ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 122833
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

お花いっぱいの北岳〜Long Road〜日本第二の高峰

2011年07月16日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
09:41
距離
12.9km
登り
1,841m
下り
1,818m

コースタイム

日帰り
山行
8:18
休憩
1:22
合計
9:40
5:54
5:59
9
6:08
6:09
87
7:36
7:46
118
9:44
9:57
19
10:53
11:02
21
11:23
11:32
19
11:51
11:51
12
12:03
12:04
28
12:32
12:35
5
12:40
12:51
57
13:48
13:54
83
15:17
15:18
12
15:30
ゴール地点
5:48広河原-6:14御池小屋分岐-8:25二俣分岐-9:46八本歯のコル9:51-11:19北岳山頂11:32-12:00肩の小屋12:03-12:48小太郎尾根分岐-13:51二俣13:56-15:28広河原
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2011年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
芦安駐車場情報⇒http://www.minami-alpskankou.jp/image/rinjithushajou.pdf

第4,5駐車場と第1,2,3とは高低差あります。第4以降の駐車場に止めた場合、トイレなどは坂をしばらく登って第3まで歩かなくてはいけません。
乗合タクシーは、今回は駐車場(我々の第5)まで迎えにきてくれましたが毎回そうとは言い切れません。
コース状況/
危険箇所等
これといった危険箇所はありませんが、過去に八本歯のコル付近で落石死亡事故が起こっていますので注意。

