記録ID: 2455406
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
白山
日程 | 2020年07月22日(水) ~ 2020年07月25日(土) |
---|---|
メンバー | |
天候 | 22:晴、23:雨、24:雨(稜線上は強風(;_;))、25:雨時々曇 |
アクセス |
利用交通機関
往路:
電車、
バス
7/22大阪6:21-(JR在来線3350円)-9:44美濃太田9:56-(長良川鉄道1690円)-12:04北濃駅12:30-(バス・石徹白線,310円)-13:05上在所 ※石徹白(いとしろ)線(オンデマンドバス)は、平日、土曜運行。利用には要事前予約 (乗車の1時間前までに予約センター[0575-82-5311]に連絡) 復路: 7/25白川郷15:15-(濃飛バス2600円)-16:05高山16:50-(バス 大阪・京都⇔高山線,5000円)-22:10大阪 ※白川郷-高山の定期便は予約なしで乗車可 ※下記は要予約(濃飛バス予約センター、TEL (0577)32-1688) 白川郷12:35-13:25高山 営業時間:9:00〜18:00(当日可)
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|
地図/標高グラフ


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コースタイム [注]
- 2日目
- 山行
- 7時間44分
- 休憩
- 8分
- 合計
- 7時間52分
- 3日目
- 山行
- 8時間24分
- 休憩
- 1時間48分
- 合計
- 10時間12分
コースタイムの見方:
歩行時間
到着時刻通過点の地名出発時刻
コース状況/ 危険箇所等 | 南縦走路(石徹白~南竜ケ馬場):よく整備された登山道です。 中宮道:よく整備された登山道です。 北縦走路(ゴマ平~馬狩):基本、よく整備された登山道です。所々、道幅が細い箇所では、踏み抜き注意! |
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その他周辺情報 | GPSログ: 2日目はログを取り忘れたため、昨年度縦走時のログを流用 小屋: 神鳩ノ宮避難小屋(収容:15名、水場:徒歩5分、携帯トイレブース有り) ゴマ平避難小屋 (収容:25名、水場:徒歩5分、トイレ有り) テン場: 南竜山荘(300円/泊、水道・トイレ有り) 白山国立公園パンフレット: http://www.kagahakusan.jp/file/info/documents/hakusan2018_omote.pdf http://www.kagahakusan.jp/file/info/documents/hakusan2018_ura.pdf 下山後の温泉: 天然温泉 白川郷の湯 ・日帰り営業時間 7:00〜21:30 ・料金700円 |
過去天気図(気象庁) |
2020年07月の天気図 [pdf] |
写真
感想/記録
by kickey
太平洋高気圧の張り出しが弱い。梅雨前線をなかなか押し上げることができない。(しっかりせんかい!と心の中で喝を入れるも、その想いは届かず)
あいにくの雨予報の中、白山に向かいました。
◆1日目 上在所〜石徹白登山口~神鳩ノ宮避難小屋(避難小屋泊)
JR在来線を乗り継ぎ、長良川鉄道の終着駅の北濃駅に降り立つ。そこでオンデマンドバスに乗る。バスの中から、狐がこちらを覗いているのが見えた。「いまの狐ですか?」「そうだよ。皆が餌を与えるから、こっちを伺っているんだよ」と運転手さんに教えて頂いた。
バスの乗客は4人。(皆、美濃禅定道から白山を目指すハイカーで、後に神鳩ノ宮避難小屋で落ち合うことになる。)
上在所で、まずは白山中居神社に道中安全をお詣り。ここは、でっかい杉が立ち並び、趣深い。
まずは、長い林道(舗装路)を登山口まで歩く。ここが、今日の核心部。この日は、天気も良く暑かった。日傘を差して、日差しを遮ると快適に進めた。調子よく進んでいると、登山口手前で親子ハイカーに追い付いた。少しお話させて頂く。
横浜から来られており、朝一の新幹線で名古屋経由で来た。お子様は、男の子で小学校4年生。しかも、私と全く同じ行程で、3泊4日で白川郷まで抜けると聞いて、びっくり。すご~。スーパー小学生現る!
