谷川主脈縦走・紅葉彩る天空の稜線歩き
ぐろさん
体力度について
- GPS
- 13:18
- 距離
- 39.7km
- 登り
- 2,868m
- 下り
- 3,175m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 11:57
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 13:19
| 天候 | 晴れのち曇り 南から5〜13m/sの強風 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 自家用車
自転車
・自転車：元橋駐車場にデポ。主脈縦走後、越後湯沢駅までサイクリング。 ・JR上越線：越後湯沢駅→土合駅420円。17：52発が水上行き最終。自転車は輪行バックに入れれば無料。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・谷川岳や主脈など、今年の紅葉の色付きは1週間以上遅くボリュームも少ない印象。寒暖差があまり無く、紅葉前に葉が枯れたり落葉しているものが多いと思われる。寒気が入る今週半ばからに期待。 ・ラクダの背〜松手山までは、森林限界を越え遮るものが無い稜線歩き。秋でも日差しが強いと熱中症の恐れがある。また水場が無いので要注意。私は4ℓ持っていき、3.5ℓ消費した。 ・西黒尾根登山口〜ラクダの背：泥濘で滑りやすい。鎖場二か所あり。 ・ガレ沢ノ頭〜ザンゲ岩：蛇紋岩帯の急坂。マチガ沢と東尾根が目の前にあり、清水峠や朝日岳など抜群の眺望。 ・肩ノ小屋〜オジカ沢ノ頭：紅葉彩る開放的な稜線歩き、岩稜帯と鎖場二か所あり。 ・オジカ沢ノ頭〜万太郎山：美しい紅葉や阿弥陀沢の景色を眺めながらの稜線歩き。急下り後、徐々に標高を上げる。大障子ノ頭西側は足場の悪い岩稜。万太郎山への急坂の登り返し。万太郎山付近は紅葉最盛期で絨毯のようだった。 ・万太郎山〜エビス大黒ノ頭：主脈縦走の核心部は、紅葉彩る美しい景色と稜線歩き。この行程約3.2kmを最低鞍部まで標高で390m下り、エビス大黒ノ頭まで標高で320mと登り返す。滝や険しい岩稜帯が美しい。 ・エビス大黒〜仙ノ倉山：避難小屋まで急下り後、仙ノ倉山山頂まで登り返し。付近は紅葉最盛期だった。 ・仙ノ倉山〜平標山：谷川主脈の紅葉は、標高が一番高い2026mの仙ノ倉山が最初に色付く。紅葉が点在する平仙鞍部はチングルマの紅葉も見られる。 ・平標山〜登山口：一ノ肩から松手山の紅葉が色付き始め。雑木林帯はどんぐりなどが多く落ちているのでクマ出没注意。 |
| その他周辺情報 | ・土合駅：無人駅周辺が再開発。駅前のグランピング施設「DOAI VILLAGE」は群馬県産食材のBBQなど、駅舎内の喫茶店「駅茶mogura」は軽食とコーヒー。 https://doaivillage.com/ https://we-love.gunma.jp/ryoko/ekissamogura ・ＪＲ越後湯沢駅西口にある足湯。無料。やや熱めの湯が心地よい。https://www.town.yuzawa.lg.jp/soshikikarasagasu/chiikiseibibu/kensetsuka/2/3248.html ・ＪＲ越後湯沢駅駅ビルCoCoLo湯沢・がんぎどおり：お土産店やレストランなどのショッピングセンター。 https://jenic.jp/cocolo/?sc_name=yuzawa ・ぽんしゅ館：同センター内にある店。新潟全酒蔵の代表銘柄が並ぶ。利き酒も可。 https://www.ponshukan.com/yuzawa/ |
写真
1時に前橋市を出発。自転車をデポするため元橋駐車場へ向かう。新三国トンネルを爆走。ちなみに月夜野ICから駐車場まで一台もすれ違わなかった。
3
天神尾根が見える。天神ザンゲ岩から天狗の留り場まで色付き始めていた。今年は1週間ほど色付きが遅い。今週半ばに入る寒気に期待。
7
ここでエナジーチャージ。おはぎとコーラ。これで500kcalある。ちなみに主脈縦走で消費した熱量は3501kcal。食後1時間の血中血糖ピークでエビス大黒ノ頭の激登りに備える。
9
