ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 388175
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

塩見岳

2013年12月29日(日) 〜 2013年12月31日(火)
 - 拍手
体力度
9
2〜3泊以上が適当
GPS
20:36
距離
46.3km
登り
3,041m
下り
3,059m
歩くペース
速い
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
5:21
休憩
0:40
合計
6:01
9:14
173
スタート地点
13:29
13:49
86
15:15
宿泊地
2日目
山行
10:46
休憩
0:23
合計
11:09
6:33
92
宿泊地
8:05
8:08
14
8:22
8:22
51
9:13
9:13
107
11:00
11:00
84
12:24
12:25
2
12:27
12:32
3
12:35
12:35
66
13:41
13:41
101
15:22
15:24
58
16:22
16:23
13
16:36
16:47
55
17:42
宿泊地
3日目
山行
3:14
休憩
0:12
合計
3:26
9:03
26
宿泊地
9:29
9:41
37
12:29
ゴール地点
●12月29日(日)
09:15駐車スペース〜10:05鳥倉林道冬季ゲート10:05〜12:04鳥倉林道夏季ゲート(登山届提出・昼食)12:25〜13:24鳥倉登山口13:44〜15:11豊口山間のコル(幕営)

●12月30日(月)
06:34豊口山間のコル〜08:01三伏峠08:04〜09:09本谷山09:09〜10:56塩見小屋10:56〜12:20塩見岳(西峰)12:22〜12:25塩見岳(東峰)12:30〜13:38塩見小屋13:38〜15:19本谷山15:19〜16:31 三伏峠16:44〜17:38豊口山間のコル(幕営)

●12月31日(火)
09:00豊口山間のコル〜09:27鳥倉登山口09:37〜10:14鳥倉林道夏期ゲート10:14〜11:37鳥倉林道冬季ゲート11:37〜12:24駐車スペース
 
天候 12月29日(日):晴れ時々曇り
12月30日(月):文句のない快晴!
12月31日(火):晴れ

※風は稜線で5〜10m程度、山頂付近で10〜15m程度だったと思います。
 
過去天気図(気象庁) 2013年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
鳥倉林道の冬季ゲートから約3km下った待避スペース
(東山林道入口より少し下ったところ)に駐車

※クルマは冬季ゲート前でスタックしてしまいました。
FRのスタッドレスだと上がれても、ひっくり返ることができません。
最低でもFFのスタッドレス+チェーンか4WDでないと難しいと思います。

通りかかった猟師さんのクルマで牽引していただき、
その後安全圏まで下って止めました。
その節は本当にありがとうございます。
 
コース状況/
危険箇所等
【登山ポスト】
鳥倉林道ゲート、鳥倉登山口にあり。
鳥倉林道ゲートのトイレは冬期使用不可。
鳥倉登山口の方に設置されていた簡易トイレは冬季は撤去されていました。

【コース状況】
年末のため全般的にしっかりしたトレースが付いていましたが、
森林限界より上は強風で消えている箇所もありました。

〜鳥倉登山口から塩見岳までは大きく3つの区間に分割して考えることができます〜
・鳥倉登山口〜三伏峠⇒高度を稼ぐ区間
・三伏峠〜塩見小屋⇒距離を稼ぐ区間
・塩見小屋→塩見岳⇒ファイナルアプローチ&岩登りの区間

●駐車スペース〜鳥倉林道冬季ゲート〜鳥倉林道夏季ゲート〜鳥倉登山口
ひたすら雪の林道歩き。冬季ゲートから夏季ゲートまでの途中の目印は夕立神パノラマ公園と
鳥池キャンプ場入口の分岐があります。冬季ゲートから夏季ゲートまではおよそ2時間かかりました。
日当りが良い箇所は雪が融けてアイスバーンになっているのでスリップ転倒に注意。

●鳥倉登山口〜三伏峠
高度を稼ぐ区間。およそ1000mの高低差を登ります。
道中10分割されていて、途中1/10〜9/10の標識があり進行具合が分かります。
4/10を過ぎた辺りから現れる木橋・木階段は雪で埋まっているので無雪期よりも歩きやすかったです。
豊口分岐を過ぎてしばらく進むと三伏峠に到着。
塩川ルートは法面崩落のため通行禁止とのアナウンスがされていますが、
豊口分岐でしっかりしたトレースがあったのでこのルートからも人は入っているようです。
危険箇所は特にありませんが、5/10を過ぎた辺りから8/10辺りまでの区間に
切れ落ちた谷筋をトラバースする箇所が数ヵ所あります。
三伏峠小屋は冬季小屋が開放されていました。