石徹白登山口で準備を済ませて、登り始める。大杉を越え、おたけり坂で一休み。この時は、京都(城陽)から来られた若いお兄さんと一緒だった。歩くのが好きで、近郊なら、どこにでも歩いて行く。1日に30kmも歩くこともあるそうだ。彼は植物に詳しい。お花畑がどこまでも続く白山はお花好きには堪らない。大学時代の4年間は、金沢市内に住んでおり、白山や立山にときどき登ったとのこと。今回も、下山後は、金沢に抜けると伺った。
この日の宿となる神鳩ノ宮小屋まで歩ききり、そこで腰を落ち着ける。後から、親子ハイカーも合流。期せずして、4人で過ごす避難小屋。夕食には、お肉の炒めものなどを振る舞って頂き、楽しい夜を過ごした。
◆2日目 神鳩ノ宮避難小屋~別山~南竜ヶ馬場(テント泊)
5時起床で、6時過ぎに出発。小屋前で準備をしていると、「スリッパ、忘れてないですか?」とお声掛け頂いた。ふ~っ、危ない危ない。こんな所で忘れ物したら、取りに戻るのも難儀する。お礼を言って、ひと足先に出発した。
この日は、歩き始めから雨が降り続く。しかも雨の日に防水カメラ代わりに使っている、防水ケース入りのiphoneが不調で、写真をほとんど撮れない。なんか浸水したみたいで動作がおかしい。いきなり誤動作して、King Gnuの音楽が鳴り出すのには驚いた。道端に多く咲く、お花たちをしっかり目に焼き付けて、進んだ。
三ノ峰避難小屋に逃げ込み、早めのランチ休憩。雨と汗で、ビショビショに濡れた衣類を一旦絞った。ガス欠にならないように、パンとコーヒーを頂いて、一息付いた。ここで、若いお兄さんが追い付き、少し休んで先発された。後で、追いかけて一緒に進む。彼は植物に詳しい。「これがトンボソウ。小さいけど蘭の特徴を持っている。最近、盗掘が多くてなかなかお目にかかれない。」のだそうだ。本当にちっちゃくて、可愛い緑のお花を付けている。彼がいないと絶対見つけられなかった。(iphone不調で写真が無くて残念)。
「ユキノシタはダイモンジソウ属なの?」「違うよ。ダイモンジソウがユキノシタ属だよ。」などと、いろいろ彼に教わった。ハクサンの名を冠するお花は沢山あれど、白山固有種は少ないそうだ。なるほど、言われてみれば、確かに北アでもお馴染みの花が多い。
別山平は、ニッコウキスゲがどこまでも続くお花畑。まるでパラダイス。急登を登り、たどり着いた別山山頂も案の定、ガッスガス。(;_;)
(心眼で、対岸の北アの稜線を望む他無し)。
油坂には残雪無し。今年は例年に比べて、雪が少ないようだ。南竜ケ馬場でテントを立てて、ゆっくり休む。この日は、ずっと雨が降り続いた。夜、トイレに行く途中で、横浜から来られた親子ハイカーさんと出会う。無事、到着されたと知り安心した。ご飯を食べて、早めに就寝。
◆3日目 南竜ヶ馬場~室堂~御前峰(ピストン)~お花松原~ゴマ平避難小屋(避難小屋泊)
2時半起床で4時過ぎに出発。東の空に朝焼けが見えた。エコーライン経由で室堂に向かう。とっても整備の行き届いた道でした。室堂ビジターセンターにて、まずは情報収集。建物の中に入るには、アルコール消毒後、マスクを配られ、検温が必要となる。コロナ対策でできるだけのことはしている。北縦走路の状況を尋ねると「特に問題なく通れる」とのことで、安心した。
雨が本降りになってきたので、カッパにテムレスの雨装備を身に付け、出発準備の最中に、声を掛けられる。振り向くとnara7さんがそこに居た。朝のご来光狙いで山頂に行くも強風のガッスガスで、お池巡りは諦めて、ちょうど小屋に戻ってきた所でした。しばらくお話して、最後はnara7さんに見送られながら出発。大汝峰の麓にザックをデポして、お池巡りコースから御前峰を目指す。大雨で、誰とも出会わず。しかも稜線に出ると、強風で体が持っていかれそうになる。これ、あかんやつやん。(後で知ったが、風速15m超とのこと。一般に10mを超えると危険な状態。)
