浅草岳周回〜ヒメサユリとニッコウキスゲ彩る縦走路
- GPS
- 09:04
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 1,804m
- 下り
- 1,790m
コースタイム
- 山行
- 7:58
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 9:02
天候 | 晴れ 蒸し暑い 山頂付近はガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
・自動車:田子倉只見沢登山口に駐車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・六十里登山口に自転車をデポ。田子倉登山口へ移動して自動車を停める。中先尾根で浅草岳山頂へ。天狗の庭を散策し前岳分岐を南下。稜線をアップダウンして縦走し、六十里登山口へ下山。自転車を回収し、田子倉登山口駐車場までの7kmはサイクリングして戻る。 ・田子倉只見沢登山口先の木道は、かなり滑るので要注意。泥濘や徒渉もある。 ・幽ノ倉沢にかかる仮橋は、橋脚が両端にしかなく、しかも中央部が傾き(レコ写真参照)渡された板が雨後で非常に滑りやすかった。転落注意。 ・中先尾根は、剣ヶ峰から急坂となる。今時期はもろに日差しを浴びるので、暑さで熱中症や脱水症状に気を付ける。 ・標高1400m以上でヒメサユリ、ニッコウキスゲは終盤に近いが開花していた。その下は終了。天狗の庭付近はまだ蕾があった。 ・前岳〜南岳はアップダウンを繰り返す。ここも日差しと蒸し暑さ対応が必須。また断崖のすぐ脇を歩くので、転落注意。東側に続くヤブの下が崖の場所が多数ある。誤って踏み抜かない事。 ・自転車を利用した場合、六十里越トンネルまで登りで、後はほぼダウンヒルとなる。白沢トンネルは照明がないので、自転車走行時はヘッドライト必要。 |
その他周辺情報 | 定番の千年こうじやに立ち寄る。数量限定の「瓶内二次発酵酒 あわ 八海山」と玉垣製麺所のへぎそば「越後ひとゑ」をお土産に。 |
写真
感想
前日行った野反湖のニッコウキスゲは、群馬県のローカル紙上毛新聞の一面にも掲載されていた。湖畔一面を彩る黄色と湖面の青緑色が美しい。
当初予定していた針ノ木岳は通行止めにより中止、常念蝶ヶ岳周回にと思ったが強風と午後から降雨になるので延期。前線が北上する影響が遅くなる新潟方面へ。浅草岳自転車周回。
3時に前橋を出発。赤城山のシルエットを見ながら関越道へ。徐々に東の空が明るくなる朝焼け。折角なので赤城高原SAに立ち寄る。北側の展望スポットから見る武尊山と真っ赤な朝焼け。谷川岳はガスの中だった。
関越トンネルを抜けると曇りだった。水田地独特の霧に包まれる。塩沢石打SA手前から晴れてきて再び朝焼け。八海山北側から後光が差すような日の出。今日の無事な登山を祈願した。
退屈な国道252号をひたすら走る。六十里越トンネル手前の駐車場に自転車をデポ。すでに2台停まっていた。雲海流れ込む田子倉湖を眺めて、田子倉只見沢駐車場へ。1台も停まっていなかった。自転車の積み込みも考えて、登山口に近く広い駐車場には停めなかった。
気温15℃、爽やかな朝のなか出発。只見線とオカトラノオに見送られて登山口へ。前日の降雨で木道は滑りやすく、沢からは水が大量に流れていた。
沿道は薄青いエゾアジサイが花を広げ、カッコウの鳴き声がブナ林へ誘うように響き渡っていた。本日最初の入山者なので蜘蛛の巣をかき分けて行く。
スリリングな幽ノ倉沢の仮橋を渡り、水が流れてくる沢のような登山道を登っていく。大久保沢の流れも豊富で最後の水場でのどを潤す。ホウノキのグリーンシャワーを浴びて、美しいブナ林を通り抜けていく。
田子倉眺め手前からやや急斜面となり、青空が見え始め蒸し暑さが一気にくる。しかもここからは、ほぼ日差しをもろに浴びる。