●三伏峠〜本谷山
距離を稼ぐ区間。三伏峠を過ぎるとすぐに塩見岳方面と小河内岳、荒川岳方面との分岐あり。
分岐を塩見岳方面に進み、10分ほど登ると三伏山に到着。
この付近は森林限界を超えているため眺望が良いですが風も強いです。
三伏山を下ると再び樹林帯に入り、本谷山まで尾根筋を登り返します。

●本谷山〜塩見小屋
本谷山を過ぎると権右衛門山の南面の巻き道に入り、
やがて主稜線に向かって急登となります。
この急登の途中で塩見新道(通行止め)と合流するとすぐに森林限界を超え、
岩場の登山道をしばらく進むと塩見小屋に到着。塩見小屋付近は幕営禁止とのこと。

●塩見小屋〜塩見岳
この区間は塩見岳山頂へのファイナルアプローチ。
塩見小屋から稜線上を進み天狗岩に向かって急斜面を登って行きます。
天狗岩を巻き塩見岳とのコルまで下ってから雪と岩のミックスの岩稜帯となりますが、
クサリ・ハシゴは1箇所もありません。

雪深い急斜面はステップごと崩れてしまう危険性があるので要注意です。
頂上直下にルンゼ状のツルツルした斜面がありここが今回の核心部でした。
特に下りはスリップの危険性があります。
ダガーポジションで前爪をしっかり蹴り込んで一歩ずつ慎重にクライムダウンしました。
別パーティーはここでロープを出していました。
この難所を乗り越えると短い距離ですが氷化した斜面のトラバースや
クライムダウンが必要な雪壁を攀じ登る箇所があり、
もうひと登りすると傾斜が緩み塩見岳西峰に到着です。
西峰から東峰までは100mほど。
森林限界より上は強風に曝されるので目出帽などしっかり暴風対策を。
特に山頂付近は一層風が強くなり、この日も軽く体がよろける程度の風が吹いていました。
 
