双六岳・槍ヶ岳〜台風予報の西鎌尾根へ


- GPS
- 54:23
- 距離
- 40.1km
- 登り
- 3,170m
- 下り
- 3,157m
コースタイム
- 山行
- 6:49
- 休憩
- 4:16
- 合計
- 11:05
- 山行
- 4:49
- 休憩
- 2:51
- 合計
- 7:40
天候 | 6日:晴れ〜曇り〜晴れ〜雨・強風 7日:曇り〜雨〜晴れ・強風 8日:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
一般ルートでルート上に危険な場所やわかりにくい場所は有りません。 まだ積雪も有りませんので通常の夏道です。 山小屋は槍ヶ岳山荘など一部を除きそろそろ冬季閉鎖になりますのでご利用の場合は確認が必要です。 【注意点は要点のみ】 小池新道秩父沢徒渉点:まだ橋が架かっています。冬期は橋が撤去されますのでご注意を。 双六岳頂上台地:広々とした地形でガスに巻かれると危険です。視界が悪い場合は踏み跡に十分注意して進んでください。GPSが有効。 西鎌尾根上部:左俣乗越を過ぎると稜線がやせて岩場となります、要所には鎖も有りますが天気の悪い場合はスリップに注意が必要です。 槍の穂先:鎖・ハシゴで整備は万全です。浮き石も殆ど有りませんがルートを外すと大変危険です、登り下りのルート指定に沿って進んでください。 飛騨乗越〜槍平:乗越直下は飛騨沢に急降下するガラ場です。他の登山者の為にも落石など起こさないよう注意してください。 槍平小屋〜新穂高:沢沿いの道でいくつもの沢を横切ります。増水時は渡れない可能性が有ります。特に滝谷の徒渉は橋が流失して無くなっていますので、飛び石伝いに渡る必要が有り、少しの増水で徒渉不能になります。槍ヶ岳山荘等で状況を確認してから下山してください。徒渉不能の場合は奥丸山経由で中崎尾根を超え左俣谷に出る必要が有りこの迂回に5時間程度かかります。 |
その他周辺情報 | 定番ですがひらゆの森日帰り温泉に入りました。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ヘルメット
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感想
今年は8月以降週末に悪天候になるパターンが多く、今回も2週続けて台風の予報です。
貴重な3連休、天気予報に一喜一憂しながら過ごしていましたが、どうやら先週の台風24号よりは北にそれる様で最悪の本州縦断は無さそう。
但し、天気予報は土曜日曇りのち暴風雨、日曜日暴風雨のち回復、月曜日晴天でも強風、どうも芳しくない状況。
最後の最後まで行くか止めるか迷ったのですが、このコースなら初日早出して午前中に小屋に入ってしまう、もし途中で天気が急変しても営業小屋が点在しているため避難可能、2日目は半日コースなので風が収るのを待ってから出発しても良いし、ダメなら双六小屋に停滞も可能、下山日増水で槍平のコースが使えない場合は上高地周りでも下山は可能、と何とか行ける理由を付けて出発することにしました。
前日夜に新穂高の登山者用無料駐車場に入ったのですが何とガラガラ。3連休前など絶対に駐めることは不可能で鍋平に回ることを覚悟していたのですが、最上段の登山口の目の前に駐められました。本来なら喜ばしいのですが、やはり今回はダメかなぁ、とちょっと落ち込んで車中泊しました。
翌朝起きると雨は降っておらず星も出ている様子、今日は天気が荒れる前に小屋に入りたいのでまだ暗いうちにヘッデンを付けて出発しました。
元々はテント泊の予定だったのですが、さすがにこの天気予報でテント泊する元気は無いのですべて小屋泊まりとし、装備も思い切って軽量化したことも有り、快調に飛ばして小池新道を登りました。
朝のうちは天気が良く遠くに槍の穂先も見え気分良く進みましたが、シシウドが原を過ぎると雲が急速に広がり、鏡平に着いたときは槍穂高は完全に雲に隠れてしまいました。
