天狗岳〜新雪ラッセルと爆風の根石岳
- GPS
- 28:40
- 距離
- 19.1km
- 登り
- 1,410m
- 下り
- 1,400m
コースタイム
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 9:20
天候 | 3日:雪〜晴れ 4日:ガス〜晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
土曜日朝7時は3台のみ。日曜日昼過ぎに下山するとほぼ満車でした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
前日に新雪が有り全体に積雪は豊富でした。 東側のルートは西側のルートと異なり登山者が圧倒的に少ない為、ノートレースの場合が有ります。 (この日は駐車場から夏沢峠に上がるまでノートレースでした) ルートファインディングとラッセルが必要になると思って登って下さい。 【みどり池入口〜みどり池】 登山口まで林道を2回ショートカットする道がありますが見落として林道を進んでも大差はありません。 去年までの登山道は閉鎖され、数年前の台風で通行不能となっていた道に戻りました。 旧登山口から林道を少し進んだ先の橋を渡ったところに登山口が有ります。 旧道とはコマドリ沢で合流します。 【みどり池〜本沢温泉】 しらびそ小屋(みどり池)で帰る人も多いため、この先は状況によってはラッセルとなります。 みどり池湖畔を左に回り込み中山峠・本沢温泉方面に進みます。池の側は雪が吹き溜まっています。 程なく中山峠方面の道を右に分け本沢温泉への道に入ると、一気にトレースは薄くなります。 トレースが無くても樹林帯の伐採後や、標識がこまめにありますので、ルートファインディングは比較的容易です。 途中小尾根を乗越までは緩い登り、その先は緩い下りです。 松原湖方面から来る道(本沢温泉のメインルート)と合流すると一気に道は広くなり、トレースも期待できます。 キャンプ指定を過ぎひと登りすると本沢温泉です。 【本沢温泉〜夏沢峠】 積雪期に夏沢峠道を通る人は少ないため、トレースは期待できません。 小屋のすぐ先で白砂新道(冬季閉鎖)と別れと左の本沢温泉野天風呂への道を進みます。 数分で野天風呂の道を左に分けここから峠への登りとなります。樹林帯の急登となり右の主稜線から張り出した小尾根にとりつきます(国土地理院の地図では沢状の地形を峠まで詰めることになっていますが実際は違います)小尾根を主稜線直下まで登りその後夏沢峠に向かって南にトラバースしながら高度を上げて行きます。トラバース中に小沢を数回渡ります、小さな沢ですが雪崩には厳重に注意が必要です。 夏沢峠直下は傾斜がきつく、この日はスノーシューでは登れませんでした。 状況にもよりますがワカン+アイゼンの方が良いかもしれません。 登りついた夏沢峠には主稜線の縦走路が走り道の両側に小屋が有りますが、共に冬季閉鎖で冬季避難小屋も有りません。 【夏沢峠〜根石岳山荘】 主稜線縦走路を北に進み箕冠山に向かいます。なだらかな樹林帯で快適に歩けます。主稜線ですので土日はトレースが期待出来ます。 標識(赤布など)は少なめですが単純な地形ですのでノートレースでもルートファインディンは容易です。 箕冠山(標識だけで山頂らしくはありません)で道はオーレン小屋方面と主稜線縦走路に分かれ大きく右に曲がります。 分岐後は直下の根石岳山荘(平日は冬季閉鎖中)まで広い稜線を降下します。根石岳山荘の有る鞍部はいつも強い風が吹いていますので、積雪はぐっと少なくなります。小屋は土日以外は閉鎖され冬季避難小屋もありません。 【根石岳山荘〜天狗岳】 小屋の前に有る根石岳に向かって広い稜線を登ります。冬季は特にルートはなく好きなところを高いところに向かって登ればOKです。