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Yamareco

記録ID: 1390074
全員に公開
雪山ハイキング
白馬・鹿島槍・五竜

唐松岳 風と雪のバラード〜北アルプスの冬景色

2018年02月26日(月) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 富山県 長野県
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
06:10
距離
9.5km
登り
953m
下り
951m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:29
休憩
0:41
合計
6:10
距離 9.5km 登り 953m 下り 952m
8:52
17
9:09
8
9:17
7
9:24
10
9:34
94
11:08
11:23
57
12:20
12:21
22
12:43
13:06
16
13:22
13:24
27
13:51
43
14:34
7
14:41
4
14:45
7
14:52
10
ガス晴れ待ちと強風、地吹雪により遅延しています。
天候 晴れ 八方山から上は、強烈な極寒風と地吹雪
過去天気図(気象庁) 2018年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
 ゴンドラ八方駅前有料駐車場600円。
ゴンドラ+リフト2本の八方アルペンライン往復2900円。天候と運行状況によりリフト毎の購入となる場合もある。
 一昨年からゲレンデ内を滑走するには、通常のリフト券を購入しないとならない。
よって登山、BC下山にて滑走道具を用いてゲレンデ内を滑走することはできない。
コース状況/
危険箇所等
前夜の新雪5〜20cm。吹き溜まり多く、踏み抜き注意。
八方山から上は強風。特に丸山から上は極寒の強風。
下の樺〜丸山、10分でトレースを消し去る地吹雪によりツボ足、股下ラッセル。
丸山〜山頂、気温−13℃だが極寒の20m/s以上の強風で体感温度は−30℃以下。
平日は始発8時のアダム。今日の唐松岳は12時から14時以外ガスに覆われる私見予想。急いでもグラードの始発は8時50分だから余裕で乗り込む。
2018年02月26日 08:00撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 8:00
平日は始発8時のアダム。今日の唐松岳は12時から14時以外ガスに覆われる私見予想。急いでもグラードの始発は8時50分だから余裕で乗り込む。
ゴンドラからアルペンへ乗り継ぎ黒菱ゲレンデに立つ。快晴の空だがガスが漂う白馬三山。
2018年02月26日 08:22撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 8:22
ゴンドラからアルペンへ乗り継ぎ黒菱ゲレンデに立つ。快晴の空だがガスが漂う白馬三山。
早く動いたグラードに乗り八方池山荘へ。快晴の青空とガスに覆われる八方山、遠見尾根。
2018年02月26日 08:42撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 8:42
早く動いたグラードに乗り八方池山荘へ。快晴の青空とガスに覆われる八方山、遠見尾根。
新雪の八方山と先行者、冬眠中の自販機。私は12時半の登頂を目指しゆったり行く。標準CTは4時間、ゆっくり行っても概ね3時間半程度なのだが・・・スノーシューを車に置いてきて、後悔する事となる。
2018年02月26日 08:44撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 8:44
新雪の八方山と先行者、冬眠中の自販機。私は12時半の登頂を目指しゆったり行く。標準CTは4時間、ゆっくり行っても概ね3時間半程度なのだが・・・スノーシューを車に置いてきて、後悔する事となる。
第二ケルンとBCボーダー。入山者の8割がBCだ。圧雪トラック付けてもらい、楽に行こうと邪な考えの愚か者には極寒中の修行が待っている。
2018年02月26日 09:08撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 9:08
第二ケルンとBCボーダー。入山者の8割がBCだ。圧雪トラック付けてもらい、楽に行こうと邪な考えの愚か者には極寒中の修行が待っている。
今日も微笑む八方ケルン。雪原を進む登山者と閉鎖中のトイレ。
2018年02月26日 09:24撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 9:24
今日も微笑む八方ケルン。雪原を進む登山者と閉鎖中のトイレ。
八方池は雪の下、白馬三山はガスの中。
2018年02月26日 09:35撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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八方池は雪の下、白馬三山はガスの中。
稜線を歩く登山者と、白く広大な雪原。稜線上は沢からの強烈な風が吹き付ける。
2018年02月26日 09:44撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 9:44
稜線を歩く登山者と、白く広大な雪原。稜線上は沢からの強烈な風が吹き付ける。
下ノ樺から。踏み跡のない白い雪原と漂う雲。風速20m/s近い強風が吹きつける。突風も頻繁にあり踏ん張らないと歩けない。
2018年02月26日 09:50撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 9:50
下ノ樺から。踏み跡のない白い雪原と漂う雲。風速20m/s近い強風が吹きつける。突風も頻繁にあり踏ん張らないと歩けない。
下ノ樺から急登が始める。強烈な風と地吹雪により先行者の踏み跡すら消え去っている。踏み抜きツボ足、ラッセル開始。雪と氷が飛んできてピシピシと当たる。顔が痛い。
2018年02月26日 09:57撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 9:57
下ノ樺から急登が始める。強烈な風と地吹雪により先行者の踏み跡すら消え去っている。踏み抜きツボ足、ラッセル開始。雪と氷が飛んできてピシピシと当たる。顔が痛い。
BCの方はジグを切って登っていくが、どうせラッセルするなら面倒なので直登していく。スノーシューのBCボーダーや登山者がスイスイ登って行く脇で、私は踏み抜き地獄、ラッセル修行。南無三。
2018年02月26日 09:57撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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BCの方はジグを切って登っていくが、どうせラッセルするなら面倒なので直登していく。スノーシューのBCボーダーや登山者がスイスイ登って行く脇で、私は踏み抜き地獄、ラッセル修行。南無三。
唯一の救いは美しい景色を見ながら登れること。鹿島槍、五竜が見えてきた。極寒でも蹴り入れと腿上げにより、背中と頭は汗をかいている。
2018年02月26日 10:09撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 10:09
唯一の救いは美しい景色を見ながら登れること。鹿島槍、五竜が見えてきた。極寒でも蹴り入れと腿上げにより、背中と頭は汗をかいている。
強風に煽られ、地吹雪に覆われ、上ノ樺へ向かう。先行者はすぐ前で見えているにも関わらず、トレースはすでに消え去っている。ただサラサラのパウダースノーで軽く、足さばきは良い。
2018年02月26日 10:10撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 10:10
強風に煽られ、地吹雪に覆われ、上ノ樺へ向かう。先行者はすぐ前で見えているにも関わらず、トレースはすでに消え去っている。ただサラサラのパウダースノーで軽く、足さばきは良い。
振り返ると八方尾根、ガスに覆われた下界。
2018年02月26日 10:10撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 10:10