急いで、山頂に移動して、写真だけ撮って、社脇で雨宿り。こんな雨の中でも台湾から来られていた2人組は、国旗を広げて写真を沢山撮っていた。
風は強く、横殴りの雨が頬に当たると痛い。かっぱのフードを深くかぶって、先を急ぐ。予定では大汝峰も行くつもりだったのだけれど、今回は見送った。標高を下げれば西風は防げるはず。(前日に、親子ハイカーさんから伺っていた)。足早に下山を開始。少し標高を下げると、風は治まった。あ~、助かった。これなら歩ける。
雪の少ないヒルバオ雪渓は周囲を迂回する道が付いていた。お花松原からは、お花満載!ザックが重いけれど、写真を撮る手が止まらない楽しい縦走路でした。
地獄覗きでランチ休憩にしようかと迷って、もう少しだけ進むことに。その後、事件発生。
クマの生々しい落とし物は、それまで幾度となく見てきたのだけど、出た。(実際に姿は見てないけれど、こちらにびっくりしたのか、大きな音を立ててヤブの斜面を駆け下りて行った。)
しばし、呆然。よく見るとスズコを食べた跡がそこかしこに。クマ対策は、「出会ったら、目を離さずに。背中を向けずに後ずさり。」とか言うけれど、相当肝っ玉がないと、心臓バクバクでそんな冷静にナレ無さそうだ。
足早にその場を立ち去る。それからというもの、熊鈴を高らかに鳴らし、大声で歌を歌い、口笛を枯れるまで吹き続けた。1時間ばかり経って、ようやく大丈夫かと思える所で、ランチ休憩。腰を落ち着けると、なんだかホッとした。コーヒーが美味かった。
しばらく進んでゴマ平避難小屋に到着。びしょ濡れの濡れ鼠状態で小屋に入り、誰も居ないことを良いことに、全部脱いで固く絞って皆干した。パンツいっちょでシュラフに潜り込んで休む。今日も雨の中よく歩いた。
ゆっくりしていると、親子ハイカーさんも到着。服を着て、出迎えた。今日は、御前峰で突風に会い戦意喪失して、大汝峰はパスして下りてきたとのこと。天気が荒れていたので少し心配したが、無事、たどり着けて本当に良かった。
外は雨が降り続くが、小屋は快適そのもの。時間もたっぷりあったので、山話しに花が咲いた。屋久島は3日で縦走したが、一日も雨が降らず、乾いた縄文杉は雰囲気がなんか違うかったこと。槍は最後の階段が怖かったこと。いつかは奥駈道も歩いてみたいとのこと。奥駈道はかなりハードだと思いますが、近い将来、きっと踏破してくれることでしょう。劔は、カニのタテバイが足が届かないから、まだ行ってない。なるほど~。小学校高学年にもなると、急速に体力をつける。歩くスピードについていけなくなるのもその内だ、とおっしゃっていました。
中学は登山部希望?と聞けば、「家でゴロゴロしていたい」と無邪気だ。今日も疲れたので、「車で誰か迎えに来てくれないかなぁ。」と言い出す。でも、こんなハードなコースにでも、付き合って来てくれるのは、山が好きな証。登山で培った強靭な基礎体力は、きっと役に立ってくれるでしょう。将来が楽しみです。
今日も明日に備えて、早めの就寝。
◆4日目 ゴマ平避難小屋〜野谷荘司山〜三方岩岳(ピストン)〜白川郷
4時起きで、5時半頃出発。夜半から雨が降り続く。予報では、昼過ぎから雨脚が強くなる。今日は、午前中が勝負だ。野谷荘司山には9時過ぎに到着。この時間なら行けると、三方岩岳を空荷でピークハントに向かう。(以前に、ホワイトロードから見上げた三方岩岳は、岩の要塞みたいでカッコよく、いつか行こうと思っていた)
霧でガッスガスでしたが、切り立った岩はその片鱗を覗かせていた。すっかり満足して、分岐点まで戻り、最後のランチ休憩後、急登の激下りを馬狩へと下りた。
登山口でスリッパに履き替えて、舗装路を歩くこと小一時間。ようやくたどり着いた白川郷で、お風呂に飛び込む。露天風呂の湯船に浸かり、降りしきる雨の川辺を見ながらくつろいだ。そこから高山に移動し、大阪行きのバスに乗り継いだ。
