恋谷〜網谷〜津谷〜サギチョウ【余呉トレイル】山毛欅の尾根でまったりランチ
- GPS
- 07:08
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 787m
- 下り
- 838m
コースタイム
天候 | 晴れ後曇り後雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
栃ノ木峠南側のスキー場の駐車場?に移動して登山開始 |
コース状況/ 危険箇所等 |
コース上には基本的には一般登山道なし p608より南の送電線鉄塔からは良好に整備された巡視路が出現するが、巡視路はすぐにトレイルから分かれるので、縦走する場合に要注意 詳しくは感想にて |
写真
感想
先月余呉トレイルの椿井嶺まで歩きました。
いずれその北側の分水嶺も繋げたいと思っていたのですが、な・な・な・なんとyamaneko0922さんから同行して頂けるというめちゃ嬉しい連絡が!!
もう二つ返事どころか三つ?四つ?返事で同行をお願いしました。
はじめてお会いするyamanekoさんは想像していたよりずっとイケメン!
私の周りにはいないとても素敵な方でした。
奥様のyamaizuさんも静かで上品な素敵な方。
田舎もんのオバちゃんの私とは大違いです(•́‿•̀。)⊃
この日はお天気も心配していましたが、上り始めはこの時期この地域では珍しい青空。風もなく穏やかなとてもいい日でした(下山時には降られましたが、あまり気になりませんでした)
yamanekoさんは大ベテランさんでお会いする前から安心感ハンパなかったのですが、実際お供させていただきそれを実感しました。
あんなうっすい踏み跡を躊躇なくずんずん進まれ、歩き易そうな所を的確に選んで下さいます。
このルーファイが大変なトコをひとりで歩こうとしていた事に今さらながら愕然とするわけでして。。。
今回歩いたルートはただ赤線繋ぎの為のお山だと思っていたのですが、山毛欅の森がそれは素敵な所が沢山あり、時折敦賀湾が望め、静かに歩けるとてもいいコースでした。まあ少々の藪はありますが。
これでまた赤線が繋がりました。ああ自己満足で満たされていく(´∀`*)
yamaneko0922さん、yamaizuさん、本当にありがとうございました。
楽しく充実したとても素敵な一日になりました。
また機会があればよろしくお願いいたしますm(_ _)m
以前、大黒山の北尾根を辿った時のこと、振り返ると高時川の源流域を挟んで北西の方角に標高は低いものの大きな山容が目に入る。余呉トレイルの地図で確認すると最高点は点標恋谷と云うことになってはいるが、山と呼ばれるのはその前衛のピークp718の網谷山のようだが、明瞭なピークがあるというよりも広い山頂部にいくつものなだらかな小ピークが集まっているようであり、その地形も興味深い。
そしてこの山からは江越国境をなすなだらか稜線が南に向かって蛇行しながら続いている。地味な山歩きになるかもしれないが、いつかこのトレイルを辿ってみたいと機会を伺っていた。しかしバスは中河内までしか通じていないので、栃ノ木峠までは歩くか自転車をデポするしかない。余呉トレイルの地図を片手に山行計画のみを温めていたところ、行市山から椿井嶺を歩かれたhanabana31さんが、その先も歩きたいがクマ多発地帯なので一人では・・・とレコに書かれている。クマが出現したからとて、クマと闘える訳でもなく、熊鈴をチリンチリンと鳴らすのが関の山ではあるのだが、宜しければとご同行をお願いしたところで今回の山行が実現する。
この日は夕方から雨の予報なので早朝より登山を開始して、午後の早めに下山したいところではある。しかしながらhanabanaさんには申し訳ないのだが、朝は子供を送り出してからの出発になるので登山口に到着するのがどうしても遅くなる。
