以東岳〜姫さゆりと薄雪草の山旅
- GPS
- 33:35
- 距離
- 33.7km
- 登り
- 2,928m
- 下り
- 2,911m
コースタイム
- 山行
- 10:34
- 休憩
- 2:11
- 合計
- 12:45
- 山行
- 7:38
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 9:23
天候 | 16日:曇〜雨・霧 17日:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
小屋の先に続く林道の路肩に駐車可能な場所があります。 トイレ、水場は小屋のものを使えます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【全般】 ルート上に残雪は数カ所有りますが、どれも短く危険は有りませんので軽アイゼンも不要かと思います。 ルート上に危険箇所や分かりにくい所は有りません。 雪解けでぬかるみが多いため転ぶと大変な目に合いますのでご注意を。 この時期、虫が沢山飛んでいます虫が苦手な人は虫除けスプレーやモスキートネット等が有った方が良いと思います。 コース上の山小屋は全て「避難小屋」ですので寝具や食料は持参する必要が有ります、管理が良き届いておりトイレを含め非常にきれいで快適です。 【日暮沢小屋〜竜門小屋】 小屋の水場の前を進み尾根に取り付きます。木の根の階段の様な急登が尾根上まで続きます、尾根に乗ると若干のアップダウンを繰り返しながら高度を上げて行きます。途中のゴロビツの水場は残雪の下でまだ出ていませんでした。 清太岩山、ユーフン山を越え竜門山直下は積雪の斜面となります、私が通過した時は雪が緩んでいてキックステップで楽に上り下りできました。 ルートは竜門山の山頂は通らず竜門小屋に向かっています、山頂は分岐を朝日岳方面に少し進んだ先に有ります。(山頂標識や三角点は有りません) 【竜門小屋〜狐穴小屋】 稜線に上がると急な登りは無く快適な稜線漫歩となります。 お花畑が広がる気持ちの良い道を南寒河山に登り少し下って登り返すと寒河山(三角点)また少し下って少し登ると北寒河山、三面へのルートが分岐します。 三方境で天狗方面のルートが別れザレた斜面を下ると狐穴小屋です。小屋の前は雪渓が残っています。 【狐穴小屋〜以東岳】 小屋の横の雪渓を横切り(目印のポールが立っています)夏道に入ります。この後以東岳山頂まで残雪は有りません。 中先峰から先は笹が茂る道になりますが道を隠す程では無く快適に歩けます笹の稜線を過ぎ岩の道になると以東岳最後の登りです、松虫岩を過ぎ一登りすると山頂です。私が登った日はガスが濃く視界はありませんでしたが、踏み跡はしっかりしており、岩に目印のペンキマークもありますのでルーファイする様な場所は有りませんでした。 【狐穴小屋〜高松峰の先】 小屋の方に教わった「姫さゆりロード」です。 小屋から直接高松峰に続く尾根に向かうショートカットルートが有ります、三方境まで登り直す必要は有りません。 尾根に乗ったら緩やかに下って行きますが、高松峰手前に急なザレ場が有ります、一応お助けの虎ロープが下がっていますが、ここは慎重に三点確保で下った方が良いと思います。 悪場を過ぎるとまた歩き易い稜線となり高松峰を過ぎると足下に「姫さゆり」が出てきます。 小屋から30〜40分ほど下ります。(往復で1時間以上は掛かります) 尚、花の時期は短いので何時行っても咲いている訳では有りません。 |
その他周辺情報 | ちょっと離れていますが道の駅にしかわの水沢温泉に入りました。何と300円! 道の駅で食事も出来ます。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
シェラフ
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感想
朝日連峰の以東岳に行ってきました。
元々昨年の秋に以東岳から大朝日岳までの朝日連峰主稜線の縦走を計画したのですが、大鳥登山口から古寺温泉への車の回送手段が無く(高額のタクシー利用は有り)泣く泣く諦めた経緯がありました。(ちょっと大げさ)
今回狐穴小屋を利用すれば日暮沢から周回が可能とのアドバイスを頂き、実行に移すことにしました。
但し、アドバイス頂いたコースでも私の体力では山中1泊では相当厳しく、帰りの長時間の運転を考えると難しいと判断し、前回登った大朝日岳は諦め以東岳のみ1泊で往復することにしました。
初夏の朝日連峰と言えば残雪とお花畑、普段あまり「花の山旅」はしないのですが今回は「花」メインで、特にこの地区限定で(?)私は見たことのない「姫さゆり」を見ることを目的に向かいました。