振り返ると八方尾根、ガスに覆われた下界。
白馬三山が見えてきた。大雪渓とウルップ草に思いを膨らませる。
2018年02月26日 10:19撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 10:19
白馬三山が見えてきた。大雪渓とウルップ草に思いを膨らませる。
ダケカンバと上ノ樺の急登。その先に丸山。
2018年02月26日 10:22撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 10:22
ダケカンバと上ノ樺の急登。その先に丸山。
予想通りガスが飛んでいき五竜、鹿島槍が見え始めた。
2018年02月26日 10:39撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 10:39
予想通りガスが飛んでいき五竜、鹿島槍が見え始めた。
鹿島槍ヶ岳。厳冬期の双耳峰。
2018年02月26日 10:39撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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鹿島槍ヶ岳。厳冬期の双耳峰。
不帰嶮。鋭い峰と尾根
2018年02月26日 10:48撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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不帰嶮。鋭い峰と尾根
強烈な地吹雪でおぼろな丸山ケルン。氷雪が弾丸のように飛んでくる。
2018年02月26日 11:10撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 11:10
強烈な地吹雪でおぼろな丸山ケルン。氷雪が弾丸のように飛んでくる。
地吹雪に霞む五竜岳、鹿島槍ヶ岳。
2018年02月26日 11:11撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 11:11
地吹雪に霞む五竜岳、鹿島槍ヶ岳。
丸山直下も地吹雪でトレースが消え去り、上ノ樺以上の強烈な風に煽られつつ登る。shilokoさんと同行していたなら、私の後ろで松任谷由実のBLIZZARDを歌ってくれるに違いない。
2018年02月26日 11:11撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 11:11
丸山直下も地吹雪でトレースが消え去り、上ノ樺以上の強烈な風に煽られつつ登る。shilokoさんと同行していたなら、私の後ろで松任谷由実のBLIZZARDを歌ってくれるに違いない。
たどり着いた丸山ケルン、白馬三山。風は強いが下とは全く異なり更に極寒の風。頬と鼻の頭の感覚がない。
2018年02月26日 11:13撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 11:13
たどり着いた丸山ケルン、白馬三山。風は強いが下とは全く異なり更に極寒の風。頬と鼻の頭の感覚がない。
唐松岳が見える。予想通りガスは過ぎ去っていく。
2018年02月26日 11:33撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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唐松岳が見える。予想通りガスは過ぎ去っていく。
岩稜地帯となり足場は良くなるが、風速20m/sは超える半端ない北西の極寒風で真っ直ぐ歩けない。気温−13℃体感温度は−30℃以下。
2018年02月26日 11:47撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 11:47
岩稜地帯となり足場は良くなるが、風速20m/sは超える半端ない北西の極寒風で真っ直ぐ歩けない。気温−13℃体感温度は−30℃以下。
それでも美しい景色に魅了され足が止まってしまう。五竜岳、鹿島槍ヶ岳、白岳、遠見尾根。
2018年02月26日 11:53撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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それでも美しい景色に魅了され足が止まってしまう。五竜岳、鹿島槍ヶ岳、白岳、遠見尾根。
ガスを頂きに乗せる五竜岳。
2018年02月26日 11:53撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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ガスを頂きに乗せる五竜岳。
不帰嶮。キレット奥に日本海の水平線。
2018年02月26日 12:15撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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不帰嶮。キレット奥に日本海の水平線。
頂上山荘上に到達。ややガスが多いが、この美しい日本の屋根の冬景色を見たくて地吹雪、極寒の中、登ってきた。
2018年02月26日 12:20撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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頂上山荘上に到達。ややガスが多いが、この美しい日本の屋根の冬景色を見たくて地吹雪、極寒の中、登ってきた。
ビクトリーロードを登っていく。雪庇と靴幅程度のトラバース箇所があり注意。天然のバラクバラを装着しているが、鼻の頭と頬が軽い凍傷になった。
2018年02月26日 12:20撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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ビクトリーロードを登っていく。雪庇と靴幅程度のトラバース箇所があり注意。天然のバラクバラを装着しているが、鼻の頭と頬が軽い凍傷になった。
唐松岳山頂。うさぎ平テラスで、外国人からフランス語で話しかけられ「分からない」と英語で答えた。濃い顔と醸し出す雰囲気はフランス外人部隊所属と思われるオレンジ色の憎い奴。静止して立っていられないほどの強風だが、そんなことは気にせず山座同定と撮影をする。
2018年02月26日 12:47撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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唐松岳山頂。うさぎ平テラスで、外国人からフランス語で話しかけられ「分からない」と英語で答えた。濃い顔と醸し出す雰囲気はフランス外人部隊所属と思われるオレンジ色の憎い奴。静止して立っていられないほどの強風だが、そんなことは気にせず山座同定と撮影をする。
BC2名、登山者2人しかいない山頂から南方面。五竜岳。
2018年02月26日 12:53撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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BC2名、登山者2人しかいない山頂から南方面。五竜岳。
南西方面。立山、剱岳。
2018年02月26日 12:53撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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南西方面。立山、剱岳。
北方面。不帰嶮、白馬三山。
2018年02月26日 12:54撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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北方面。不帰嶮、白馬三山。
