横尾本谷左俣遡行〜南岳〜新穂高温泉
- GPS
- 51:46
- 距離
- 27.4km
- 登り
- 1,743m
- 下り
- 2,142m
コースタイム
- 山行
- 10:10
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 11:10
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 9:00
- 山行
- 3:10
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 3:35
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
本谷橋〜南岳まではバリエーションコースです。 季節により登山道の状況が大きく変化するので注意が必要です。 本谷カールはDOCOMO電波OKです。 |
写真
感想
一度行きたかった横尾本谷左俣を遡行しキレットに登り詰め南岳へ至るコースを歩いてきました。
このルートを初めて知ったのは南岳の下に広がるカールが「天狗ノ踊り場」として紹介されていた登山ガイドですから25年ほどかかかってようやく訪れたことになります。
今回は本谷橋を渡らず沢沿いに付けられた巻道を進みます。
なお、登山者によっては橋を渡って左側の沢を歩く人や右側の巻道に入らず本谷橋から直接沢を歩く方もおられるようです
このルートは普通の登山道と違い沢の石伝いに歩きますので非常に進むのが遅くなり足にも堪えます。
途中お二人の登山者にお会いしましたが、私と違いポンポンと軽やかに進まれており、非常に羨ましかったです。
二股を超え左俣に入るとさらに勾配は急になりよりしんどくなります。
想像では蟻疑獄のようにズルズルと滑って歩きにくいのかと思っていましたが、比較的大きな石に乗りながら進むとあまり滑り落ちず歩くことができました。
二股から暫く進むと、よく落石の多い箇所として紹介される、両側が切り立った所を通りますが、秋だからでしょうか、全く落石の音がせず緊張感なく進むことができました。
しかしこの辺りから足の調子が悪くなり、大腿の筋肉がつるようになり、かなり痛みが出てきました。
暫く休んでとりあえず引きつりを緩和しゆっくりと歩き始めます。
落石の多い箇所を越えると夏場なら大きな雪渓が現れる場所を通りますが、今回は既に雪渓は崩壊し、両側の壁に少しだけ残っている状態でした。
雪渓を越えると上部に北穂ノ滝と上部二股がはっきりと見えるようになります。
北穂の池へ行くには二股を左に入る方が良いらしいですが、今回は足も痛く時間もかなり遅れていたのでそのまま右に入りカールを目指しました。
二股を超え登りつめると急に目の前が開けカール台地に飛び出します。
予定ではそのままキレットに登り詰め南岳で幕営するつもりでしたが、時間も遅く足も痛いので急遽幕営できる所を探してみるとちょうど地面が整地された幕営適地があったのでテントを建て潜り込みました。
昨日はあまりカールの中を観察することができませんでしたがよく見るとカールの中に大きな岩が集まった場所があります。
以前ガイドブックに大岩の下にクライマーがよく寝泊まりする岩窟があると書いてあったので探してみると、一斗缶が散乱し、岩を敷き詰めて地面を平にした岩窟を見つけました。
風雨も入らず、季節にもよるのでしょうが此処ならテント無しで充分泊まることが出来ると思います。
一通り近辺を散策した後、キレットへ這い上がるルートを探します。
中央の草付きの斜面が最低のコルへ這い上がるルートだと思われたのでそちらへ向かっていると丁度草付きの斜面の右側にある岩稜帯を下ってくる登山者の集団がありました。
すれ違いざまお話すると、北穂の池へ散策に行くとのことで、草つきの斜面を登ろうと思うと言うと、自分たちが下りてきた所の方が傾斜も緩く登りやすいと教えていただきました。
たしかにその斜面は遠くから見るよりかなり傾斜がゆるく全く苦労せずキレットへ登りつめることができました。
南岳小屋に到着後、昨晩はちゃんとした食事を取っていなかったので売店で丼を頂きましたがやはり調理されたご飯は美味しかったです。
食事を頂いた後、氷河公園方面へ下山するか、南岳新道を下山するか悩みましたが、計画書で南岳新道としていた事や足の調子も戻ってきたのでそのまま新道を下ることにしました。
ただ…後で考えると氷河公園方面に行かなかった事で結局今回はピークを一つも踏まない山行となってしまいました。
槍平小屋へは比較的早い時間に到着しましたが、足の状態も完全ではないのでここに幕営しゆっくりすることに。
昨日南岳小屋まで到達できなかったのでようやくここでビールにありつくことができました。
翌日、予定では奥丸山を経由して新穂高温泉に下山するつもりでしたが、そのまま右股谷を下り新穂高温泉へ下山することにしました。
途中、滝谷避難小屋の前を通るのですが、やはりこの小屋は見るからに陰な雰囲気を醸し出しています。
扉が開いていたので中を見ると70歳位でしょうか、お一人の男性が手帳に記入をしておられます。
ご挨拶すると、にこやかに「この避難小屋にも泊まれますよ」と言われます。
私は以前この小屋の評判を知る前に一度泊まったことがあり、後で考えると非常に怖い経験をしたことがあります。
夏場の雨天時に友人とこの小屋に泊まったのですが、夜半扉の前で数人の話し声がします。
入ってきたらいいのに気を使って入ってこないのだろうかと暫く会話を聞いていましたが、真夏なのにアイゼンがどうとかピッケルがどうとか話をされており、アイゼンやピッケルの擦れ合うガチャガチャした音もします。
少し会話が小さくなったところで、雨も降っているので入って頂こうと扉を開けると誰も居ません。
その時は噂も知りませんからおかしいなぁと思いながらそのまま再び寝入りましたが、後日滝谷避難小屋の噂を聞いてぞっとしました。
私は霊感など全くない体質ですが、そんな私でさえ聞こえてしまうほどこの小屋は恐ろしいのかと、二度とこの小屋には泊まるまいと思った次第です。
先ほど書物をしていた男性にその経験を話し、この小屋は一時的な遺体安置所にもなっているらしいですねとお聞きすると、そうそう私の友人が遭難した時もこの小屋に収容しましたからとニヤニヤしながら話しされます。
どうやらこの男性はこの小屋で何かしらの現象が起きることを知っていて「この避難小屋にも泊まれますよ」と言われたのだと確信しました。
新穂高温泉に下山した後は平湯温泉で汗を流し、バスで高山に出た後、名古屋経由で帰宅しました。
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