日本三大岩稜完登(前穂高岳北尾根)
- GPS
- 35:27
- 距離
- 27.7km
- 登り
- 2,078m
- 下り
- 2,066m
コースタイム
6:30上高地BT−6:37河童橋−7:17〜30明神−8:22〜50徳沢−9:40〜10:05横尾
−11:26〜47本谷橋−13:22〜15:43涸沢ヒュッテ−15:52涸沢小屋
<7月28日>
3:09涸沢小屋−5:03〜27_5・6のコル−6:00_5峰ピーク−7:02_4峰ピーク
−7:05〜30_3・4のコル−9:10_3峰ピーク−9:20〜35_2峰ピーク
−9:40〜12:00_1峰ピーク(前穂高岳山頂)−12:28紀美子平−12:45雷鳥広場
−13:08岳沢パノラマ−13:32カモシカの立場−14:26〜15:24岳沢小屋
−17:13岳沢登山口−17:27〜40河童橋−17:48上高地BT
天候 | 7月27日 雷雨のち曇り 7月28日 曇り時々雨(降ったり止んだり) |
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過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
自動車道に入って北上、松本ICで下車して国道158号線を西進して沢渡へ。 足湯のある沢渡第2駐車場に車を止める。1日500円です。 ここからは、タクシーで上高地へ。1台4000円ですので、4名以上の乗車でないと 足が出ます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・上高地バスターミナルにて登山届を提出。 ・コース状況 <上高地〜涸沢> 何も言うことはありません。多くの人が歩いています。 <涸沢〜北尾根〜前穂高岳> 5・6のコル取付き途中までは雪渓が残っています。アイゼンは必須。途中からは、 夏道が出ていますが、ザレた上にかなりの急登です。5・6のコルから1峰(前穂高岳) までは、バリエーションルートとなります。登攀具は必須です。全体的に浮石が 非常に多いですので、確かめながら登って下さい。 <前穂高岳〜重太郎新道〜上高地> かなり急な下りです。特に雨などで濡れている時は、岩が非常に滑り易くなって いますので、注意して下さい。クサリ場、梯子も多くあります。晴れていれば、景色 は最高です。 ・下山後の温泉は、島々駅から西に2kmほどのところの対岸にある『竜島温泉』に 立ち寄りました。500円とリーズナブルで、ツルスベの泉質のいいお湯です。 |
写真
感想
今年の目標の一つ、日本三大岩稜(剱岳八ツ峰、槍ヶ岳北鎌尾根、前穂北尾根)の
内、残っていた前穂高岳北尾根を登ってきました。
今回は、この北尾根を登るパーティーに加え、北穂高への一般道登山も募集をした
ところ、同好会の女性メンバーも参加を表明。他にもグループ会社の山岳会メンバー
も参加となり、総勢18名の大パーティーでの山行となった。前日、身内のご不幸
などで急遽行けなくなったメンバーが4名ほど出たが、それでも14名という大
パーティーでの行動だ。特に、今回がアルプス初デビューの人たちにはいい景色を
堪能していただき、山登りの楽しさを知って欲しいものだ。
前日、沢渡の第2駐車場でテン泊し、いつもより少し遅めの6時にタクシーへ
分乗して上高地へ。天気予報では午前中は雨の予報であったが、タクシーから見える
空はまだ青空が見えている。しかし、バスターミナルで準備をして、いざ出発という
タイミングでいきなり雨が降ってきた。屋根の下に逃げ込んでカッパを着込んで歩き
出す。河童橋に着くころには雷鳴まで聞こえてきた。記念撮影も早々に、明神へと
歩を進めると、雨足は強くなる一方。明神に着く頃には雨がやんだので、カッパを
脱いでいると、また雨が降りだす。休憩は長めに取っているが、歩くペースがかなり
速いので、後半の登りでバテないか心配である。徳沢では、ブルーベリーバター
トーストでまったりとした時間を過ごす。この頃には雨は止んだが、またいつ降り
だすかわからないので、カッパは着用したまま横尾へ。この間も降ったり止んだり
したが、横尾に着く頃には完全に上がり、やっとザックに片付けることができた。
