槍ヶ岳 〜 双六岳 【へろへろ西鎌尾根】
akappage
- GPS
- 32:00
- 距離
- 38.1km
- 登り
- 3,040m
- 下り
- 3,029m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 10:54
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 11:51
| 天候 | 27日（土）晴れ 28日（日）快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
危険個所はありませんでした。各コースよく手入れされていました。 |
| その他周辺情報 | 下山後の入浴 中崎山荘・奥飛騨の湯：800円/人 |
| 予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
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感想
新穂高温泉から槍平を経由して槍ヶ岳に登頂後、その足で西鎌尾根経由で双六小屋のテン場に至る…。ここ迄の行程を1日でこなして双六小屋のテン場で一泊してから二日目は双六岳の山頂からご来光を見た後に小池新道を経由してゆっくりと新穂高に下りてくる。そんなプランを考えて実際に挑戦したのは、実は昨年秋のこと。
初めての槍ヶ岳登頂に加えて、西鎌尾根縦走というタスクが加わって自分でも気持ちがかなり高ぶった状態でした。その高ぶりが（自分の体力からしたら）無謀な装備につながってしまいました。せっかく泊りがけで行くのだからと缶ビール（3本）や720mlの瓶入りワイン、更にはオードブルのようなおつまみをザックに詰め込んで計ってみたら23kgになっていました。完全に調子に乗り過ぎてました。
その目方を背負って新穂高から槍ヶ岳に登頂後、西鎌尾根を縦走して双六小屋に至る行為が何を意味するかも分からないまま、金曜日の仕事が終わってから帰宅後早々に神奈川の自宅を出発して新穂高に到着したのは午前0時頃。深山荘の無料駐車場は既に満車だったため、鍋平駐車場に回されました。
鍋平駐車場の入口にいた警備員さんが、親切に新穂高温泉へのショートカット道があることと、手書きの簡単な地図をくれました。ロープウェイの鍋平高原駅の脇辺りから新穂高温泉に下るショートカット図でしたが、警備員さんは、道が分かりにくいから夜中は避けた方が良いとアドバイスしてくれました。
素直にそのアドバイスを聞けばよかったものを、ハイテンションの私はどこ吹く風で、午前2時過ぎに23kgのザックを背負って、ショートカットがあるとされる場所に足を踏み入れました。結果はお約束通りの道迷い。強引に下りる誘惑に駆られましたが何とかその誘惑は振りほどいて鍋平高原駅まで登り返しました。ここで約1時間のロス。
結局車道を歩いて新穂高温泉のビジターセンター（昨年はまだできてませんでした）に着いたのは、午前4時前。そこから右俣谷林道を歩きだしたものの、白出沢に着く頃には荷重による疲労と睡魔が容赦なく襲ってきて、フラフラになってしまいました。
何とか槍平に辿り着いたものの、このまま歩き続けたら途中で行動不能になると思い、急遽予定を変更して槍平のテン場にテントを設営して、アタック用のミニザックのみで槍ヶ岳に登りました。もちろん双六は中止。敗北感に打ちひしがれた初槍となりました。
という訳で、今回の山行は一年越しの再挑戦という位置付けでした。今回は昨年の教訓を活かして、荷物も出来る限り軽くするように努めました。ビールは我慢しました（我ながら偉い！）。ワインもいろはすのボトルに詰め替えて持っていきました。（かみさんには、「そうまでして持っていくの？」と呆れられましたけど…汗）
この涙ぐましい努力の甲斐あってザックの目方はジャスト18kg！昨年よりも5kgも軽量化しました。
こうして満を持して臨んだ今回の山行。9月26日（金）午後11時30分に深山荘の無料駐車場に到着。幸い側道に入って直ぐのところに1台停めるスペースが空いていたのでここに停めました。車中で2時間半ほど仮眠をとりいざ午前3時に出発。勿論、単独行です。
昨年の鍋平迂回と道迷いによるロスのことを思いだしながら、今年こそは！と気合を入れて歩き出しました。右俣の林道で一緒になった石川県の羽咋市からきたMNさんと話しながら槍ヶ岳を目指しました。
千丈分岐では、やはり石川県からやって来ていた男女のペアと楽しくお話ししました。松任市出身の女性がとにかく明るい方で、この日の槍ヶ岳が百名山の100座目というメモリアル登山とのことでした。野々市市出身の男性は終始にこにこした優しい感じの方でした。
好青年のMNさんとは、飛騨乗越に向かう急登のザレ場で別れるることになりましたが、楽しく登ることが出来たのは彼のおかげでした。山はこのような出会いがあるのも魅力の一つです。
MNさんが、来年のゴールデンウィークは是非白山に登ってください！と言って色々とアドバイスしてくれました。かみさんと一緒に行こうと思います。
槍ヶ岳山荘にザックをデポして槍ヶ岳に登頂後、直ぐに千丈乗越に向けて下りました。ここまでやはり結構きつかったものの後は標高的には下降なので大丈夫だろう…と高をくくっていた付けが最後に回って来ることになるのも知らずに。（昨年の教訓が活かしきれてないなぁ…と反省しきりです）
西鎌尾根は全般的に安全に歩ける道ですが、想定していたよりもアップダウンがきつかったです。双六の手前、最後に待ち構えている樅沢岳の登りは本当にきつかったです。文字通りヘロヘロになった西鎌尾根でした。ただ、このきつさの分だけこの日のゴール到着後の喜びも大きかったです。
西鎌尾根の途中、30代と思われる単独行の山ガールに風のように抜かれました。抜かれざまに聞けば、10日間の行程で白馬まで縦走するとのこと。前日、上高地から入って白馬まで…本当にすごい人がいるもんです。自然の中の自分の小ささもそうですが、山に行く人の中でも自分がいかに小さい存在かを思い起こさせてくれました。こう言う気付きは本当ににありがたいなぁと思います。
昨年の悔しい思いを一年越しで払拭できたのは良かったものの、残念なこともありました。双六小屋で御嶽山が噴火したことを聞きました。この日の天気であれば御嶽も相当な人達が上にいたのではないかと思いました。
同じ山人として無事を祈りましたが、残念ながら多くの方がお亡くなりになりました。噴火翌日の9月28日（日）の早朝、双六岳の山頂からは噴煙が東に棚引く御嶽山が見えました。お亡くなりになった方々のご冥福を祈りました。
山をやる方ならご存知の方も多いと思いますが、私のペンネームのakappage（あかっぱげ）は、御嶽山の田の原口から頂上を目指す登山道の途中にある地名です。面白半分に家族で登った初めての山が御嶽山でした。私の山登りの出発点だったのでペンネームに拝借してます。それだけに今回の噴火とそれに伴って犠牲者の方々が出たことには思うところがあります。
2日目は、ゆっくりと新穂高に下りるだけです。途中、鏡平で前日千丈分岐で知り合った石川県から来ていたお二人（百名山達成の方）にまたお会いしました。野々市の男性がまたどこかで会えるかもねとニコニコしながら言ってくれたのが嬉しかったです。
今回の山行は色々な意味でとても意義深いものになりました。出会った方々と本当は心配なのに気持ちよく送り出してくれたかみさんに感謝したいと思います。
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