【1日目】
トラブルのため2時間遅れで駐車スペースより出発
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【1日目】
トラブルのため2時間遅れで駐車スペースより出発
長い長い林道歩きのはじまりはじまり
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長い長い林道歩きのはじまりはじまり
元気なうちに自分たち撮り。「←注意」って動物みたい
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元気なうちに自分たち撮り。「←注意」って動物みたい
荷物デカっ!【PHOTO by komemame】
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荷物デカっ!【PHOTO by komemame】
小一時間で本来のスタート地点である鳥倉林道冬季ゲートに到着
2
小一時間で本来のスタート地点である鳥倉林道冬季ゲートに到着
荒川三山がキレイに見えていました
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荒川三山がキレイに見えていました
夏季ゲートが見えてきました
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夏季ゲートが見えてきました
再び林道歩き
出発から約4時間。ようやく鳥倉登山口が見えてきました
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出発から約4時間。ようやく鳥倉登山口が見えてきました
荷物軽量化のためここからアイゼンを装着
荷物軽量化のためここからアイゼンを装着
傾斜の緩やかな林道から一転、急斜面に重荷が堪えます
1
傾斜の緩やかな林道から一転、急斜面に重荷が堪えます
おっ、重い…【PHOTO by komemame】
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おっ、重い…【PHOTO by komemame】
重荷でヘトヘトで15時も回ったため三伏峠はあきらめて3/10〜4/10の間のこの看板がある豊口山間のコルで幕営することに
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重荷でヘトヘトで15時も回ったため三伏峠はあきらめて3/10〜4/10の間のこの看板がある豊口山間のコルで幕営することに
本日の我が家完成。この日はとても寒くてしっかり整地できずちょっと不安定な新居でした
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本日の我が家完成。この日はとても寒くてしっかり整地できずちょっと不安定な新居でした
夜は定番のキムチ鍋
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夜は定番のキムチ鍋
【2日目】
この日も起きてからダラダラしてしまい、6:30過ぎにスタート
【2日目】
この日も起きてからダラダラしてしまい、6:30過ぎにスタート
モフモフ登ります
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モフモフ登ります
三伏峠に向かう途中の樹林帯の隙間から。キレイに染まっています
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三伏峠に向かう途中の樹林帯の隙間から。キレイに染まっています
キレイな空【PHOTO by komemame】
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キレイな空【PHOTO by komemame】
三伏峠までは歩きやすい雪道が続きます
三伏峠までは歩きやすい雪道が続きます
塩見の鉄兜が見えてきました
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塩見の鉄兜が見えてきました
仙丈と甲斐駒も見え始めました
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仙丈と甲斐駒も見え始めました
三伏峠に到着
三伏峠より塩見。まだまだ遠いですね
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三伏峠より塩見。まだまだ遠いですね
整然と並んだテントたち
3
整然と並んだテントたち
三伏山に向かって登ります
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三伏山に向かって登ります
森林限界を超えるため風が強いです
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森林限界を超えるため風が強いです
三伏山より塩見岳を望む
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三伏山より塩見岳を望む
雲一つない良い天気です
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雲一つない良い天気です
スゴい存在感
開けた尾根筋を進みます
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開けた尾根筋を進みます
正面には本谷山と奥には仙丈ヶ岳と北岳・間ノ岳
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正面には本谷山と奥には仙丈ヶ岳と北岳・間ノ岳
進行方向右手には蝙蝠岳
進行方向右手には蝙蝠岳
塩見岳の尖った主稜線
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塩見岳の尖った主稜線
本谷山に到着
盛られた雪と塩見岳
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盛られた雪と塩見岳
