無く変化に富んだ良き道でした。
飯豊、朝日、魚沼 それぞれに言い表せない「良さ」があるんです。
わざわざこの猛暑に三山駆け・・・
ツェルトでビバーク・・・
お昼過ぎからオカメノゾキ突入・・・
日付が変わった頃の下山・・・
読者としてこんなにワクワクするのは久しぶりです。
ツエルトは半分想定内なんすけどね。周りに適した木が無く、シュラフカバーかタープとかあったら良かったかもです。
toujima師匠ほか「はーえショ」から見ると理解しがたい時間軸なんでしょうか。
暑さでへばったわけではないんです。フェーン現象でもなかったし。
1)仕事の疲れが抜けきっていなかった。
2)どこかに五龍岳がゴール、、のような気持ちがあった。
最後の遅々として進まなかったのは照明が貧弱になって足を踏み外すのを恐れたためです。
半月よりちょっと満ちた月で、それにも助けられました。
不思議と「あせり」は感じませんでした。最悪、未明の3時ころまでに車に着ければと。
駒の山頂から長岡花火の音だけ聞こえました。翌日がこんなになろうとはつゆ知らず、満ち足りた夜でありましたよ。
〇井です。
このアッチェ時期によくもまぁ、いやいや大変でしたね。
これを掛けると、次は荒沢からの裏三山ですか。
これも車デポできるんで、ぜひ掛けてください。
どうもです。
枝豆がうますぎてとまりません。
ちなみにクリアアサヒのさんごー缶とあわせています。
暑さは そんげでもねがった と思っているんですけど、、。
駒〜中と中〜五龍岳をどのくらいの時間を見ればよいか、
駒の管理人氏に訊いたんですが、2時間とか2時間半とかおっしゃって、、。
で、実際歩いたら このザマで
でもおもっしぇかったですよ。てめえの力量も思い知らされたですし。
ウラは 行ぐショがいっぺいますんで 今現在は気持ちが向かないです。
木曜、時間できたら こごら界隈のお山で「ヒルに喰われツアー」とかご一緒に ぜひ!
よく気持ちが切れないものと感心しました。
自分は時計回りしてないので、今度行ってみたいと思っていますがなかなか時間取れず…と時間のせいにしています(笑)
お忙しそうなんで、そちらのブログへのコメントも長い目で待たなきゃ と思っていましたが、、
こちらへのコメありがとうございます。
B長さん、Tんばさんほか、ここを日帰りするひとたちとの次元の違いをまざまざと見せつけられた思いですYO。
魚沼の山々が光り輝く春先にでもお会いできますように。
余談ですが、B長さんのイメージって”快便王子”なのです。
って言うわたしも「下越の快便おぢさん」ですけど〜♪
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