残雪の春山縦走 北ノ又川周回(荒沢岳〜兎岳〜中ノ岳〜越後駒ヶ岳)
- GPS
- 25:31
- 距離
- 32.5km
- 登り
- 2,969m
- 下り
- 2,999m
コースタイム
- 山行
- 1:05
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 1:32
- 山行
- 7:01
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 7:47
天候 | 5/1:曇りのち雨 5/2:みぞれのち晴れ 5/3:快晴 5/4:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 温泉 銀山平温泉 白銀の湯 650円 https://www.iine-uonuma.jp/stay/higaeri_onsen/spa_shirogane.html 食事 ファミリー食堂 蘭奈(らんな) https://ameblo.jp/ranna-2oxx/ メニューいろいろ、ボリューム大でした。 からあげ、エビフライがせっとになったレディースセット&野菜炒めでエネルギーチャージ。 |
写真
感想
【ルート】
下調べの際、mokoさんの↓記録があり、
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-25978.html
こちらを参考に計画をしました。
荒沢岳への登りは夏道でなく、蛇子沢左岸の尾根。
【準備】
雪山テント縦走。一番きびしい山行パターン。
楽しみな一方、久々だったので、決まってから、荷物を背負って乗り切れるか、寒さ大丈夫か、などなど心配が募る。
ザックに荷物を詰めてみるとパンパンではちきれそうな状態。、まだ直前に詰めるものも入っていないのにこの状態ではまずい・・・となり着替えを減らしたり、減らせるものがないか再点検したり、圧縮したり、じたばたしてひとまずパッキング完了。慌ただしく出発のときを迎えた。
【4/30】
移動日。渋滞回避のため、静岡を4:00発。
●山菜ゲット
小出インターを出ると、農産物直売所 うおぬま 百菜花んがあり、入ってみる。各種山菜が並び、すごい勢いで売れている。うるい、うど、こごみ・・・買い占めんばかりに、かごにぼんぼん入れているお客さんもいる。お得な半額もある。そんな雰囲気もあって、ここで買わねば!となり、魚沼に着くなり初っ端からいろいろ買ってみる。夕飯はここでゲットした山菜フルコースになる。
こごみ、やはり美味しい!
【1日目 5/1】厳しい藪をクリアして荒沢岳肩へ
出発時天気は曇り。
6:00、SJさんと銀山平で待ち合わせ。さっそく準備して出発する。
蛇子沢左岸尾根はスムーズに取りつけた。荷物は重いけれど、春の締まった雪は歩きやすい。今日は荒沢岳まで着ければ良いのだから、ゆっくり行こう。雪を踏みしめながら、一歩ずつゆっくり感覚を取り戻し、心配ばかりの心が少し軽くなる。標高が上がると出発した銀山平や、未丈など周囲の山々の景色が広がり気持ちが盛り上がってくる。ところが、そんな平静な心でいられるたのはつかの間。
mokoさん記録通り、1256mピークを過ぎたあたりから間もなく、雪国のきびしい藪区間が待ち受けていた。ブッシュの1ブロック目で早くも難儀して弱音をはく自分。下向きに生えたシャクナゲなどで足元は滑るし、掴まれば荷物の重みも加わって振られる。絡んで進めない。八方塞がりのような状態に泣きたくなる。先頭SJさんから、稜線直下まで藪続きます。のことばに、初めの軽い気持ちがすぐにかき消される。とにもかくにも乗り切るしかない状況なので、目の前にある枝をどうにかして一歩ずつ進むことだけを考える。すると、踏み跡があるところに出て、快適とはいかずとも進みやすくなり、どうにか少しずつ高度を上げることができた。藪区間に難儀している間にぱらぱら雨が降り出す。平らなところもなく急斜面でカッパを着用、アイゼンも付け外しを余儀なくされる。
1600m過ぎるころ藪が終わる。そこからは、雪庇、クレバスに注意しながらトレースを刻む。先頭を交代して、後ろから進行方向指示をもらって進む。所々、大変なブッシュか危ない雪原かの選択肢。緊張の一歩も踏みながら、稜線の雪上に到達すると、あまりに大変だったので思わず泣けてくる。底力ってこういうのかな。良かった、着いて。どうなってしまうかと思った。
雨はぱらぱらのまま。
荒沢岳・兎岳縦走路分岐にスペースを見つけ、地面をならしテントを設営する。
とにかく荒沢岳にほぼ登れたことに安堵。天気の回復を願って眠る。
【2日目 5/2】停滞。荒沢岳山頂往復
朝9時頃まで雨、のち回復の予報。願いとは裏腹に一向に降りやまず、テント外は地吹雪のよう。テントには雪が積もっているようだ。朝食と身支度を済ませてみたものの、全然出発できる雰囲気にならない。荒沢岳ピークをあきらめて、出発を遅らせても中ノ岳にたどり着けるか微妙。昨日あれほど苦労して荒沢岳の尾根を登ったのに、ピークを踏まずして行くのも心残り。9時をまわっても天気が回復の様子がないので、停滞することを決める。すぐさま食料が心配になったがなんとかなる判断。停滞を決めるまで待機する間にも、一旦外に出てテント内に戻るとテント内はびしょびしょになってしまい、ふき取るものも限られているのでどうしようとなる。気持ちは落ち込んでいたが、一旦お休み態勢になると荒沢岳に行く気にはならなくなってしまうので、意を決して荒沢岳山頂往復しに行く。歩き出すと次第に天気は回復し始め、雲の流れから時折晴れ間が見える。山頂は360度の展望地。ガスが切れると、山座同定して展望を楽しむ。
テントに戻って残り行程の食料計画を練り直し。テントの入口にスノーブロックの城壁も作ってもらった。
夕方テント外に出てみると、天気は完全回復。青空に、中ノ岳、駒ケ岳はじめ周囲の山々の美しい展望が広がっているではないか。今朝までの悪天候を経てこの青空。よろこんで写真に収める。
いよいよ明日稜線が歩ける!