北東方面。頸城山塊、北信五岳。
2018年02月26日 12:54撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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北東方面。頸城山塊、北信五岳。
唐松岳頂上山荘。
2018年02月26日 12:54撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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唐松岳頂上山荘。
清水尾根、遠くに黒部市、富山湾、日本海。
2018年02月26日 12:56撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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清水尾根、遠くに黒部市、富山湾、日本海。
山頂標にエビしっぽ。十字架。
2018年02月26日 12:56撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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山頂標にエビしっぽ。十字架。
妙高山、外輪山。
2018年02月26日 12:57撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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妙高山、外輪山。
山頂に居た外国人BCボーダー2名がDルンゼにドロップ。
2018年02月26日 12:57撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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山頂に居た外国人BCボーダー2名がDルンゼにドロップ。
槍ヶ岳。
2018年02月26日 12:58撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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槍ヶ岳。
赤牛岳、下には黒部川、黒部湖。
2018年02月26日 12:58撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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赤牛岳、下には黒部川、黒部湖。
薬師岳。
2018年02月26日 12:58撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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薬師岳。
立山。
2018年02月26日 12:58撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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立山。
剱岳。
2018年02月26日 12:59撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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剱岳。
山頂でミニイグルーを作っている。山頂では彼と二人だったが挨拶して先に下山した。風が強過ぎて昼食はとれない。
2018年02月26日 13:01撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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山頂でミニイグルーを作っている。山頂では彼と二人だったが挨拶して先に下山した。風が強過ぎて昼食はとれない。
頂上山荘上のピークから。ここから先、八方山ケルンまでは、人と会うこともなく稜線貸切の下山。
2018年02月26日 13:24撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 13:24
頂上山荘上のピークから。ここから先、八方山ケルンまでは、人と会うこともなく稜線貸切の下山。
主稜線にガスが迫る、五竜岳。
2018年02月26日 13:34撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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主稜線にガスが迫る、五竜岳。
13時半を回りガスに再び覆われ始めた五竜岳。
2018年02月26日 13:35撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 13:35
13時半を回りガスに再び覆われ始めた五竜岳。
美しいシュカブラ。風と雪が織り成す白い絨毯。
2018年02月26日 13:57撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 13:57
美しいシュカブラ。風と雪が織り成す白い絨毯。
シュカブラとダケカンバ。風と雪のバラードが聞こえる。
2018年02月26日 14:03撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 14:03
シュカブラとダケカンバ。風と雪のバラードが聞こえる。
頚城山塊、北信五岳。風に吹かれ下っていく。
2018年02月26日 14:04撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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頚城山塊、北信五岳。風に吹かれ下っていく。
振り返るとシュカブラに陰陽が付いて版画のようだ。
2018年02月26日 14:07撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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振り返るとシュカブラに陰陽が付いて版画のようだ。
豪快に踏み抜いた。数か所あるので注意。
2018年02月26日 14:14撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 14:14
豪快に踏み抜いた。数か所あるので注意。
この美しい風景は、しばらく忘れることはないだろう。うまく表現することができない、残念すぎる写真の腕。
2018年02月26日 14:18撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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この美しい風景は、しばらく忘れることはないだろう。うまく表現することができない、残念すぎる写真の腕。
八方池あたりまでガスが押し寄せてきた。
2018年02月26日 14:48撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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八方池あたりまでガスが押し寄せてきた。
リフトで下る影法師。また来る日まで・・・
2018年02月26日 15:20撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 15:20
リフトで下る影法師。また来る日まで・・・
東の空にはうさぎが餅をついていた。
2018年02月26日 15:23撮影 by  NIKON D700, NIKON CORPORATION
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2/26 15:23
東の空にはうさぎが餅をついていた。
撮影機器:

感想

 南岸低気圧が接近し、25日日曜夜から26日月曜深夜にかけて雪予報だった。
低気圧が太平洋へ去った後、天候の回復は関東から北西ほど早くなる。限られた時間内のみ天候が良い唐松岳へ向かうことにした。

 平日8時始発のアダムへ乗る時間から逆算して、4時に前橋を出立。道中積雪凍結もなく6時40分にゴンドラ八方駅前駐車場に到着。早く着きすぎたので少し仮眠。余裕の7時50分に起きて装備しゴンドラ駅へ。スノーシューを持ってきてはいたが、荷物になるので置いてきたことを後悔することとなる。

 往復通し券2900円が販売可なので購入。昨年からゲレンデ内を滑走するには、リフト券を購入しなければならない。登山者、BCなどアルペン券では、滑走道具を使用してゲレンデ内を滑る事は出来ない。またハイクアップ、ダウンも禁止されている。当然夜間も立入禁止。

 今日の唐松岳は12時から14時以外ガスに覆われる、適当いい加減な私見天気予想なので、余裕でゴンドラに乗り込む。また早く上に行ってもグラードクワッドが始発8時50分なので急いでもムダ。

 アルペンクワッドを降り立つと黒菱ゲレンデ。まだグラードクワッドは試運転中。第三リフト方面へ景色を眺めに行く。鎌池は雪の下。昨年秋、紅葉と八方池が美しかった時を思い出す。白馬三山もガスに覆われ良く見えない。