ここも非常に強い風が吹いていますので積雪は少なくクラストした斜面です。 根石岳からはこれから向かう天狗岳がよく見えます。 一旦、鞍部(白砂新道分岐)まで下りそこから天狗岳の登りとなります。 夏なら根石岳から鞍部までは稜線の左(西)側をトラバースする楽な道ですが、この時期は嫌なトラバースとなります。滑落すると面倒なことになりますので、くれぐれも慎重に進んでください。 嫌なトラバースを終えると広々とした鞍部に出てほっとしますが、ここも強風が吹き荒れています。白砂新道は夏は本沢温泉へのエスケープルートとして使えるのですが、この時期は閉鎖です。(以前一度初冬に下りましたが、地形が複雑で標識もなく苦労しました) 鞍部から目の前に見える天狗岳にとりつきます。 夏ならば30分足らずで登れる簡単な稜線の道ですが積雪期は急傾斜でスリップしない様注意が必要です。 特に頂上直下は短いながら両側が切れ落ちた細いナイフリッジとなります。最後は山頂から出ている雪庇を切り崩して頂上(東天狗)に立ちます。 東天狗岳から西天狗岳はなだらかな稜線を行きます。夏道とほぼ同じですが、帰りに東天狗山頂を通らずに中山峠方面に巻いて行く道は通れませんので一度東天狗山頂直下まで登り直す必要があります。 【天狗岳〜中山峠(黒百合平)】 東天狗岳山頂から主稜線を北に天狗岩目指して進みます。ほぼ稜線上を進みますが、天狗岩は頂上は通れず左(西)側を巻きます。トレースが無いとルートファインディングとなりますが、過去に通ったことが無いと難しいかもしれません。 天狗岩の先で左に天狗の奥庭方面の道を分けます。トレースが有ればどちらを通っても良いのですが、トレースが無い場合はそのまま稜線を中山峠方面に進んだ方がルーファイが必要無い分楽です。 稜線の道は中山峠までほぼ稜線上を進みます、右(東)側は切れ落ちていますので視界が悪いときは注意が必要です。 樹林帯に入るとすぐに中山峠です。峠を左(西)に進むと数分で黒百合ヒュッテ(通年営業)。右(東)に急降下するとみどり池(しらびそ小屋)です。 【中山峠〜みどり池】 中山峠から東に向かって急降下します。夏ならば鎖のある斜面ですが積雪期は鎖は埋まっています。正攻法なら後ろ向きになってピッケルとアイゼンでクライムダウンするのですが、この日は新雪がいい感じに積もっていましたので尻セードで一気に滑り降りました。 急下降が終わると後は樹林帯の歩きやすい道となります。この日はトレースが有りましたが、無くても標識が多くありますので、ルーファイは容易だと思います。 左に稲子岳南壁がよく見える様になると右から本沢温泉からの道を合流し、みどり池に到着します。 |
その他周辺情報 | 八峰の湯(ヤッホーの湯)に入りました。 露天風呂から八ヶ岳の展望が最高です。 食事メニューも豊富。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
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感想
この冬の八ヶ岳第5弾!?北八ヶ岳、天狗岳に行って来ました。
天狗岳は最近では冬山入門コースとして大人気で土日の黒百合平は大変な盛況ですが、東側(小海線側)の登山道は殆ど人がおらず、静かな山を楽しめます。
また、降雪直後はトレースが無いことも多く新雪に自分で道を付けながら歩ける「贅沢」が出来ます。
この日も予想通りノートレースで、駐車場から夏沢峠まで誰も歩いていない道をスノーシューでラッセルしながら歩きました。
ラッセルと言っても全く人の入らない山では無い為、腰まで埋まる様な本格的なラッセルでは無く、ワカンやスノーシューが有れば膝下ラッセルの楽々コースです。
但し今回、夏沢峠直下の急傾斜でスノーシューでは蹴り込みが出来ずにどうしても登れない場所があり、ワカンを持ってない為つぼ足でもがきながら登り夏道で1時間の所を2時間も掛かってしまいました。
