高天原・雲ノ平・薬師岳〜黒部源流の夏休み
- GPS
- 81:37
- 距離
- 56.9km
- 登り
- 3,946m
- 下り
- 3,936m
コースタイム
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 3:00
- 合計
- 11:25
- 山行
- 5:51
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 7:01
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 2:26
- 合計
- 9:49
- 山行
- 7:41
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 9:15
天候 | 12日:曇り・霧・小雨 13日:雨 14日:晴れ後雨 15日:晴れ後曇り・小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
有峰林道は夜間(20時から6時)通行止め、各ゲートは19時過ぎに閉鎖になりますのでご注意を。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
北アルプスの最深部と呼ばれる地域ですが、登山道の整備は行き届いており、危険な場所や間違いやすい場所などは有りません。要点のみ記載します。 【折立~薬師岳】 整備の行き届いた歩きやすい道です。登山届けは折立では無く太郎平小屋に出します。この時期富山県警の山岳レスキューも常駐しており相談も可能です。 薬師峠のテント場は混みますので出来るだけ早く着いてテントを張るのが良いと思います。テント場に受付や飲み物の販売が有ります。 薬師峠から薬師岳の往復は意外に時間が掛かりますので、遅くても昼までに出発したいところです。 【太郎平小屋〜雲ノ平】 薬師沢小屋までの下りは歩きやすい道です。薬師沢を何回か渡りますが全てしっかりした橋が架かっていますので増水時以外は安全です。 薬師沢小屋から雲ノ平は激登りです。大きな岩が多く濡れて滑ると非常に歩きにくい道です。雲ノ平の台地に乗ってしまえば後は天国のような楽な道です。 雲ノ平のテント場は山荘から1Km程離れています。受付は山荘で行います。 テント場は広いですが岩が多い傾斜地で良いサイトは少ないです。沢状の地形なので雨が降るとあちこちに水流が出来ます、キャンプサイト選びは慎重に。 【雲ノ平〜高天原】 雲ノ平山荘の前で薬師沢方面の道と分かれ小高い丘に登って行きます。ちなみにこの付近で唯一この丘の上だけdocomoの電波が来ています。 丘からは歩きやすい道を高天原峠までハイマツの中や木道を下って行きます。 高天原峠で薬師沢への道を分岐し、ひとしきり下ると岩苔小谷に出ます、沢を渡りますが橋が有ります。その後少し登ると高天原の高層湿原、高天原山荘です。 温泉は小屋から15分ほど離れています。 |
その他周辺情報 | 亀谷ゲート近くの白樺ハイツ日帰り入浴、610円。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
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感想
【長文です、お暇な時にどうぞ】
昨年悪天候で中止した高天原と雲ノ平を巡る「黒部源流の夏休み」1年遅れで行ってきました。
毎年夏のこの時期だけテントを背負って3泊で山に行くのを楽しみにしているのですが、お盆の時期は台風が来たりして天気の悪いことが多く、予定通り行けるのは2、3年に1回位でしょうか?
今年も8月の初めまでは天気が安定していたのですが、生憎この時期湿った空気が入って天気が不安定になり、結果として毎日雨に降られることとなりました。
ただ今回のコースも大縦走では無く雲ノ平でのんびりして高天原温泉に入るのが目的のゆるゆる山行だったため、雨に降られながらも予定通り歩く事が出来ました。
久々のテン泊装備出発時の重量は23Kg、現地で水を2L持った為結局25Kgもの重量になってしまいザックを見ただけで気分が落ち込むようでした。ただ初日は曇りで気温が高くなかった為ずいぶん助かりました。これで暑かったら途中でバテてしまったかも知れません。また折立から太郎平までの道が歩きやすいのも助けられました。(歩きやすい道なのでこのコースを選んだのですが)
初日意外に元気に薬師峠まで登れたので、テントを張った後はサブザックで薬師岳まで往復しました。薬師岳はアプローチが遠いのでこんな機会で無いと中々行けない山で山頂に登るのは10年ぶり位でした。生憎山頂はガスの中で視界は有りませんでしたが、久々の山頂でゆっくりしました。
テントに戻り初日は重いのを承知で担ぎ上げた沢山の食材を使って豪華に夕食を食べました。明日からはアルファー米主体の軽量化食料のみですがこのままの重装備では雲ノ平に登るのは体力的に厳しいので背に腹は代えられない苦渋の選択です(笑)
苦労して担ぎ上げた食料は殊の外美味しかったです。(食べるのに夢中で写真を撮る事はすっかり忘れてました(^o^)