登山ポストは広河原山荘にあります。

トイレは、
*広河原インフォメーション内(朝早いと閉まっています)
*広河原山荘の外
*二俣分岐(夏シーズンのみ仮設トイレ)
*肩の小屋

にあります。

下山後、駐車場付近に日帰り温泉あり。
広河原。続々と乗合タクシーがやってきてハイカーたちを降ろしていく。
広河原。続々と乗合タクシーがやってきてハイカーたちを降ろしていく。
登山道へまっしぐら。
登山道へまっしぐら。
北岳が待ちかまえている。朝日を浴びて光ってる。
1
北岳が待ちかまえている。朝日を浴びて光ってる。
お馴染みのバットレス情報。私には関係ないが。。。
お馴染みのバットレス情報。私には関係ないが。。。
橋を渡れば登山口。
橋を渡れば登山口。
広河原山荘のトイレを利用。
登山届がここで出せます。
広河原山荘のトイレを利用。
登山届がここで出せます。
スタート。
最初の分岐点。
大樺沢へ。
沢沿いを歩いていきますが、
日差しが強いのか思ったより暑いです。
1
沢沿いを歩いていきますが、
日差しが強いのか思ったより暑いです。
沢の水で‘しろくまの気持ち’を濡らして首に巻く。
これで今日の暑さに対抗する。
沢の水で‘しろくまの気持ち’を濡らして首に巻く。
これで今日の暑さに対抗する。
北岳が少し顔を覗かせた。
1
北岳が少し顔を覗かせた。
クルマユリ。
途中にチップ制の公衆トイレがあるのか〜。
助かります。
途中にチップ制の公衆トイレがあるのか〜。
助かります。
ハクサンフウロ。
ハクサンフウロ。
北岳が姿を現した。雲一つない空に映えている。
2
北岳が姿を現した。雲一つない空に映えている。
大樺沢に沿って歩く。
大樺沢に沿って歩く。
ミヤママンネングサ
ミヤママンネングサ
快晴すぎるー!
そして雪渓。
みんな暑いけど頑張ってる。
でもでも、この暑さは丹沢とか箱根とかの山に比べたら全然。
滝のように汗が流れ落ちることはありません。
やっぱり標高が違うので暑さもマシです。
みんな暑いけど頑張ってる。
でもでも、この暑さは丹沢とか箱根とかの山に比べたら全然。
滝のように汗が流れ落ちることはありません。
やっぱり標高が違うので暑さもマシです。
ミヤマハナシノブ
ミヤマハナシノブ
振返ると八ヶ岳が見えてきました。
振返ると八ヶ岳が見えてきました。
鳳凰山。
そして大きな岩のあるところで休憩。
そして大きな岩のあるところで休憩。
バットレスが見える。
バットレスが見える。
鳳凰三山。
アップにするとよくわかる。
アップにするとよくわかる。
そして追い打ちをかけるかのように梯子のような階段が出てくる。
1
そして追い打ちをかけるかのように梯子のような階段が出てくる。
次から次へと梯子階段が続く。
次から次へと梯子階段が続く。
励ましてくれるのは青い空しかない。
1
励ましてくれるのは青い空しかない。
バッドレスー!
ツマトリソウ
まだまだ続く梯子のような階段。
1
まだまだ続く梯子のような階段。
はるか遠い頂。
やっとコルに着いた。
やっとコルに着いた。
コルからカッコイイ山が見えた。
間ノ岳。こんにちは〜♪
コルからカッコイイ山が見えた。
間ノ岳。こんにちは〜♪
青い空に登るような勢いの梯子。
なんだか私の中の今までのグダグダが少し晴れた。
テンションが上がるっ!
青い空に登るような勢いの梯子。
なんだか私の中の今までのグダグダが少し晴れた。
テンションが上がるっ!
お花もいっぱい咲いてるしーーーっ!!
お花もいっぱい咲いてるしーーーっ!!
間ノ岳をバックにテンションの高さを表してみるw
でもいまいち元気が無いのは腕の伸び具合でバレてしまう。
顔も見えないけどとっても疲れているのですwwww
4
間ノ岳をバックにテンションの高さを表してみるw
でもいまいち元気が無いのは腕の伸び具合でバレてしまう。
顔も見えないけどとっても疲れているのですwwww
旦那さまはさらに顔色が悪い。。。大丈夫か?
お花で隠してしまえばわからない。。。(ヒイ)
旦那さまはさらに顔色が悪い。。。大丈夫か?
お花で隠してしまえばわからない。。。(ヒイ)
雲を身にまとった甲斐駒が見える。
雲を身にまとった甲斐駒が見える。
またまた間ノ岳。
またまた間ノ岳。
そして富士山も。
そして富士山も。
イワヒバリも。
ペンキマークを頼りに歩いて行きます。
まぁちょっとぐらいは外れても大丈夫。。。かな。。。
ペンキマークを頼りに歩いて行きます。
まぁちょっとぐらいは外れても大丈夫。。。かな。。。
みんながんばれーっ!
1
みんながんばれーっ!
ほら、富士山からのご褒美。
ほら、富士山からのご褒美。
かわいいお花もたくさん咲いてる。。。
ハクサンイチゲ。
かわいいお花もたくさん咲いてる。。。
ハクサンイチゲ。
どれだけの種類があるんだろうってぐらい。。。
ミヤマオダマキ
1
どれだけの種類があるんだろうってぐらい。。。
ミヤマオダマキ
間ノ岳とその稜線上にある北岳山荘。
間ノ岳とその稜線上にある北岳山荘。
今回出会ったお花で一番のお気に入り。
シコタンソウ。
今回出会ったお花で一番のお気に入り。
シコタンソウ。
やっと吊尾根分岐点。
やっと吊尾根分岐点。
ハハコヨモギ?
北岳山荘。間ノ岳に行くにはあそこに泊まるかテントを張るのか。。。素敵だ。。。
北岳山荘。間ノ岳に行くにはあそこに泊まるかテントを張るのか。。。素敵だ。。。
それにしてもお花がたくさん咲いてて。。。
それにしてもお花がたくさん咲いてて。。。
山頂まであと少しだということで緊張の糸もほぐれて。。。
山頂まであと少しだということで緊張の糸もほぐれて。。。
そして素晴らしい景色を目にして。。。
思わず涙が出てきた。
そして素晴らしい景色を目にして。。。
思わず涙が出てきた。
お花たち、、、ありがとう。
お花たち、、、ありがとう。
ふと思う。。。天国ってこんな感じかもしれないね。
ふと思う。。。天国ってこんな感じかもしれないね。
山頂はすぐそこ。
山頂はすぐそこ。
見上げても花。空と花。
見上げても花。空と花。
すごい。
すごすぎるっ!
北岳の頂。
やりました。
がんばりました。
1
がんばりました。
三角点。三等なのね。
三角点。三等なのね。
富士にも歓迎。
鳳凰山にも。
バイバイ、間ノ岳とその稜線。。。
バイバイ、間ノ岳とその稜線。。。
こんなガレ場を下る。
こんなガレ場を下る。
小屋の前のテン場側の斜面には、、、またお花畑が広がってる。。。
小屋の前のテン場側の斜面には、、、またお花畑が広がってる。。。
肩の小屋。
団体さんが大きな荷物背負って歩いてくる。
団体さんが大きな荷物背負って歩いてくる。
さっき見えてた斜面のお花畑。
さっき見えてた斜面のお花畑。
シナノキンバイ。このお花たちの群生。
シナノキンバイ。このお花たちの群生。
なるほど、こちらから登ってくるとこういう楽しみがあるのかぁ。。。
なるほど、こちらから登ってくるとこういう楽しみがあるのかぁ。。。
時間がない。
御池小屋ルートは断念して、二俣ルートに進むことにします。
時間がない。
御池小屋ルートは断念して、二俣ルートに進むことにします。
延々と同じような道を下ってくると、朝見た雪渓が見えてきました。
延々と同じような道を下ってくると、朝見た雪渓が見えてきました。
二俣分岐。
やっとやっと橋に帰ってきました。。。
やっとやっと橋に帰ってきました。。。
雲に包まれた北岳。
「がんばったね。またおいで。」って言われてる気もした。。。
雲に包まれた北岳。
「がんばったね。またおいで。」って言われてる気もした。。。