どうも私は鏡平と相性が良くない様で、過去10回以上は来ているのですが、逆さ槍を見たのは数回有るか無いかです。
まあ今日の悪天候は想定内ですので、気を取り直して小屋のラーメンを頂き元気を回復して稜線に向かいました。
鏡平の紅葉はちょうど見頃の様で槍穂は見えなかったのですが紅葉は満喫出来ました。
荷物も軽いので弓折乗越までもあっという間、特に苦労すること無く稜線に立ちました。
天気は曇りからガスに変わって、風も強くなりましたが、まだ行動不能になるほど悪天候では無いため予定通り双六小屋に向かいました。
途中若干雨に降られましたが、雨具を着るまでも無く予定通り午前中に双六小屋に到着しました。
小屋はすべての窓が板戸で閉鎖され周囲もすべて台風に備えて片付けられており、まるで小屋締めしたような雰囲気でした。
外は強風が吹き荒れ雨も降ってきましたが小屋の中は極楽、談話室で同宿の方とのんびり雑談したりして時間を過ごしていると、天気が回復した!との声が聞こえ外に出てみると風は強いものの、強風にガスが飛ばされ急速に青空が広がって来ました。時間はまだ2時過ぎなので山頂アタックには十分な時間が有ります、急いで荷物を用意し山頂に向かいました。
今回の最大の目的は双六岳頂上台地から槍穂高の写真を撮ること。半ば諦めていただけに一気に気分が盛り上がり先を急ぎました。
登りはじめは燕や鷲羽岳方面は晴れていて槍穂はガスの中だったのですが、登るに従って槍穂のガスも取れ頂上台地に立ったときはすっかり晴れ渡っていました。光線の具合も良く北鎌尾根の山襞が黒々として今まで見た中で最高の景色となりました。
夢中になって写真を撮りまくり頂上台地だけで100枚近く撮ってしまいました。
但し、風の強さは半端でなく写真を撮るときもしっかり踏ん張っていないと体ごと持って行かれそうな強風が吹きまくっていました。
思う存分楽しんで頂上へ、頂上からはこの夏登った薬師岳や黒部源流の山々が見えて、楽しかった夏休みの思い出に浸れました。
幸い疑似好天は夕方まで続き小屋に戻るまで雨に降られることは有りませんでした。
その夜は小屋が揺れるほどの大荒れの吹き降りでしたが、小屋の中は別世界ぬくぬくと安眠出来ました。
翌朝、5時頃外を見るとまだ雨、今日は出発を遅らせるようかな?と思っていたのですが食事を終えると雨は止みガスと強風だけになりました。
今日の天気は時間とともに回復に向かいますので出発時より悪くなることは無いと判断して、少し出発を遅らせて7時前に槍ヶ岳に向けて出発しました。
西鎌尾根は久々でしたが予想以上に整備が行き届いており、強風の中でも特に不安無く歩く事が出来ました。
但し、辺りはすべてガスで展望は一切なし、晴れていれば大展望を楽しみながら近づいてくる槍ヶ岳に気分が高揚して行くのですが、今日は強風とガスの中時々雨にも降られ黙々と登って行く修行のような道でした。
幸いにも台風の南風の影響で気温が高く強風と雨の中でも身の危険を感じること無く余裕を持って進めました。
雨の中予定より早く4時間ほどで槍ヶ岳山荘到着、小屋は出発できずに昨日から停滞している人や、槍沢から今日登って来た人でごった返していましたが、3連休とは思えないほど空いており部屋は余裕でした。
夕方には天気が回復する予報だったので、ゆっくり食事をして濡れものを乾燥室で乾かしたりしながら、時間をつぶし天気の回復を待ちました。
1時過ぎには雨も止みガスが薄くなって槍の穂先がチラチラ見えるようになったので、少し早いですが穂先に登ることにしました。小屋には天気待ちの人があふれており、大人数のツアーの方も居たため天気回復を待って一斉に動き出したら穂先は大渋滞になることが必至と思われたからです。
幸い途中に人はおらず山頂も他に数人だけ、まだガスが残っていて小槍や槍ヶ岳山荘が少し見えるだけの展望でしたが静かな山頂を楽しめました。ガスの日の特権ブロッケンも出まくりで写真に写るようなクッキリしたブロッケンも現れました。空いてる山頂でゆっくりして登ってくる人が増えるのを見計らって小屋に降りました。