2日目は今回の山行の最難関、黒部川から雲ノ平まで標高差500mの激登りです。天気は雨、まあ暑いよりはマシとポジティブにとらえました。
重たい食料は食べてしまい、雨なので水も最小限に減らして多分20kg程に荷物を減らして出発しました。
太郎からの下りは歩きやすい道で雨でも楽に進めました。薬師沢小屋で行動食を食べサプリを飲んで準備万端で雲ノ平に向いました。
激登りに加えて大きな岩と木の根の張り出した歩くと言うよりはよじ登る様な悪路、更に雨で滑って本当に辛い登りでした。標準コースタイムを30分もオーバーして2時間半の苦闘で何とか雲ノ平の台地に登り着いた時は達成感が半端無かったです。
雲ノ平は登ってしまえばその名の通り平らなので今までの激登りが嘘の様な遊歩道の様な楽々な道、雨は降り続いて居ましたが楽しく歩けました。
雲ノ平山荘でお昼を食べたかったのですが、一度休んでしまうとそのまま小屋泊まりになってしまいそうに思えたので、心を鬼にして雨の中テント場に向かいました。
久しぶりに雨の中テントを張り、濡れものを着替えて落ち着いたのは14時近い時間になっていました。朝4時過ぎから動き始め約10時間雨の中我ながらよく頑張ったと思いました。まあ大雨だったら途中で諦めていたと思いますが、年間最大の山行なので後から後悔する様なまねだけはしたくないと思っていました。テントの中でラーメンを食べながら自己満足に浸っていました。
その後横になって休んでいると雨が強くなってきたのはわかっていたのですが、最近のテントは全く雨漏りせず浸水もしないため雨音を聞きながら良い感じでうたた寝していました、ふと気がつくと耳元でちょろちょろと水音が、少し離れたところでは沢の流れる音がしていました。気になってテントの入り口を開けてみるとさっきまで涸れ沢だったところが沢になって勢いよく流れていました、そしてちょろちょろした水音の正体は自分のテントの下を流れる水の音でした。グランドシートの下にフットプリントも有る仕様の為か下を水が流れても浸水しないとは恐れ入りました。
雨は結局夜半まで降り続きました22時過ぎには雨は上がり星空が出ていたと後から人に聞いたのですが、私は19時過ぎには寝てしまい朝までまったく起きることは有りませんでした。
3日目、朝といってもまだ暗い4時に起き外を見ると多少のガスは有りますが雨は上がり良い感じです。一気に元気になって朝食を食べサブザックに荷物を詰めて今回の最終目的地「高天原温泉」に向かいました。
雲ノ平を歩いていると昨日見えなかった辺りの景色が広がりアルプスのど真ん中に居る実感がわいてきました。天気もどんどん良くなり気分も最高で進んでいると何とアクシデント発生、何でも無いところでハイマツの根に滑って転んでしまいその拍子に眼鏡が外れて落ちてしまいました。私は眼鏡が無いと視力は0.1も無いため、最悪の状態です、殆ど手探りで必死になって眼鏡を探しました、しかし手探りで見つかる訳も無く時間だけがむなしく過ぎてゆく頃、後から来た屈強の若者二人が探してくれてあっという間に見つけてくれました、本当に親切が身にしみました。せっかく探して頂いた眼鏡ですが私が探し回っているときに自分で踏んづけてしまった様で無残にもバラバラに壊れていました。幸いレンズは割れてなかった為手持ちのバンドエイドで無理矢理くっつけて何とか掛けられる状態まで直しましたが、使っている人ならわかると思うのですが遠近両用の眼鏡レンズはほんの少しズレただけで全くピントの合う位置が変わってしまうため両眼で同じ位置にピントが合わず、片目だけ見える変な眼鏡になってしまいました、遠近感がつかめずこわごわ歩いていると今度は単独行の若者が声を掛けてくれ、訳を話すと一緒に高天原まで行きましょうと同行を申し出てくれました。申し訳なかったのですがもし一人で歩いていて何かまたトラブルが有ったら怖いのでありがたく同行させて頂くことにしました。
最初は片眼でおっかなびっくり歩いて居たのですが、人間の適応力はすごいものでしばらく歩いていると、慣れてきて普通に歩けるようになりました。その後もその若者とは楽しく山の話などしながら高天原温泉までご一緒させて頂きました。
さてお目当ての高天原温泉、アクシデントにめげず行っただけの甲斐が有るすばらしい温泉でした。天気も良くアルプスのど真ん中で温泉に浸かっているのは正に極楽、なかなか去りがたく結局1時間近く長湯してしまいました。高天原山荘も趣の有る小屋で絶好のロケーション、ここに1泊して朝夕に温泉に入ったらどんなに良いだろうと思ったのですが、ここに泊まったら明日下山することは出来なくなってしまうため、後ろ髪を引かれる思いで小屋を後にして雲ノ平に戻りました。
雲ノ平には昼過ぎには戻って来たため、あちこち歩き回り雲ノ平を満喫してからテントに戻りました。この日も午後遅くから雨、夕方には雷雨となりましたが昨日の雨でこのテントが雨に強いことはわかっていたため、慌てること無く雨を楽しむ余裕が有りました。午後はゆっくり時間を掛けて眼鏡の修理、といっても工具などは無くやはりバンドエイドで色々貼り付けるだけですが、応急修理とはいえ中々良く修理でき、一応は両眼視も出来る状態になりました。今度からは眼鏡の予備を必ず持ってこようと、良い経験になりました。