何度も撮ってしまいます
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何度も撮ってしまいます
本谷山から権右衛門山の巻き道までは比較的平坦な雰囲気の良い樹林帯が続きます
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本谷山から権右衛門山の巻き道までは比較的平坦な雰囲気の良い樹林帯が続きます
塩見新道との分岐を過ぎてしばらく進むと森林限界を超えます
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塩見新道との分岐を過ぎてしばらく進むと森林限界を超えます
komemameもテンションがアガッてるようです
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komemameもテンションがアガッてるようです
ドカーンと塩見岳と天狗岩が現れました
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ドカーンと塩見岳と天狗岩が現れました
塩見小屋に到着。半分以上が雪に埋まっています
2
塩見小屋に到着。半分以上が雪に埋まっています
komemameの自分の影撮り【PHOTO by komemame】
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komemameの自分の影撮り【PHOTO by komemame】
美しいライン【PHOTO by komemame】
10
美しいライン【PHOTO by komemame】
塩見小屋を越えて【PHOTO by komemame】
塩見小屋を越えて【PHOTO by komemame】
雪稜を進みます
ようやくアイゼンがしっかり利き始めます
ようやくアイゼンがしっかり利き始めます
風の通り道
光と影が醸し出す雪山ならではの景色が広がります
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光と影が醸し出す雪山ならではの景色が広がります
ギラギラと輝く太陽
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ギラギラと輝く太陽
気持ちいい!
雪煙が舞う中進みます1
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雪煙が舞う中進みます1
雪煙が舞う中進みます2
1
雪煙が舞う中進みます2
やっぱり森林限界より上がいい!(komemame談)
1
やっぱり森林限界より上がいい!(komemame談)
天狗岩がデーンと進路に立ち塞がります
2
天狗岩がデーンと進路に立ち塞がります
縦位置だとこんな感じです
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縦位置だとこんな感じです
一歩ずつ慎重に歩を進めるkomemame
一歩ずつ慎重に歩を進めるkomemame
稜線上から白峰三山
5
稜線上から白峰三山
稜線上から仙丈と甲斐駒
5
稜線上から仙丈と甲斐駒
天狗岩の脇を巻いていきます
2
天狗岩の脇を巻いていきます
天狗岩を越えるとドーンと塩見本峰が立ちはだかります
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天狗岩を越えるとドーンと塩見本峰が立ちはだかります
さて、向かいます
さて、向かいます
大迫力の塩見岳
ここも強い風が吹き付けます
2
ここも強い風が吹き付けます
いったんコルまで下って…
いったんコルまで下って…
本峰に取り付きます
1
本峰に取り付きます
山頂が迫ります【PHOTO by komemame】
2
山頂が迫ります【PHOTO by komemame】
ここからは雪と岩のミックス
ここからは雪と岩のミックス
難所をクリアすると山頂まであと少し!
難所をクリアすると山頂まであと少し!
山頂に到着。中央にポツンと見えているのがdanyama【PHOTO by komemame】
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山頂に到着。中央にポツンと見えているのがdanyama【PHOTO by komemame】
塩見岳西峰に到着です
5
塩見岳西峰に到着です
山頂まで登らないと見られない富士山の姿
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山頂まで登らないと見られない富士山の姿
仙丈、甲斐駒、北岳、間ノ岳。南側から見る間ノ岳もとても優雅です
6
仙丈、甲斐駒、北岳、間ノ岳。南側から見る間ノ岳もとても優雅です
白峰三山と手前は間ノ岳へと続く長大な仙塩尾根
6
白峰三山と手前は間ノ岳へと続く長大な仙塩尾根
塩見岳東峰に移動
5
塩見岳東峰に移動
山頂より荒川三山。右の方には聖岳
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山頂より荒川三山。右の方には聖岳
山頂より富士山と蝙蝠岳。そして何とも魅力的な蝙蝠尾根
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山頂より富士山と蝙蝠岳。そして何とも魅力的な蝙蝠尾根
どうやら北アは雲の中のようです
2
どうやら北アは雲の中のようです
山頂より三伏山から本谷山に続く尾根。左隅に三伏峠小屋も見えていました
1
山頂より三伏山から本谷山に続く尾根。左隅に三伏峠小屋も見えていました
仙丈と甲斐駒。こう見ると仙丈は独立峰的な感じですね
3
仙丈と甲斐駒。こう見ると仙丈は独立峰的な感じですね
さて下山開始です
さて下山開始です
分かりにくいですが赤いフードを被った人の付近がツルンとしたルンゼ状になっていて特に下りは危険でした
4
分かりにくいですが赤いフードを被った人の付近がツルンとしたルンゼ状になっていて特に下りは危険でした
天狗岩。こちらから見ると切り立っています