 少し早く始発したグラードクワッドに乗り込み八方池山荘へ。入山者の8割はBCだ。登山者は少ない。昨夜の降雪があり、BCの方の圧雪トラックを付けてもらってから、楽して行こうと邪な考え。ラッセル泥棒。ガスが取れる時間帯の登頂を目指してゆっくり行く。標準CT4時間だが、概ね3時間半かからない程度で行ける。

 青い空のもとアイゼン装備し出立。気温−12℃それほど寒くない。笑顔の八方山ケルンに見送られ広大な雪原を歩んでいく。昨夜の新雪に先行者のツボ足踏み跡がある。ほぼBCの方なのでスキートラックかスノーシュー跡が多い。登山者のトレースは少ない。そのトレースを重量級の私が踏み抜いて更に深さを増して圧雪していく。

 ガスに包まれた白馬三山が、雪の下に広がる八方池へ逆さに映る風景を頭の中で描いてみる。雪原から稜線上へ出ると不帰嶮方向から強烈な風が吹き始めた。風速20m/s近い風や突風で踏ん張らないと歩けない。

 ダケカンバが見えると下ノ樺。急登が始まる。強烈な風と地吹雪により先行者の踏み跡すら消え去っている。踏み抜いてツボ足、股下埋まってラッセル。なおかつ雪と氷が飛んできてピシピシと当たる。顔が痛い。シールハイクやスノーシューの方はスイスイ登って行く。その脇を私は踏み抜き地獄、ラッセル修行する。

 急坂なのでシールハイクの方はジグを切って登っているが、私はどうせラッセルするなら面倒なので直登していく。蹴り入れて踏み固めて地道に。スノーシューを置いてきたことを後悔。

 上ノ樺、丸山と行くが、風と地吹雪はさらに強くなり、標高が増しそれに極寒が加わる。バラクバラを装着しようかと思ったが、どうもあの息苦しさが気に入らない。よってマスクも嫌いだ。ORのソニックを持っているのだが宝の持ち腐れ。買って1回しか使ったことが無い。ゴーグルも出せずじまいで今回は使わなかった。

 地吹雪に包まれる私の左側に鹿島槍ヶ岳と五竜岳が見え始めた。予想通り正午前からガスがとれてきた。美しい景色を見ながら淡々とツボ足、ラッセルして行く。ガスに包まれた鹿島槍の双耳峰や五竜のルンゼは、厳冬期の荒々しさが見られた。shilokoさんと同行しているなら、私の後ろで松任谷由美のBLIZZARDを歌ってくれるに違いない。

 岩稜地帯に入ると足場は良くなったが、猛烈な極寒風に煽られまっすぐ歩けない。気温−13℃だが体感温度は−30℃以下。BDソロイストを装着している指すら痛い。帰宅後よく見ると鼻の頭と頬骨の所が軽い凍傷になった。最初は太陽が出ていたので日焼けかと思ったが、日に焼けた肌とは色合いが違う。私は面の皮が厚く、凍傷になるのは珍しい。

 岩稜地帯を過ぎると山荘上のピークに立つ。一気に視界が開けて大パノラマが現れる。目の前には五竜岳、そして白く連なる北アルプス、立山連峰。振り返ると唐松岳。山荘脇を歩いてビクトリーロードを歩んでいく。

 しかしここから先が超極寒の風が吹き荒れる。風速は20m/s以上で真っ直ぐ歩いていられない。雪庇の脇を眺めつつ歩き、靴幅程度しかないトラバース箇所を行く。山頂に到着するとさらに強烈な極寒風。もはや指先と顔の感覚がない。

 山頂には先行者2名と外国人BC2名がいらっしゃった。1人はイグルーを作っていてここで休憩するそうだ。空いているので三脚立てて記念撮影し、360度の景色を眺め、山座同定する。

 白く険しい立山、剱岳。穂高岳、槍ヶ岳が遠くに見える。北アルプスと立山連峰に挟まれた黒部湖は直視できないが、黒部川は少し見える。北側はガスの白馬三山、薄らと黒部市、富山湾と日本海の水平線が見える。東側には頸城山塊と北信五山。谷川や浅間山など群馬方面はガスに包まれ見ることは出来なかった。

 先ほど山頂にいた外国人BCボーダーがDルンゼにドロップし滑り始めた。しばし眺めてイグルーを作る方に挨拶して下山。極寒と悪条件には慣れている私でも、ここで昼食はとることは厳しい。

