甲斐駒ヶ岳 北沢峠から日向八丁尾根
- GPS
- 17:42
- 距離
- 21.8km
- 登り
- 1,740m
- 下り
- 3,086m
コースタイム
- 山行
- 5:33
- 休憩
- 1:44
- 合計
- 7:17
- 山行
- 10:00
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 10:19
天候 | 10/7 晴れ 10/8 曇りのち雨 最低気温1.11℃ 10/8 05:37 最高気温18.14℃ 10/7 07:36 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
------------------------------------------- 伊那市 ホテル青木 3700円 往路 ------------------------------------------- 高速バス 3615便 新宿-伊那飯田線 3500円 バスタ新宿13:35-伊那BT17:00 笹子付近の事故渋滞で1時間超遅れ18:00過ぎ着 モーニングジオライナー830円 伊那BT4:30-仙流荘5:10 南アルプス林道バス 手回り品込み片道1370円 仙流荘5:30-北沢峠6:25 大行列がバス待ちの為、ピストン輸送を繰り返すバスに乗れたのは6:50頃。北沢峠着は7:35頃だった。 復路 ------------------------------------------- 北杜タクシー 3980円 尾白の湯16:15頃-長坂駅16:39 中央線 2640円 長坂16:50-東中野20:08 温泉 食事 ------------------------------------------- 尾白の湯 入館830円 食事 唐揚定食1000円 瓶ビール750円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
甲斐駒ヶ岳から六合石室 駒ヶ岳からの降りだしは踏跡が分散して分かりづらい。先をよく見ると岩の北杜市側を巻く径が見える。踏跡を追うと一部藪もあるが下道はハッキリしている。基本的には岩稜稜線と北杜市側のハイマツの際にルートがある。たまに伊那市側のトラバースとなると不明瞭な箇所もある。若いケルンは信用ならない。2740mでは伊那市側へ僅かに鎖でトラバースした後、垂直の鎖が下がっている。足掛かりはあるが地面まで届いておらず、さらに伊那市側に寄って着地した。六合石室が近づくと左下に石室の屋根が見えて岩塊上を直接降れる。水場の裸地に向かう稜線ルートはロストしたので不明。 六合石室から水場 水平に岩塊上を水場の裸地方向に向かうとすぐに土径が現れる。ほどなく水場の裸地に出るが、その直前に稜線から踏跡が降りてきているのを見る。 裸地の伊那市側に白のLアングルが立っており明瞭な道形が降りている。70m程降る。今回は岩の積み重なる穴から水はよく出ていた。さらに降ると沢になっている。 七丈ヶ滝尾根手前「長谷村 中の川越へ」の標識から三ツ頭の2550m峰 標識の所で稜線上は藪となり左右に踏跡が分かれる。右に降りて最初のトラバースは途中で行き詰る。さらに下に降ったトラバース道を使った。不明瞭箇所はあるが、三ツ頭前の鞍部で稜線に出るまで続く。左は開山の古道らしい。自分の2010年版エアリアには薄い灰色点線がある。 三ツ頭分岐から大岩山手前鞍部 三ツ頭分岐を過ぎると木に巻かれた赤いブリキ板が点々と続き、迷う心配はない。烏帽子中尾根2540mから尾根形の曖昧な八丁尾根に急降下するがルートは明瞭。2470mで岩を縫う痩せ尾根となる。梯子やロープが連続するものの危険個所はない。2400mからは尾根が広がり次第に美しい苔の森となる。 大岩山登り 最初の鎖とロープが核心。垂直に近いが足掛かりはある。鎖は地面まで届いておらず取付きにはコツがいる。長めの梯子を過ぎると被覆されたワイヤーが現れる。トラバースを交え幾分勾配が落ち着き、足場もあるのでワイヤーを頼らずとも済む。勾配がきつめの上部の鎖もステップがあり問題ない。2250mで登り切り勾配が緩む。ゆるゆる詰めて2300m圏峰。 駒岩過ぎ1800mから1622m峰手前鞍部 1800mの尾根分岐を左折すると急勾配で倒木と付け替えによるアスレチックな歩きにくい径となる。1700mで一旦落ち着くが、再び左へ急な降りとなり岩溝の源頭を横切る。1622m峰の手前鞍部で漸く落ち着く。 ビバーク適地 六合石室水場の裸地 八丁尾根2301m峰南 大岩山南の2180m圏峰南 大岩山 駒岩西1800m天然カラマツ林標識 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