4
天狗岩。こちらから見ると切り立っています
塩見本峰を振り返って。中央上部に4名のパーティーが見えているところが核心部
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塩見本峰を振り返って。中央上部に4名のパーティーが見えているところが核心部
白峰三山もこれで見納め
2
白峰三山もこれで見納め
仙丈ヶ岳&甲斐駒、北岳、間ノ岳もさよなら
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仙丈ヶ岳&甲斐駒、北岳、間ノ岳もさよなら
そして蝙蝠岳。近いうちに是非登りたいですね
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そして蝙蝠岳。近いうちに是非登りたいですね
塩見小屋に向かって下ります
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塩見小屋に向かって下ります
中央アルプスも雲の中
中央アルプスも雲の中
張り出した雪庇
塩見小屋まで戻ってきました
3
塩見小屋まで戻ってきました
塩見岳と天狗岩を振り返って
1
塩見岳と天狗岩を振り返って
傾き始めた日の中、樹林帯を戻ります
1
傾き始めた日の中、樹林帯を戻ります
急登よりもこんなビミョーな登りが一番堪えました
1
急登よりもこんなビミョーな登りが一番堪えました
戻る途中で塩見岳を振り返って
戻る途中で塩見岳を振り返って
あとから見ると行きと帰りまったく同じ場所から同じアングルで撮影してました
1
あとから見ると行きと帰りまったく同じ場所から同じアングルで撮影してました
だいぶ日が傾いてきました
1
だいぶ日が傾いてきました
本谷山への登り返し
本谷山への登り返し
この辺りまで戻ってきて、ようやく帰り時間の目処が立ちました
この辺りまで戻ってきて、ようやく帰り時間の目処が立ちました
蝙蝠岳ですね
本谷山で塩見をバックに山のポーズ
6
本谷山で塩見をバックに山のポーズ
富士山が頭をチョコンと出しています
富士山が頭をチョコンと出しています
美しい空と雲
トレースはバッチリ
トレースはバッチリ
最後に今一度塩見岳の勇姿を写真に収めます
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最後に今一度塩見岳の勇姿を写真に収めます
徐々に赤く染まり始めた塩見岳
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徐々に赤く染まり始めた塩見岳
左側に間ノ岳も入れて
1
左側に間ノ岳も入れて
夕日に染まり始めた本谷山と奥に仙丈
1
夕日に染まり始めた本谷山と奥に仙丈
三伏山の手前で再び森林限界を超えます
2
三伏山の手前で再び森林限界を超えます
三伏山まで登り返します
1
三伏山まで登り返します
雪もオレンジに染まります
2
雪もオレンジに染まります
空もオレンジから青のグラデーションに
1
空もオレンジから青のグラデーションに
北岳、間ノ岳、そして塩見の色がどんどん濃く染まっていきます
3
北岳、間ノ岳、そして塩見の色がどんどん濃く染まっていきます
大きな夕日と染まる雲海に向かって歩きます
11
大きな夕日と染まる雲海に向かって歩きます
この日は夕日が美しかったです。三伏峠小屋ももうすぐそこに見えます
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この日は夕日が美しかったです。三伏峠小屋ももうすぐそこに見えます
三伏峠まで戻ってきました
三伏峠まで戻ってきました
幕営地に戻る途中、空が紫色に染まっていました。右は本谷山、左に仙丈
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幕営地に戻る途中、空が紫色に染まっていました。右は本谷山、左に仙丈
17:38幕営地まで無事戻ってきました。本日の行動時間は約11時間。充実感たっぷり。
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17:38幕営地まで無事戻ってきました。本日の行動時間は約11時間。充実感たっぷり。
【3日目】
撤収して出発です
2
【3日目】
撤収して出発です
2日間お世話になりました
2日間お世話になりました
苦労して登った道も下りはあっという間
苦労して登った道も下りはあっという間
鳥倉登山口まで戻ってきました
鳥倉登山口まで戻ってきました
ここから再びひたすらの林道歩きが始まります
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ここから再びひたすらの林道歩きが始まります
軽くなったとはいえ、長時間背負っていると重い【PHOTO by komemame】
2
軽くなったとはいえ、長時間背負っていると重い【PHOTO by komemame】
寒気が緩んだ上、晴れ間が出始めて暑い!
寒気が緩んだ上、晴れ間が出始めて暑い!
ひたすら歩きます
ひたすら歩きます
冬季ゲートに到着
冬季ゲートに到着
こんな感じでみなさんクルマを路肩に止めていました
1
こんな感じでみなさんクルマを路肩に止めていました
林道は続くよどこまでも
林道は続くよどこまでも
好天のため時おり枝に積もった雪が融け落ちてきてダイアモンドダスト風に
2
好天のため時おり枝に積もった雪が融け落ちてきてダイアモンドダスト風に
2日前のスタック痕。地元の猟師の方たちには本当に感謝です
2
2日前のスタック痕。地元の猟師の方たちには本当に感謝です
まだまだ続くよ林道は
まだまだ続くよ林道は
林道歩きに疲れてパチリ。行きと比べるとやっぱり疲れた感じ
3
林道歩きに疲れてパチリ。行きと比べるとやっぱり疲れた感じ
林道の途中にあった水場。おいしい水が出てました
2
林道の途中にあった水場。おいしい水が出てました
ようやくクルマが見えてきました!
2
ようやくクルマが見えてきました!
3日間お疲れさまでした!いろいろありましたが充実感たっぷりの山行となりました
2
3日間お疲れさまでした!いろいろありましたが充実感たっぷりの山行となりました