最後まで雨に降られた今年の縦走は、きつかった。やっぱり山は晴れが良い。でもなんとか計画通り歩き切ることができて良かったです。
登山道脇に咲く沢山のお花にエールをもらいながら進んだ。タカネグンナイフウロ、イブキトラノオ、クガイソウ、センジュガンピ、ハクサンタイゲキ、トンボソウなど、見ただけで写真に納めきれなかったお花も数知れず。お花の魅力満載の白山は最高!私のお気に入りです。
今日も良い山でした。
(1日の消費量 水1.5L、燃料80ml(夜30ml+朝30ml+昼20ml)
荷重16kg、アルファ米 8/10食、行動食 500ml×0.2本)
あいにくの雨予報の中、白山に向かいました。
◆1日目 上在所〜石徹白登山口~神鳩ノ宮避難小屋(避難小屋泊)
JR在来線を乗り継ぎ、長良川鉄道の終着駅の北濃駅に降り立つ。そこでオンデマンドバスに乗る。バスの中から、狐がこちらを覗いているのが見えた。「いまの狐ですか?」「そうだよ。皆が餌を与えるから、こっちを伺っているんだよ」と運転手さんに教えて頂いた。
バスの乗客は4人。(皆、美濃禅定道から白山を目指すハイカーで、後に神鳩ノ宮避難小屋で落ち合うことになる。)
上在所で、まずは白山中居神社に道中安全をお詣り。ここは、でっかい杉が立ち並び、趣深い。
まずは、長い林道(舗装路)を登山口まで歩く。ここが、今日の核心部。この日は、天気も良く暑かった。日傘を差して、日差しを遮ると快適に進めた。調子よく進んでいると、登山口手前で親子ハイカーに追い付いた。少しお話させて頂く。
横浜から来られており、朝一の新幹線で名古屋経由で来た。お子様は、男の子で小学校4年生。しかも、私と全く同じ行程で、3泊4日で白川郷まで抜けると聞いて、びっくり。すご~。スーパー小学生現る!
石徹白登山口で準備を済ませて、登り始める。大杉を越え、おたけり坂で一休み。この時は、京都(城陽)から来られた若いお兄さんと一緒だった。歩くのが好きで、近郊なら、どこにでも歩いて行く。1日に30kmも歩くこともあるそうだ。彼は植物に詳しい。お花畑がどこまでも続く白山はお花好きには堪らない。大学時代の4年間は、金沢市内に住んでおり、白山や立山にときどき登ったとのこと。今回も、下山後は、金沢に抜けると伺った。
この日の宿となる神鳩ノ宮小屋まで歩ききり、そこで腰を落ち着ける。後から、親子ハイカーも合流。期せずして、4人で過ごす避難小屋。夕食には、お肉の炒めものなどを振る舞って頂き、楽しい夜を過ごした。
◆2日目 神鳩ノ宮避難小屋~別山~南竜ヶ馬場(テント泊)
5時起床で、6時過ぎに出発。小屋前で準備をしていると、「スリッパ、忘れてないですか?」とお声掛け頂いた。ふ~っ、危ない危ない。こんな所で忘れ物したら、取りに戻るのも難儀する。お礼を言って、ひと足先に出発した。
この日は、歩き始めから雨が降り続く。しかも雨の日に防水カメラ代わりに使っている、防水ケース入りのiphoneが不調で、写真をほとんど撮れない。なんか浸水したみたいで動作がおかしい。いきなり誤動作して、King Gnuの音楽が鳴り出すのには驚いた。道端に多く咲く、お花たちをしっかり目に焼き付けて、進んだ。
三ノ峰避難小屋に逃げ込み、早めのランチ休憩。雨と汗で、ビショビショに濡れた衣類を一旦絞った。ガス欠にならないように、パンとコーヒーを頂いて、一息付いた。ここで、若いお兄さんが追い付き、少し休んで先発された。後で、追いかけて一緒に進む。彼は植物に詳しい。「これがトンボソウ。小さいけど蘭の特徴を持っている。最近、盗掘が多くてなかなかお目にかかれない。」のだそうだ。本当にちっちゃくて、可愛い緑のお花を付けている。彼がいないと絶対見つけられなかった。(iphone不調で写真が無くて残念)。
