上高地から涸沢カール、奥穂高岳へ
- GPS
- 21:20
- 距離
- 39.9km
- 登り
- 2,080m
- 下り
- 2,092m
コースタイム
- 山行
- 4:54
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 5:44
- 山行
- 5:15
- 休憩
- 3:00
- 合計
- 8:15
- 山行
- 4:10
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 4:35
天候 | 1日目 晴れ 2日目 曇り時々晴れ(雲は多いが青空も良く覗いていた) 3日目 曇り時々雨(小雨程度) |
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過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
上高地までバス 往復2,050円 沢渡駐車場 1日/600円(3日で1,800円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
1日目 ・上高地〜横尾 ほぼ勾配の無い観光コース。トイレや売店も多い。危険個所無し(3時間) ・横尾〜涸沢 ここからが登り開始。本谷橋を越えると急登。Sガレ付近は落石注意の看板あり。危険個所無し(3時間) 2日目 ・涸沢〜ザイテングラート それほどの勾配は無いが浮石の多いガレ場を行くのでコースから外れない様に。途中花畑がある。危険個所無し(1時間半) ・ザイテングラート〜穂高岳山荘 ザイテングラートは今年3人の死者を出しているという岩尾根。難易度はそれほど高くないと思われるが、勾配はかなり急な為、油断や疲労が最悪の結果を生んだのだろうか。落石注意で、これより上の穂高連峰はヘルメット着用推奨区間(1時間20分) ※穂高岳山荘は水場・売店・テント場もあり設備は充実している(ドコモの電波も入る) ・穂高岳山荘〜奥穂高岳 山荘横からいきなりの急勾配。梯子・鎖を使って登る。稜線に出た後もガレた道は落石・浮石注意。滑落すれば大怪我必至。しかし慎重に進めばそれほどの難易度ではない。身を隠す場所はなく、天候・視界が悪い時は注意が必要だろう。吊尾根方面とジャンダルム方面の分岐がある。(50分) 3日目 ・涸沢〜上高地 特になし |
その他周辺情報 | ・涸沢のテント場は500張の広大なスペースだが、基本土の上ではなく石の上にテントを張るためペグは使用できない。また、到着が遅いとかなり端っこに張る羽目になるので注意。幕営料一人・1日/1,000円 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
タオル
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
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感想
去年、北アルプスデビュー&テント泊デビューを果たし夏山シーズンを終えた時に、山相棒のmaruta27と「来年は上高地から涸沢・穂高岳行こう!南アルプスも行こう」と目標を立てたのだが、2017年夏山シーズン、これを実行に移す時が来た。
先週の仙丈ケ岳・甲斐駒ケ岳で南アルプスデビューは一応達成(玄関で挨拶した程度だけど)、今度はお盆の休みを使って登山者憧れの上高地〜涸沢カールからの奥穂高岳という王道ルートへ。
前穂高岳や北穂高岳という周辺の山への周回も案としては出たが、先週先々週と二週連続アルプスの高峰で絶不調で苦しんだ身としては自信が無く、穂高岳山荘のHPにあるルートガイドのアドバイスに従って奥穂高岳ピストンとした(HPには初めて穂高連峰に来る人は涸沢からの奥穂往復にしておけとある)
お盆休みを控え悪化する天気予報を見ながら悶々と過ごすのに疲れ、直前の予報で13日14日が僅かに回復、ここで行くしかない!と当初の予定を一日早め13日〜15日の2泊3日で計画を実行した。
■1日目
初日は上高地に着いた時点で快晴。文句なしの好天で今日がまさに登山日和。
今日涸沢までしか行けない身が悔やまれる。
上高地は人気の観光地といった風情で大混雑。登山者から避暑に来た軽装の観光客まで入り混じる独特の光景が広がる。
有名な河童橋の下を流れる梓川は川底が見えるほどの透明度で美しく、maruta27は横尾へ向かう道中ひたすら釣りがしたい釣りがしたいと訴える程。
最初は平坦な道に余裕の表情だった自分だが、テン泊装備の16キロのザックの重さに閉口し、3時間歩き横尾に着いた頃にはヘロヘロに。ここからが本格的な登りだというのに。
しかも横尾へ着いたのが13時20分頃。登山届などを出していたら涸沢のテント受付17時に間に合うか微妙な時間になってしまった。
昼食は軽くおにぎりを食べるだけにとどめ、急いで涸沢へ向かう。
ここからのコースタイムは3時間。出発が13時45分だった為一応間に合う計算だが…
本谷橋までは比較的傾斜が緩い区間。ここでタイムを稼ごうとかなり飛ばして進む。
しかし一部荷物をmaruta27に持ってもらったとはいえ、いまだ13キロほどの重さ。
このペースにかなり疲弊してしまう。