剣ヶ峰の岩場から対面の稜線を眺める。上空には青空が見えるが、尾根はガスがかかってぼんやりしか見えなかった。
急坂を登っていくと、コルのような平地になる。まさしく足止め平。汗で湿ったTシャツを絞る。Finetrackのドライクールタンクトップを着ているので、不快さはそれほどでもなく肌は涼しく感じる。さすが最新繊維技術は素晴らしい。
ここからさらに急坂となり、九十九折となっていく。急峻な岩稜を切削した登山道は、足場も悪く滑りやすい。そんな斜面にはオオバギボウシが咲いていた。
ザレたルンゼには、ヒメサユリもまだ残っていた。足元には可愛らしい花、見上げると急坂。それを征すると潮見峠に到着。山頂へは数歩。誰もいない山頂に一人佇む。ガスで眺望はあまりないが、習慣で一通り山座同定。東方面へ向かう。
アカモノは赤い実を付け、ニガナが黄色い花道を作っていた。高くなった藪に囲まれ、滑る木道に悪態をつくと視界が開ける。
目前には緑の大草原が広がり、青空には白い雲が浮かんでいた。草原にはコバイケイソウがポツンと一本だけ咲いていた。
モニュメント周辺を歩き、浅草岳を見上げる。ガスで景色は良くないが、ヒメサユリが咲いていた。未だ蕾もあった。残雪もごくわずか残っていた。
踵を返して登り返す。山頂には登山者が、空にはトンボが増えていた。守門岳や周辺山稜も見えず、田子倉駐車場に停めたポンコツが見えていた。
下り込んで、敷かれた木が腐食している休憩場所で少し早い昼食。座る人も腐っているから問題ない。 ニッコウキスゲ咲く池塘脇で、冷やし中華とミニ海鮮丼の昼食。コーラは甘くて合ず、最後にがぶ飲みした。shilokoさんのビールとは勝手が違った。
トキソウ、イワショウブを見ながら雪渓へ。前岳分岐から六十里方面へ。前岳のピークから縦走路を眺める。鬼の面が険しく横目で見つめてくる。前岳からの急下りは降雨後で、木の根、岩稜、泥濘と悪条件揃い。下るにつれて暑さも加わった。
ムジナ沢カッチに下りる頃には、日差しと蒸し暑さがぶり返してきた。ムシも多くなり、森林香で狼煙を上げ、スキンベーププレミアムを大量に噴霧した。
アップダウンが多いこの縦走路。断崖のすぐ脇を歩いていくので、足元には注意が必要。何気に東側のヤブを踏むと危険。
北岳の手前では、ニッコウキスゲとヒメサユリが咲き、クジャクチョウとヒョウモンチョウが舞う、楽園のような道。蒸し暑さを忘れて、しばらく撮影したり眺めていた。
午後になると、縦走路は晴れ渡り、田子倉湖方面や浅草岳など素晴らしい眺望が臨めた。険しい鬼ケ面山の山頂で記念撮影。暑いがこの程度の道では疲れもなく、鬼の形相になるほどでもなかった。
南岳からの眺望を最後に樹林帯へ入る。ギンリョウソウが多数咲き、目玉おやじになっているものもあった。
東面スラブが素晴らしい裸山が見える超短波反射板設置場所を通り抜ける。尾根をトラバースするように沢を次々渡渉していく。足下は六十里越トンネル。
平日で車の喧騒も聞こえない国道252号に出る。自転車を回収して、ヘルメットを被り田子倉只見沢駐車場へ。
トンネル内までは緩い登り。光がいざなう出口からはダウンヒル。田子倉湖と囲まれた山稜の素晴らしい景色を見ながらサイクリング。
スノーシェッドから流れ落ちる雪解け水が飛沫を上げ、濃い緑で覆われた前毛猛山には鋭いルンゼ。低空で湖面近くをトビが旋回し、遊覧船は桟橋近くに浮かんでいるだけだった。車の往来もなく、私は夏の只見を駆け抜ける。
約7kmを20分で駐車場に到着。気持ちの良いサイクリングだった。自転車をきれいにして車に積み込む。私は元々汚いので適当に着替えて、帰路へ。
途中、ネムノキや蓮がきれいだった所で道草を食う。
六日町から高速に乗る。トンネルを抜けると雨だった。
誰もいない静かな自宅に戻る。静まり返った無機質な空間。耳の中では田子倉のヒグラシがいつまでも鳴いていた。
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