「ユキノシタはダイモンジソウ属なの?」「違うよ。ダイモンジソウがユキノシタ属だよ。」などと、いろいろ彼に教わった。ハクサンの名を冠するお花は沢山あれど、白山固有種は少ないそうだ。なるほど、言われてみれば、確かに北アでもお馴染みの花が多い。
別山平は、ニッコウキスゲがどこまでも続くお花畑。まるでパラダイス。急登を登り、たどり着いた別山山頂も案の定、ガッスガス。(;_;)
(心眼で、対岸の北アの稜線を望む他無し)。
油坂には残雪無し。今年は例年に比べて、雪が少ないようだ。南竜ケ馬場でテントを立てて、ゆっくり休む。この日は、ずっと雨が降り続いた。夜、トイレに行く途中で、横浜から来られた親子ハイカーさんと出会う。無事、到着されたと知り安心した。ご飯を食べて、早めに就寝。
◆3日目 南竜ヶ馬場~室堂~御前峰(ピストン)~お花松原~ゴマ平避難小屋(避難小屋泊)
2時半起床で4時過ぎに出発。東の空に朝焼けが見えた。エコーライン経由で室堂に向かう。とっても整備の行き届いた道でした。室堂ビジターセンターにて、まずは情報収集。建物の中に入るには、アルコール消毒後、マスクを配られ、検温が必要となる。コロナ対策でできるだけのことはしている。北縦走路の状況を尋ねると「特に問題なく通れる」とのことで、安心した。
雨が本降りになってきたので、カッパにテムレスの雨装備を身に付け、出発準備の最中に、声を掛けられる。振り向くとnara7さんがそこに居た。朝のご来光狙いで山頂に行くも強風のガッスガスで、お池巡りは諦めて、ちょうど小屋に戻ってきた所でした。しばらくお話して、最後はnara7さんに見送られながら出発。大汝峰の麓にザックをデポして、お池巡りコースから御前峰を目指す。大雨で、誰とも出会わず。しかも稜線に出ると、強風で体が持っていかれそうになる。これ、あかんやつやん。(後で知ったが、風速15m超とのこと。一般に10mを超えると危険な状態。)
急いで、山頂に移動して、写真だけ撮って、社脇で雨宿り。こんな雨の中でも台湾から来られていた2人組は、国旗を広げて写真を沢山撮っていた。
風は強く、横殴りの雨が頬に当たると痛い。かっぱのフードを深くかぶって、先を急ぐ。予定では大汝峰も行くつもりだったのだけれど、今回は見送った。標高を下げれば西風は防げるはず。(前日に、親子ハイカーさんから伺っていた)。足早に下山を開始。少し標高を下げると、風は治まった。あ~、助かった。これなら歩ける。
雪の少ないヒルバオ雪渓は周囲を迂回する道が付いていた。お花松原からは、お花満載!ザックが重いけれど、写真を撮る手が止まらない楽しい縦走路でした。
地獄覗きでランチ休憩にしようかと迷って、もう少しだけ進むことに。その後、事件発生。
クマの生々しい落とし物は、それまで幾度となく見てきたのだけど、出た。(実際に姿は見てないけれど、こちらにびっくりしたのか、大きな音を立ててヤブの斜面を駆け下りて行った。)
しばし、呆然。よく見るとスズコを食べた跡がそこかしこに。クマ対策は、「出会ったら、目を離さずに。背中を向けずに後ずさり。」とか言うけれど、相当肝っ玉がないと、心臓バクバクでそんな冷静にナレ無さそうだ。
足早にその場を立ち去る。それからというもの、熊鈴を高らかに鳴らし、大声で歌を歌い、口笛を枯れるまで吹き続けた。1時間ばかり経って、ようやく大丈夫かと思える所で、ランチ休憩。腰を落ち着けると、なんだかホッとした。コーヒーが美味かった。
しばらく進んでゴマ平避難小屋に到着。びしょ濡れの濡れ鼠状態で小屋に入り、誰も居ないことを良いことに、全部脱いで固く絞って皆干した。パンツいっちょでシュラフに潜り込んで休む。今日も雨の中よく歩いた。
