JWV 新越街道から針ノ木岳
- GPS
- 48:35
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 2,135m
- 下り
- 2,133m
コースタイム
タタミ13:50〜14:00…種池山荘15:25(泊) 夕食17:00
11日 朝食5:00
種池山荘6:00…岩小屋沢岳7:50〜7:55…新越山荘8:30〜8:40…鳴沢岳
9:40〜9:50…赤沢岳11:00〜11:30…スバリ岳13:40…針ノ木岳14:50〜
15:05…針ノ木小屋15:55(泊)
12日 針ノ木小屋6:50…大沢小屋9:15〜9:25…扇沢10:35
過去天気図(気象庁) | 2010年09月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
種池山荘〜針の木岳の間は、道はしっかりしているが稜線は要注意の事。 風が黒部湖側から吹き上げてきて、風の強い日はくれぐれも注意をしてください。 コース最大の難所はスバリ岳の登りです。 針ノ木雪渓は、雪渓の状況を事前に針ノ木小屋か大沢小屋に確認してください。 登山ポストは各登山口にあります。 入浴は、大町温泉・薬師の湯か、信濃大町駅近くの七倉荘旅館が便利です。 |
写真
感想
2010年9月10日〜9月12日
10日 晴後曇
今回の山行は、Y氏と2名なので埼玉から車で扇沢まで行く。中央道は曇り時々小雨であるが、現地に着かないと分からないので、そのまま進む。渋滞もなく3時間30分で扇沢に着く。町営無料駐車場に車を停める。駐車場はガラガラだ。現地の天候はだいぶ良くなっており、早めの昼食をバスターミナルの2階で摂る。支度をして、少し車道を下って扇沢の橋を渡り左に折れれば柏原新道登山口だ。これから種池山荘まで、標高差1120mの登りだ。2週間前に鹿島槍ケ岳から下りてきたコースなので気分的には楽だ。相変わらず気温は高く、モミジ坂の急な登りには汗をかく。コメツガの深い樹林帯をジグザグに登る。大町の市街地が見渡せる地点を通過すれば、傾斜が緩くなり、眼下に扇沢バスターミナルが見下ろせる。登山道にケルンがおかれた地点まで登ると、前方に目指す主稜線が眺められる。針ノ木沢の雪渓は、台風と大雨でだいぶ小さくなっている。明後日に下るのが少し心配だ。余りに退屈な登りなので看板を書きとめておいた。ケルン、一枚岩、石タタミ、水平道、水平岬、大曲り、石ベンチ、アザミ沢、黄金岬、ガラ場、富士見坂、鉄砲坂、そして種池山荘である。ガスが出てきたので山荘に入り、部屋に入る。今日はすいているので、楽々寝られる。どうも初日は体調が良くない。夕食まで横になる。
11日 晴
今日は天気が上々、赤沢岳を越えて針ノ木小屋までの長丁場だ。朝日に輝く蓮華岳、尖った針ノ木岳が望まれ、鞍部の針ノ木峠がはっきりと確認出来る。種池山荘を出発する登山者の大半は、鹿島槍ヶ岳、爺ケ岳を目指し、針ノ木岳方面に向かう登山者は、我々だけである。樹林に囲まれたテント場から、窪地に入る。灌木帯を抜けだした棒小屋乗越にはお花畑が広がり、花の最盛期はもっとすごいだろう。後方には赤い屋根の種池山荘と三角形の爺ケ岳が眺められる。右手には、剱岳が威風堂々と大きく鎮座している。稜線まで登り返して、灌木帯を岩小屋沢岳に向かう。山頂からは剱岳の勇姿がひときわ大きく、ハイマツの稜線の先には、鳴沢岳や赤沢岳が眺められる。しばらく下ると鳴沢岳の鞍部である新越乗越に着く。新越山荘前にはお花畑が広がり、静かでのんびり出来る場所だ。乗越から鳴沢岳に向かう。