感想

年末年始。この時季特有の強い西高東低が続く気圧配置の下。
第一候補として考えていた北アルプスは悪天の様相。
そうなると目が向くのが南アルプス。次の候補として挙げていた塩見に転進することに。

1日目。
いきなりですが、鳥倉林道冬季ゲート前でクルマがスタックしてしまいました。
最初の2回はスノーショベルで難を逃れたものの、
3度目でどうにもならなくなってしまいました。
昨年、八ヶ岳の舟山十字路で体験したこととまったく同じパターンを辿ります。
違ったのは舟山十字路ではJAFを呼びましたが、
今回は偶然通りかかった猟師の方々に牽引していただけたこと。
地元のみなさんの親切が身に沁みました。本当にありがとうございます。

結局、スタックしてから安全な場所にクルマを降ろすまで2時間のロス。
テンションがガタ落ちです。もう諦めて家で不貞寝を決め込む方に心が傾きましたが、
ここで向かわないと後から絶対に後悔すると思い直し出発。
そして駐車スペースから冬季ゲートまで歩いて戻るのにプラス1時間。
3時間のハンディを背負うこととなりました。

当初の計画では初日は三伏峠まで上がりBCを張って、
2日目は空身で塩見を往復。3日目に下山の予定。
BCだから「重荷でも何とかなるでしょ」という感覚であまり軽量化を気にせず、
いつもよりも多めの食材や寒さ対策グッズを背負っていましたが、
これが長い林道歩きで地味に効いてきます。
緩い傾斜と一歩ずつ微妙に沈み込む雪道。鳥倉登山口に到着するころにはうんざり。

ここからようやく登山道となりますがすでに14時前。
三伏峠までは到底届きそうにもありません。
15時を回ったら幕営適地を探しながら進むことにします。
荷物の軽量化を図るためにアイゼンを装着してのしのし歩きます。
歩くこと1時間半、3/10と4/10の間の豊口山間のコルに
適地があったのでこの日はここで行動終了。
微妙にイヤな距離を明日に残してしまいました。

2日目。
前夜の予定では、4時起き5時発を目指していたのですが、
きつい冷込みの前に敢えなく断念。
温々のシュラフからなかなか体を出せず5時前に起きて
ようやく6時半出発となってしまいました。

この日は初日のハンディを取り戻すべく行動時間は12時間程度を想定していたので、完全な出遅れです。
幕営地から三伏峠まで1時間半で到着。雪の下、CTより速く歩けており、
少し希望が見え始めました。
三伏峠〜三伏山〜本谷山〜塩見小屋手前までのアップダウンが続く樹林帯のルートは、
しっかりとしたトレースが付いていたので、微妙な登り勾配に消耗しつつも順調に歩を進め、
11時前には塩見小屋に到着することができました。

塩見小屋の手前から森林限界を超えて主稜線に出ると、
目の前には山は白く輝き、雪煙を上げた塩見岳と天狗岩が藍色の空の下に鎮座しています。
長い登高の末、見えた景色に俄然テンションが上がります。
稜線上の風は強いものの歩けない程ではありません。

天狗岩の脇を巻いていったんコルまで下り最後の岩場に取り付きます。
急斜面の雪はまだ安定しきっておらず、もろい感じで一歩ずつ慎重に進んでいきます。
上部に行くにつれ岩稜帯となり、2970m付近でルンゼ状の登りがありますが、
ここを進むことができずkomemameは撤退することに。

カチカチの斜面のトラーバースや、雪壁を登って塩見岳西峰に到着。
目の前にドーンと富士山が見えます。
東峰に移動し甲斐駒、仙丈、白峰三山、荒川三山、聖、蝙蝠岳など
360度の大展望を満喫して下山開始。
ゆっくり戻っているkomemameを追いかけます。

気の抜けない下降が続きますが、
komemameが撤退を決めた地点の下降が今回の核心部でした。
1回ではすんなり降りられず、
ちょっと紅茶を飲んで気持ちを落ち着かせてから再び下降を開始し無事通過。
樹林帯まで下ったところでkomemameと合流し、帰路に就きます。
最後は少しヘッデンのお世話になって無事幕営地に到着。
やるべきことはやったし、明日は降りるだけ。
この夜は昨日とはうって変わって気持ちがラクでした。

3日目。
ひたすら林道を下って歩き続けること3時間半、ようやく駐車スペースまで帰還。
食糧などを消費し、ザックは軽くなってるとはいえやはり長時間背負っていると重い。
冬季ゲートが見えると終わりのような気持ちになってしまいましたが、
ボクたちはさらに下らなければならず、ここでドッと疲れが出ました。


今回の山行は歩き始める前に擦った揉んだがありましたが、
好条件に恵まれたおかげで、初志貫徹ができ思い出深い山行となりました。
 
 

【komemame-memo】
<1日目>
天気:晴れ
この日のメインである林道歩きでは太陽の光をサンサンと浴びながら歩く。
おかげで暑いくらいだった。寒いよりはいいが、もろに顔に当たるので日焼けが気になる。
林道歩きは景色に変わりばえないためか、緊張感がないせいか、いつも歩きながら眠くなってしまう。