感想

この海の日連休は、我が家は4連休。
最終日の山の予定は早くに立てていたのだけど、
急遽もう1日山に行きたい! ということになって
初日土曜日にもレンタカーを無事借りることができた。

どこの山に行こうかなと。
行きたい山はたくさんある。
もういつでも行けるようにとタイムスケジュールもバッチリなのもある。

だけどふと見たヤマレコで、、、
北岳日帰りしてる人が結構いることを知る。
知り合いのブロガーさんの中にも北岳日帰りをよくする方がいて
以前からずっと気にはなっていたけど、私たちには無理だと思っていた。
だって北岳だよ?
北岳って、日本の中で富士山の次に高い山だよ? (だいぶ差がありますが。。。)
普通は1泊二日で行くんだよ?
私の脚力で行けるの?
しかも日帰りで???

とりあえずスケジュールを組む。
可能かどうか綿密に。
もしかして行けるかもしれない。。。
あくまで‘かも’の想定。
前回の八ヶ岳の9時間以上の山行もこなしたし。
行けるんじゃないだろうか。
私は北岳を甘く見てるかもしれない。
もしかしたらタイムオーバーで途中敗退になるかもしれない。
それでももう北岳に行きたい気持ちは止まらない。
なんでだろう?
前日まで北岳なんて思いもしなかったのにーっ。

なぜ時間を気にするか。
当然レンタカー返却時間があるのもそうだけど、
今回問題なのが、マイカー規制があって
バス&乗合タクシーの朝の運行開始時間が遅いためだ。

なんで夏なのに6時からじゃないと山に登らせてくれないのぉ? ヾ(。`Д´。)ノ

声を大にして言いたい。
山は朝早いのが肝心なのだ。
日帰りハイカーにも優しい山にしてほしい〜!

前置きが長くなりましたが、、、
とにかく無謀ながらも北岳(標高3,193m)に日帰り挑戦します。
日本一の山はすでに制覇した。
やはり2番も登らねば。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆


前日金曜日23時過ぎに横浜を出発。
今回もまずは高速に乗らないで下道をしばらく走ります。
日付けが変わって1時頃、上野原ICから中央自動車道を利用。
甲府昭和IC(900円)で下り、芦安駐車場へ向かいました。

2時過ぎに芦安に到着しましたが、
第1〜4駐車場がすでに満車っ!

「やばいっ。出遅れた。(ノДT)」

仕方なく遠く離れた第5駐車場に車を止めました。
バス&乗合タクシーの乗り場は第2駐車場にあります。
そこまでかなりの距離が。。。
様子も何もわからない。。。
三連休初日なのに、、、油断した。。。orz

とりあえず仮眠しますが、もう気になって気になって
眠れるわけがない。
3時半。
暗闇で化粧を始める。
どうせ汗で流れ落ちるのだけど日焼け止めだけは念入りに。
と、ヌリヌリしていたら目の前に一台の大きなワンボックスカーがやってきた。
なんだかタクシーのような感じ。。。
隣に止めてあった車から男の人が飛び出て、そのタクシーに近寄る。
「お1人ですか?」
とか運転手に訊かれてる。。。

まさか。
あれが乗合タクシー???