 山荘からの美しい景色を再度目に焼き付け、風に吹かれて下っていく。ここから先は八方山ケルンまで人と会うこともなく稜線貸切の下山。地吹雪と風に苦労した上ノ樺は下りでも踏み抜き連発。シリセードが出来ない締まっていないパウダースノー。

 下ノ樺からガスに包まれる遠見尾根、五竜岳と、強風と地吹雪が作り出した美しいシュカブラが一面に広がる雪原を眺める。上空は晴れているので神々しい景色に感動。風と雪のバラードが聞こえるようだ。虹と雪のバラードは札幌オリンピック。

 八方山ケルンでボードに飽きた中国人ボーダーが数名遊んでいる。八方尾根スキー場はいろいろな言語が聞こえる国際色豊かなスキー場。

 かく言う私は、うさぎ平テラスにて、いきなりフランス語で外国人から話しかけられた。フランス語は発音で分かった程度で内容はさっぱり分からない。だから「分からない」と英語で答えた。それでも何か言っているので、ジェスチャーで示すと彼は手を振って仲間の所へ歩いて行った。どうやら私を知り合いと間違えたらしい。フランス外人部隊に居そうなツラなのだろう。屈強な体と濃い顔。

 八方池山荘に着きアイゼンを外し再び五竜方面を眺める。ガスガスで何も見えない。2月下旬で下界は最高気温が高くなりつつあり、このあたりでも雪がザラメ状態。丸山の激パウと比較してしまう。慣れぬ下りリフトに乗りながら、今日の美しい風景を思い出していた。

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コメント

極寒の唐松岳お疲れさまでした。
growmonoさん
おはようございます。
もの凄い山行ですね。
丸山あたりからがまさに圧巻ですね。
とっても素敵な写真とレコ有難う御座いました。
思わずじっくり読ませていただきました。
厳しいからこそ美しいです。
昨年のgrowmonoさんの唐松レコと対になりますね。
極寒の唐松岳本当にお疲れさまでした。
2018/2/28 11:18
それでも山に登る
 こんにちは、iiyuさん。
二月下旬となり厳冬期も終わりに近付いてきましたから、谷川ではちょっと物足らず、北アルプスまで足を伸ばしました。紅葉時期以来ですね。

 晴れと強風は予想していましたが、山頂付近の寒さはやはり北アルプスです。
大陸と日本海の寒さがダイレクトに吹き付けます。ツボ足やラッセルも想定していましたが、下ノ樺から山頂までの地吹雪はすさまじかったです。

 写真にすれば見てすぐに内容を理解できると思いますが、文章にすると事細かに思い起こすことが出来ます。私には文才、文章力もありませんが、感想や出来事を客観的に連ねていると、いつのまにか長文となってしまいます。ボキャブラリの無さに尽きる駄文です。

 厳しい環境でしたが、登っているときは全くそう思っておらず、楽しく歩いておりました。白く美しい北アルプス、立山連峰の眺めが素晴らしいですからね。寒さ、吹雪、ラッセルなど気にしません。
2018/2/28 13:40
強風との闘い
growmonoさん、お疲れ様です

唐松岳の稜線は遮るのもが無いから風が強いと聞きます、特に冬は
もっと天気良いと思ったら雲が多かったのですね。
雪の唐松岳は3月とGWに行ったことがあります。
3月中の方が景色いいんだろうな。
ところで今年は若干雪が少ないように感じますが、どんな感じでしたか?
2018/2/28 17:45
風に向かって
 こんばんは、yasubeさん。

 低気圧通過後の天候回復を待てずに北アルプスへ行ってきました。
当初は平標仙ノ倉山の予定でしたが、何となく物足らない様な気がして重すぎる腰を上げました。昨年も27日に行っておりましたので、比較できるかなと思いました。

 好天だった昨年と異なり、晴れておりましたが強風と地吹雪、極寒の山行となりました。低層雲が思ったより多かったですが、強風が吹き飛ばしてくれました。当日の入山者が少なかったのは強風を嫌った影響もありますね。おかげで美しい景色を静かに堪能できました。

 3月になると気温が上昇し霞みます。良い時を狙って訪れたほうが良いですね。また4月以降は晴天率も上がるので行きやすくなると思います。私もshilokoさんを引き連れて3月か昨年同様スキー場最終日のGWに行く予定です。参考ですが八方尾根の晴天率です。http://www.happo-one.jp/gelande/outline

