栂海新道(白馬〜親不知海岸)
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 40.1km
- 登り
- 3,188m
- 下り
- 4,422m
コースタイム
8/8 : 5:00雪倉避難小屋 - 5:30雪倉岳 - 7:10水平道分岐 - 8:10朝日岳8:20 - 9:20長栂山 - 11:05黒岩山 - 13:50犬ヶ岳 - 14:00栂海山荘
8/9 : 4:40栂海山荘 - 7:30白鳥小屋7:50 - 10:00尻高山10:10 - 11:25栂海新道登山口11:30 - 11:35親不知海岸
天候 | 8/6 : 晴れ→雨→晴れ 8/7 : 晴れ 8/8 : 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
8/7 : 5:40白馬駅5:55-(松本電鉄バス\980)-6:22猿倉 8/9 : 12:50親不知海岸ホテル - (送迎バス) - 13:00おやしらず駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
総じて、行動中の気温と台風通過による登山道の荒廃に気をつけてください。 犬ヶ岳以降は虫がしつこいです。蛭は見かけませんでした。 犬ヶ岳以降は獣の気配を常に感じます。ラジオか鈴があると精神的に楽かも。 →虫除けと熊避けの鈴は必要ですね。 (白馬〜朝日岳) 無雪期のトレイルは明確でよく整備されています。 ただし、木道は雨天時は滑りやすいので注意してください。 (朝日岳〜犬ヶ岳) このエリアもよく整備されています。 高山植物の撮影に熱中して、植物を踏み荒らさないように注意しましょう。 (犬ヶ岳〜白鳥山) 植物の勢いが強いエリアです。 赤布は有りますが、遠くから発見できるレベルではありません。 獣道に迷い込んだら素直に引き返す or 藪漕ぎで対応してください。 踏み跡が頼りなので、台風通過後等は迷わないように注意してください。 あと、朝方の先行者は蜘蛛の巣との格闘も覚悟してください。 (白鳥山〜親不知海岸) 坂田峠までは犬ヶ岳〜白鳥山と同じ。 坂田峠以降はしっかりとしたトレイルがありました。 登山口から自動車道を横断する際は安全確認をしましょう。 |
写真
感想
マンガ版「孤高の人」がきっかけで栂海新道に興味を持ちました。
「さわがに山岳会」とか「小野 健氏」とか、調べるれば調べるほど興味がそそられる。
これはもう行くしかないでしょ。
これまでに登った北アルプスの最北は乗鞍岳。
それ以南から入山すれば、扇沢から日本海までは踏破したことになる。
最後は海に出たいので、問題は何処から入るか。
ロープウェイは使いたくない&夏でも雪渓なら涼しいので、猿倉発に決定。
久々のムーンライト信州で白馬駅に向かいます。
高速バスは便利で良いけれど、夜行快速はこの雰囲気が魅力だな〜
足も伸ばせるし!
(1日目:8/6)
白馬駅前から猿倉行きのバスに乗って30分ほどで到着。
雪渓に取り付く前までは、夏空の下で高度を稼ぎます。
早速汗が吹き出てくる。
雪渓に取り付いて上を見るとガスに包まれている。
冷気が上昇するから何時もの事だろうと気にせずガスに突入すると、
ガスが小雨になり、やがて本降りに変わりました。
白馬山荘の軒下を借りて一休み。
甘納豆を食べながら、地図とにらめっこ。
朝日小屋まで行く予定だったが、この雨の中行動しても風景を楽しめないと判断。
心苦しいが、雪倉岳避難小屋を宿に使わせてもらいます。
白馬山荘でビールを1缶調達して出発。
到着時には雪倉岳避難小屋には先客が一人居ましたが、やがて次々と人が来て満室状態。
鉱山道から来た親子パーティは子供が普通のスニーカーだったので靴下までびしょ濡れ。
う〜ん、北アにこの装備は怖いなー
夕食準備しながら親子パーティの子供とおやつ交換、チーカマをゲットしました。
そうこうしている間に、雨がやんだ様子。
外に出ると雨雲が消え、虹も出ている天候で明日に大期待!
(2日目:8/7)
朝外に出ると、綺麗な朝焼けが見え好天の予感。
ただし、この時期は夕方前から急な降雨が有り得るので注意が必要。
さくさくと歩を進めます。
朝方は木道が朝露でぬれて滑りやすいので、注意してください。
自分も出発直後に転んで、お尻を汚してしまいました。
水平道分岐に”滑りやすいので注意”と書いてありましたが、もう遅いよ…
まぁ、木道も栂海新道に入るとお目にかかれなくなるのでしばらくの辛抱です。
千代ノ吹上の蓮華温泉との分岐点に「日本海」と書かれた栂海新道への標石がありますので、矢印に従って左手に進みます。
ここから栂海新道ですが、当分は道の整備されたお花畑が続きます。
穏やかさと美しさから「すわ、ここは楽園か?」と錯覚しそうになるが、黒岩山で幻だったことに気付きました。
これ以降は藪が深いので、風が吹いてもトレイルの空気は動きません。つまりトレイル上に熱気がこもります。
北又の水場に着く頃には、滝のような汗。
水場で頭から水を被ってリフレッシュ。う〜ん、気持ちいい!