私も慌てて車から飛び出てタクシーに近寄る。
私   「乗合タクシーですか?乗せてもらえるんですか?」
運転手「そうだよ。何人?」
私   「2人です!もう出ますか?」
運転手「もうすぐ人数揃うから揃ったら出るよ。」
私   「す、、、すぐに用意してきますっ!」

乗合タクシーが1台、第5駐車場までわざわざ来てくれたっ!!!
ラッキー♪
よかった ! 第2まで登って行かなくても、並ばなくてもいいんだ !

化粧そっちのけですぐにザックを持って乗合タクシーに乗る。
定員9名。
女子は私1人であとはみんな男の人。
そしてすぐに出発。
まだ4時前のできごとでした。

私たちの乗ったタクシーは、一番乗りで夜叉神峠ゲート前に到着。
ゲートが開く5時30分までここで待機になります。
まだ1時間以上もある。。。
トイレに行ったり化粧をしたりしばし自由時間。。。
トイレで化粧をしていると、
ここ夜叉神峠から鳳凰山に登るというおばさまと
「女は大変ですよねぇ〜。化粧とかしなきゃならないから。」
などとちょっとお喋り。

その間にも何台もの乗合タクシーがやってきて
ゲート前に一列に並びます。
自分たちがこの長〜い列の1番先頭のタクシーだなんて信じられない。
第5駐車場万歳wwww

ゲートが開くまでタクシーの中で仮眠。。。
しようかと思いましたが、
運転手のおじさんたちが大声で話ししているのが耳に入って来て
仮眠どころじゃありませんでした。

「今日は連休でものすごい人だからもう5時でゲート開けようよ?」
とゲートの守衛さんを口説く運転手さんたち。

そして5時18分、タクシーの列はゲートを越えて広河原へ向かう。
予定より早いw
日帰りハイカーには10分でも早い方がありがたいので嬉しくてしょうがない。

5:45頃、広河原に到着。
続々と乗合タクシーがやってきてハイカーたちを降ろしていく。
のりば前のインフォメーション施設はまだ開いていない。

とにかく登山道のある広河原山荘へ向かう。
北岳が待ちかまえている。朝日を浴びて光ってる。
よくきたな。
さぁ、かかっておいで。って言われてる気がする。

広河原山荘前で準備。
トイレ利用。登山届がここで出せます。

6時過ぎにスタート。
最初の分岐点。
ここで白根御池ルートと大樺沢ルートとに分かれます。
私たちは大樺沢へ。

最初はほんとに私たちはいつものごとくペースは上がりません。
人に抜かれて「こんなペースで大丈夫なのかな」と心配になりながらも
自分たちのペースを崩さないように歩きます。
始めが肝心。無理するとあとでバテてしまう。
それでも時間配分は気にしながら。。。

沢沿いを歩いていきますが、
日差しが強いのか思ったより暑いです。

沢の水で‘しろくまの気持ち’を濡らして首に巻く。
これで今日の暑さに対抗する。

北岳が少し顔を覗かせた。
「ふふふ。」って言ってる感じ。

結構足を滑らせている人がいた。
私の目の前でも すってんころりん。
あと別で顎を切って出血して応急処置してた人もいました。
だ、、、大丈夫ですか?って言いたいけど
なんだか声掛けずらい雰囲気で。。。

二俣近くになると北岳が姿を現した。
雲一つない空に映えている。
こう見るとそう大したことない高さに見える。。。
そう思った私は後で大後悔する。

雪渓の上を歩くことはほとんど無し。
空洞があるので要注意です。
歩いても端っこを4,5歩ほどかな。
でも雪渓から吹いてくる風がこの上なく涼しい〜っ!!
天然のクーラーです。

背中に朝日が当たってとても暑い。
みんな暑いけど黙々と頑張ってる。
でもでも、この暑さは丹沢とか箱根とかの山に比べたら全然。
滝のように汗が流れ落ちることはありません。
やっぱり標高が違うので暑さもマシです。