ハイマツ帯からゴツゴツした岩稜に変わって、きつい登りを標高差180m登ると鳴沢岳の山頂である。狭い山頂からは、剱・立山連峰が、素晴しい光景を見せる。稜線の先には、大きな赤沢岳が眺められる。この稜線直下には、扇沢と黒部ダムを結ぶ関電トンネルが貫通している。眼下には、扇沢のバスターミナルが眺められ、弓状の稜線を登り返すと、赤沢岳に着く。この山頂は広く絶景の休憩地点である。眺望を楽しみながら昼食を摂る。立山連峰から、五色ケ原、薬師岳、黒部五郎岳の山々が視界に飛び込んでくる。特に黒部別山越しに釼岳、源次郎尾根、長次郎谷、八ツ峰、三ノ窓雪渓、小窓ノ頭、池ノ平山が眺められ、ハシゴ谷乗越から内蔵助平、内蔵助谷が眼下にある。ここは深い谷だったと思い起こす。眼下には黒部湖がコバルトブルーの湖面を見せている。前方のスバリ岳から針ノ木岳方面は、稜線が一変し荒々しい岩肌に支配された光景に変化する。赤沢岳直下は岩がゴロゴロした斜面である。しばらくハイマツの稜線を下り、やせ尾根のもろい岩峰を黒部側から越え、スバリ岳との鞍部に出る。要注意点を無事に通過するが、ここから見上げるほどに高いスバリ岳を目指して登り返す。岩稜の道は、アップダウンを繰り返しながら高度を上げて行く。岩屑の急な斜面をジグザグに登りスバリ岳に着く。スバリ沢の深い谷の源頭である。空には雲がだいぶ出てくる。あと一つ、針ノ木岳を登れば今日は終わりである。岩ザクの斜面を下り、小スバリ岳から望む針ノ木岳は、鋭さを増し、ひときわ印象的だ。マヤクボのコルを過ぎ、砂礫を登ると、やっと針ノ木岳山頂に着く。種池山荘から8時間50分かかった。雲が湧き出てきて、展望も良くないので針ノ木小屋を目指して下る。ハイマツの稜線から岩混じりの斜面を下る途中で、やっと人に会う。小屋に荷物を置き、山頂を目指す人達だ。10時間掛ってやっと小屋に到着する。素晴らしい稜線歩きであり、後半はスリル満点のやせ尾根歩きであった。夕食まで、宿泊者とだんらんのひと時を過ごす。前回より秋が近い様だ。夜半より風雨が激しくなり、小屋を打つ風雨の音がうるさく、夜半に目を覚ます。
12日 風雨、霧、曇り
蓮華岳に再度登る予定であったが、この天候では無理だと判断し、下山とする。大半がその様にするが、一組の母子が小屋の従業員に、船窪小屋までの様子を聞いている。初めてだし、この天候では無理と思うが行くらしい。我々は、先日登って来た針ノ木沢を下る。雪渓は台風と豪雨のためほとんど崩れており、ノド付近の通過が危険なために左岸を高巻きをする。高巻きの最後は雨で濡れた滑りそうなクサリ場の連続である。後から来るグループは、女性が多いので大変だと思う。クサリ場を無事に下ると、今度は水量の多い沢と雪渓のトラバースだ。アイゼンを着けていないし、滑ると大変なので、慎重に雪渓を進み右岸に到着する。やっと終了だ。岩屑の道を下り木の仮設橋を渡り、樹林帯を進むと突然、大沢小屋が現れる。小屋が開いていると思ったら、9月5日で今シーズンは終了との張り紙が貼ってある。軒下で立ち休みをし、Y氏のくれたリンゴをかじる。扇沢までは、樹林帯の中を沢を二度ほど渡りやっと車道に出る。車道を四度ほど渡ると扇沢のバスターミナルに到着する。雨もやっとやんでくる。濡れた雨具やシャツを脱ぎ、これから大町温泉の薬師の湯に向かう。温泉で汗を流し、上信越道で埼玉に向かう。今回の山行は素晴らしい稜線歩きと、展望に恵まれとても楽しい山行であった。
次回は、逆コースを歩いてみたいと思う。
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