栂海山荘には14:00に到着。
これまでのペースだと白鳥小屋を狙うところだけど、暑さでペースが急激に落ちており、このままでは熱中症で動けなくなると判断して、本日の行動停止。
栂海山荘のトイレは斬新でした。名づけて”絶景トイレ”
朝のキジ打ちがこれほど楽しみなトイレは今までありませんでした。
山荘の書庫には、栂海新道開拓の苦労を綴った本が豊富にあるので、食後に酒をちびちび呑みながら読んでいると、19:00頃に2人連れの登山者が到着。
話を聞くと昨日から入山し、本日白鳥小屋を出たらしいのですが、熱さと荷物のため、黄蓮の水場で水浴びしながら休憩していたらこんな時間になったとのこと。
上高地まで行く予定で始めは全食料を歩荷し、減量のため白鳥小屋に大量の食料を置いてきたけれど、ペースがなかなか上がらない様子。
その人たちの話では、白鳥小屋では虫の猛攻で夜寝られなかったようですが、栂海山荘では幸いにも虫の猛攻はありませんでした。
(3日目:8/8)
絶景トイレを堪能したため予定より10分遅れたが、暑さ対策のため早朝出発。
それでも標高1000m近くでは、暑さを感じます。
黄蓮の水場あたりで、昨日と同じく体の熱が取れない状態を感じる。
今回の下半身の服装は、CW-Xの上に長パンツを履きスパッツを付けているので、下半身の冷却が追いつかないと判断し、自分のポリシーを曲げてCW-Xとスパッツ姿にしました。
タイツ単体だと尻周りのラインが出るので自分的にはNGだったけれど、今回ばかりはそうも言っていられません。
CW-Xの上は短パンにすればよかった…
タイツ単体の冷却効果は大きく、一気にペースアップ。
ただし、タイツ単体だとタイツ越しに虫に食われる問題もあります。
今回は下り方向なので、虫が食いつく間も与えず駆け下りることで対処しましたが、反対方向だと虫除けは必須だと思います。
栂海新道の醍醐味の一つが植生の変化で、標高2〜3000mとの明らかな違いを感じます。
また標高1000m辺りでは植物の勢いが強いので、緑のトンネルを通るような場所がいくつもあります。
風も通らないので、日中にここを登るのは暑いだろうな…
白鳥小屋前の「日本海4H」の標記に気持ちもはやります。
小屋の中には大量の棒ラーメンとアルファ米がありました。
昨日の二人連れから言付かった通り”ご自由にお取り下さい”と一筆加えてから小屋を出ました。
小屋を出て2〜3分ほどした所で足に違和感を感じたので、立ち止まって靴の中をチェックしていると道の先のほうで音がしました。
音の方向を見ると、黒い塊が凄いスピードで遠ざかって行くところでした。
”熊だ!”
と気付いたときには姿は有りませんでした。
もし立ち止まらなかったらちょうど出会うタイミングだったので、足の違和感は虫の知らせだったのかな?
10分程待ってから行動開始。
熊避けの鈴が無いので所々で”ホーッ!!”等の奇声を出し、熊を警戒しながら下ります。
シキワリの水場で再度水浴びしたら一気に坂田峠まで下ります。
坂田峠から先は草も刈られており、整備されたトレイルでした。
しかし、道の隅々に獣の気配を感じるのでこの先も注意は必要です。
道は整備されていても植物の勢いは良いので、なかなか海は見えません。
そうして標高を下げてゆくと、いきなり栂海新道登山口に出ました。
登山口=海抜0mだと思っていたので面食らいましたが、国道8号線に出るんですね。
登山口は標高75m、当然海抜0mを目指します。
海岸への小道を一歩一歩降りてゆく。時間は正午間近で気温は30度以上。
朦朧とした状態で波打ち際に到着。
海水浴の家族が居ましたが、構わずにパンツ一丁でダイブ!
水筒の水で水浴びした後、親不知観光ホテルで入浴させてもらいました。
ここから駅までは公共交通機関が無いので、当初は歩こうと考えていたが
この暑さの中アスファルト上を歩きたくないし、
国道は歩道が無いので歩くのは危ないとホテルの人に言われたので、
結局ホテルの車で送迎してもらいました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する