初日、曇り予報でしたが晴れ寄りの曇りではなく雨寄りの曇りで登るに従ってガスが濃くなり稜線に上がると雨まで降ってくる始末、雨具を着ると急に元気がなくなり以東岳も無理かな〜と思い始めました。
しかし寒河山を登り始めると辺り一面に薄雪草の群落が広がり、折からの雨で花や茎に雫を蓄えた姿は本当に美しく、一気に元気が出てきました。
山の雨は出来るだけ避けたいのですが、この時ばかりは「薄雪草を見るなら雨の日だな」と本気で思いました。
霧の掛かった稜線に広がる薄雪草の白い群落は現実感の無い夢のような景色でした。
幸い雨が強くなることは無く、予定通り昼頃に狐穴避難小屋に着きました。
小屋は無人で誰も居ないと思って居たのですが、何と昨日から上がった来たとのことで管理人の方が居りストーブまで焚いて頂いておりました。
暖かい小屋でお昼を食べ一気に元気回復し予定通り以東岳に向かいました。
雨は上がったものの生憎ガスは取れず視界は全く有りませんでしたが、足下には色々な高山植物が咲き乱れ正に「花の朝日連峰」を満喫しました。
土曜日なのに以東岳山頂も誰も居らず、今日途中で会ったのは下山中の3パーティーのみで殆ど人の居ない静かな山を満喫しました。
アルプスや八ヶ岳ではなかなかこうは行かないですね。
この時期は日が長く19時頃まで明るい為、帰りも急ぐこと無くのんびり花を見ながら帰りました。(帰りが遅くなることは予め伝えて置きました)
18時頃に小屋に戻ると、他に2名の方が到着しており、歩荷で登ってこられた小屋の方も含め4人で酒盛りが始まっておりました。
私は軽量化でアルファー米と簡単なおかずしか持っていなかったのですが、何と食事のご相伴にあずかり思いがけず豪華な食事となりました。
初めて来た私がこんなに歓待されて本当に感激しました。
食事と楽しい談笑の中「姫さゆり」の話となり見つけられなかったと話したところ、「姫さゆり」は主稜線では無く天狗に向かう稜線の高松峰の先に咲いているとの情報を頂き、その上明日朝散歩がてら案内してくれるとの願っても無いようなご提案を頂きました。
忙しい小屋の仕事が有るのに申し訳ないとは思ったのですがこの機会を逃すと「姫さゆり」を見ずに帰ることになりそうなので、ありがたくご厚意に甘えて連れて行って貰うことにしました。
快適な一夜を過ごし翌朝、晴れそうな雲行きなのですがまだ周囲の山にはガスが掛かっており視界はありませんでした。
5時過ぎに小屋を出て「姫さゆり」探しに出発、三方境から下って行くと高松峰手前で遂に幻の「姫さゆり」を発見しました。
その後、「姫さゆり」は続々と現れ、探さずに道ばたに普通に咲いている状態で正にこの稜線は「姫さゆりロード」でした。
写真で見たことはあったのですが現物を見るのは初めて、思っていた通り可憐な花でした。何十枚も写真を撮ったのは言うまでもありません。
「姫さゆり」にこだわる理由ですが、わかる人にはわかると思うのですが、私の中では「姫さゆり」=「姫しずか」です(笑)。そう思っている人は多いと思うのですが・・・。
周囲の山々のガスも次第に上がり始め、昨日全く見られなかった大展望を眺めながら姫しずかの咲くハイラルを後にして意気揚々と小屋に戻りました(ちょっとふざけすぎました)
快適でとても親切にして頂いた小屋の方にお礼を言い、また来年の再訪を約束して小屋を後にしました。
ピストンの復路は単調で退屈になり勝ちなのですが、今日は昨日のガスガスと打って変わって大展望の稜線漫歩となり退屈とは無縁でした。
以東岳から大朝日岳に続く主稜線の山々はもちろんのこと、残雪豊富な飯豊連峰も眺められました。
特に、北寒河山から分かれて三面に向かう稜線が見事で、相模山・大上戸山等の魅力的なピークが連なる稜線は是非歩いてみたいと思いました。
昨日小屋に泊まり合わせた単独行の方が三面から途中1泊で登って来たと言っておりましたが、言葉少なの中に厳しいルートの様子が窺えました。
厳しいけど魅力的なコース、また行きたいルートが増えてしまいました。
寒河三山の薄雪草の群落は昨日と打って変わって明るい青空に白い絨毯の様に映えていました。雨の幻想的な雰囲気とは全く異なり明るく快活な表情で迎えてくれました。
朝日連峰は埼玉から遠いので中々来ることが出来ないのですが、今回頑張って来て見て本当に良かったと思いました。
また来年も来よう、何時の日か三面から登ってみよう、そう思いながら下山しました。
コメント
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yamayaさん、お待ちしていましたよ〜
昨夜は格闘中と書かれていたので何処に行ったのかなぁ、もしかして屋久島かなと勝手に想像していました。
先ほどヤマレコをのぞいて見るとyamayaさんのレコがアップされている!