湖西バイパスに乗って比良の山麓を通過すると本降りの雨となったが、高島に抜けると雲は高く、正面に見える三重嶽が年末にはほとんど雪がなかった筈がすっかり白くなっている。琵琶湖を挟んで対岸の伊吹山や金糞岳、横山岳も綺麗に山頂部が見えているので雲はかなり高いようだ。
椿坂トンネルで待ち合わせて余呉スキー場の手前の広地にhanabanaさんの車でアプローチすると、すぐに送電線巡視路の道標が目に入った。雑木林の尾根道を登り始めるとみるみるうちに青空が広がっていく。後方には、下谷山と思しき冠雪した白い山が顔を覗かせている。
やがてスキー場へと登る舗装路に出る。スキー場には無残なほどに雪はない。ゲレンデのトップと点標「恋谷」の三角点がある筈ではあるが、地図で三角点が記されているあたりは切り開かれた平地と古墳のような盛土があるばかりで、恋谷というロマンチックな名称には凡そ相応しくない殺風景な光景が広がっている。
スキー場の南の小さな隆起に上がると、根元から株立ちした畸形の山毛欅の樹が目を惹く。樹の反対側の南の尾根には薄い踏み跡が続いているのが目に入る。東側の斜面には植林が広がっており、踏み跡は植林と西側の自然林との境界を辿っていくようだ。
踏み跡を辿って尾根を直進したところで、正面には樹間より網谷山のシルエットが目に入るが、同時に右手にピークに向かって伸びる尾根が目に入る。GPSを取り出すと少し手前で右手に大きく曲がらなければならなかったことに気がつく。尾根が分岐する地点に戻るが、そこから先の踏み跡はあるかなきかの極めて薄いものだ。明瞭な踏み跡が続いている限り、通常はそこに辿るべき尾根があるのだが、その前提はこの江越国境尾根には適応されたないようだ。
早速にもhanabanaさんは私のルート・ファインディング能力に大きな不安を感じられたことかと思う。しかし、この尾根が要求するルート・ファインディングは難易度が低くはなさそうではあある。先日歩いた朽木から美山までの若丹国境もそうだったのだが、それはそれでスリルのあるルート・ファインディングを楽しむことが出来るというものだ。
分岐点を含めて、尾根にはテープの類は全く見当たらない。馬酔木やユズリハの藪が頻繁に現れるが、藪を避けながら薄い踏み跡を頼りに先に進む。この踏み跡を歩いているのは人ではなく鹿のように思われる。踏み跡には頻繁に泥濘みも出現するが、霜柱が融けてしまったせいだろう。
小さな鞍部を越えてを辿るとまもなくp718に到着する。予想してはいたが山頂は灌木が広がるばかりで、網谷山の山名標どころかピークを示すような目印一つないところだ。実際、注意深くGPSを見ていなければ標高点であることすら気がつかずに通り過ぎるだろう。
尾根上は樹高は低いものの山毛欅の樹が多い。しかし悉くといってもいいほど山毛欅を始め樹々の根元が大きく弯曲しているのは冬の豪雪を物語っているのだろう。今年の寡雪からすると信じられないが、6m積雪するといわれる山域だ。
次の標高点、p608はピークに気がつかず、通過する。まもなく尾根の東側にある送電線鉄塔が見えてくる。周囲が広く伐採された鉄塔広場に出ると、一気に視界が開け、目の前には大きく広がる網谷を挟んで正面に大きく大黒山を望む。ここまで展望に全く恵まれなかった尾根ではあるが、この展望は爽快だ。谷間からはこの送電線鉄塔を目指して登ってくる巡視路が目に入る。
急速に雲が広がり始めたが、幸いにも風はほとんどなく、ランチ休憩には絶好のケーションだ。早速にも、この日は鳥のせせりと菊芋、菜の花のアヒージョから始まる。〆のリゾットの後は肉まんを蒸す。最後はデザートにhanabanaさんのご自宅で採れたという金柑のパウンドケーキをご馳走になり、コーヒーでランチを締めくくる。
ふと急に風が冷たく感じられる。やはり天気は下り坂に向かっているのかもしれない。名残惜しいが、絶好の展望台を後にする。尾根上には途端に快適な送電線巡視路となる。後ろから「快適〜」というhanabanaさんの声。