振返ると八ヶ岳が見えてきました。
先週はあの一番高いところにいたんだなぁ。。。

すぐそばには鳳凰山。

そして大きな岩のあるところで休憩。
ここが二俣の分岐。休憩ポイントです。
ここから左に八本歯、右に肩の小屋、そしてさらに右に御池小屋にも通じるルートがある。
チップ制トイレはこの岩を少し右に上がったところにあるが、夏シーズンだけの設置らしい。
ここで一休み。

と言っても日陰が無いので長居はできない。
時間も気になるので5分ほどで出発。

二俣までも結構大変だったけれど、
二俣から先もそれ以上にキツイ。
ずっとずっと登りが続く。
暑いので体力も奪われペースも遅くなってる気がする。
そしてまた虫たちが。。。
また虻かな、これ。
八ヶ岳の虻ほど襲ってはこないけれど、
立ち止まると集ってきてとてもウザい。
虫よけジェルを腕や首筋に塗ると、効き目があるのか腕には寄って来ないが
他には寄ってくる。
まさかジェルをザックや服に塗るわけにもいかず。。。
スプレー式の方が良かったかも。

そして追い打ちをかけるかのように梯子のような階段が出てくる。
1つ登るとまた次の梯子。
次から次へと梯子階段が続く。
励ましてくれるのは青い空しかない。
合成写真のような青さの空。

写真でもおわかりの通り、
珍しく旦那さまの姿がほとんど写っていません。
お仕事の疲労&ほとんど寝ずに登っているので
私の前を歩くことができない状態。。。

まだまだ続く梯子のような階段。
稜線を歩いている人たちが小さく見える。
けれど、あそこにたどり着くまでまだまだ時間がかかりそう。。。
心が折れそうになっている。
二度と北岳に来たくないとも頭のどこかで思ってる自分がいる。
でも今日で登りきらないと、また最初から歩くのはもう御免だ。
そんなふうにいろいろ嫌なことを考えていると、目の前に分岐らしき標識が見えた。

もしかしてあれが八本歯のコル???
もう少し。がんばれ。

やっとコルに着いた。
時計を見る。
予定表を見る。
山頂へ行くことはできるか?
ほぼ予定通り登ってきている。
これなら行ける!

それに、、、コルからカッコイイ山が見えた。
間ノ岳が目の前に見えたっ!
こんなに近くに間ノ岳が。。。
私たちじゃ日帰りでとても行って帰って来れない山。。。
でも目の前で見ることができただけでも幸せ。。。

そしてこれから登るであろう梯子も見えてきた。
青い空に登るような勢いの梯子。
なんだか私の中の今までのグダグダが少し晴れた。
テンションが一気に上がるっ!

お花もいっぱい咲いてるしーーーっ!!
小さな黄色いお花が咲き乱れています。

旦那さまが疲れきって元気がないので
「予定時間どおりちゃんと来れてるよ。」と励ます。

予定どおり少し休憩をとる。
ここからは眺めもいいので気分もだいぶ変わるだろう。

朽ち果てつつある足場の残骸を横目に見つつ梯子階段を登る。
その途中で雲を身にまとった甲斐駒が見える。
あの白さは、、、他には無いなぁ。。。
南アルプスの貴公子、甲斐駒ヶ岳。
いつか登れる日が来るだろうか。

そして日本最高峰富士山も見えてきた。
この連休中はかなりの人が富士登山をするのだろう。

ふと岩場を見ると、可愛らしい鳥がこっちを見てた。
イワヒバリらしい。
全然逃げようとしない。
しばし癒される。
そういえばここは雷鳥も生息しているんだった。。。
でもこんなにピーカンだと姿を現さないでしょう。
一応雷鳥を探しながら登るけれど、今日は無理と踏んでいる。

大きな岩がゴロゴロしている登山道。
この上をペンキマークを頼りに歩いて行きます。

私はテンション上がっているし、こういう岩場道も結構好き。
逆に旦那さまはもう疲れきって死にそうな状態。。。
でも私は引っ張る気持ちで先に歩く。
がんばれがんばれ。
富士山の9合目だと思ったら歩ける!
あそこより空気は全然あるし、息苦しさも全然ないっ!
足も重くないっ!
がんばれっ!

