剱岳(八ッ峰断念、別山尾根で)


- GPS
- 15:24
- 距離
- 16.4km
- 登り
- 1,772m
- 下り
- 1,786m
コースタイム
- 山行
- 3:56
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 4:16
- 山行
- 8:13
- 休憩
- 2:21
- 合計
- 10:34
天候 | 8月9日:晴れ→昼頃に小雨→午後曇り 8月10日:晴れ 8月11日:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
安曇野ICから扇沢へのルート: http://www.kurobe-dam.com/access/guide_car.html 扇沢駐車場 市営無料駐車場:170台+60台 有料駐車場350台、1000円/24時間 https://tozanguchi-p.com/post-442/ https://www.kurobe-dam.com/access/guide_car.html 到着日は第一無料駐車場が8割程度埋まっていた。帰りの山の日(お盆休み初日)は、2キロ下った辺りまでスノーシェッド前後の両側路肩に路駐されていた 黒部立山アルペンルート 扇沢から室堂:片道6,850円、往復12,300円 WEB予約あり。扇沢からの行きの便は指定可能。室堂からの帰りは指定不可 https://www.alpen-route.com/index.php 剱山荘(1泊目利用): 1泊夕食のみで12,000円だった。温水シャワーがあり、汗を流せるのがありがたい(石鹸シャンプー使用不可)。トイレも水洗。小屋前には誰でも利用できる水場がある。携帯電波は入りずらい(ドコモは1本のみ) https://www.kenzanso.com/blank 雷鳥荘(2泊目利用): 飛び込みで空いていたので宿泊した。1泊夕食のみで9,900円だった。かけ流しの硫黄泉の温泉あり。ソープ・シャンプーは備え付け。食事も山小屋の域を出る。水洗トイレ。クレカ、QRコード決済可。携帯電波は届く。free wifiあり http://www.raichoso.com/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
室堂バスターミナルから雷鳥沢: 観光客も利用するハイキングコース。下り基調で帰りはつらい 雷鳥沢から剱御前小舎: 2通りあるが、個人的には新室堂乗越を経て小舎へ向かうルートを使う。静かで上り下りしやすく、高山植物も多い。多くの方が使うダイレクトに登る雷鳥坂ルートは、ザレた急な道なので下りは滑りやすく慢性的な膝の痛みを抱える私には不向き。また登山者が多いので、スライドにも気を遣う。いずれのルートも約500mの標高差の登りはキツイ。 剱御前小舎から剱沢小屋経由で剱山荘: 小舎から剱岳に向かって右方向にトラバース気味に下り、その後に剱沢のテン場へと下る。富山県警剱沢警備派出所の前から剱沢小屋へと下る。小屋の背後を通って、剱山荘へほぼ平坦な道を進む。なお、剱御前小舎から左方向に剱御前の山腹をトラバースしながら剱山荘へ下るルートもあるが、雪渓の上部を数メートルほど横切る。アイゼンはなくても通過可能だが、慣れない人は剱沢テン場経由を選択した方が良い。 剱山荘から前剱: 剱山荘からヘルメット着用を推奨。一服剱への登りから鎖場があり、浮石の落石も起こしやすいので、前後(上下)の登山者にも目を配ること。一服剱の奥に立ちはだかる前剱へも同様な登りが続く。前剱山頂直下をトラバースして進む道があるが、前剱山頂を踏んでいくルートをお勧めする。 前剱から平蔵の頭を経て剱本峰: 平蔵の頭から鎖を伝ってコルへ下り、平蔵のコルから右側に下るようにカニのタテバイの取り付きに進む。左に尾根を登ってしまうとカニのヨコバイからの下山ルートに進んでしまう。難所が続く緊張する核心部なので、無理しないで引き返す決断も必要。落石には要注意。カニのタテバイ通過後は山頂まで危険個所はない。 剱本峰から剱山荘: 危険個所は上下で別のルートを取るよう整備されている(カニのヨコバイや平蔵の頭などの通過)。剱山荘まで気を抜かず落石を起こさないこと。先に下る登山者や登ってくる登山者を直撃しやすい。 剱山荘から剱御前小屋経由で雷鳥沢: 一般登山道の峠越え。ダイレクトに雷鳥沢へ下るか、新室堂乗越経由で下るかは好みで。 雷鳥沢から新室堂乗越: 雷鳥荘までの石段の登りがキツイ。みくりが池温泉までは緩やかな登り。雷鳥沢から室堂まではよく整備された石畳の道 |