東北行きの予定だったが山行日が近づくにつれ悪い予報となった。比較的予報の良い南ア北部か中ア辺りを検討している内に日向八丁尾根を思い出した。竹宇駒ヶ岳神社から周回する件の美しいルートは10年以上前の黒戸尾根・早川尾根縦走の時に知ってからずっと温めていたものの、自分のペースでは三日掛かるのが問題だった。一方北沢峠へは崩落により山梨側からは入山できないが、伊那BTから早朝のバスがある事を知った。余り美しくはないが、前泊早朝の北沢峠入りで二日間で可能となる。伊那BTから北沢峠、北沢峠から稜線伝いの駒ケ岳、日向八丁尾根さらには尾白の湯と、駒津峰から六方石上分岐の区間を除きお初のルートとなり俄然意欲がわいてきた。
1日目 2023/10/07
----------------------------------------------------------------------------------------------モーニングライナーが南アルプス林道バス乗場に5時10分に到着すると、既にバス待ちの人々が仙流荘の下まで続く大行列となっていた。当然初便には乗れない。ピストン輸送を繰り返す何回目かのバスで1時間超遅れの7時35分北沢峠到着となった。当初は2日目の行動時間を短くするため八丁尾根2301m峰辺りでビバークする計画だったが、これでほぼ六合石室泊となった。
双児山までシラビソとダケカンバ樹林の歩き易い径、双児山で早川尾根や南アルプス南方向の展望が開け以後、ずっと続く。正面に甲斐駒を望み、鞍部を挟んで駒津峰に向かう。登りに入りハイマツ帯となり、一部ダケカンバの黄葉が楽しめた。岩稜となり勾配が緩み駒津峰に着くと多くの方が休憩中だった。
駒津峰を過ぎると岩稜の降りで渋滞が発生していた。次のコブを過ぎた所でその一部を、甲斐駒の登りに転じてからは残りの渋滞をパスさせてもらった。やっとスムーズにはなったものの、抜きつ抜かれつのめんどくささを恐れペースを上げたので甲斐駒までの登りはきつかった。前日は気温が下がり強風だったらしく、落ちた霧氷と水溜りの薄氷を見かけた。
甲斐駒ではオーバーペースの疲れを取り戻すべくいつもより長めに休憩した。霞み勝ちではあるものの八ヶ岳と奥秩父も加わった展望を楽しむ。緑の中に点在する赤や黄色の控え目さが趣深かった。腰を上げ六合石室方面へ向かうとは踏跡が分散して判りづらかった。最初急なので先が見づらかったが、暫くして先の勾配が緩む所に踏跡が確認出来て降ることが出来た。そこからは明瞭な踏跡が続いていた。ウラシマツツジが赤く色づいている。踏跡が分散すると若いケルンは信用ならなかった。暫くして基本的には岩稜稜線と北杜市側のハイマツの際にルートがあって、たまに伊那市側のトラバースとなることに気が付いた。数年前の奥穂から西穂の縦走を思い起こさせた。1箇所2740mで伊那市側に垂直に近い鎖の降りがあった。
六合石室が近づいて稜線上を行くルートを失うと六合石室がすぐ左下に見えて、岩塊重なる直接石室に降るルートに引き込まれた。既に13時となり、足を進め八丁尾根上でビバークするにはすこし遅いのでここで泊りとする。六合石室前では3名パーティが休憩中で、室内では別の3名パーティが就寝中だった。自分の為に寝床を空けてくれたので荷を解いて寝床を準備した。
5.5L担いで来てまだ4.5Lあるので補給の必要ないが、時間もある事ので水場の偵察に向かう。石室から岩塊上をトラバースすると明瞭な踏み跡が現れ直ぐ水場の裸地に出る。水場降り口からも明瞭な道形が降っていた。水場は重なる岩の間から美味しい水がしっかり出ていた。プラティパスなどは入らない穴の中なので汲むにはカップ等受けるものが必要。せっかくなので1L汲んだ。水場から戻る途中、小屋前の3名パーティの一人が散歩がてら降りて来た。後から写真を見せてもらったが、さらに降った所では沢となって流れて様だ。数日前には枯れていたという話もあったが、めったな事では枯れなさそうな水量だった。