トラバース道分岐点。
キタダケソウなどはこのトラバース道に咲いているらしい。
私たちにはそんな余裕は無いのでスルーです。
(情けないことにキタダケソウの見分けも実はつかない。。。)

間ノ岳とその稜線上にある北岳山荘が見える。
超かっこいいーーーーーーーーーーーーっ!!!! ヾ(@^▽^@)ノ

そしてやっと吊尾根分岐点。
山頂まであと20分。

それにしてもお花がたくさん咲いてて。。。
山頂まであと少しだということで緊張の糸もほぐれて。。。
そして素晴らしい景色を目にして。。。
思わず涙が出てきたわたし。



来てよかった。。。がんばってよかった。。。



山頂にまだ着いてないけど、感動でホロリと泣いてしまいました。
富士山のご来光とかで感動したことはあるけど、泣いたことは初めてかも。
(山で道迷いをして泣いたことはありますw)

お花たち、、、ありがとう。
あと少しがんばるよ。

ふと思う。。。天国ってこんな感じかもしれないね。
見上げても花。空と花。
凄すぎて、何度もウルウルしてくる。

そして11時19分。北岳の頂に立つ。
本当によくがんばったっ!!!!!!

山頂からは富士、鳳凰山など周りの山も祝福してくれた。
残念なのは甲斐駒が雲に隠れて見えなくなっていたこと。
もう少し早く登れば見えたのかも。。。

もう頂の手前で感動してしまっていたので、
登頂をかなり静かに迎えた私たちです。
疲れた。。。
がんばった。。。
やっと着いた。。。
(実は私はまだ余力有り。。。w)
なぜか富士山よりキツかった。。。

ベンチに座り、とにかく飲む。そして休む。
景色をゆっくりと楽しむという余裕はあまりなかった気がします。
とにかく写真と動画だけは撮りました。

甲斐駒は雲に隠れてしまって全く見えません。
八本歯で見たのが唯一の姿でした。

10分ちょっとだけ休んで、下山することにします。
あまり休み過ぎると、身体がもう動けなくなりそうで。。。

11時半過ぎに下山体勢に入る。
ルートは白根御池小屋へと抜ける予定。

バイバイ、間ノ岳とその稜線。。。
いつか、、、いつかあの稜線を歩ける日が来ますように。

少しすると鮮やかな色の屋根が見えてくる。
肩の小屋だ。

山小屋って、自然に溶け込む色の方がいいんじゃない?って
思ったことも過去にあったけれど、今はちがう。
テントや山服の同様、鮮やかな色が映える。
写真を撮ってるとその方が絵になると思う。
まぁ、あまり毒々しい色は嫌だけど。。。

歩きにくいガレ場を下る。
かなりお疲れの旦那さま。。。足取り重し。大丈夫かなぁ。。。
私は。。。下りが得意な鹿さんタイプ。。。
今のところまだ余力あり。

両俣分岐点。
小屋に近づいてきた。
小屋の前のテン場側の斜面には、、、またお花畑が広がってる。。。
最高の季節に来た。。。

肩の小屋でバッジを購入。500円也。
休憩なしで先に進む。

団体さんが大きな荷物背負って歩いてくる。
みんな泊まりなんだなぁ。。。

さっき見えてた斜面のお花畑を間近に見る。
シナノキンバイ。このお花たちの群生地帯。
なるほど、こちらから登ってくるとこういう楽しみがあるのかぁ。。。

咲き誇るシナノキンバイ道を歩く。

そして白根御池小屋と二俣との分岐点。
ここでどちらのルートをとるか、再確認する。
下りでペースが落ちてしまったようで、
予定より少しだけ遅れてしまっていた。
この標識を信じるならば、御池小屋ルートから広河原までの時間を考えると、
到着が16時以降????
えっ???
マジで???
それはマズい。。。
遅くとも広河原に15時半には着きたい。

ということで、御池小屋ルートは断念して、二俣ルートに進むことにします。

おかしいな、時間配分がマズかったのかな。。
でもここまでも登ってくる人たちに道を譲ることが多くて
かなりの時間ロスが生じていた。
これから先も登ってくる人が増えるのでおそらくロスは増えそうだ。