次の送電線鉄塔広場では右手には尾根越しに大きく西方ヶ岳から栄螺ヶ岳のシルエットが見える。送電線巡視路は急に谷に向かって下降してゆく。これはおかしいと思って地図を確認すると送電線巡視路が辿っているのは本来、我々が辿るべき江越国境尾根の一本東側の尾根であった。再び急坂を登り返して分岐点に戻る。地図を眺めれば送電線巡視路は国境稜線とは別の尾根を通っていることにすぐに気がついた筈であるが、目の前の「こうであって欲しい」という希望が「こう違いない」という根拠のない判断にすり替わってしまうことがある。
急峻ではないものの小刻みに小さなアップダウンを繰り返す。小さなピークの鞍部に下ると、地図には全く記されていはいないが、峠越えの深い掘割式の古道が現れる。かつての中河内から敦賀への塩買道の一つであったのだろうと予想される。
二重尾根となり東側の尾根に迷い込みかけるが、hanabanaさんが国境稜線は西側の尾根であることにすぐに気がつかれる。西側の尾根をたどり始めると再び深い掘割の古道が現れる。黄金清水谷を登ってくる中河内塩買い道と呼ばれる古道だ。古の人々が生活のために越えたであろう幅の広い古道は風格を感じさせる。いつかこの道を改めて辿ってみたいものだ。二重尾根の間には小さなハート形の池が現われる。
先の塩買い道を過ぎると途端に尾根上にはテープ類が現れ始め、踏み跡も明瞭になる。河内山への登りに差し掛かると尾根上の山毛欅の樹林が大樹が目立つようになり、ひときわ壮麗な山毛欅の樹林となった。妙理山や大黒山、安蔵山、谷山といったこの湖北の山々は山頂部にいずれも壮麗な山毛欅の樹林が広がるが、いずれも900m前後だ。標高が600mをわずかに越えた標高でこれほど立派な山毛欅の樹林に出会えるとは正直、全く期待していなかった。hanabanaさんが感心したようにボソッと一言おっしゃる「山毛欅の回廊!」。
山毛欅の美林は河内山を越えてもなお続く。落葉の敷き詰められた林床は下生も少なく、快適な樹林の中を進む。庄野嶺越が近づくと所々で林床には笹が繁茂するようになる。笹の間には刈り払いのされた踏み跡が明瞭であり、道の心配をする必要がなくなる。
庄野嶺越もよくぞこれだけ削ったものだと思うほど背丈以上の深い掘割の古道である。先に進むには一度、この古道に沿って敦賀側に下るようだが、どこまで下っても分岐らしいものは見当たらない。これはおかしいと思って戻ってみると、掘割の土手に上がるための削れたような跡が先の尾根に進むための踏み跡であった。
山毛欅の回廊はまだまだ続く。西の空からは曇天の下から傾いた陽光が差し込み、灰白色の山毛欅の樹肌を黄金色に輝かせる。津谷山も山頂が近づくとますます山毛欅の樹高が高くなり、先ほどの河内山に引けを取らないほどの壮麗な山毛欅の森となる。「わぁー、すっごーい!きれーい!」とhanabanaさんの歓声が夕陽が差し込む静かな山毛欅の森に響き渡る。
津谷山からの下りは再び二重尾根となり複雑な地形だ。再び踏み跡も不明瞭となり、ルート・ファインディングをしながら西側の尾根を下る。二重尾根の間からはせせらぎの音が聞こえる。暑い時期の縦走では貴重な水場となるかもしれない。いよいよ最後の椿井嶺への登りに差し掛かると尾根の西側から植林が現れる。hanabanaさんの口から嘆息が漏れた。
先ほどまで樹林の中に差し込んでいた夕陽は唐突に消え、小雨が降り始める。椿井嶺のピークに立ち寄らずに林道に下ろうと思ったが、植林地の中の踏み跡を辿るといつの間にか椿井嶺の三角点の近くにまで来ていた。
椿井嶺の東側で林道に出るとあとは雨の中を黙々とひたすら林道を下る。椿坂峠からの旧国道の下りでは急速にあたりが暗くなっていったが、なんとかヘッドライトを取り出す必要が生じる前に車に帰り着くことが出来た。車に乗り込んだ途端に雨は本降りとなる。
余呉スキー場の下の出発地に停めたhanabanaさんの車のところに戻り、我々は京都への帰路につく。湖北の天気の移ろいは激しい。賤ヶ岳のあたりに差し掛かると空はすっかりと晴れ渡り、西の空で輝く宵の明星を見上げながら充実した山行の余韻に浸る。日本海側の雷のせいだろう、頻繁に北の空が明滅する。明日は天気が悪そうだ。