水場降り口の裸地に戻る頃には、石室ではこれから到着する人もいるだろうと気になり、気を使わないで済むツェルト泊に変更する気持ちになっていた。
世話になった石室前の3名パーティに挨拶をして石室を辞す。裸地で設営した後はウイスキーでまったり過ごした。最終的に自分以外のテントは4張となった。
2日目 2023/10/08
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15時頃から雨になる予報を確認していたので、ヘッデンを点けて4時30分早発。行く先が見え辛いので案の定迷った。地面に「長谷村 中の川越へ」の標識が置いてある所で、稜線は藪となり左右に踏み跡が分かれる。右を辿るとトラバースになるが途中で行き詰まる。左の踏み跡を辿るとそのまま降り続け不明瞭になる。戻る過程で稜線近くに石碑を見つけるが周囲は藪で、やはり稜線に径はない。再び左に降り、最初のトラバースからさらに降ると別のトラバースするルートが続いていた。不明瞭な箇所がありながらも三ツ頭の前の鞍部で稜線に出るまで続いた。振り返ると2550m峰へ向かう稜線上に踏み跡があった。径はさらに下にもあるような気もする。鞍部からは七丈ヶ滝沢源頭の崩壊が際まで進む稜線を辿り三ツ頭に達した。降りになり三ツ頭分岐を過ぎると木に巻かれた赤いブリキ板が点々と続く。山名標柱のある烏帽子岳の一つ先の2580m圏峰には二つの石碑があった。烏帽子中尾根2550mで八丁尾根が分岐し尾根形の曖昧な斜面の急降下となるがルートは明瞭。2470mで尾根形がはっきりして、岩を縫う痩せ尾根となり梯子やロープが連続する。2400mからは尾根が広がり気を使わないで済むようになる。次第に美しい苔の森となった。たまに現れるダケカンバ・カエデの黄葉やナナカマドの淡い紅葉の控え目さが近年御無沙汰の低山の紅葉の様で懐かしかった。
大岩山への登りは最初の鎖とロープが垂直に近いが足掛かりはある。鎖は地面まで届いておらず取付きにはコツがいる。長めの梯子を過ぎると被覆されたワイヤーが現れる。トラバースを交え幾分勾配が落ち着き、足場もしっかりあるのでワイヤーを頼らずとも済む。勾配がきつめの上部の鎖もステップがあり問題ない。2250mで登り切り勾配が緩む。ゆるゆる詰めて2290m圏峰。きつい登りを終えた達成感からここが大岩山と勘違いした。
休憩後出発して登りに入ったので間違いに気づいた。大岩山に着くと2290m圏峰での休憩中に追い越していった方が休憩しておられたので、挨拶して先へ急ぐ。後はゆるゆる降るだけと思っていた。日向八丁尾根は大岩山から窪状の広い斜面を降った後は、ほぼ緩い広尾根が続いた。幼木が密集する駒薙ノ頭には「毛むくじゃら山」の私製標識があった。千段刈の尾根分岐で右の広尾根に降る。
駒岩で休憩中の方あり少しお話しする。駒岩を過ぎて1870mの素敵な船窪状を左の尾根に乗り換える。1800mの尾根分岐を左折すると急勾配で倒木と付け替えによるアスレチックな歩きにくい径となり疲れた。1700mで一旦落ち着くが、再び左へ急な降りとなり岩溝の源頭を横切る。1622m峰手前の鞍部でようやく落ち着いた。1622m峰を巻くと砂の径となりすぐに錦滝分岐に着いた。
雁ヶ原への登りは風化した花崗岩が奇景を作っていたが、砂地の白さは想像した程ではなかった。茶色混じりなのが残念だった。意外なことに踏み固められて滑らず歩き易い。あまり使われていなそうな右寄りの上部のルートは砂が細かく滑りやすかった。ほどなく着いた日向山は観光客でごった返していた。アウェーな自分は早々に辞す。日向山からは現地の名前通りのハイキングコースが竹宇駒ヶ岳神社の登山口まで続いた。駐車場方向に歩き出すと予報通り雨が降りだして直にまとまった雨となった。下山が間に合った事に傘を差しつつ感謝した。尾白の湯で温泉と食事を堪能した後、タクシーを呼び、中央線上りの発車時刻10分前に長坂駅に着いた。往路ではいろいろあったものの、変化に富んだルートで最高の2日間となった。
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