この時間になると次から次へと登山客が登ってくる。
みんなしんどそうに登ってくるので、道を譲ろうと待っていてもなかなか登って来れない。
それでも‘登り優先’なので仕方なく待つことが多い。
「しんどいんで、先おりてください。」と言ってくれる人も中にはいるけれど、
団体で登ってくる人たちは、そういうことがほとんど無かった。

車で走っているときもそうだけど、
空気を読むってすごく大事なことだと思う。
高速で追い越し車線をゆっくり走ってる車の後ろに数珠つなぎになっているのを
よく見かけるし、私もその数珠の一粒になることが多々あるのだけど、
あれはバックミラーとか全然見てないんでしょうかね?
どれだけ後続車に迷惑かけているかわかってない車がたまにいます。
周りの車の速度を感じとれる感覚が無い人は高速運転しちゃだめですw
(って私が実はハンドル持つと走り屋さんになるってことバレちゃたかもw)

山でも空気を読んでいただけるリーダーが望ましい。
自分は先頭で当然のごとく‘登り優先’を主張して登ってこれるだろうけど、
果たしてその後続の仲間たちはみんな同じように歩けるかどうか。。。
以前大山(おおやま)での下り道のとき、
年配のリーダーがちゃんとパーティ全体の力量を知っていて
「特急が来るから皆さん道をあけて〜。」と快く道を開けてくれたことがあったけど、
そういう空気が読めるリーダーって果たしてどれぐらいいるんだろうと思う。


ここから先は登ってくる人たちが多いためと、
私自身も疲れが出てきたので
写真の撮影はほとんどしなくなります。
(撮影するような景色は望めないという意味でもあります。)

相変わら虻が多く、歩みを止めると集ってきます。
う〜、イライラするw

延々と同じような道を下ってくると、朝見た雪渓が見えてきました。
そして上の方はガスってきていました。
これだけガスってくれば、、、上の方では雷鳥は出てくるかもしれませんね。

二俣の分岐までがとても遠い。
地図だとそうでもなかったのになぁ。
下っても下っても二俣に着かない。

やっと二俣分岐。
簡易トイレのある場所で、休憩している人が数人いたので
私たちも休憩。。。
休憩中にも虻がウザい。。。

ここから膝への負担を減らすために仕方なくストックに頼ります。
なんせ、帰りも運転して帰らなくちゃならない。。。

歩いても歩いても辿りつかない。。。
登る時にこんなに歩いたっけ?
同じルートで帰る場合は幾度となく口から洩れてしまうセリフです。
つらいけど歩かないと帰れない。。。

もう朝から8時間歩いてる。。。
お腹が空いてきたけど、なんだか気持ち悪くて食べられない。
ゼリー飲料を今度から用意しておいた方がいいかも。。。
夏は特に暑さで食欲が落ちてしまうのでバテやすい。

この時間になると雲が多くなり、日差しはだいぶ和らいでいる。
それでも体内から放たれる熱を感じるので、沢の冷たい水でクールスカーフを濡らして首に巻く。
しんどい、、、しんどいなぁ。。。
時間的には前回の八ヶ岳と同じぐらいだけど疲労度が違う。
今日は虻に襲われてもとても走れそうにないww
少しでも睡眠を取っていたら、、、だいぶ違ってたかなぁ。。。

足が言うこときかなくなってきた。。。
岩角に足をぶつけてしまったりする。
とにかく滑ったりしないように歩く。
あと少し、あと少しと言い聞かせながら歩く。


そしてやっとやっと橋に帰ってきました。。。
しんどくてでも嬉しくて泣きそうでした。

橋を渡った後、北岳を振返ります。
雲に包まれた北岳。
あんなところに登って、帰ってきた。。。
また1つ自信がついた。
北岳、ありがとー!!