ゆっくりしていると、親子ハイカーさんも到着。服を着て、出迎えた。今日は、御前峰で突風に会い戦意喪失して、大汝峰はパスして下りてきたとのこと。天気が荒れていたので少し心配したが、無事、たどり着けて本当に良かった。
外は雨が降り続くが、小屋は快適そのもの。時間もたっぷりあったので、山話しに花が咲いた。屋久島は3日で縦走したが、一日も雨が降らず、乾いた縄文杉は雰囲気がなんか違うかったこと。槍は最後の階段が怖かったこと。いつかは奥駈道も歩いてみたいとのこと。奥駈道はかなりハードだと思いますが、近い将来、きっと踏破してくれることでしょう。劔は、カニのタテバイが足が届かないから、まだ行ってない。なるほど~。小学校高学年にもなると、急速に体力をつける。歩くスピードについていけなくなるのもその内だ、とおっしゃっていました。
中学は登山部希望?と聞けば、「家でゴロゴロしていたい」と無邪気だ。今日も疲れたので、「車で誰か迎えに来てくれないかなぁ。」と言い出す。でも、こんなハードなコースにでも、付き合って来てくれるのは、山が好きな証。登山で培った強靭な基礎体力は、きっと役に立ってくれるでしょう。将来が楽しみです。
今日も明日に備えて、早めの就寝。
◆4日目 ゴマ平避難小屋〜野谷荘司山〜三方岩岳(ピストン)〜白川郷
4時起きで、5時半頃出発。夜半から雨が降り続く。予報では、昼過ぎから雨脚が強くなる。今日は、午前中が勝負だ。野谷荘司山には9時過ぎに到着。この時間なら行けると、三方岩岳を空荷でピークハントに向かう。(以前に、ホワイトロードから見上げた三方岩岳は、岩の要塞みたいでカッコよく、いつか行こうと思っていた)
霧でガッスガスでしたが、切り立った岩はその片鱗を覗かせていた。すっかり満足して、分岐点まで戻り、最後のランチ休憩後、急登の激下りを馬狩へと下りた。
登山口でスリッパに履き替えて、舗装路を歩くこと小一時間。ようやくたどり着いた白川郷で、お風呂に飛び込む。露天風呂の湯船に浸かり、降りしきる雨の川辺を見ながらくつろいだ。そこから高山に移動し、大阪行きのバスに乗り継いだ。
最後まで雨に降られた今年の縦走は、きつかった。やっぱり山は晴れが良い。でもなんとか計画通り歩き切ることができて良かったです。
登山道脇に咲く沢山のお花にエールをもらいながら進んだ。タカネグンナイフウロ、イブキトラノオ、クガイソウ、センジュガンピ、ハクサンタイゲキ、トンボソウなど、見ただけで写真に納めきれなかったお花も数知れず。お花の魅力満載の白山は最高!私のお気に入りです。
今日も良い山でした。
(1日の消費量 水1.5L、燃料80ml(夜30ml+朝30ml+昼20ml)
荷重16kg、アルファ米 8/10食、行動食 500ml×0.2本)
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この記録に関連する登山ルート
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この記録で登った山/行った場所
- 白山 (2702.17m)
- 三方岩岳 (1736m)
- 銚子ヶ峰 (1810.4m)
- 別山 (2399.35m)
- 野谷荘司山 (1797.29m)
- 三ノ峰 (2128m)
- 妙法山 (1775.59m)
- 大汝峰 (2684m)
- 一ノ峰 (1839m)
- 二ノ峰 (1962.32m)
- 白山室堂 (2450m)
- 南竜山荘 (2070m)
- 神鳩ノ宮避難小屋 (1565m)
- 三ノ峰避難小屋 (2080m)
- 翠ヶ池 (2590m)
- 石徹白の大杉 (1035m)
- 白山中居神社 (729m)
- 御舎利山 (2390m)
- ゴマ平避難小屋 (1850m)
- 剣ヶ峰 (2677m)
- 石徹白登山口 (960m)
- 油坂ノ頭 (2256m)