「おっ東北の山じゃないですか、しかも花が沢山!」
今回も長丁場お疲れさまでした、1日目はガスがかかったりと展望は効かなかったけど露に濡れてしっとりとした高山植物の花々が生き生きしているますね。
そして2日目は雲も取れ初夏らしい青空に東北ならではのドッシリとした山容が延々と続き、何処までも歩いて行きたい気持ちになります。
それにしてもはこんなにも花があるなんて凄いですね、これだけ咲いているとなかなか先に進まず2日じゃ足らなくなってしまいそうです。
今回yamayaさんが歩かれた狐穴小屋〜竜門山の間は歩いたことがありませんが、私も昔々このあたりを歩いたことがあるんです。昔々は花に視線を向けなかったので今になっては、なんてもったいないことをしていたんだろうと思ってしまいます。
毎回yamayaさんのレコを見ているとチョイスが上手いですね、今回のレコを見ていたらまた東北の山を縦走したいなぁと思いながら拝見させていただきました。
yamayaさん、次回のレコも楽しみにお待ちしております
opiroさんこんにちは。
最初は1泊で朝日連峰の主稜線縦走だ !と意気込んでいたのですが、冷静になって「山は歩けると思うけど、帰りの運転5時間は無理だなぁ」と、最後に思いとどまって無茶は止めました。それでも運転は大変でした 、やはり山形は遠いですね
さて、花の寒河山・以東岳本当に凄いことになっていました。ちょうど雪解けでタイミングが良かったのか、本当に辺り一面花だらけでした。
念願の姫さゆりも見られないかなぁと思っていたら、何と小屋の人が案内までしてくれて、願いが叶いました。東北の人は親切で温かいですね
何となく東北の山は「紅葉」とのイメージだったのですが、この季節も最高ですね、はまってしまいそうです。是非opiroさんもこの時期にも行ってみてください、お勧めですよ
今回も早々のコメント有り難うございました。
やまやさん
こんばんは。以東岳行かれたんですね!
すごい景色とか、お花畑とか、(それにヒメサユリまで!)
あらためてyamayaさんの写真をみて、感動してしまいましたが、
それより、何より「えーーー!」とうらやまし過ぎたのは
「ビール」でした……(←そこかよっ!て、怒らないでください、笑)
わたしも宴会したかったぁ〜。
山も運転もおつかれさまでした!
komemameさんこんばんは。
danyamaさんに狐穴小屋泊まりのルートをアドバイス頂いたお陰で行って来られました。
直前までは大朝日岳を回って降りるつもりだったのですが、下山後に5時間も運転する体力は無いなと思って諦めましたが以東岳だけでも十分満足できました。
本当にすごいお花畑ですね。姫さゆりも最高でした。
ビール 有りましたよ
管理人の方は6月の第2週から金土日で入っているの事で、komemameさんたちは1週間早すぎましたね。
気さくな管理人の方で取れたてのタケノコを焼いて頂いたり、いろいろご馳走になり本当に楽しかったです。
ここで耳寄りな情報、三面からの登山道今年大規模な下草刈りを行うとのことです。
北寒河山から続く魅力的な稜線、うるさい藪が無ければあの長いルートもずいぶん楽になりますよね。(行きたいなぁ )
コメントありがとうございました。
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