ヘロヘロで広河原インフォメーションに戻ると乗合タクシーの人たちが温かく迎えてくれました。
なんだか気分はフルマラソンを完走してゴールで迎え入れられる感じです。
料金1100円を払い、タクシーに乗込みます。
人数がすぐに集まったので、10分も経たない間に広河原を出発しました。
タクシーでやっと少しだけ眠りについた私。。。

16時過ぎに無事に芦安駐車場に着き、
ありがたいことに乗合タクシーはそれぞれの駐車場まで送ってくれました。
疲れていたし、膝が痛くなっていたので本当に助かりました。
ここ芦安には臨時Pを含めると12箇所ぐらい駐車場があるそうで、
この日も溢れるぐらいの車が詰め寄せたとか。。。

今回は、乗合タクシーのおかげで快適に駐車場⇔登山道の往復ができました。
運転手さんたちも皆いい方たちばかりで感謝でいっぱいです。
本当に気持ちの良い登山ができました。
ありがとうございました。

体力度  ★★★★★★(日帰り登山のため★を余計につけました。)
危険度  ★☆☆☆☆  (落石死亡事故も過去に有り。注意。)
整備度  ★★★☆☆
眺望度  ★★★★★★(花の時期につき★を多めにつけました。)
山スカ度 ★☆☆☆☆  (梯子系の階段多数あり。下の方は目のやり場に困るでしょう。)
虫集り度 ★★★★★  (花の季節なので大変多いです。特に虻。虫よけを万全に。)


※上は、2011年7月16日時点での個人的な評価です。季節や天候によって大きく変化します。


ブログではもっと大きな画像で記事をわかりやすくUPしています。
http://ameblo.jp/mori-kingyo/entry-10956731879.html

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コメント

下りが速いのはうらやましい
こんばんわ

mizutamariさんたちとは乗り合いタクシーお隣だったようですね。
下りの軽快なステップはうらやましかった。

あの日は結構遅い時間でも登ってくる方が多く、正直びっくりしてました、間に合うの??と。
ただ、やはりコントロールの無い団体は困りますね。
譲ってくれないかなと思いながら待っていると、みんな立ち止まるからね〜
気を付けたいものです。
2011/7/20 0:55
madahaさんへ
おはようございます!

帰りのタクシー、旦那の隣の補助椅子に座ってた方かな?
下りの様子を見られていたのですね、、、お恥ずかしいww

本当に登ってくる人たちが多かったですね。
みんな肩の小屋泊まりなのかなぁとびっくりです。
あの日はとてもしんどくて疲れたけれど、お天気にも恵まれて良い日になりましたね。^^

お近くのようなのでまたどこかの山でお会いするかもしれませんね。
2011/7/20 8:31
空がほんとに青いですね。
mizutamariさん、今晩は。

多分、肩の小屋から北岳に登る主稜線に出て、北岳に登り始めた時に、すれ違った方だと思います。夫婦づれの方は一組だけだったと思いますので。この時点ではまだ何人かとしかすれ違っていないので、記憶に残っています。

この日は朝方は快晴でしたが、mizutamariさんの写真の青空にはしびれました。僕の写真は全然駄目ですね。
mizutamariさんの腕が良いのでしょうか
2011/7/21 23:31
Futaroさんへ
コメントありがとうございます!^^

先ほど撮ってきた写真を再度見直してみたら、ここにはUPしておりませんが、11:37の写真にFutaroさんの後姿を発見しました!!!
すれ違っていましたねーw

写真を誉めていただけるとかなり嬉しいです。^^
普通のデジカメなんですが、この日は青空がすごく綺麗に撮れました。^^

それにしてもFutaroさんの58キロには脱帽です。
北岳を日帰りしただけでやっとの私たちとはさすが違いますね!!尊敬してしまいます!
2011/7/22 11:52
夏山本番ですね
多分登山道のどこかですれ違っていると思いますが
特にこの日は体調悪くて
へろへろになって北岳山荘に到着しました
青空とさわやかな風
山頂付近で夜明けを迎えると朝焼けがとても美しく感じます
またどこかでお会いしましょう
2011/7/26 11:38
otouさんへ
こんにちは!^^
北海道へ出かけていましたので返事が遅くなりました。ごめんなさい。

ルートとコースタイムを見るとどこかですれ違ってるみたいですね!
私の撮った写真にもしかしたら写ってるかもしれませんねw(UPしていない写真に)

またどこかのお山でお会い(すれ違い)できるといいですね。
2011/8/2 14:27
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無雪期ピークハント/縦走 甲斐駒・北岳 [3日]
北岳、間ノ岳:二俣、八本歯のコル経由
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

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