記録ID: 1796178
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積雪期ピークハント/縦走
白山
幽寂閑雅な長き雪稜を越えて!「笈ヶ岳&大笠山」[桂湖から]
2019年04月16日(火) [日帰り]


体力度
8
2〜3泊以上が適当
- GPS
- 11:51
- 距離
- 32.1km
- 登り
- 2,652m
- 下り
- 2,643m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 10:53
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 11:47
距離 32.1km
登り 2,652m
下り 2,655m
4:20
46分
通行止めゲート
16:07
通行止めゲート
(歩行ペースは積雪の状態で大幅に異なるので、余裕を持った計画が必要)
天候 | 快晴♬ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
・現在、国道156号線から約300mほどの地点で通行止め ・ゲート前は10台ほど駐車可能 ●通行止めゲートから大畠谷橋(登山口)まで自転車を利用 ・自転車区間は片道7.8km(全区間、舗装車道) ・ゲートから境川ダムまで標高差220m、約4kmの長い上り坂あり ・往路は約50分、復路は約25分要した(折畳自転車) |
コース状況/ 危険箇所等 |
★登山道整備度:-(良5・4・3・2・1悪)階段や木道、鎖等の整備度 ※大笠山までは夏道(登山道)あり ★体力難易度 :5(難5・4・3・2・1易)歩行距離、累積標高差、急登等 ★技術難易度 :4.5(難5・4・3・2・1易)岩場等の頻度及び危険性等 ★登山道の眺望:4(良5・4・3・2・1悪) ★山頂の眺望 :5(良5・4・3・2・1悪) 【すれ違った登山者の数:0人】 ◆ルートの状況(大畠谷橋⇔前笈ヶ岳⇔大笠山) ・登山口の大畠谷橋は、積雪期は床板を外しているため一般の通行は困難。そのため、基礎桁を足場にして通行する。高度感はあるものの足場と手摺ワイヤーがあるので特段の危険性は少ないが、慎重に通過しよう。 ・大畠谷橋を通過してから標高差100mほどは梯子、鎖等を利用して急登を登っていく。夏道に積雪があると厳しい区間だが、残雪はなかった。 ・大畠谷橋から夏道を歩いていると標高700m付近から残雪が見られ始める。その後、標高900m弱まで夏道と雪道のMixとなり、標高900m以上は全区間雪面歩きとなった。 ・標高1200m付近までは急登が多いが、それ以降、標高1522mの前笈ヶ岳までは、比較的穏やかな稜線の雪原歩きとなり歩きやすい。 ・前笈ヶ岳から約1.3kmの区間は、標高1500m前後のアップダウンが多くなる。今回はピークの登り返しを極力避けるため南西斜面をトラバースした。アカモノの頭周辺は痩せ尾根もあるので注意して通過したい。 ・アップダウン区間を通過後、標高1500m程度から大笠山まで見晴らしの良い雪稜が続く。また、標高1600m付近には35度程度の斜面が短区間あるので下りは雪質によって注意が必要。 ・大笠山の山頂部は広範囲に平坦な雪原が広がり、360度の展望が見渡せる。山頂避難小屋は屋根まで雪に埋設しているため、現時点で利用する場合は、かなり除雪する必要あり。 ◆ルートの状況(大笠山⇔宝剣岳⇔錫杖岳⇔笈ヶ岳) ・大笠山から笈ヶ岳までの主稜線は、夏道が整備されておらず、無雪期は藪に覆われるため残雪を利用して歩行できる玄人向けルート。主稜線は標高差300mほどを下り、やや難所の宝剣岳と錫杖岳のピークを越えながら登り返していく。 ・基本的に稜線に沿って進んでいくが、不安定な雪庇区間もあり、西側をトラバースして進む区間も多かった。また、一見すると安定に見える広い雪庇上も隠れ亀裂が非常に多く、特に復路は雪が緩んだため、10回ほど腰まで落ちてしまった。亀裂は深いので降雪直後は十分に注意が必要。 ・大笠山から最低鞍部までの稜線は、比較穏やかで雪庇も安定しており、隠れ亀裂以外は危険性の高い箇所はない。樹木の位置を確認しながら安定した雪面をルーファイして歩く。 ・最低鞍部から笈ヶ岳までの稜線は、核心部の宝剣岳と錫杖岳のピークを通過する必要があり、それぞれのピークの北側は、斜面勾配が40〜45度ほどの区間がある。何百mも滑落するような高度感はないが、雪質や雪の付き方によっては注意が必要。本日は雪面が凍結していたので、雪面を何度も蹴り込んで登ったが、復路は錫杖岳の北側斜面のみ、慎重に後ろ向きでクライムダウンした。 ・笈ヶ岳山頂部のスペースは比較的狭いが、北アルプスの峰々をはじめ、360度の素晴らしい眺望が見渡せる。特に霊峰白山は近距離であるため、大迫力で山体を間近に見ることができる。 ◆本日の積雪状態と雪山装備 ・標高700m以上から雪が多くなり、標高900m以上は完全に雪山となっている。大笠山から笈ヶ岳までの主稜線も全て残雪に覆われ、藪歩きはなかった。 ・例年に比べ雪解けが遅れているようで、標高1500m以上は残雪量も多く、未だに明瞭な雪庇が残っている。 ・本日の雪山装備は、12本爪アイゼン、ピッケル、ストック、ワカン、20mザイル等を持参した。12本爪アイゼン及びストックはほぼ全区間、ピッケルは宝剣岳から笈ヶ岳間で使用し、20mザイルは使用しなかった。 ・本日は、夜の冷え込みで雪面が凍みてくれたので、朝方はアイゼンが良く効いて歩きやすかったが、午前10時を過ぎると気温が上昇して雪が緩み始め、復路は踏み抜きが多発でワカンを装着した。全般的に雪の締まりはイマイチなので、しばらくはワカンやスノーシューを持参したほうが良さそう。 |
写真
感想
今回の山行は、残雪期限定の山として有名な日本二百名山の1つである「笈ヶ岳」に登ってみました。
当初は、一般的に良く歩かれる南側のシリタカ山方面から登る予定でしたが、今年度は登山口までの車道が工事中で徒歩でも通過できないとのこと。
そこで、北側の大笠山からアタックしようと、先週の猿ヶ馬場山に来た際、周辺の積雪量や通行止め状況を確認して、満を持してトライしてみました。
今年は小雪と言われていましたが、3月、4月の低温で雪解けは遅く、標高1500m以上は例年程度以上の残雪量で、3月頃の雪山を思わせる雪稜歩きが続きました。
今回は、久しぶりのロングハイクでバテ気味だったり、雪壁が凍結して下りでビビったり、雪庇の隠れクラックに落ちまくったり、飲み水が足りなかったりと満身創痍なところがありました。
しかし、それにも増して絶景に囲まれたダイナミックな雪稜歩きは充実感、達成感が半端なく、非常に満足度の高い山行になりました。
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