3時過ぎにはすっかりガスが取れ天気は一気に回復、風も収まってきました。
小屋のテラスでのんびりしながら大渋滞の槍の穂先を眺めて午後を過ごしました。
穂先を登り降りする人の列は暗くなるまで続いていました。
夕方は見事な夕焼け、槍もうっすらと染まりました。台風の名残で気温が高く夕日を見るのも全く寒くなくて楽々でした。星空を撮影するにも最高の条件だった様ですが、ちょっと横になったらそのままぐっすり寝てしまい気がついたらもう朝でした。
ちょっと寝坊しましたがこの時期は日の出が遅いため朝日の撮影はバッチリでした。
快晴で雲海が広がる中、常念岳の左から朝日が出て槍が赤く染まりました。北アルプスの山々はもちろん南アルプスや富士山まですべて見渡せました。
今日は下山だけ、心配していた滝谷の徒渉も特別増水しておらず、飛び石伝いに渡れるとの情報で最後の心配も解消されました。
飛騨乗越で稜線に別れを告げ、昨日雨とガスの中苦労して登った西鎌尾根を見ながら飛騨沢を一気に下って行きました。正面には大きな笠ヶ岳、抜戸岳から大ノマ岳に続く稜線にはクッキリと影槍が見られ最高の景色を楽しみながら下山しました。
今回台風予報で、行くかどうか相当迷ったのですが、うまい具合に台風が進んでくれて思いがけなく最高の天気になりました。
雪が来る前にもう一度北アルプスには来ようと思っていたのですが、今回の山行で「アルプス納め」にしても良いかな?と思えるような会心の山行になりました。
yamayaさん、こんばんは。
昨日は縦走3日目、あわせて帰宅時の渋滞とお疲れさまでした。
北アルプスとコメントに書かれていたので奥穂か槍かと思っていましたが、ルートが想定外でした
yamayaさんの写真や感想を見る限り、今回の天気は思ったほど大荒れにはならなかったと言うことなのかな?
2日目の行動時は風雨も強かったようですが他の行動時間の合間には晴れ間も出て、色づいた紅葉や雄大な北アルプスの山並み、槍ヶ岳山荘では台風直後のマジックアワー、翌朝には御来光も拝め、ホント会心の山行でしたね
今回もyamayaさんの天気読みの決断力と行動力には感心させられちゃいます、私達も当初の予定は5日から上高地−槍ヶ岳−南岳−上高地を組んでいたのですが南岳でのテン泊が危うかったので予備プランの東北へ早々と変更となりました
yamayaさんのレコを拝見させてもらうと、小屋泊まりなら行けたのかな?...と、後の祭りですね
いやいやyamayaさんが早々と「アルプス納め」って事は無いでしょ?
今日の夕方の天気予報では来週半ばには太平洋高気圧が弱まり、大陸から秋の高気圧が降りてくるので天気も安定してくるって解説してました。
次回は「アルプス納めレコ」
opiroさん、おはようございます。
今回の山行は直前まで行くかどうか迷ったのですが、思い切って行って正解でした。
だいたい無理して行くと天気は悪い方に傾いて痛い目に遭うのですが、今回だけは私の希望以上の良い天気に恵まれました。
まあ、たまにはこんなボーナスみたいな日があっても良いですね
槍ヶ岳は上高地から登ることが多いのですが、いつもとは違ったルートから登ってみました。
双六岳から見る槍ヶ岳の姿は、私が好きな山の景色のベスト3に入る場所ですので定期的に行きたくなります。今回は絶景は無理だろうと半ば諦めていたので、晴れたときは本当に興奮しました。このコース、槍に向かうにはちょっと距離は長くなりますが意外に楽で上高地側より圧倒的に空いていますのでお勧めです。
「アルプス納め」そうですね、やっぱり雪の積もった景色を見ないで「納め」は早すぎますかね
今回も素早いコメントありがとうございました。
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