- お花松原
- 三俣峠
- 地獄覗
- 北弥陀ヶ原
- 鶴平新道登山口
- 弥陀ヶ原・エコーライン分岐 (2350m)
- 南竜道・エコーライン分岐 (2100m)
- お池めぐり分岐 (2580m)
- 大汝峰南・中宮道分岐 (2580m)
- 山頂池めぐりコース分岐 (2575m)
- 別山平 御手洗池
- 母御石
- もうせん平
- 南竜ヶ馬場野営場 (2085m)
- 天池
- 赤谷渡渉点 (2010m)
- 荻町城跡展望台 (548m)
- 和田家 (492m)
- 間名古の頭 (2123.8m)
- 鶴平新道分岐
- 赤頭山 (1602m)
- シンノ谷・水場
- 白川郷バスターミナル (480m)
- 水呑釈迦堂
- 越前三ノ峰 (2095m)
- 大進橋
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この記録へのコメント
投稿数: 10
ちょうど先日草刈り作業で入山してました!
ニッコウキスゲの蕾がたくさんあったので、三俣峠~ゴマの頭辺りはなるべくお花を残すように作業しました。
ロングコースお疲れ様でした、自分も歩いてみたいです(笑)
投稿数: 504
白山、私のお気に入りのお山で毎年通う様になりました。ニッコウキスゲが咲き誇る別山平や、お花松原が特にお気に入りで、お花好きには堪りません。なんでしょう。手つかずの自然がほどよく残されていて雰囲気が好きなんです。(クマさん遭遇時は、肝を冷やしましたが...)
人の手が入らない山は荒れる。私達、ハイカーが安心して歩けるのは、山を愛する人達が、愛情を注いで手を入れて下さるからこそだと思います。本当にありがとうございます。
北部白山管理の守護神、乾さんを初めとする多くの方々の白山LovePowerの結集なのだと思います。また、いつか歩きたいと思います。
ロングコースは、歩き切ると達成感ありますよ。是非、チャレンジ!まじで、お勧めです。
投稿数: 1121
山中お世話になりました、sekihiroです!
無事に白川郷から帰路につかれたと知り、楽しくレコを拝見しておりました。
4日間の縦走、私たち親子にとっても心に残る山行になりました。
2日目以降はあいにくの天気でしたが、山に咲く花たちに何度と救われました。
息子もkickeyさんが同じコースを歩いていると思うだけで、かなり励まされていたようです(^^)
バスや電車の運転手さんや、登山道を整備していただいている方々には、私も本当に頭が下がる想いです。
私は初めての白山でしたが、今度は名だたる「加賀の白山」を石川県側から訪ねてみようかなぁなんて思ってます(笑)
またどこかのお山でお会いしましょう。
これからも安全登山、お元気で!
投稿数: 504
レコ拝見しました。
今回は、最後まで雨に降られまくりでしたが、記憶に残る大縦走もまた良しとしましょう。(^^)
下山後の白川郷も、充実されていた様で、なによりです。
全く同じ行程で進むと聞いて、正直驚きましたよ。小さい体で逞しく歩く姿は、本当に素晴らしい!確かに同じコースを歩く人がいると、自分独りじゃないと思えて心強いですね。いつもソロなのでその感覚は良く判ります。
またどこかのお山でお会いできることを楽しみにしています。
本当にお疲れさまでした。
投稿数: 865
雨の中、テン泊縦走60km、お疲れさまでした、凄いですね〜
お池周回コースに強風と霧で行かずに室堂に戻ってきたお陰で、kickeyさんにお会いでき、とっても嬉しかったです。
テン泊装備で軽快に前を通り過ぎられた…いつもあのペースで歩かれているんだ〜
オオミネコザクラならぬ ハクサンコザクラの群生…綺麗ですね
クロユリも神秘的
プーさんの気配。。怖いですね、北縦走路で白川郷へ下山する人って少ないのですか?