その他周辺情報 | コンビニ 安曇野ICを下りてから扇沢に向かうまでに、メジャーなコンビニが数軒ある 日帰り入浴 <大町温泉郷周辺> 湯けむり屋敷 薬師の湯:今回も利用 7:00~21:00(最終入館20:30)。750円。TEL.050-3101-9679。長野県大町市平2811-41。扇沢から車で約15分 http://o-yakushinoyu.com/ 籠川渓雲温泉、13:00~19:00、720円、0261-22-1530 https://www.kuroyon-royal.jp/hotspring/ 葛温泉 高瀬館: 10:00~20:00。700円。TEL.0261-22-1446。長野県大町市大字平高瀬入2118‐13。扇沢から車で約20分、七倉山荘の手前 https://www.takasekan.com/hot-spring/ <室堂周辺> 雷鳥荘: 11:00~20:00。1000円。地獄谷を源泉とする白く濁る硫黄の香りの100%掛け流しの湯(風呂の中の階段を上がった湯舟。下の湯舟は普通の水を沸かした湯かな?)シャンプー、ソープあり http://www.raichoso.com/sisetu.html みくりが温泉: 9:00~16:00。1000円。地獄谷を源泉とする白く濁る硫黄の香りの100%掛け流しの湯。シャンプー、ソープあり http://www.mikuri.com/spa.html |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
俗にいう日本三大岩稜の一つである剱岳の八ッ峰。剱御前小舎や剱沢小屋から眺めると、剱岳山頂から右下に伸びる優美なギザギザの尾根だ。穂高の滝谷や谷川の一ノ倉沢のような岩壁ではないが、1峰から8峰、さらに八ッ峰の頭まで九頭竜を越えていく屈指の岩稜バリエーションルート。
結婚と同時に山をやめて四半世紀ちょっとのブランク。56歳で本格復帰し、ヤマレコに記録を残し始めた。59歳の時に前穂の北尾根で30年ぶりに北アルプスに復帰を果たし、その翌年の60歳には積年の夢だった槍の北鎌尾根をやった。
残るは八ッ峰。岩稜の険しさ、ルーファイの難しさ、必要とされる技術と体力、いずれをとっても北尾根や北鎌尾根を上回る。峰々の下りで懸垂下降を多用することから、ロープ技術も必要になる。
自分には八ッ峰は無理だろうなと思いつつも、ひょっとしたらという期待で、61歳の時に奥武蔵の阿寺での実地講習会に参加して懸垂下降の技術を習得した。以降、現役時代は勤務先の工場の外付け非常階段を利用(乱用?)し、引退後は尾張の実家に行ったときに、近くの里山で見つけた20mほどの岩場で時々練習してきた。
八ッ峰でのスリップ事故やルーファイミスのリスクを最小限にすべく、雨やガスなどのない天気予報のコンディションを毎シーズン狙ってきた。完璧さを求めすぎて何度か絶好のチャンスを逃し、コロナ禍も加わって5年が経過してしまった。すでに66歳になり、身体的な衰えの方が最大リスクとなってきた。
ベテランの経験者に同行してもらうとか、ガイドに引率してもらうことも考えたが、北尾根や北鎌尾根と同じく、ソロのスタイルを貫くことにした。(故)谷口けいさんの八ッ峰のDVD(山と渓谷社、アドバンス山岳ガイド)を何度も見たし、様々な方のレコやブログもチェックして研究してきた。
おかげで、レコなどの写真説明の「X峰の登り」とか「〇峰のクライムダウン」などの記載において、「△峰の間違いじゃん」とすぐに指摘できるようになった。各峰の状況やルート取りを頭に入れることができ、今回は満を持して出かけたつもりだった。
長次郎谷の雪渓の状態が悪いことは把握していた。昨今の温暖化で雪渓の傷みは年々早くなり、7月上旬ごろから予報とにらめっこしてきた。二日連続で晴れる予報を狙っていたが、ズルズルとお盆休み直前になってしまった。
雪渓の損傷状態はますます進んだと思われたが、ヤマレコやヤマップの情報をもとに一抹の不安を抱きながらも、何とか長次郎谷出合の雪渓崩落個所や途中の危険個所も突破できるのではないかと期待して出かけてきた。しかしながら、取り付きまですら到達できない状況と判明。雪渓に関しては楽観的過ぎた。
八ッ峰をやったら、岩稜のバリエーションルートは卒業だと心に決めていた。年齢的な体力や気力の衰えからも、今シーズンが最後のチャンスと狙って臨んだのだが、結果は挑むことすらさせてもらえず、あっけなく終わってしまった。
