涸沢から奥穂高へ〜夏山は危険がいっぱいです〜


- GPS
- 56:00
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 2,036m
- 下り
- 2,036m
コースタイム
(穂高岳へ)5:40山荘発-6:05山頂-6:15発-6:40着
(復路)7:00山荘発-8:00ザイテングラード取付-9:15涸沢小屋-9:33出発-10:40木谷橋-11:43横尾着-12:31徳沢園・昼食-12:57出発-13:45明神-14:15小梨平・入浴-15:20出発-15:40上高地BT到着
天候 | 7/26 晴れ 曇り五分五分 7/27 曇→雨→雷雨→ヒョウ→晴→小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
復路:さわやか信州号 7/27 16:15上高地BT発→21:05 新宿西口 |
コース状況/ 危険箇所等 |
上高地-横尾 言うまでもなく平坦。観光客も普通のウェアで歩いています。徳澤園までは銀座みたいなものです。 横尾-木谷橋 途中までは、横尾までと同じような感じで道幅狭し。徐々に高度上げます 木谷橋-涸沢 急登も髄所に。ガレ場続きで足の裏つらいです。最後は雪渓歩き。みんなの踏み跡を辿れば大丈夫ですが、アイゼンある方がより歩きやすいのは当たり前。 涸沢-穂高岳 ザイテングラートの取付きまでは急登もあり、雪渓もあり。息きれます。 ザイテングラートからは、岩場、はしご、くさりもあり。取付きのところが一番大変。ストックをしまい、しっかり三点確保で進むべきです。特に復路で、雨あがりは普通に要注意。(筆者は復路転倒・・) |
写真
感想
二年ぶりに上高地、憧れの山、穂高へ。
今回は、金峰山でご一緒したカモシカ先輩との、二人登山です。
週の前半からWeatherNewsやワンゲルを読みながら、頭を悩ませたルートの問題は、当日まで解決せず。当日の天候で決めることに。
26日早朝、上高地について、早速登山届けを提出。
ここで、俳優の笹野高史氏にそっくりのアドバイザー(相談員)方登場。
どのルートで行くのかの確認が。重太郎新道でと答えると。
下りでは絶対使わないでと(使う気ないけど)あげく、天候が安定していないので、ぜひ横尾経由で往復してくださいとのアドバイス。
そう言われると、小心者の当方としては、安全を優先。当日のルート確定です。
しかし、このコース歩いた人は皆そうだけど、本当に平坦で長い。もちろん途中の景色もよいのですが、横尾まで3時間弱。その先の行程を思うと、何かいい手がないものかと。(ないんですけどね。先輩はさわやか信州号を横尾までと、無茶なこと言ってました)
横尾橋からしばらくは、同じような状況ですが、徐々に登りだします。途中で高校生の団体にぴったりついて歩いていたら、最後尾と勘違いされたのか、すれ違う人になんの団体なんですかと質問を受ける。いや、我々はただのコバンザメみたいなものと、意味の分からない受け答えをしつつ、暫く追走していると、ついに業を煮やした先生から、右によれの指示が。。やむを得ず、ピッチを上げて20人まくりで一気に息もきれます。
木谷橋で一休み。また団体さんと一緒になったので、また、お先にどうぞとされてもと大変と、先を急ぎます。ここからは、岩場、急登の連続で高度を徐々にあげます。途中、ヘリの音が・・あー雪渓に急行しているのが見える。一体、どんな恐ろしいことが。いさい構わず先を急ぎます。
途中降りてくる方々から、天気と雪渓の情報を仕入れつつ、ヒュッテ涸沢をひたすら目指します。情報通り、ヒュッテ前は、結構な雪渓でした。
階段状に整備された雪渓を登りきり、ヒュッテに到着。雑誌でおなじみのテラス席で、昼食です。ここ火器厳禁だったので、おにぎりと、先輩のおごりでおでんを調達。と、その時に、目に入るジョッキ生。しかもおでんとのセットは1400円とリーズナブル。先輩すいませんと、ここは我慢できずに一杯いただく。本当、至福の時です。
しかし、既に6時間ぐらい歩いてきて、汗もかいて、ジョッキ。ヒュッテを出ると、
急に体が重く。「いかん、ストイックにいくべきやった」と反省も後の祭り。ここからは終始、先輩のあとを追います。
途中、雪渓を挟みながら、小休止を数度いれつつ、いよいよ一番の難所、ザイテンへ。今までとは全く違う、厳しい岩場の登りです。先輩、早すぎて見えなくなります。粛々とハシゴ、クサリも踏破し、3点確保で進みます。勿論ストックもたたみました。振り返ると、もう涸沢の小屋たちも、おもちゃのように。随分高度をあげているのが実感できます。そして遂にあと20分の標識を発見。最後は足が上がらなくなってきましたが、ゆっくり歩を進め、ついに穂高岳山荘に到着。長かったけど、休憩もしっかりとりつつ、想定よりも早くつくことができました。先輩のスピードにつられたのでしょう。
天候も雲が多くなったので、空身での頂上アタックはどちらともなくやめて、ビールタイム。そして、夕食の後は、モンスターのような大先輩方と山地図を見ながら、色々ためになるお話を聞きました。それにしても金曜日泊の狙いは大正解。山小屋で初めて1畳確保されました!手足が伸ばせる。これで寝れる。