主脈縦走とサイクリングをしてきた野太いふくらはぎ。しばらく足湯に浸かってのんびり。入浴後は臭い靴下を再び履かなければならないのが残念。
6
感想
10月、神無月。全国の神様が出雲大社に集う月と言われている。年に一度の集合は企業や行政などの総会をはじめ、個人宅では正月などもあるだろう。最近では遠く離れていてもリモートで仕事や会議など普通になった。孫と祖父母での会話をSkypeなどでされている方も多いだろう。
いにしえの神様も、現代ではリモートすれば地元を留守にせず、出雲大社に出掛けなくても良いはず。神様もきっと私生活があるから、画面の背景はぼかすのかな？たまに子供や奥さんの声とかが入ったり、ペットが乱入するなどがあるとさらに楽しそうだ。もしかしたら、動画をアップするユーチューバーだったりして。神様の副業。
予定通り、年二回恒例の谷川主脈縦走へ。今回も谷川主脈を散策後、デポした自転車で越後湯沢駅まで行き、電車で戻る周回。紅葉と景色を徒歩とサイクリングで楽しむ「秋の大運動会」。独りだけど何団かな？特別に谷川団にして欲しいな。
前橋を1時に出発。渋川ICから関越道を走り月夜野ICで下車。国道17号を新三国トンネルを越えて元橋駐車場に到着。月夜野から一台の車ともすれ違わなかった。2時半だが駐車場には10台ほど停まっていた。自転車をトイレ裏にデポしてみなかみ町へ向かう。
相俣を左折して仏岩峠を越える。二ホンジカが多い。湯檜曽でも道に数頭いた。JR土合駅に駐車。駅舎内は工事中で北側に事務所が設置されていた。3時10分装備して出発。真っ暗な291は見上げる星空がきれいだった。オリオンに願いを込めて。
西黒尾根登山口から取り付く。気温8℃だが湿度が高く蒸し暑い。ヘッドライトに照らされる空気は浮遊する霧が反射していた。Lブナに久々に会ってふれあい。ラクダの背からは予想通り美しい朝焼け。今日は一日薄曇りなので、真っ赤に燃える朝焼けを期待していた。
淡々と歩いてガレ沢の頭で日の出待ち。なんと太陽柱が現れた。ほぼ無風で空気中の氷の結晶が太陽光に反射する現象。サンピラーは久々に見るな。日の出入りや厳冬期なども発生しやすい。真っ赤に焼ける空に、日光白根山付近から立ち上がる太陽柱。しばらく眺めていた。
モルゲンの谷川岳と紅葉を仰ぎ見て、遅れた日の出と共に歩み出す。ガレ沢ノ頭からザンゲ岩までの紅葉は最盛期の半分くらい、ラクダの背付近は色付き始め。眺める天神尾根も色付きが遅く少ない。来週あたりが最盛期だろう。
肩の広場と方位柱を経てトマノ耳へ。誰もいなかった。記念撮影と山座同定して谷川主脈へ。トマオキ間から一ノ倉岳付近や西斜面は色付いてはいるが少なく感じる。昨年の山頂付近は9月23日で最盛期だったから、違いが良く分かる。
肩の小屋から谷川主脈へ。14回目の主脈縦走だが、何度来てもワクワクする瞬間。中ゴー分岐辺りからオジカ沢ノ頭の北斜面は紅葉最盛期。今年は場所によって差があるようにも感じた。
谷川主脈は、ラクダノ背から松手山までは遮るのもが無い開放的な道。秋でも日差しが強く暑く熱中症になりやすい。水場が無いのでそれなりの準備と計画が必要だ。実際、薄曇りだったが、左腕と顔は日焼けしてヒリヒリした。
日差しも弱かったので紅葉も照らず白飛びせず、PLフィルターを使用せずとも、色をはっきり写せた。稜線は南からの強風で涼しかったが、標高を下げると蒸し暑く、持参した4ℓの水も、越後湯沢駅まで行くと0.5ℓ残しただけだった。
強風のオジカ沢ノ頭に到着。爼�瑤醗ぬ鐶紡瑤�やはり美しい。万太郎山を目指して下り込む。私が一番谷川主脈でお気に入りの場所。標高は低いが、まさに天空の稜線に相応しい道。徐々に標高を上げ、大障子ノ頭でエナジーチャージ。食後1時間でブドウ糖血中濃度のピークが来るので、エビス大黒ノ頭の登り返しに備える。
万太郎山へ登り返す。周辺は紅葉の最盛期で、今日ここが一番紅葉がきれいだった。特に北側の万太郎尾根は岩稜と紅葉が相まって美しかった。毛渡乗越へ下り込む道も美しい紅葉。左手には爼�瑤斑�川主脈に挟まれた阿弥陀沢の草紅葉が見えた。
最低鞍部からエビス大黒ノ頭までも素晴らしい紅葉。強烈な登り返しだが、美しい紅葉や赤谷川の滝マワットノセンなどを眺めながら歩いた。何も考えず淡々と歩けばいつかは目的地に着くのだ。先が見えれば、計算して楽しようとするのが人間の性。