山小屋の到着が大幅に遅れてしまい途中から電話を入れて遅くなる旨連絡する失態をさらしてしまいました。
天気が良かったから問題なかったのですが、やはり慣れた道でも油断は禁物ですね。
稜線まで登るなら、ワカン+アイゼンの方が合っているコースだと思いました。
いつもはこのコースは本沢温泉かしらびそ小屋泊まりでのんびり行くのですが、今回初めて稜線の根石岳山荘泊まりで行きました。
根石岳山荘は前を通過したことは何度も有るのですが、泊まったことは一度も有りませんでした。
雪の本沢温泉は毎年必ず行きたくなるのですが、今回は一大決心で温泉を捨て稜線の山小屋に挑みました(笑)
結果、本当に快適な山小屋で大満足でした。
残念ながらガス出てしまって展望は無かったのですが、きれいで暖かく快適な小屋で食事もおいしく、何よりも土曜日でありながら宿泊客が7名と非常に空いていて混雑とは無縁なのが最高でした。
冬の稜線の山小屋、赤岳天望荘と並んでこちらもはまってリピーターになりそうな予感です。
是非次回は天気の良い時に泊まって小屋の中からぬくぬくと景色を眺めたいと思います。
稜線の小屋に泊まったので翌日は楽々半日コース。朝早かった為天狗岳の山頂も独り占め出来、こちらもなかなか「贅沢」でした。
唯一、しらびそ小屋でリスに会えなかったのが心残りでしたが、おいしいコーヒーを頂きながらゆっくりして北八ヶ岳の良さを改めて感じた山行になりました。
さて、次はどこに行きましょうか?
yamayaさん、こんばんは。
先週あたりには雪山歩きに行ってらっしゃるだろうと、レコを楽しみに待っていました
前回は赤岳・硫黄岳の周回だったので本沢温泉泊で天狗岳あたりを周回と予想していました 、宿泊場所は根石岳山荘だったんですね。yamayaさんのレコを読ませていただくと、根石岳山荘はとても快適な山小屋のようですね ((φ(-ω-)カキカキ 参考にさせていただきます!
2日目の朝は爆風と-20℃の低温?、うぅ〜ん私では耐えられないかも...
厳しかった稜線歩きも天狗岳に来ると晴れ間も出てきて達成感も凄かったんじゃ無いかと思います。
コースタイムを拝見させてもらうと中山峠からみどり池まで2時間位で歩けちゃうんですね。雪道だから早いのかな?
yamayaさんのレコは毎回参考になります、私もいつかは冬期にこのルートを歩けるよう精進しないとなりませんね
権現・編笠から始まったyamayaさんの雪山歩き、阿弥陀に続き、赤岳・横岳・硫黄岳周回、今回の根石・天狗岳まで来たので残りは蓼科山で冬期八ヶ岳コンプリートですね
次回は蓼科山かな?冬期八ヶ岳コンプリート・レコ楽しみにお待ちしております!
opiroさん、こんばんは。
北海道帰りでお疲れの所、早速のコメントありがとうございます。
(留寿都のレコはこれからゆっくり見させて頂きます )
予想通り天狗岳行ってきました
今年はちょっとだけ趣向を変えて、稜線の根石岳山荘に泊まったのですが、これが大正解でした。
根石岳山荘は登山道から少し離れてい低い位置に建っているので今まで入ったことが無かったのですが、本館は趣があり、宿泊棟の新館はすごくきれいで暖かくて最高でした。何よりも稜線の小屋に泊まると翌日の行動が断然楽になるのが良いですね。東側の本沢温泉から登るとちょっと距離が有りますが、西側の夏沢鉱泉から登ると距離も近くラッセルも無いので(小屋の方が往復しています)お勧めです。
蓼科山、やはりこの冬ここだけ残すわけにはいきませんよね
本当は北横岳から縦走したいのですが、冬の記録が殆ど無いので多分誰も入って無くて猛烈なラッセルになりそうなので諦めました
どうしようか?困ったものです
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