ゴアテックスのカッパと言えども、蒸し暑い中で着て歩くのは大変だったので、
脱ぐことが出来て気分的に楽になる。
横尾からは次第に傾斜がきつくなってくるが、先程までのハイペースが祟ったのか、
Hさんの奥さんが次第に遅れだす。この方に合わせて本谷橋まで景色と花を楽しみ
ながらのんびりと歩く。途中、盲目の登山者の方が追い越していったが、足元が
ぬかるんだ上に段差や岩場もあるこのコースを、そこそこのペースで歩いて行った
のには驚いた。途中、遅れている我々の様子を見に、T君が駆けつけてきてくれた。
本谷橋は、座る場所を見つけるのに苦労するほどの大くの方々が休憩されていた。
この区間、私は先行させていただいたが、ここからはさらに傾斜が増し、その上雪渓
まで現れてきたので、それまで順調だった女性メンバーもペースが落ちてくる。その
うちの1名が、雪渓歩きをしている時に、こちらが教えないうちに爪先を蹴り込み
ながら登っていく。事前に勉強した訳でもなく、歩きながら気付いたとのことなので、
将来が楽しみだ。Hさんの奥さんは、他のメンバーがサポートしながらゆっくりと
登り、16時過ぎに無事、涸沢小屋に到着。せっかくここまで頑張ったのだから、
明日は最高の景色を見せてあげたい。夕食後、外に出てみるとあいにくの曇り空。
満点の星空を見せてあげたかったな〜。
翌日、北尾根組が8名、北穂南稜組が4名、のんびり下山組み2名とパーティー
が分散する。15時河童橋右岸側集合と決め、我々北尾根組は2時起床、食堂に弁当
を食べに行くと、すでに2名の方が準備をされていた。この方々、4峰 北条・新村
ルートに向かうとのこと。我々も少し遅れて3時過ぎに出発。ヘッデンを点けて雪渓
をつめていく。途中からはザレた夏道を登って行く。歩き出して2時間、5時過ぎに
5・6のコルに到着。早速、登攀具を装着していると、ガイドさんパーティーが到着。
我々は人数も多いので、先行していただく。ここで御来光を期待したが、残念ながら
見ることはできなかった。少し遅れて、我々も5峰に取り付く。見た目は険しそう
だが、取り付いてみるとルートはすごく明瞭で、浮石に気をつけながら登る。続く
4峰、多くの方が核心部と言われている。ルートはだいたい頭の中に叩き込んできた
ので、それをイメージしながら進むと、踏み跡が見えてくる。途中、ロックさんが
30cmくらいの大石を落石、トカゲの仲間さんの膝に当たったようだ。痛みはある
が大丈夫とのことなので、先に進ませていただく。手、足を置くポイントのほとんど
の岩が浮いていて、時には、50cmほどの岩が簡単にはがれてくる。お助けヒモの
ある箇所は少しいやらしかったが、ヒモをつかむことなく乗り切るとやがて4峰ピーク
に到着。霧で霞んだ目の前には、3峰が大きくたちはだかっている。圧倒的な迫力だ。
コルで先行するガイドさんパーティーのルートを参考にさせていただきながら順番を
待つ。先行パーティーが見えなくなったので、我々も少し登ったところにある取付き
点へ登る。ここには残置ハーケンがあり、ここでビレイをしてスタート。まずは、
S師匠がトップでセカンドがロックさん(固定)、フォローを私がしていく。頭上に
ある大岩を左から巻いて登っていく。2ピッチ目は私がトップ、以降はツルベで
登っていく。チムニーの中に突入し、目の前にあるチョックストーンを乗り越え、
ザレの部分を登るとビレイ点。晴れていれば、この窓からは奥又白池が見えるところ
だ。3ピッチ目はザレた斜面を右にトラバースして左上。4ピッチ目は、途中から
右に明確な踏み跡があったが、目の前に見えている残置シュリンゲに目が行って
しまい、そちらでビレイ。5ピッチ目は左のルンゼっぽいところから回りこんでピーク
に抜ける。ここが一番難しかった。ピークからは霧の向こうに2峰と1峰が見える。
ここで核心部は終了となったので、ザイルを解いて2峰ピークへ。しかし、残置
シュリンゲが残されたポイントより上に出てしまったので、切れたったかなり
いやらしい岩を乗越して、懸垂ポイントへ。ここが、今回一番難しいポイントだった
かも。後は懸垂で降り、登り返して1峰ピークに到着。3名でがっちりと握手を
交わして終了。懸垂の写真を撮りたかったので、山頂標識のある場所には向かわず、
登りきったところで道具の後片付けをしながら、残り2パーティーを待つことに。