 ご質問ですが、雪は確かに昨年より少なく感じました。八方池脇の祠が見えてましたからね。頂上山荘手前の岩稜部もかなり露出していました。今年は八ヶ岳もそうでしたが、少ない所と多い所の差があり過ぎます。ラニーニャ現象で偏西風が蛇行している影響でしょうかね。
気象庁の累積積雪データです。これも参考にご覧になって下さい。一目瞭然です。
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/mdrr/snc_rct/alltable/smsnd_sm00.html
2018/2/28 20:20
耐え忍んで山頂へ
growmono さん、こんばんは、
山修行ですか、厳しい山へ身を投げて(厳しい訓練ですね)
アルプスの景色は違いますね(地吹雪も相当なものですね)、
五月連休は混むでしょうね、昔登った時は、唐松、五竜の小屋は空いていましたけど、今年はどうなんでしょうか、連休がつながっていますから。
踏み抜きはつらいです、予測していなかっただけ疲れます(気持ちが)
ネ、ボヤキで聞こえてるような文面「スノーシューはいいな!」気持ちわかります、(妻の体重差での沈み込みと同じ感覚なのでしょうね)
お疲れ様でした。
2018/2/28 22:30
〽分かっちゃいるけどやめられねぇ〜
 おはようございます、yasioさん。

 昨年もほぼ同日に訪れた唐松岳へ行ってきました。
足を怪我した因縁の場所でしたので、久々に行った昨年の好天と異なり晴れてはおりましたが、地吹雪と寒さの山行でした。その影響で入山者が少なかったですね。

 スノーシューは悔やみましたね。準備までして行ったのですが、距離も短くBCの方が多いだろうと邪な考えで、車に置いていきました。今回はソロですので装備は軽く18kg程度でしたから総重量は100kg程度ですね。私の横をシールハイクやスノーシューの方がお疲れ様ですと、あいさつしながらスライドしていきましたよ。強がって「新雪と景色を堪能しながら登ってます」と笑ってみせました。

 悪環境でしたが、山頂からの景色は格別ですね。白い山の連なりが素晴らしいです。さすが北アルプス寒さも風も別格でした。ただ景観的には北アより谷川主脈のほうが好きですね。見るだけでほっとするわが故郷の景色です。

 
2018/3/1 9:10
ゲスト
狙っていた晴天の日
この月曜は唐松岳行けたらピーカンだろうなぁー!と気になっていました。
(仕事でしたが)
素晴らしい青空でしたね!予報ではそれほど強風では無さそうでしたが、さすがの唐松、ここはやはり爆風の稜線なのですね。行けそうな日は毎回、大荒れ予報でなかなかこの唐松ブルーが拝めません。今冬中に行けるのか?!と思いつつ、素敵な写真と投稿に励まされました。
2018/3/1 18:02
いつか必ず
 こんばんは、solanaさん。
コメントお寄せ頂き誠にありがとうございます。

 南岸低気圧通過後の天候回復は北西からと、予想天気図を見て分かっておりました。
11時〜14時までは雲量がゼロになる予想でしたが、低層雲が思ったより多かったです。
強風が流し続けてくれたおかげで青空でした。大陸に強い低気圧がありましたので、南岸低気圧とのはざまで北アルプス上空は風が強いだろうと、予想してました。

 私も休みと天候の巡り合わせが悪く、なかなか予定した山へ行けないことが多いです。悪くても行ってしまうケースもあります。山頂や稜線上は展望が良ければ風の通りも良いですからね。強風が一番嫌いですが、悪天候には慣れてますので、楽しむように心がけて歩いてました。素晴らしい眺望が待っていますからね。

 晴天率の上がる3月下旬から4月がお薦めですね。雪が例年より少ないですので、雪解けが早いかもしれません。今後の天候次第です。
 
 昨年久々に訪れた時の唐松岳です。良かったらご覧ください。信じられないくらいの青空と白い展望です。https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1074209.html
2018/3/1 21:13
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体力レベル
3/5
無雪期ピークハント/縦走 白馬・鹿島槍・五竜 [2日]
八方池⇔唐松岳
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
ハイキング 甲信越 [日帰り]
八方尾根コース
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体力レベル
1/5

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