最低鞍部から1時間で到着したエビス大黒ノ頭で、いつも通り昼食。今日は黒毛和牛丼に煮卵と蒸し鶏の中華サラダを頂いた。デザートは旬のリンゴを使ったパフェ。秋らしい色柄で紅葉に相応しい。ガッツリ食って下山口までガシガシ歩く。
避難小屋まで急下り後、仙ノ倉山まで登り返す。振り返ると歩いて来た稜線の紅葉とエビス大黒ノ頭の美しく険しい山容。新潟側は低木の紅葉と笹帯、群馬側は険しい岩稜帯。分水峰と雪が作り出した自然環境と地形を見ることができる。
紅葉のトンネルを抜けて仙ノ倉山山頂へ。二名居た。平仙鞍部は南からの風がさらに強くなった。平標山の木階段を上がる。薄曇りの割には空気が澄んでいるので、富士山や八ヶ岳まで見えた。
平標山山頂に到着。13時半を過ぎ誰もいなかった。強風で三脚にザックをぶら下げて撮影した。12m/s近い南風が雲を流して、北側だけ青空が見え始めた。下る道から見る一ノ肩や松手山付近の紅葉も、色付きが一週間ほど遅かった。ヤカイ沢方面は全く色付いていなかった。
松手山からは樹林帯となる。ブナの葉の色も未だ緑が濃く、黄金色になるのは2週間以上先になるだろう。二合目からは雑木林帯となり足元にはドングリや木の実がたくさん落ちていた。クマが食い溜め時期に入っているので要注意。
平標山登山口に到着。土合駅から12時間20分かけて歩いて来た。今回は登り返し対策で栄養補給の小休憩を随所に入れ休憩時間は増えたが、山行時間は予定より30分短縮できた。今年は体重が2kg増えたので、細やかな計画が功を奏したのだと思う。体重増でも体力と筋力も増えたのだろう、例年より更に疲れなかった。腹の脂肪が消えないのは不思議だが・・・。
ちなみにザックは水4ℓを含んで15kgだった。カメラ装備と食料はオレ流エゴの証し。軽量化などアウトオブ眼中。総重量は0.1tと四捨五入しなくてもトン表示できる。
デポした自転車を回収して、自販機前のベンチで自転車装備に換装。駐車場管理の方から「近所の方ですか？」と尋ねられ、「前橋市です。土合駅から歩いて来て、越後湯沢駅まで自転車で行って、電車で土合駅に戻ります。」と答えた。昨年も同じ質問されたな。去年は新潟県警の警官も居て、電動自転車の話になった。
国道17号を三俣方面へ下る。ダウンヒルがしばらく続く。向かう風が冷たい。二居トンネルは長く薄暗い。みつまた道の駅から芝原トンネルまで約3kmのヒルクライム。山行装備と登山靴なので速度は9km/hがやっと。毎回ここでは汗だくになる。
芝原トンネルを抜けるとヘアピンが続く九十九折れの急坂。車並みに速度を上げる。越後三山と稲刈りを終えた棚田が、米処の新潟湯沢町を物語る。市街地方面へ右折し、グランピングテントが並ぶナスパスキー場を回り込んで越後湯沢駅前に到着。
予定より30分早く着いたので、西口の足湯でしばらく寛いでいた。月曜の夕方で貸し切り。臭い靴下をまた履かなくてはならないのが残念。越後湯沢駅内に入り、CoCoLo湯沢・がんぎどおりとぽんしゅ館で買い物。見ているだけでも楽しい。
時間になったので420円の切符を買い改札してもらう。ホームで自転車を輪行バックに入れる。袋状の物で覆ってあり、持ち運びできるようになっていれば、JR上越線は手荷物となり無料。輪行や手荷物は鉄道会社や路線でルールが異なる。
支度を済ませ10分ほど待つと電車がホームに入ってきた。17時52分発の水上行き最終。いつも通り最後尾車両の一番後ろの席周辺に座る。大きな手荷物を持っている際のマナーだ。定刻通りに出発。夜の帳が降りた車窓からは何も見えなかった。以外にも岩原や中里で下りる高校生が多い。
ループを走り抜け土樽駅からは清水トンネル。国境のトンネルを抜けて土合駅に18時18分に到着。15時間ぶりに戻ってきた。無人駅の駅舎内に出来た「駅茶mogura」も閉店していた。早朝来た時と同じで真っ暗な駐車場。自転車を積み込み帰路へ。
水上ICへ向かう途中の道脇に車を停める。いつもの田園地帯から谷川岳とオジカ沢ノ頭を眺めたいから。やはり暗い闇夜に紛れ何も見えなかった。そっと目を閉じる。徐々に紅葉に彩られた美しい稜線と山稜が蘇る。記憶はいつも色褪せず私の心に残っている。ありがとう谷川主脈。
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