台湾からのお二人組さん、観光新道下山中にお会いしました
どこかで何かが繋がりますね
テン泊縦走のお手本レコを拝見して、私も来年からチャレンジしようって思いました(^。^)
投稿数: 504
あの状況で、小屋で会えるとは思ってもおらず、声を掛けられた時はビックリしました。
花の百名山は、お花畑が楽しい。どこまでも斜面を埋め尽くすハクサンコザクラの大群生などは圧巻ですね。この山域のテン場は南竜ケ馬場だけなので、縦走するなら避難小屋を繋ぐことになるかと思います。どこも距離が長く、なかなか歩き堪えのある縦走路です。
人気の白山は、メインとなる別当出合から登るルートは賑やかですが、そこから外れると、行き交う人も少ない、静かな山歩きを楽しめます。
北部の加賀禅定道や、中宮道、北縦走路などは、基本、下刈りされており、道は良く整備されていますが、雪渓が残っていたり、登山道脇が切れ落ちていたりするので、歩くのに注意は必要ですね。
今度は、良く晴れた日に是非!
投稿数: 213
投稿数: 504
あの日、南竜ケ馬場でテン泊されていたら、お会いできていたかも?
荒天にも拘らず、山頂目指して登ってくるのは、気合が入った人ばかり。なんとか楽しんでやろうという意思が垣間見えました。最後まで、ずっと雨に降られまくりでしたが、ほんの僅かに覗いたお日様が、とっても嬉しかったです。山中は、めっちゃ難儀しましたが、無事ゴールできて、記憶に残る山行となりました。また行きたくなるのは何故?白山に惚れちゃったかも?
投稿数: 4271
投稿数: 504
在宅勤務で、毎日、テレビ会議漬けの生活が続きます。コロナ禍は出口が見えず、当分、この状況が続くのでしょう。サイバー空間で過ごす偏った生活と、現実世界とのバランスを取るために、山に向かいます。こんな日常だからこそ、対極となる山での生活は、精神に安らぎをもたらしてくれますね。
ロングトレイルのスルーハイクは楽しい。ピストンではなく、一筆書きが良い。山のいろんな表情を見ることができるのが、好きですね。
雪解けの時期、白山のお花畑は圧巻です。クロユリのお花畑はすごいですよ。以前に、「湯宿くろゆり」で見た「白山バックのクロユリのお花畑(乾さん撮影)」。いつか良く晴れた日に歩いて、あの様な光景を見てみたいと思います。
http://spa-kuroyuri.jp/#room
(ここのWebトップページの絵柄の中の1枚です)
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初めまして
凄い縦走されたんですね〜
現役時代、名古屋と富山に住んでいて郡上八幡、白川郷を通るR156は何度か車で走りましたが、あのルートを縦走するなんて…
ましてやテン泊を含めてかなりの荷物だったと思いますが4日間歩くなんて想像もつきません😀
まさにスゴイの一言です🎉
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現役時代は、富山にいらっしゃったんですね。劔や立山連峰にも近く、山好きには堪らない場所です。白山は、北アの稜線と何ら変わらない。特にこの時期のお花畑には圧倒されます。
テントは長期縦走の友です。これがないと、逆に不安になります。(小屋に泊まれない場合もあります)
今回はずっと雨に打たれましたが、梅雨の最中だったので、こればっかりはしょうがない。長い縦走路を歩くのは大変でしたが、無事ゴールできてホッとしました。忘れがたい出会いもありました。またいつか歩きたいと思います。
六甲を精力的に歩かれていますね。いつかお会いできることを楽しみにしています。