きっと「お前の未熟さではまだ早い」、というか「お前の年では挑戦には遅すぎる」との山の神様の思し召しなのだろう。来シーズンからは一般登山道に専念するつもり。とはいえ、「60代、男性、ソロ」という遭難・事故率が一番高いカテゴリーに入っているので、一般登山道といっても健全な恐れの意識をもって慎重に山歩きを続けたいと思う。
それにしても、今回は久しぶりにロープ類など詰めた重いザックに苦しんだ。50mロープが3キロちょっと、ATCやカラビナ類、12本爪アイゼン、ピッケル、パワーヘッドランプで計5.5キロの重量増。老化しつつある背骨が圧迫骨折するんじゃないかというくらい痛んだ。とてもテン泊装備と一緒には担げない。小屋泊しかありえないと実感した。
翌日の剱岳はアタックザックでの軽量登山のおかげで、剱山荘から山頂まで500m強の標高差をホイホイ登れた(笑)。本番シミュレーションとして上記の5.5キロ一式を剱山頂へ担ぎ上げるべきだったか・・。重いザックで室堂と剱山荘を往復し、標高差500mの峠越えも歩荷したので、「まぁ、これで良しとしよう」と自分に言い聞かせている。
たぶん会ってます、御前で。
御前に着く手前でパラパラ降ってきて、御前でラーメン食べました。
長次郎ルートは左股はダメで右股のみだったみたいですが、真砂をベースにした農大山岳部は、長次郎谷を駆け降りてきましたよ、ツボでピッケル振り回しながら(笑)
双方の時間を照合すると、みくりが池温泉小屋から雷鳥荘の間でお会いしてますね。御前でもひょっとすると重なったかも。
ということで、ふと思い出しました。ソロ女子がみくりが池からみくりが池小屋へと石段を登っていた時にストックの先のゴムのプロテクターを落とし、それを拾って女子に届けに石段を登り返して手渡しされた女性の光景がフラッシュバックしました。
この奇特な女性が奥様ですよね?女性に「上まで登って行かんでええよ」とか言ってた男性がダン之助さんだったでしょうか?
私も「そうだそうだ。受け取りに下りてくるのを待ってりゃいいのに」と心の中でつぶやいていました(笑)
せっかくバッタリできたのに、惜しいことをしました。次回はぜひご挨拶したいものです。
ところで、農大山岳部の連中は長次郎谷を下りてきたんですね。また八ツ峰チンネに向かうソロ女子もいたとのこと。やっぱり行けないことはなかったですかね。
年と共にビビリがひどくなってすぐに引いてしまいます。八ツ峰は私にとって夢のまた夢になりそうです。
バリエーションの情熱を随所で感じました。八ツ峰、まだ諦めるのはまだ早いです。小屋泊まりにして、更なる軽量化がはかれそうなので、ここは、情熱全開にし装備の軽量化を果たし、是非トライされてはと思いました。八ツ峰には3年前に行きました。ここを通れる技量があるなら、剱の中でも絶対に行っておいた方がいいルートです。八ツ峰に必要なのは懸垂だけです。
アイゼンは、トレランシューズにも取り付けられるタイプがあって、チェーンスパイクと同等の重さ。ロープは、7mm 40M(Edelrid スキマーとか)。ピッケル不要。ハーネスは軽量簡易タイプ。
これだけでもかなりの軽量化になり、小屋泊まりにすれば、下半部通しで剣山荘まで行けると思います。
上記装備にすれば、源治朗も楽に行けるはずです。
同年代(たぶん1つ違い)ですので、年々体力が落ちているのを感じていますが、装備を見直したり、行程を工夫することで、しばらくは、続けられると思います。夢を現実!!!
コメントならびに激励ありがとうございました。
バリルートには熱い思いがありますが、なかなか実力が伴いません。
美鈴さんとbicycle(ちゃりんこ)さんの八ッ峰は何度も拝見し勉強させていただきました。上半の圧巻のクライムダウンには驚きました(特に8峰)。
難ルートを高速で駆け抜ける美鈴さんのレコには、いつも「すごいなぁ」と唸っています。
当方はルーファイに悩みながら、落っこちないように一つひとつ通過するのが精一杯です。
今シーズンでバリルートはきっぱりと卒業しようと思っていますが、正直なところ後ろ髪を引かれる未練も捨てきれていません。頂戴した軽量化のアドバイスを参考に、来シーズンに特例措置として「留年」して八ツ峰と源次郎尾根をできないものかオフシーズンの間に葛藤してみたいと思います(笑)
体を労わりつつ、これからも美鈴さん流の山を続けてください。私も励みになります。
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