ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 5854638
全員に公開
アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍

穂高屏風岩 雲稜ルート

2023年08月17日(木) 〜 2023年08月19日(土)
 - 拍手
ryowall その他1人
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
39:24
距離
32.9km
登り
2,509m
下り
2,473m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
6:53
休憩
0:25
合計
7:18
6:20
6:20
44
7:04
7:09
4
7:13
7:14
35
7:49
7:49
11
8:00
8:06
11
8:17
8:17
53
9:10
9:22
16
9:38
9:39
235
13:34
2日目
山行
12:22
休憩
0:33
合計
12:55
6:00
646
16:46
17:10
18
17:28
17:29
20
17:49
17:57
58
3日目
山行
4:40
休憩
0:05
合計
4:45
6:02
74
7:16
7:16
16
7:32
7:32
40
8:12
8:13
36
8:49
8:49
1
8:50
8:51
36
9:27
9:28
10
9:38
9:38
5
9:43
9:43
38
10:34
10:34
6
10:47
ゴール地点
過去天気図(気象庁) 2023年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
今回の装備。
藪漕ぎがあるので、ザックは外付け厳禁とし、全て仕舞える70ℓに変更。
2023年08月15日 21:22撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/15 21:22
今回の装備。
藪漕ぎがあるので、ザックは外付け厳禁とし、全て仕舞える70ℓに変更。
当時早朝、あかんだな駐車場からバスに乗り上高地へ。途中の大正池が神秘的。幻想的な景色が眠気を誘う。
2023年08月17日 05:45撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 5:45
当時早朝、あかんだな駐車場からバスに乗り上高地へ。途中の大正池が神秘的。幻想的な景色が眠気を誘う。
寝ぼけながら久しぶりの上高地に到着。
ノロノロと準備を済ませてスタート。河童橋はまだまばら。穂高は雲に覆われて人を寄せ付けないオーラを纏う。
2023年08月17日 06:20撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 6:20
寝ぼけながら久しぶりの上高地に到着。
ノロノロと準備を済ませてスタート。河童橋はまだまばら。穂高は雲に覆われて人を寄せ付けないオーラを纏う。
梓川の水量は少な目。
よしよし、これなら渡渉は大丈夫そうだ。
2023年08月17日 06:21撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 6:21
梓川の水量は少な目。
よしよし、これなら渡渉は大丈夫そうだ。
眠気を引きずり、まだ頭がぼーっとする。単調な道で更に眠い。
思考回路を切って歩くのみ。
2023年08月17日 06:45撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 6:45
眠気を引きずり、まだ頭がぼーっとする。単調な道で更に眠い。
思考回路を切って歩くのみ。
徳沢に到着ー。
何と!そばの沢が枯れていた。綺麗な沢だったのに。
軽くショック。
2023年08月17日 07:49撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 7:49
徳沢に到着ー。
何と!そばの沢が枯れていた。綺麗な沢だったのに。
軽くショック。
帰りにも寄るのでソフトクリームは我慢。
2023年08月17日 07:55撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 7:55
帰りにも寄るのでソフトクリームは我慢。
横尾に到着。
まずは屏風岩を眺める。
あれを登るのかー。
2023年08月17日 08:55撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 8:55
横尾に到着。
まずは屏風岩を眺める。
あれを登るのかー。
さて、トイレや水汲み、大休憩もしたので出発!
いよいよあの岩に取り付きます!
2023年08月17日 09:23撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 9:23
さて、トイレや水汲み、大休憩もしたので出発!
いよいよあの岩に取り付きます!
横尾から20分で岩小屋に到着。
屏風岩が目の前に。
威風堂々とした佇まい。
緊張してきた。
2023年08月17日 09:42撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 9:42
横尾から20分で岩小屋に到着。
屏風岩が目の前に。
威風堂々とした佇まい。
緊張してきた。
予想通り水量少な目で渡渉は問題なかった。ケルンがある所から渡った。
2023年08月17日 09:44撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 9:44
予想通り水量少な目で渡渉は問題なかった。ケルンがある所から渡った。
ルンゼを登り詰めるが重荷にバテバテ。
2023年08月17日 09:57撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 9:57
ルンゼを登り詰めるが重荷にバテバテ。
途中にあった岩小屋。2人なら泊まれそう。
2023年08月17日 10:17撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 10:17
途中にあった岩小屋。2人なら泊まれそう。
その後もひたすら詰める。
まだ着かんのかー!
しんどーい!
2023年08月17日 10:53撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 10:53
その後もひたすら詰める。
まだ着かんのかー!
しんどーい!
やっとこさ見えた。が、見えてからが遠い。大きい岩あるある。
その後やっと尾根の下へ。
ルンゼ直下は落石が多いので速やかにT4尾根の取り付きに移動することをおすすめする。
2023年08月17日 11:03撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 11:03
やっとこさ見えた。が、見えてからが遠い。大きい岩あるある。
その後やっと尾根の下へ。
ルンゼ直下は落石が多いので速やかにT4尾根の取り付きに移動することをおすすめする。
T4尾根を登攀開始。