長い長い林道歩きを終えてようやく登山口に着いたとき、その先に続く急登が見えた。
とても歩ける気がしなかったが、歩き出してみると意外と平気だった。
平坦な林道をだらだらと歩くより、一歩一歩着実に前に進めるからか。

豊口山間のコルのところでdanyamaから「このへんでテントを張ろう」と声がかかる。
調子良く歩いていたので、もう少し行ける気もしたが
そう言われると、とたんにやる気スイッチがOFFになるから不思議。

テントを張るときは、いつものことながら指先の凍えがひどい。
とくにこの場所はときおり風が通るため、よけいに寒かった。
寒さ対策で今回は「熱々」という“屋外専用”使い捨てカイロを持っていったが、
これはとても優秀。
象足にひとつずつ入れたら、足先はぽかぽか。あたたかく眠れた。

食事(夜):キムチ鍋
豚肉(220g塩:こうじ漬)、野菜(350g:キャベツ、ネギ、ニラ、えのき、まいたけ)、餅(3コ)
鍋キューブのキムチ鍋の素を3個使用。水は雪でつくって700cc弱ほど。
就寝前に日本酒を熱燗で飲んであたたまった。


<2日目>
天気:晴れ
塩見は2年前の9月に歩いたことがあったが、天気も体調も悪くあまり良い印象がない。
しかも寝坊でスタートが遅れて、ちゃんと塩見まで行けるのか不安になった。
でも歩きはじめると七色の何とも言えないきれいなグラデーションの朝焼けが見えて、気を良くする。
どこまでも続く緩いアップダウンにうんざりもしながらも、気分は良かった。

稜線に出たら、目指す塩見岳が見えた。
もうこんなに近くまで来たんだ!とうれしくなった。

なのに、登頂はできなかった。
手がかりも足がかりもない岩場を前に、前に進むのが恐ろしくなってしまった。
danyamaに引っ張り上げてもらって進むこともできたが、
下りることを考えたら、動けない。
ひとりで引き返すことに。
とはいえ引き返すのも怖かった。
登ってきた道も、下りになるとまったく違う道に見える。
いつもより倍くらいの時間をかけて下りた。

安全圏まで下りてきたとき、気持ちは晴れ晴れとしていた。
いつもなら登頂を諦めた自分の駄目さ加減に後悔するのだけど、
今回はなぜかやれるとこまでやれたんだからいいやと思えた。
よい天気、すばらしい景色のおかげかもしれない。


食事(夜):白湯スープ鍋
鳥肉(220g塩:こうじ漬)、野菜(350g:白菜、ネギ、ニラ、えのき、まいたけ)、餅(2コ)、そうめん(2束)
鍋キューブの白湯スープ鍋の素を3個使用。水は雪でつくって700cc弱ほど。
そうめんは鍋の〆に。つるつるとおいしいけど、どうしてもしょっぱくなってしまうのが難点。
明日は帰るだけと気楽だったので、少し多めにホットワインを飲んで寝た。

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コメント

今年も楽しいレコとすばらしい写真を期待しております
いろいろいろなアクシデントにもめげず、最後までやり遂げるお二人の意思の強さに感服しております。
パートナーと一緒なら何とかなるだろうと、他力本願になりがちなところを、グッとこらえて山頂を目前にして一人下山することはなかなか出来ることでは有りません。信頼し合っているお二人だからこそ、ここで別々に行動できるのだと思います。
いつもながらのすばらしい写真と合わせ、大変すがすがしい気持ちで新年1回目のレコを読ませて頂きました。

お二人のファンの一人として今年も毎回のレコを楽しみに待っています。


・・・・たまにはhanaちゃんを連れての、のんびりレコも期待していま〜す
2014/1/3 0:35
あけましておめでとうございます。
yamaya1127さん

あけましておめでとうございます。

歩き出しの前のトラブルは精神的にかなりダメージが大きかったですが、
好天に勇気づけられ、何とか初心を貫くことができました。

komemameが撤退した地点は下りでかなりの危険を感じたので、
今回の撤退判断は正しかったと思います。
一方で、難易度が高い山の頂にどうやって一緒に立つのか、
これからの課題となりつつあります。

ファンだなんて身に余るお言葉ですが、
本年も拙いボクたちの記録を見てやっていただけるとうれしいです!