【3日目 5/3】
中ノ岳へ向かう。もう言うことナシのすばらしい展望。絶景・絶景・絶景!
雪庇に注意はしながらも快適な雪稜歩き。
足を止めては景色を楽しみ、写真に収める。来た道を振り返ると荒沢岳が次第に遠くなる。来た道が見られるとまたうれしい。
ピークを順調に超えて、兎岳へ到達。最後の中ノ岳の登りに備えてエネルギーチャージ。
中ノ岳の山頂部は大きな雪庇が張り出し、直登できない。一旦西側へトラバースしてから取りつく。兎岳を過ぎてから、トップで引っ張ってくれたSJさん、調子が悪くなりペースダウン。後ろから見える足取りも力なく見え心配になる。それでも、最後山頂までがんばってくれ、一緒に登頂できた。午後に差し掛かって雲が出始め山頂では曇り。疲れていたので避難小屋へ直行。
避難小屋には今回他の登山者はなし。入口は2F。こうやって2Fから入る状況は初めてだ。4方を雪に覆われた小屋の中は冷蔵庫同様でひんやりした空気が漂っていた。中はきれいに使われており、古いが毛布もたくさんある。今夜は風の心配もなく眠れる。
足の冷えがなかなか取れないので寝袋の中でマッサージ。ひとりゴソゴソしながら寒い夜を乗り切る。
【4日目 5/4】
SJさん、多少回復でき、朝ごはんも食べることができた。良かった。
朝、小屋の外からは360度の展望。荒沢岳の方に日が登り、荒沢岳が槍ヶ岳のようにもみえた。向かう駒ケ岳も大きく優美な姿。
今日も昨日に引き続いて稜線漫歩だが、転倒、滑落しないようあらためて気持ちを引き締める。
大変なのは檜廊下という、痩せ尾根だった。藪こぎほどではないけれど、登山道に張り出した枝や倒木を乗り越えたり、くぐったり。アスレチック区間だった。天狗平でひといきついて、駒ケ岳山頂まではところどころ夏道を使いながら進み、最後雪原を登りきると山頂となる。
メンバー3人で完登の握手、記念撮影して一息つく。他の登山者のまねをしてジャンプしたところも撮ってもらった。
駒ケ岳からの下りは急登で始まる。すごい傾斜。滑落したら谷に吸い込まれそうだ。下る際の足運びをかかとからがつんとと教えてもらったそばから、滑落。ピッケル構えたのになかなか止まらない。どうにか、止まった。ゆるんだ雪なので怪我もなく事なきを得た。
尻制動した区間もあったけれど、ヘタなのか後ろから歩きの人より遅い。下り方は研究の余地ありだ。
大分下ると雪解けの花、イワウチワやカタクリが見られた。
北ノ又川沿いまで下り、ゴールはすぐと思いきや、そこからが長かった。
駐車場へは川をわたらなければならなかったが、行けども行けども橋がない。
行程を延長したこともあり、行動食も無くなっていたり、重荷のせいでone-hunterさんばててしまい。スピードダウン。
結局、枝折峠への橋まで歩いて、荷物をおろし、車を取りに行ってゴールとなった。
●まとめ
行程延長あったものの予定の三座、登ることができた。出発前の心配からはじまり、序盤の藪、悪天候、停滞があったので、ひときわうれしかった。
見た景色は素晴らしい、美しいの一言で、上手い表現ができないけれど、写真でもない、ドキュメンタリー映像でもない、リアルな空間。越後の絶景を自分の目で見て、肌で、全身で感じて堪能することができた。自分の足であの美しい山に立てるって、本当にすばらしい。
こんな山行ができて幸せ以外の何ものでもない。
一緒に山行を共有したメンバーSJさん、one-hunterさん。心配して見守ってくれる家族。まわりの皆さま。
いっぱいの感謝を込めて終わりたい。
SJさんおすすめルート
重たい荷物を持って歩けるか心配だったが行きたい気持ちが強かったので行きました。
期待道理の山でした。
汚い、きつい、苦しいの3Kではなく。
感謝、感激、感動の3Kでした。
5月の越後の山雪山だが厳冬期ではないので荷物は軽量化をした。
しかし寒かった。もう少し防寒具持ったほうが良かったかな。
しかし毎日の後半になると足が重くなり、最後の日は林道のあるきでも一歩一歩でやっとたどり着けた。
迷惑をかけてしまいました。
稜線歩いて周りの景色を見るとまだまだ行きたいところがたくさん。
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