思ってた以上にしっかりクライミング。荷物が軽ければ何てことないが1歩1歩が重い。
2023年08月17日 12:14撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 12:14
T4尾根を登攀開始。
思ってた以上にしっかりクライミング。荷物が軽ければ何てことないが1歩1歩が重い。
2ピッチ目。ここもしっかりクライミング。
2023年08月17日 12:29撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 12:29
2ピッチ目。ここもしっかりクライミング。
2ピッチ目以降はロープ出すか悩むレベルだが我々は出した。
最後はルンゼ登り。
2023年08月17日 13:55撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 13:55
2ピッチ目以降はロープ出すか悩むレベルだが我々は出した。
最後はルンゼ登り。
やっとこさT4テラスに到着。
テントは2つは張れそう。
2023年08月17日 14:13撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 14:13
やっとこさT4テラスに到着。
テントは2つは張れそう。
明日登る雲稜ルート。
凄いなぁ。
2023年08月17日 14:13撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 14:13
明日登る雲稜ルート。
凄いなぁ。
とりあえずテント設営。
2023年08月17日 14:20撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 14:20
とりあえずテント設営。
やっとこさ乾杯!
今回のビールはこの1本のみ。
明日は涸沢で宴会予定なので我慢。
貴重なビールはあっという間になくなった。あとはウイスキー小瓶をチビチビと。
2023年08月17日 14:31撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 14:31
やっとこさ乾杯!
今回のビールはこの1本のみ。
明日は涸沢で宴会予定なので我慢。
貴重なビールはあっという間になくなった。あとはウイスキー小瓶をチビチビと。
15時頃から小雨から本降りに。
テントも少し浸水したが問題無し。
早めに就寝。
2023年08月17日 18:25撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/17 18:25
15時頃から小雨から本降りに。
テントも少し浸水したが問題無し。
早めに就寝。
常念岳の横から陽が昇ってきた。
背中に陽を浴びてすでに暑い。岩も乾いたので登攀開始!
2023年08月18日 06:04撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 6:04
常念岳の横から陽が昇ってきた。
背中に陽を浴びてすでに暑い。岩も乾いたので登攀開始!
朝イチのリードは怖い。
ガンバです!
2023年08月18日 06:25撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/18 6:25
朝イチのリードは怖い。
ガンバです!
ハングを越えてひと安心。
スタートしたT4テラスが下に見えた。
2023年08月18日 07:32撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/18 7:32
ハングを越えてひと安心。
スタートしたT4テラスが下に見えた。
扇岩テラスの終了点はピナクルで。
2023年08月18日 08:11撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 8:11
扇岩テラスの終了点はピナクルで。
テラスは思ったより広かった。
2023年08月18日 08:11撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 8:11
テラスは思ったより広かった。
さて、3ピッチ目スタート!
人工登攀はお手のものTさん。
2023年08月18日 08:48撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/18 8:48
さて、3ピッチ目スタート!
人工登攀はお手のものTさん。
グイグイ高度を上げていくが、やはりプアな支点だらけで怖いらしい。
2023年08月18日 08:56撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 8:56
グイグイ高度を上げていくが、やはりプアな支点だらけで怖いらしい。
それでも念願のルートということで楽しいみたい。良かった^_^
段々と気温も上がり、陽が当たるとクソ暑いが雲がまだ多かったので良かった。
2023年08月18日 10:15撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 10:15
それでも念願のルートということで楽しいみたい。良かった^_^
段々と気温も上がり、陽が当たるとクソ暑いが雲がまだ多かったので良かった。
ちなみに支点は。。。こんなものや。
2023年08月18日 10:16撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 10:16
ちなみに支点は。。。こんなものや。
こんなもの。
2023年08月18日 10:27撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 10:27
こんなもの。
もう折れそうなこんなものまで。
2023年08月18日 10:30撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 10:30
もう折れそうなこんなものまで。
高度感が恐ろしい。随分と上がってきた。
2023年08月18日 10:54撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 10:54
高度感が恐ろしい。随分と上がってきた。
5ピッチ目の終了点。でももうちょい登るのが正解だった。
2023年08月18日 12:34撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 12:34
5ピッチ目の終了点。でももうちょい登るのが正解だった。
7ピッチは草付きスラブを終え、ここは最終8ピッチ。藪漕ぎ。
2023年08月18日 14:03撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 14:03
7ピッチは草付きスラブを終え、ここは最終8ピッチ。藪漕ぎ。
ドロパイン!
2023年08月18日 14:04撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 14:04
ドロパイン!
やっと登り上げて登攀終了ー。
はぁ、疲れた!大休憩ー。
テラスはゆっくり休める広さ。
しかし熊?のウンコがすぐ横にあって気は休まらない。