しかし、待てども中々姿が見えてこない。一瞬、最悪のケースが頭の中をよぎったが、
待つこと1時間15分、やっと2名の姿が懸垂ポイントに現れ、その後ろの3名も
姿を現し、ホッとする。次々と登ってくるメンバーと握手やハイタッチで祝福する。
特に、初アルプスのT君、お疲れ様でした。
後は、重太郎新道を下って上高地に下りるだけだが、歩き出す直前にまた雨が
降りだしてきた。直ぐ止むだろうとカッパの上着だけを着こんで下ったが、雨は
本降りになる一方。結局、途中で下も着用することに。重太郎新道は、スラブの岩
が多いので、雨で濡れた下りは慎重に下る。これで膝に負担がかかったのと、以前
から変えていたインナーソールが硬く(登りはフィットしていて歩き易いのだが)、
膝へ負担がかかったため、またも膝が逝ってしまい、一気にペースダウン。あとは
マイペースで上高地へ。河童橋に着くと、待ちくたびれたメンバーが待っていて
くれた。北穂組みも無事登頂したとのこと。お互いの健闘を称えあってがっちりと
握手を交わし、前日にできなかった記念写真を撮影してバスターミナルへ。本日の
行動時間、14時間40分。長かった〜。
この日、豊田市の花火大会だったため、渋滞に巻き込まれるのを心配していたが、
結局、豊田市に着いたのが23時半。渋滞すらしていなかった。・・・・
トカゲができるような状況では無かったけど最高のファイトができたように思います。高度感凄いですね。山の真っただ中にたたずむ感覚が良い。
キックステップを自ら考えた女子は凄いですね。師匠と呼ばさせて頂きます。
このロケーションと全ての技術を出し自ら切り開き、全てのの事は自己責任で。本当にご苦労様でした。
お疲れ様でした。
天気は微妙ですが、臨場感はばっちり伝わってきます。
なかなかの高度感。
カッコ良いですね!
本当に皆さんと行きたかったな〜、と今でも未練がましいく思ってます…
ちなみに南アの件ですが、空木岳の後に足の爪を悪くしてしまい、とりあえず猿投山で様子見してます。
とりあえず、何事もなく良かったと思います。本当〜にお疲れ様でした。
キックステップ、見よう見まねでやったのか、その辺は定かではありませんが、自分で考え、工夫しながら登ることってすごいと思います。このことを忘れているような気がしますので、初心に戻って、一歩一歩をしっかりと踏みしめて歩きたいと思います
gomatさんが参加できなく、大変残念でした。
御在所とは違う岩質、今後の北アルプスで味わって下さい。
子供がいるとそちらが最優先となってしまいますので、なかなかこのようなチャンスに合わせて参加する事が難しいとは思います。それまでに、同行した参加者のレベルを引き上げ、彼らが同じことを繰り返し伝えていけるようにしていきたいと思います。ご協力を!
おはようございます。
日本三大岩稜完登おめでとうございます!
北鎌、八ツ峰ともに未踏で憧れておりますが、
クライミングヒヨッコのボクにとっては
もう少し先の話になりそうです。
それにしてもボクらの前のパーティの方々が
kameさんたちのパーティだったとは!
気付かずにお話もできずザンネンでした。
また南山でお会いできるかと思っておりますので
その折にはいろいろお話ししたいですね。
ありがとうございました☆
日本三大岩稜の特徴としては、
・前穂北尾根
アクセスは一番楽だと思いますが、岩質などがもっとも
不安定で、クライミング要素が一番あるところだと思い
ます。
・北鎌
アクセスがかなり大変なところで、独標を直登しない
限りはザイルは不要。その代り、独標取付きから先は
ルーファイ力が試されます。
・八ツ峰
こちらもアクセスがかなり大変です。ザイルを使う
ところは6峰と所々で懸垂が必要になる箇所があり
ます。6峰はどのフェースを登るかでレベルがかなり
変わると思いますが、Cフェースであれば、かなり
簡単だと思います。以降、登山口に戻るのもかなり
大変だと思います。渋滞によっては、15時間近くの
行動時間となる場合もあります。
といった感じで、私は北尾根が一番難しかったように
感じました。他の2ルートは、最低でも3日は必要だと
思います。御参考までに。
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