翌日。朝食開始前に奥穂制覇を狙いましたが、、ガスガス。それにしても、3時過ぎにはヘッドライトの群れが、続々と北へ、南へ。いやーどちらに進んでも、ちょー恐ろしいルート。世の中、凄い方々ばかりですねと、天候にもすっかり凹み。二度寝。4:30過ぎに再起床したものの、天候回復せず。予定を変更して、朝飯を先にいただきました。
6時前。空身で頂上アタックです。天候は回復しません(予報通りだから仕方なし。)晴天で登りたかったとは思うのですが、もしかしたら靄の中で登れて幸せだったかもと、今は思います。はっきり見えていたら、足がすくむような箇所もあったかな。それにしても小屋からの登り始めが、一番厳しかったですね。途中は、安全に山頂に巻きながら近づく感じで。だいぶ恐怖感もやわらぎました。山頂はほんとに白くて、、ただただ残念でした。
山頂から戻り、山荘で重い荷物を背負い再出発。涸沢岳もホワイトアウトだろうし、天候の崩れも心配なので、早々に下山開始したつもりでしたが、まさかの恐怖が、この後、我々を襲います。スタート20分ほどで、遠くで轟く雷鳴。どよめく、下山の人々。いやーな雲が上空にただよいだします。待てよ、遠くで聞こえてても、直ぐに、近くにくるんじゃないんだっけ雷って。どうやって待避してればいいのか、昨夜の夢見も悪く、妙に焦る自分。その時、雨が降り出します。岩場はツルツル。こんな時こそ、落ち着いて行動せねばならないのに、続けて雷鳴。軽いパニック心境になった自分はあわてて先輩のあとを追いますが、ここで、また雷鳴。拙いと思った時に、一度目のスリップ。痛いと言ってるまもなく、再スタートも、また雷鳴が。雷光も見えたような気がします。あっと思った時には、二度目のスリップでオイマツの群生に激突。それがクッションとなって、岩場の転落を免れました。
痛む体を引きずり、先輩の待つ下のポイントへ。ここで、雨はヒョウとなり、我々につぶてが、ばちばちと当たります。慌ててレインウェアを引き出します。
雷鳴が止まらないので、しばらくハイ松側で、姿勢低く、雷が収まるのを待ちます。待つこと数分でしょうか。ようやくヒョウも収まり、雷も聞こえなくなったところで、そろり再スタート。痛い箇所もなし。幸い二度の転倒は擦り傷ですんだようです。
途中登ってくる人々。まだ天候回復を待ち、待避する人とすれ違いながら進み、
ようやくザイテンを降り切った頃には、また穂高は青空を見せ始めていました。
涸沢小屋ではコーヒーをいただき、ようやく生き返ります。
ここからは、さっきまでの天気が嘘のような状況に。私のペースは上がりませんが、先輩のリードのもと、ぐんぐんと下ります。下りは道を譲られてもそんなにつらくありません。木谷橋休憩後は、先輩の方が、危険地域はさったと、やや燃えつき症候群に。。平坦得意の私が、ペースを維持して歩を進めます。
頭の中は、何故か365歩のマーチのヘビーローテーション。前半の悪天やアクシデントで予定より1時間以上遅れていましたが、徳沢園では、30分ほど縮めることができました。そして、ここで先輩はカレー、私はチャーハンと、それぞれお約束のソフトクリームで、再度エナジー補給、上高地目指して驀進します。
どうしても風呂に入りたかったので、なんとか15時前には小梨平に到着できました。入浴、ビールをいただき、まったりした気分で上高地へ。
こうやって、長い2日に渡る、上高地-穂高の行程を、何とか無事に終了させることができました。
今回は、どんなときも慌てず冷静な行動の必要性を改めて、教えられました。
先輩、ありがとうございました!
追記:
東京や各地も天気は大変だったようなので、結果まだ恵まれていたのかもしれません。帰りの電車は中止になったNEWSのコンサート、隅田川花火大会から帰宅される方で、土曜日と思えないほど、電車混んでました。また、東北や、山陰地方も日曜日にかけて記録的豪雨。ほんと、日本は亜熱帯になったんですかね。
追記2:
月曜日の朝刊に、日曜日、奥穂高岳で滑落事故があり、命をおとされた方がいたとの記事が。心よりご冥福をお祈りします。今後も、やはり危険ルートでは、自分ももっと予習が必要と再認識。また、悪天候時の判断は、しっかりと肝に据えます。
ホワイトアウトでは、山頂にいっても、感慨が薄いです。
【今回の温泉】小梨平キャンプ場
日帰り入浴500円。入浴した人は割引で400円で生ジョッキいただけます。
温質云々に関係なく、疲労した体には、効果抜群。食堂のお姉さんたちの笑顔もいいね!ただし、つまみ類は16時以降しか買えないので、ビールだけで我慢してください。ここから上高地BTまでは15分ぐらい歩くので、飲みすぎ注意です。
100円割引は最初の一杯だけだよ。
http://www.nihonalpskankou.com/
【今回のおすすめ】毎日アルペン号 プレミアムシート3列
スタンダードクラスより1300円ほど高値ですが、文句なし!
ファーストクラスのシートが、貴方の夜行バスへのイメージを一新してくれます。
ほんま、ええわ、これ。ちなみに、帰りはさわやか信州号スタンダードでしたが、昔よりシートいいし、充電器もってればスマホの充電も可能です。バスは往復ともあたりだったのかな。
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