2023年08月18日 14:15撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 14:15
やっと登り上げて登攀終了ー。
はぁ、疲れた!大休憩ー。
テラスはゆっくり休める広さ。
しかし熊?のウンコがすぐ横にあって気は休まらない。
雲行きが怪しので屏風ノ頭に向けて出発。踏み跡を辿る。
しばらくすると雨が本降りになってきた。
2023年08月18日 15:05撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 15:05
雲行きが怪しので屏風ノ頭に向けて出発。踏み跡を辿る。
しばらくすると雨が本降りになってきた。
ウンコテラスからひたすら藪漕ぎ。
稜線に乗ってからは背丈以上のハイマツの激悪藪漕ぎ。体力気力を持っていかれる。雨とハイマツからのシャワーでビチョビチョ。
2023年08月18日 16:12撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 16:12
ウンコテラスからひたすら藪漕ぎ。
稜線に乗ってからは背丈以上のハイマツの激悪藪漕ぎ。体力気力を持っていかれる。雨とハイマツからのシャワーでビチョビチョ。
ヘトヘトになってやっとこさ屏風ノ頭に到着〜。めちゃくちゃ疲れた。
すでに靴の中からパンツまで全身ずぶ濡れ。
2023年08月18日 16:50撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
2
8/18 16:50
ヘトヘトになってやっとこさ屏風ノ頭に到着〜。めちゃくちゃ疲れた。
すでに靴の中からパンツまで全身ずぶ濡れ。
でも、めちゃくちゃ嬉しい!!!
景色が無くても山頂を踏む満足感たるや!
2023年08月18日 16:51撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
2
8/18 16:51
でも、めちゃくちゃ嬉しい!!!
景色が無くても山頂を踏む満足感たるや!
天気が回復するにつれて、うっすら景色が見え始めた。
2023年08月18日 17:39撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
2
8/18 17:39
天気が回復するにつれて、うっすら景色が見え始めた。
屏風ノコルはお花畑!
でも、現在、パノラマルートは通行禁止らしい。もったいない。
2023年08月18日 17:48撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 17:48
屏風ノコルはお花畑!
でも、現在、パノラマルートは通行禁止らしい。もったいない。
道は荒れているが注意すれば特に問題無し。
2023年08月18日 18:33撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/18 18:33
道は荒れているが注意すれば特に問題無し。
槍ヶ岳も見えた!
槍ヶ岳と富士山は見えたら嬉しい。
2023年08月18日 18:33撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/18 18:33
槍ヶ岳も見えた!
槍ヶ岳と富士山は見えたら嬉しい。
パノラマルートだけあって穂高の大パノラマ!
やっと涸沢に到着。
涸沢ヒュッテに宿泊。乾燥室に直行して、全身を乾かす。
あらためて小屋のありがたさを感じた。直前の宿泊を受け入れていただきありがとうございました。
2023年08月18日 18:37撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/18 18:37
パノラマルートだけあって穂高の大パノラマ!
やっと涸沢に到着。
涸沢ヒュッテに宿泊。乾燥室に直行して、全身を乾かす。
あらためて小屋のありがたさを感じた。直前の宿泊を受け入れていただきありがとうございました。
最終日早朝。
この日は下山するだけ。
相変わらず午後から雨予報なので午前中には下山したい。
2023年08月19日 05:18撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/19 5:18
最終日早朝。
この日は下山するだけ。
相変わらず午後から雨予報なので午前中には下山したい。
整備された歩きやすい登山道に感謝。
2023年08月19日 05:18撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/19 5:18
整備された歩きやすい登山道に感謝。
本谷橋ってこんな揺れたっけ?
2023年08月19日 06:01撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/19 6:01
本谷橋ってこんな揺れたっけ?
屏風岩が見えてきた。
2023年08月19日 06:05撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/19 6:05
屏風岩が見えてきた。
岩小屋の前に陣取り、屏風岩を眺めながら朝食をいただいた。
2023年08月19日 06:35撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/19 6:35
岩小屋の前に陣取り、屏風岩を眺めながら朝食をいただいた。
2023年08月19日 07:54撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/19 7:54
Tさんにソフトクリームをご馳走してもらった。ありがとうございました!
2023年08月19日 08:29撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/19 8:29
Tさんにソフトクリームをご馳走してもらった。ありがとうございました!
明神館からはTさんと別れ、私は木道経由で上高地まで。
2023年08月19日 10:03撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/19 10:03
明神館からはTさんと別れ、私は木道経由で上高地まで。
例年より随分と水量が少ない。支流によっては枯れていたり。徳澤の枯れた沢と言い何かあったのかな?雨少ない?
2023年08月19日 10:15撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/19 10:15
例年より随分と水量が少ない。支流によっては枯れていたり。徳澤の枯れた沢と言い何かあったのかな?雨少ない?
河童橋に到着。
2023年08月19日 10:35撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
1
8/19 10:35
河童橋に到着。
カラフルなバスが並ぶ。
賑やかさが戻り良かった。
2023年08月19日 10:52撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
8/19 10:52
カラフルなバスが並ぶ。
賑やかさが戻り良かった。
帰りは高山ラーメン。

