笠ヶ岳



- GPS
- 19:21
- 距離
- 28.0km
- 登り
- 2,223m
- 下り
- 2,686m
コースタイム
- 山行
- 3:42
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 4:08
- 山行
- 6:17
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 7:08
- 山行
- 6:40
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 8:02
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
本格的な夏山スタートとなる7月12日、
今日から2泊3日、山岳会が主催する笠ヶ岳公募山行の始まりだ。
ルートは新穂高温泉→小池新道→鏡平山荘→弓折岳→抜戸岳→笠ヶ岳山荘→笠新道→新穂高温泉のコース。
メンバーは総勢6名、そのうちMさんとTさんは一般公募の参加者。
小雨がぱらついている。
リーダーのKさんから「天候が良くないので中止にします」との連絡があるかと思って期待していたが遂に中止連絡はなかった(>_<)
その代わり「長い雨の林道歩きになるので傘をもってきて下さい。」とのメール。ホントに行くのか?
俺の役割はサブリーダーとの事だった。
傘をさしての林道歩き。蒸し暑い。時折り洞窟のようなところから冷気が漏れ出ている。そこで涼んだ。わさび平小屋はけっこう登山者で賑わっていた。
秩父沢が増水しているとの事だったがなんとか橋も流されず横断できた。
残雪の踏み抜き跡などあり歩き難い。
弓折岳が見える。昔、残雪期に大ノマ乗越への雪渓を登り詰めた日の事を思い出す。
あの時はまだ雪山だったが今は緑の低木が稜線近くまで生い茂っていてとても雪山の姿を想起できない。
道は樹林帯の中の急登になった。ゲスト参加の女性お二人が苦しそうだ。
とうとうTさんが鏡平山荘まで10分というところで「もう歩けませーん」と座りこんでしまった。(>_<) 。
サブリーダーの俺は、Tさんに水を飲ませたりして暫く休憩。そこにリーダーのKさんが「大丈夫ですかー?」と戻ってきた。暫く休憩してザックを担いであげたりしながらゆっくりと山荘についた。山荘前の池には、槍から穂高連峰が夏の始まりをもったいぶっているように姿を映しだしていた。雨上りの夕暮れ、しっとりした空気が心地良い。
小屋の内部はミニホテルのような廊下と上下二段になった寝室。俺が30代の頃、小学生の息子を連れて来た頃はまだ雑魚寝の大広間だったが雲泥の差がある。しかし外の池の周りの様子は変わっていない。あの時の息子との会話をありありと思い出す。
その息子も今は一児の父となって家庭をもっている。変わらない池に写る槍・穂高の風景。人の人生の過ぎ行く早さを想い無常の世を感じるのであった(笑)
部屋に戻るとリーダーのKさんが知らないうちに姿が見えなくなっている。ちょっと探したが面倒になって部屋でごろ寝しているとどこかの若い女性と話し込んでいたらしい!
流石!加齢臭を気にして毎日下着を交換していると聞いていたがこういう行動力を見習わなくていけない!
翌日、早朝より出発。今日は天気も良い。弓折岳へ標高がグングン上がっていく。眼前の槍・穂高が同じ位の高さに見えてくる。さっきまでの鏡平小屋が眼下に小さくなっていく。稜線に出たところで休憩。汗を拭いて風が心地良い。
リーダー曰く、ここから笠ヶ岳の稜線歩きの感動を味わってもらいたくて決めた今回のコースだそうだ。小さなアップダウンを繰り返しながら左に槍・穂高の稜線、右に遥か白山方面を眺めながらお花畑や這い松の登山道を行く。青い空に白い雲が流れる。昨日の雨が一切の空気中の埃を洗い流してくれたのだろうか、透明感のある空気がゆっくりと流れている。
稜線を歩いて暫く行くとリーダーの左靴のソールが剥がれた!「こりゃ参った!」俺のファーストエイドからテーピングを出して靴をぐるぐる巻いて応急処置。小屋についたら接着剤があるかもと言いながらだましだまし歩いた。
やがて小屋も間近に見える頃、なんと!今度は右足の靴のソールが剥がれた!「ムムッ!まだ買って3年なのになんてこったー!」とリーダーはご立腹だ!小売店の倉庫に眠ってる時間が長かったのかも!とあくまでイタリア製の靴メーカーの悪口は言わなかったところが偉い!のかな? 小屋に到着した頃には雲が多く発生しており山頂も雲間に見え隠れしている。小屋で靴の接着剤の事を聞いたがそんなものは置いてなく代わりにテーピングの新品を頂戴した。それで再度両足をぐるぐると巻いて小屋にザックをデポして山頂へ向かった。
山頂では眺望はまったくなかったが皆さんそれなりに感動してくれた。ゲストのお二人も「途中死ぬかと思ったわ!」と言いながらはしゃいでいた。
小屋で食事のあと男女同室の部屋でゲストのTさんがヨガを教えてくれたりして疲れた体も蘇生してゆっくり休むことができた。小屋の他の客から「明日朝は雲海が見えますよ」と言われたと同行のTさんがリーダーに言っていたが俺は「この雲は前線の雲なので雲海どころではないですぜ! 雨が降り出す前にできる限り早く出発した方が良いと思いますぜ!」とリーダーに進言した。するとリーダーも「早く出ましょう!」となった。
翌朝、朝食を済ませそそくさと出発した。笠新道の下山路に入る直前でとうとう雨が降り出した。延々と続く下り。ゲストのMさんが「下山は続くよどこまでも〜♪」と歌っていた。リーダーの両足の靴のソールが何度も剥がれるその度にテーピングをやり直したが遂にテープが無くなり手ぬぐいで縛ることになった。「今度この手ぬぐいが破れたらウレタンの靴底で歩くしかないな!」とリーダーは男らしく先頭を歩き出した!
鋭利な岩が続く急下降の下山路を行くリーダーの思いはいかばかりであったろうと思うと皆の安全を図る役目と自己の安全との間で神経がすり減ったことだろう。本当にご苦労様ですと頭が下がる思いだ。
遂に下の林道まで手ぬぐいが破れることはなく下山した。あとは平地歩きなので安心だ。
新穂高のバスターミナルまで歩きリーダーと俺の車を取りに行って各自乗ってきた車に乗って帰路についた。
今回久しぶりの一般登山道を6人という程良い人数のグループでの山行。
天候も目まぐるしく変わる中、アクシデントもあったりしたが無事に下山できた。
そして人柄の良い人達での山行はとても息の合ったもので楽しい山行となった。
同行の皆さんとの素敵な思い出に感謝だ。
思い出深い2024夏山スタートとなったのでした。
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