記録ID: 2612657
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アルパインクライミング
剱・立山
激藪の北方稜線 赤谷山〜池平山〜剱岳
2020年09月28日(月) 〜
2020年09月30日(水)


- GPS
- 56:00
- 距離
- 20.5km
- 登り
- 3,152m
- 下り
- 3,152m
コースタイム
1日目
- 山行
- 8:45
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 9:10
2日目
- 山行
- 10:10
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 10:34
天候 | 28日、雨後晴れ 29日、晴れ 30日、晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山届のポストもあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
馬場島〜ブナクラ乗越 登山口の看板などは無いが、踏み跡は明瞭。 途中、雨宿りできそうな大きな岩の横を通る。 乗越にお地蔵様がいらっしゃいます。 左に行くと毛勝三山。右に行くと剱岳へ。 ブナクラ乗越〜赤谷山 踏み跡は明瞭だが、やや藪っぽい。 赤谷山〜赤ハゲ〜白ハゲ 赤谷山山頂は平らで幕営適地。 5張りは快適に張れそう。 凄まじい激藪。 真夏は絶対に通りたくない。 どこを歩いて良いのか分からず、白萩山からコルへの下りで30分くらい迷った。 毛勝三山を秋に歩いたことがあるが、比にならないレベルで藪がきつかった。 白ハゲ〜大窓 藪は落ち着く。 大窓へは稜線から少し外れ、ルンゼを下って行く。 大窓〜池平山南峰 池平山北峰の北にある2500mのピークは大窓の頭と呼ばれているのだろうか? このピークと池平山北峰の間に、5mくらいの壁があり(何故か真ん中あたりにボルトが打ってある)、ザックを背負ったままでは突破できそうになく、空荷で先に登り、ロープでザックを引摺り上げようとしたが、引っ掛かってかなりの時間を要した。 池平山北峰のほうが南峰より少しだけ標高が高い。 南峰へは落ちたら止まらない斜度の斜面を行く。 割と新しい水色のロープが垂れ下がっていて、念のためにプルージックをロープに巻き付け、利用させてもらった。 池平山南峰〜小窓 池平山南峰から先は山と高原地図では破線になっているので、正直なめていた。 うっすら踏み跡があるのだろうと思っていたのだが、実際は酷い藪でどこを歩いたら良いのかわからなかった。 遭難を招くので、破線の表示は消して頂きたい。 稜線から大きく外れないよう、適当に歩いていたのだが、懸垂下降で使われた古い残置スリングが多数残っており、皆ここを通っているようだ。 30mのロープで懸垂下降は3ピッチだった。 支点になる木が少なく、自分の脚より細い岳樺に、覚悟を決めてロープを巻いた。 小窓〜剱岳 藪は無くなるが、険しい岩稜帯が続く。 ルーファイをミスったら命取り。 池の谷ガリーは落石注意で、真ん中は歩かないほうがいい。 小窓の王やチンネなど、岩の塊に圧倒された。 人間のいるべき場所ではない気がして、早く街に下りたいと思った。 精神的にやられた。 剱岳〜馬場島 長くて飽きる。 一般道といえども気が抜けないルート。 2017年の5月に一度歩いたことがあり、その時は特に怖いと感じ無かったのだが、山頂から2800m付近まで意外と怖く感じた。 |
その他周辺情報 | みのわ温泉で入浴しました。 夜は450円でした。 貸し切りでのんびりできました。 |
写真
5mくらいの壁。
ザックにロープを結び、先に空身で突破し、デカイ岩にセルフを取って、ザックを力ずくで引っ張りあげた。
途中引っ掛かって、何回か繰り返したので、ここを突破するのに1時間を要した
ザックにロープを結び、先に空身で突破し、デカイ岩にセルフを取って、ザックを力ずくで引っ張りあげた。
途中引っ掛かって、何回か繰り返したので、ここを突破するのに1時間を要した
なんとか明るいうちに下山できた。
馬場島荘の駐車場に戻ると、ほろ酔いのおじさんが出迎えてくれた。
なんでも、明日から赤谷山〜池平山へ行くという。
このおじさん、ただ者ではなく、百、二百、三百名山、山梨百名山、南アルプス深南部も完登しているそうだ。
どこかで会った記憶がある。
そうだ、3年前に馬場島から毛勝三山へ行った時、猫又山の手前で会っている!
その時、毛勝三山で深南部の話で盛り上がった。
3年前の今頃、猫又山にいましたかと聞いてみると、「もしかして猫又山の手前で会ったあの君か?」とおじさんも思い出したようで、2時間近く話をしてしまった。
縁というものは本当にあるのだと確信した。
写真は以上です。
馬場島荘の駐車場に戻ると、ほろ酔いのおじさんが出迎えてくれた。
なんでも、明日から赤谷山〜池平山へ行くという。
このおじさん、ただ者ではなく、百、二百、三百名山、山梨百名山、南アルプス深南部も完登しているそうだ。
どこかで会った記憶がある。
そうだ、3年前に馬場島から毛勝三山へ行った時、猫又山の手前で会っている!
その時、毛勝三山で深南部の話で盛り上がった。
3年前の今頃、猫又山にいましたかと聞いてみると、「もしかして猫又山の手前で会ったあの君か?」とおじさんも思い出したようで、2時間近く話をしてしまった。
縁というものは本当にあるのだと確信した。
写真は以上です。
装備
個人装備 |
ロープ30m
ハーネス
ATC
メトリウスのPAS
プルージックコード60cm
120cmの捨て縄2本
60cmスリング
120cmスリング
ビレイグローブ
ヘルメット
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感想
出発前、山岳救助隊の方に、仮に行方不明になって、家族や職場から救助要請があったとしても、迷惑をかけたくないので、出動しないでほしいと伝えたのですが、本人が希望しなくとも、助けに向かうとのことだった。そして、何がなんでも帰ってきてください、待ってますから、と言っていただきました。
絶対に下山するという覚悟ができました。
体力的には問題無かったが、赤ハゲ以降、岩稜帯が続き、緊張感が途切れることはなく、精神的に疲れました。
藪を漕ぐ体力と精神力、ルートファインディング能力が試されます。
上からものを言うつもりは毛頭ありませんが、この周回ルートは上級者向けであり、安易な入山は遭難に繋がります。
それにしても下山後の偶然の再会には驚きました。
縁というものは本当にあるのだと確信した。
いずれ残雪期に僧ヶ岳〜滝倉山〜毛勝山も歩いて北方稜線を全部繋げたい。
北方稜線シリーズ
毛勝三山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1288654.html
鋲ヶ岳〜僧ヶ岳
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2056597.html
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aonisaiさん、こんにちは。
さすが!やりましたね〜。
私も北方稜線は行ってみたいとずっと思っていましたが、もう年齢的に無理だと思うので、果敢に踏破した若者に拍手します。
体力、技術以上に大事な精神的なものを得たのは大きいですね。
これからも無理はしないで、「怖い」という気持ちを大切にしながらチャレンジしてください。
naoeさんこんばんは。
正直、今回は厳しいかと思いましたが、生きて帰れて本当に良かったです。
若干燃え尽き症候群になってしまい、次の山をどうするか考えています。
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