クラシックルートの中でも最も登りたいルートだったので大満足。

しまい。
2023年08月19日 13:30撮影 by  iPhone SE (1st generation), Apple
2
8/19 13:30
帰りは高山ラーメン。

クラシックルートの中でも最も登りたいルートだったので大満足。

しまい。

感想

日本を代表するアルパインルート「屏風岩東壁・雲稜ルート」を2泊3日で登ってきた。

横尾から涸沢に向かい左手に見える威風堂々とした岩壁『屏風岩』。
これまでは見上げて「凄いなぁー!」「カッコいいなぁ!」と声を上げていただけだったけど。。。まさか登る日が来るとは思わなかった。
今回はせっかくなので、屏風の頭(アタマ?カシラ?)まで登ることにした。
1日目は屏風岩T4テラスでビバーク、2日目は涸沢でテント泊、3日目は下山のみ予定。

【前日】
前日の朝から天気予報を調べまくるがどれも似たようなもので、夏山特有の午後から雨と言う微妙な天気。雨が降る前に行動を終えることにして決行することにした。
出発当日も天気やら装備のことやらでソワソワして仕事が手に付かない。
そうこうしてる間に定時ダッシュ!
21時に山科駅で師匠をピックアップして出発。
24時間出入りができるようになったあかんだな駐車場で車中泊。

【1日目】
早朝からバスに乗り上高地へ。
上高地から2時間30分ほどで横尾に到着。ここから涸沢方面に歩くこと20分で岩小屋へ。この時期にしては水量が少ない渡渉をこなしルンゼを登り詰めるが、全装なのでなかなか足が進まない。頻繁に休憩を挟み、渡渉から1時間30分もかかりT4尾根の取り付きへ。
休憩後さっそく登るが、思ってた以上にクライミング。重荷も相まってかなりしんどいがビールを目指してTテラスまで登り上げた。疲れたー!
テラスはフラットで携帯の電波も入り快適。テントを設営し念願のビール。
13時くらいからポツリポツリと雨が降り出し次第にそこそこ大ぶりの雨になり18時くらいに止んだ。
岩濡れを考慮して翌日は予定を1時間ずらし6時から登ることにして就寝。

【1日目】
4時に起床してゆっくり準備。
昨夜降った雨の影響で岩は少ししっとりしているが、東壁なので陽が当たればすぐに乾くはず。
案の定、6時の登攀開始時には乾いていた。

・1ピッチ/Tさんリード
朝の1発目で、しかも荷物もあるのであのハング越えはいきなり難しい。あの手この手を使い苦労して終了点まで登られた。まずはひと安心。
私はフォローで。
やはり重いデカいザックだとグレード以上に難しい。2つ目のハングはA0で突破。

・2ピッチ/リード
1ピッチ終了点から少し直上しピナクルから右上のフェイス登り。ここはカチ1発勝負!グッと堪えてガバを取れば後は簡単。少し登り、草付きを左上し扇岩テラスへ。

・3ピッチ/Tさんリード
名物のエイドゾーン。フリーでは5.11c。それはもちろん無理なのでアブミを使い人工登攀。
さすがアブミ職人の師匠はスイスイ登っていく。
私はフォロー。何じゃこりゃ!っていう支点祭り。丈夫そうな支点を選んで登るが、今にも破断しそうな支点にも命を預ける箇所もあり。リードは怖かっただろうな。あざーっす!
しかし、師匠は楽しかったのか勢いあまり終了点を越え、ハング直下でピッチを切ってしまう。