今年もよろしくおねがいします。

※hanaとの山行、暖かくなったらぜひ行きます!
2014/1/3 13:04
やりましたね。
冬季の塩見ですか。
うらやましいですが、かなりのハードさですね。

塩見は、娘の名前の由来の山でもあり、また行ってみたい山ですが、拝見して、冬季の可能性もさぐれそうです。

ことしもよろしくお願いします。
2014/1/5 4:41
塩見岳
devilmanさん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

出だしからトラブルがありましたが、
何とか完登することができました。

好天に恵まれることと頂上直下の難所さえクリアできれば、
いけると思いますよ。
devilmanさんの是非!

それにしても塩見岳がお嬢様の名前の由来とは、
さぞ思い入れが強い山なんですね〜。
どんな思い出があるのでしょうか。

こちらこそ、今年もよろしくお願いします!
2014/1/5 19:15
あけましておめでとうございます(`・ω・´)
天気に恵まれてとても良かったですね。

上手に天気を読んで山を選ぶ事が出来ずなかなか自分は天気に恵まれないです…

冬季塩見、いろいろアクシデンがありそれもまた楽しみの一つととらえてKomemameさんはあと一歩で山頂踏めなかったみたいですが、それでも楽しそうにしているのが伝わってきます。

今年も楽しみにヤマレコを拝見させて頂きます。
2014/1/6 11:30
明けましておめでとうございます!
nurupoさん

コメントありがとうございます!

年末はイマイチな予報が続きやきもきしてましたが、
南ア方面は直前で良い方に転び慌ててパッキングして出かけました。

残念ながらkomemameは頂上を踏めませんでしたが、
おっしゃる通り、本人的には好天の中で稜線を歩けたことで満足だったようです。

nurupoさんの真っ白な阿弥陀は残念でした…。
ボクも以前、御小屋尾根から美濃戸口にうまく降りられず、
すごくショックだったことを思い出しました。

今年もよろしくお願いします(`・ω・´)
2014/1/6 15:45
登山中、よくご一緒になった男二人組の一人です
こんばんわ。

鳥倉登山口〜三伏峠でご一緒になり、私どもは三伏峠でテントを張ったものです。


無事下山できたようでよかったです。
頂上直下の岩場は、本当に危険でした。
私どもは7時ごろ三伏峠に戻りました。

またどこかの山でお会い出来ることを楽しみにしております。
2014/1/6 19:22
おおっ、あの時の!
zhenzhenさん

こんばんは。

zhenzhenさんたちが、あの日最後のパーティーだったと思うので
komemameと二人でちょっと心配しておりましたが、
お互いご無事で何よりです。

19時三伏峠ですか。
2日連続の真っ暗な中の山行、お疲れ様でした。
それにしてもお二人の粘り強い歩きには頭が下がる思いです。

またどこかの山でお会いできますように。

コメントありがとうございます!
2014/1/6 21:57
すごい!どMな登攀されてたんですね〜
komemameさん
おはようございます。Koufaxです。

レコ探して、見つけました。2013年12月の年末
こんな厳しい時期に登っていたんですね!
ガッツあります! 尊敬します
そして、がんばりました!

先週の塩見岳 長い距離で厳しいですけど、、、
その前の週の光岳が意外とつらかったと、身体が申しております。
標高は低いのですが、、アップダウンが結構あったように思います。
その身体へのダメージで、翌日の聖岳 ばてばてだったのです・・・

アクセスも遠い南アルプス 大変でした。。
でも、皇海山のアクセスが一番厳しいと思います
2015/6/25 8:32
Re: すごい!どMな登攀されてたんですね〜
koufaxさん

おはようございます!
このとき、私は山頂まで行けなかったのですけど・・・
あのとき見るからに山頂直下は危険極まりない、
ただならぬ雰囲気を放っていました。(私にはそうみえました、笑)
でもちょっと降りたら、天気も良く雪もたっぷりあって
なんて気持ちがいいんだろう!と思えるほど。

光・聖、塩見と、2週連投のつかれは取れましたか???
私もkoufaxさんを見ならって頑張ります!
2015/6/29 7:17
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未入力 塩見・赤石・聖 [2日]
塩見岳(鳥倉林道より)
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

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