その後の急坂でついていけなくなりmaruta27に先行してもらいテントの場所を確保してもらうことにした。彼はまだ余裕がありやる気満々。3時間のコースを2時間でたどり着いてみせると意気揚々と出発した。
とはいえ自分もせめてコースタイムで涸沢に到着したい。
多くの下山して来る登山者たちに励まされながら必死で進むとコースタイムを10分ほど短縮し16時20分に涸沢ヒュッテ到着。
(maruta27は有言実行、35分前にテント場に到着し既に二人分のテントの場所も確保しテントを張っていた)
涸沢のテント場は石を平らに並べ整地されたもので、土の上にしかテントを張った事の無かった自分たちには初体験。テントを張るのも苦戦した。
暗くなってから闇に浮かぶテントの灯を眺めたり、雲が多かった割には意外に見えた星空を楽しみながらゆったりした時間を過ごした。
この日は夜はかなり冷えたが疲れもありすぐに寝てしまった。
■2日目
今日が本番。最近高峰で不調だった自分だが、朝食を取りながら状態を確認すると今日はコンディションは悪くないようだ。良かった。1週間前から胃腸の薬を飲み続けた甲斐があった。
朝の内は雲が多く日の出の時間の5時5分にモルゲンロートを拝む事は叶わず。
しかし次第に雲は晴れ青空が覗き、出発した7時過ぎ頃には晴れに変わった。
このくらいの時間に出発する人が多かったようで、ザイテングラートまでの道のりは混みあっていた。
此処より上の道は基本ガレた石の上を歩く道。中々慣れず浮石を踏みまくる。
それでも青空に力を貰いザイテングラートのとりつき部まで順調に歩を進めた。
この日の為に購入したヘルメットを被っていざ、岩尾根へ。
今年に入りすでに3人の死者が出ているというザイテングラート。注意していかなければ。
ザイテングラートは今まで経験してきた岩場と比較してもそれほど難易度が高いとはいえないと思うが、連続登山の疲労がそうさせるのか身体が重く、1時間続く急な斜度に苦労させられた。
(それでも最近の不調時に比べるとマシだったのでコースタイムよりは早く歩けた)
しかしこの区間は非常に天気が良く、ずっと絶景を眺めながら登れ非常に楽しめた。
そろそろ限界…と思ったタイミングで現れる岩にペンキで「͡コヤまであと20分」の文字。ナイスタイミング!
それから程なく穂高岳山荘到着。ここで30分程休憩し元気を取り戻す。
山荘は立派でトイレもきれい、水場も有料だが汲める穂高連峰の基地としてはうってつけの良小屋。泊まってみたいが高度的に高山病が心配だ…
さていよいよ奥穂高岳へ。
いきなり山荘横の急斜面(壁?)を梯子と鎖で一気に稜線へと登る。
その後もガレ場の道を2つほどピークを巻きながら山頂へ。
楽とは言わないが、ここまでくる登山者にとってはそれほどの難易度ではないだろう。
個人的にはここから奥穂高岳山頂よりザイテングラートの登りの方がきつかった。
山頂に着く頃に丁度雲が増してきてザイテンでの快晴は何だったんだというありさまに。
山頂で昼食を取りながら1時間ほど待つがすっきりは晴れず。
山頂でドローンや三脚で撮影していたチームがいたが、彼らもがっかりだろう。
それでも常念山脈や大天井への稜線、北穂・涸沢岳、ジャンダルム・前穂などを雲間に眺めることが出来た。
奥穂高岳山頂は西穂高岳へと続くジャンダルム方面と、前穂高岳と続く吊尾根が合流する交差点でもあるのでかなりの数の登山者が行きかっていた。
その後12時20分頃に下山開始。
このころには身体的にもかなり余裕が出来てゆったり楽しみながら下山できた。
穂高岳山荘では山荘のテン場にいたフォロワーの方と連絡が取れ、30分程雑談。楽しい時間を過ごせた。
下りのザイテングラートでも余裕があり登ってくる人と軽く雑談などを混ぜたりしながら軽快に下る。登りとは別人の自分がいたw
涸沢に着くと流石に疲労が押し寄せてきたが、ラーメンと缶ビールでテラスで乾杯していると疲れもどっか行ってしまう。下山後のラーメンが旨すぎる!
この日は中々寝付けず、次の日睡眠不足で頭痛のまま下山することになったのだが、maruta27は二日連続周囲のテントの煩さによく眠れずやはり睡眠不足だったという。
■3日目
この日は朝から小雨がぱらつきグズついた天気。
今日はもう下山するだけだが、下山も6時間かかるわけで、この頭痛のなか重い荷物を背負っていくことを考えると憂鬱だ。
今日も日の出の時間に起きてみたが何も見えないのでさっさと準備をすまし朝飯を終え下山することに。
テントの撤収も3週連続のテン泊なので慣れたもの。
頭痛は続くが身体も意外に動き4時間半ほどで下山できた。
バス停ではまたまた別のフォロワーの方と出会え、バスを待っている間またしばし雑談。
二人とも槍も大キレットも経験済みでなんか鉄人が多いなぁ…
沢渡へ戻ってきたころには二人とも疲労で眠気がかなりきていた。
駐車場の前にある露天風呂で二日間の汗を流すスッキリ。そしてさらに眠気が…w
下界まで戻る山道は眠すぎてキツかった…
お金もかかるし時間も疲労もかなりのものだったが、それでも上高地・涸沢・穂高連峰を体験できたのはすごい体験だった。
下山した時はもうしばらく高峰は来たくないと思ったが一晩寝てみるとまたアルプスに行きたくなっている自分がいる…。
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