・4ピッチ/Tさんリード
なので、師匠にそのまま継続してリードしてもらう。
私はフォロー。3m程の垂壁はそうでもなかったが、次のトラバースが草付きで足元が見にくく気持ち悪い。ルンゼを渡り少し登れば終了点。

・5ピッチ/リード
フェイスから少しトラバースしてルンゼへ。クラックが入ったスラブ。支点もあり、ジャムも効くのでカムは必要なかったが前日の雨で染み出しが酷く濡れた苔が滑りまくり核心はA0突破。抜けたすぐ上に懸垂点があったのでここでピッチを切ってしまった。しかし、次の傾斜のあるスラブも登るのが正しいみたい。重荷で登り続けてきたので疲労で思考能力がバグり始めたか。

・6ピッチ/Tさんリード
傾斜のあるスラブから草付きスラブへ。簡単だが、このあたりから支点が取りにくいので落ちることは許されない。

・7ピッチ/リード
引き続き草付きスラブ。6ピッチと似たような感じ。まだ伸ばせると思ったけど、疲れからか、また右手にあった終了点で切ってしまい短いピッチとなってしまった。大反省。

・8ピッチ/Tさんリード
草付きスラブから草だらけ泥だらけのルンゼを登り、安定したテラスに出て登攀終了。
テラスには熊のウンコらしきものが鎮座。その横で大休憩。

・屏風ノ頭まで/
雨が降り出してきたので休憩後に急いで出発。踏み跡を辿り草付きのルンゼを登る。稜線っぽい所に出たとたんに雨が本格的に降り出した。ここからは背丈以上のハイマツの激悪藪漕ぎ。草木の猛烈な抵抗力にメンタル崩壊寸前。雨とハイマツからのシャワーを浴び全身ビチョ濡れ。
濡れネズミあるいはボロ雑巾になりながら、熊のウンコテラスから2時間で屏風ノ頭に到着。とても嬉しい!!

・屏風ノ頭〜涸沢/
再び藪漕ぎで屏風の肩へ。このあたりで藪漕ぎは終了。更にコルを通り、パノラマコースに合流し、今日の目的地の涸沢へ。
全身ズブ濡れだったのでテント泊を変更し、急遽涸沢ヒュッテに泊まらせてもらう。(本当なら無理だと思うが何とか宿泊させていただけた。感謝。)
乾燥室に籠城しズブ濡れがマシになり息を吹き返す。
外のテラスでアルファ米とビールを飲んで登頂の喜びを共有。
暖かい布団で寝る幸せを噛み締めて就寝。

【3日目】
・下山/
早朝に涸沢ヒュッテを出発。
横尾手前の岩小屋前で昨日登った屏風岩を眺めながら朝食をいただき、明神からは梓川沿いの木道経由で上高地へ。
午前中にはあかんだな駐車場に下山できた。
山科には17時頃着。12時間前には涸沢にいたのに不思議な気分。

今回登った雲稜ルートはなかなか登りごたえがあり大変充実した。個人的には核心ピッチをリードしていないので満足感は100%ではないが、またいつか登る機会があったら今回リードしていないピッチを登ってみたい。
登攀終了後の屏風ノ頭までの道は踏み跡はあるものの、草木の成長により進みにくくなってる。特にハイマツは背丈を越え、掻き分けるのに相当な体力と時間を費やすことになった。雨の影響もあり精神的になかなかハードなものだった。しかし、山頂に着くとそれまでの苦労や疲れは吹き飛び、清々しい気分になった。これで景色が良かったら喜びで叫んでいたかもしれない。

日本を代表するクラシックルートに登れ大満足。
これにて無積雪期の遠征は終了!
この夏は遊び倒したし、冬まで仕事に邁進する予定(予定?(笑))
Tさん、本当にありがとうございました!


【主な装備】個人装備
・2泊3日装備(テント、食料、生活具など)
・ダブルロープ50m×2
・アルヌン(短)×4(パーティ合計8)
・アルヌン(長)×3(パーティ合計6)
・クイックドロー×5(パーティ合計10)
・スリング適量
・カラビナ適量
・アブミ×2
・3mmコード×数本 ※リングボルト破断用
・捨て縄5m×2
・捨てビナ×2
・カム(#0.3〜2)※#0.75のみ使用
・ナッツ ※使わず
・その他/軽量化の為、ダウンシュラフの代わりにシートゥサミット「サーモライトリアクターコンパクトプラス」を使用で快適、食事はアルファ米か行動食。
・水/横尾で3ℓ補給※2日目は1.5ℓでギリギリだった

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