静かな湖北の山歩きを堪能した一日であった。同行して下さった hanabanaさんに深謝。
※今回の山行にあたり参考にさせて頂いたflatwellさんの過去のレコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-661512.html
コメント
この記録に関連する登山ルート
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せっかくyamaneko0922さんにお誘いいただいたのにこの日は仕事でした。
冬眠中の熊さんが起きてこなくてよかったですね。私が5年前に遭遇したのはP718を越えたあたりです。10mもなく、ああここで死ぬんだなと覚悟しましたよ。幸い威嚇で済みましたけど。間近でライオンのような大声で吼えられたから心臓が止まりそうでした。そんなことがあったからどんな風景だったかほとんど覚えてなくて、鉄塔あったかな?ブナの大木あったかな?状態です。
お昼寝中の熊さんは鈴を鳴らして近づいても逃げない。近くまできても威嚇するだけで襲ってこない。「昼寝の邪魔をするな」と言いたかったようです。
翌5日はyamaneko0922さんの自宅の近くを通りましたよ。19.3km歩きました。さてどこへ行ったでしょう。
今回のhanabanaさんとご一緒させて頂けたのも、flatwellさんのお知り合いというご縁のお陰、感謝しております。
>冬眠中の熊さん
それにしても大変な目に遭われたのですね。鉄塔や山毛欅の大木どころの騒ぎではないですよね。
>さてどこへ行ったでしょう。
分かりました
きっとtochiotomeさんと一緒に初詣に行かれたんでしょう
flatwellさん こんばんは ご無沙汰しております。
そんな間近で熊に遭遇なんて恐ろしすぎです
それでもこのコースを歩ききられるなんて流石と言っていいのでしょうか
その熊に遭遇したレコを見てこの山域の恐ろしさを思い知らされました。
今回yamanekoさんからお声をかけていただきどんなに嬉しかった事か。渡りに船でした
しかもご夫婦揃って素敵な方
まだまだこの辺り歩きたい所だらけなんですよね〜
hanabana31さん、こんにちは。yamaneko0922さん、yamaizuさんはじめまして
江越国境歩かれましたか。今年は雪が少なくて、まだ晩秋のように歩けるんですね。
こちらもブナが見事ということで、歩いてみたいです(私のスキルでは、まだまだですけど)。参考にさせていただきます。
32枚目の庄野嶺越の「なんじゃこれ??」は、郵便ポストらしいです。何かの本で見たことがあり、ネットでも載ってました。
どんどん赤線が伸びていきますね。今年も、いろんなところのレコ、期待しています。
ええ〜〜っ
あれポストですか
あんな山の中に??
昔はあそこにも人々の生活があったんですね
このルート藪もありますけどブナがとても素敵です
また行ってみたいと思える所でしたよ〜
赤線は自己満足の塊でっす
yo-yonedaさん 初めまして
ご教示有難うございます。
写真#32のオブジェは建物の上に〒のマークが見えるかと思います。最初、冗談で「郵便ポストか」と言って笑っておりましたが、本当にそうだったとは予想だにしておりませんでした。といっても郵便の集配人が訪れるわけではなんく、中河内と池河内の集落がこのポストを使って手紙をやり取りしたとか。どんな応答があったのか空想が膨らんでしまいますね。
ところで、しばらく前に妙理山の地点登録をして下さったかと思いますが、どうも有難うございました。
妙理山は、なぜか、登録されてませんでした。
気持ちいいブナの山でした。
yamaneko0922さん、いろんなところいかれているので、また、レコみさせていだだきます。followさせて、いただきました
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