4日目最終日です。今日は下山ですが黒部川まで下り太郎平に上り返して折立まで下る長丁場、決して楽な日では有りません。
5時には出発したかったのですが、撤収に手間取ったりして結局出発は昨日と同じ5時20分頃になってしまいました。
最終日は今までで一番良い天気で朝から周りの山々がすべて見えていました。
お馴染みになった黒部五郎岳や水晶岳、薬師や赤牛、のんびりした北ノ股岳、とんがり頭の笠ヶ岳など、オールスターがすべて見えました。何と遠くには槍ヶ岳も見えました。大展望を楽しみながら雲ノ平を抜けいよいよ黒部川への激下りとなります。
登りも大変でしたが下りは濡れた岩や木の根が滑りまくりで本当に大変な道でした。
途中2回も派手に転んでしまいけがは無かったのですが泥だらけになってしまいました。薬師沢小屋が見えたときは本当にほっとしました。
黒部川で泥だらけの靴や装備を洗い服装を整え、行動食を食べて最後の太郎平への登りに向かいました。
太郎平への道は雲ノ平への道とは違い穏やかな道、登りで苦労はしましたが足下が滑ることも無く歩きやすいので助かりました。この途中での出来事、太郎平も近づき登りも最終にさしかかった頃、二人の若い女性(一見初心者風)が猛烈な勢いで登ってきてあっという間に抜かされてしまいました。自称ベテランとしては面白く有りません、初心者はペース配分を知らないから困ったもんだ、等と年寄りじみた考えで見送りました。
そのお二人には太郎平小屋で追いつき少し立ち話させて頂きました。食事をして出発しようとしているとちょうど同じようなタイミングでお二人も出発する様子、少し私が出遅れたので先に進んでいるのが見えたのですが、ここは自称ベテラン、今度は颯爽と抜かしてやろうと意気込んで進んでゆきました。「初心者は下るのが下手」との読みもあり、簡単に追い越せると思ったのですが、全然距離が縮まりません、別に競争では無いので追いつかなくても関係無いのですが、私の頭の中では「初心者」と決めつけていた為追い越せない訳が無いと思い込んでいました。途中また雨が降ってきてお二人がザックカバーを付けたタイミングでやっと追いついたのですが、この時は歩き方や雨を見てすぐザクカバーを付ける事など、決して初心者で無いと確信していました。親父の図々しさで「初心者と思って簡単に追い越せると思ったがしっかりした歩き方は初心者じゃ無いですね」と話しかけると、何とフルマラソンも走るマラソンランナーとのこと、山もあちこち登っており実はすごいアスリートで、親父が太刀打ち出来る相手では有りませんでした。
よくよく考えてみれば雲ノ平に初心者の女性二人で来るわけが無いですね。
その後お二人とは折立まで山の話をしながら楽しく一緒に下りました。
雨に降られ続けた4日間でしたが、要所要所では良いタイミングで晴れてくれ、予定通り登ることが出来ました、小さなトラブルもいくつか有りました、いろいろな人との出会いも有りました、中身がぎっしり詰まった本当にあっという間の4日間でした。長い山行は色々と大変ですが、日帰りや1泊では経験できない多くのことが長い山行には有りますね。
来年も再来年もその次も、テント担いで夏休み山行絶対行くぞ!
そう改めて誓った今年の夏休み山行でした。
yamayaさん、おはようございます
まだかまだかと待ってました お盆休みに入ってから天気も余り良くなかったので、もしや山歩きは控えちゃったのかと思ったりもしていました。
一先ず「お疲れさまでした <(_ _)>」
そして今回はテントを含め20キロ超のザックを背負い、4日間で60km弱を歩かれ、多少の雨にも降られたようですが、所々の晴れ間で日本最後の秘境の素敵な景色を堪能されているので何時にない充実感と満足感に現在も浸りながら、浦学−大阪桐蔭戦を観戦されている頃でしょうか
やっぱり薬師・雲の平は一度は歩いて見たい所、折立までも埼玉からだと1日かかってしまうので、最低でも5日は必要ですね。数年のうちには都合をつけ、歩ければと思っています。
私もyamayaさんの写真で行った事のない薬師・雲の平の景色をいっぱい楽しませていただきました、ありがとうございます
opiroさんおはようございます。
いや〜浦和学院、残念でしたね、まあ相手が大阪桐蔭ですからよく頑張ったと褒めたいですね。私は次は金足農業を応援します
山の話でしたね
行ってきましたよ、高天原温泉
毎日雨に降られましたが、楽しい4日間でした。
今回久々に25Kgもの荷物でどうなる事かと思ったのですが、意外に何とかなるものですね。
荷物は軽いのが良いに決まっていますが、たまには重荷を背負って自分を試してみるのも必要ですね なぁんて、今だから言えるのですが。
折立、確かに遠かったです。ただ高速がずっとつながっているので450 Kmの距離の割には楽でした、有峰林道も完全舗装ですし。(飛騨側から入ると山道ですが、長野から上越に抜け立山インター経由で行くとずっと高速で行けます)
天気が若干悪かった事も影響したのか、夏山最盛期のこの時期の北アルプスとは思えないほど空いていたのも評価が高いですね。
opiroさんの夏山レコも楽しみにしています。
今回も早々のコメントありがとうございました。
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