悪沢岳 赤石岳 聖岳 南アルプス周回


- GPS
- 28:51
- 距離
- 43.6km
- 登り
- 4,523m
- 下り
- 4,516m
コースタイム
- 山行
- 9:23
- 休憩
- 2:02
- 合計
- 11:25
- 山行
- 8:38
- 休憩
- 11:06
- 合計
- 19:44
天候 | 1日目:晴れ、2日目:曇のち雨、3日目:曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的に登山道は明瞭。ピンクテープや岩のマーキングなどは多い。下山で使った聖平小屋から聖沢登山口までの道はトラバースの平行移動が多く、その間で崩落箇所多数あり。少し注意が必要だった。 |
その他周辺情報 | 椹島ロッジ・千枚小屋・中岳避難小屋・荒川小屋・百間洞山の家・聖平小屋は営業中。兎岳避難小屋は屋根が崩落しており、利用困難。 |
写真
感想
悪沢岳・赤石岳・聖岳へ行きました🙂
新東名高速道路の新静岡ICを降り、狭い林道を2時間延々と走ると畑薙の臨時駐車場に到着した。午後の便を予約していたが、タイミング良く特殊東海フォレストの送迎バスが到着しており、ロッジへ戻るついでに。という運転手のご厚意で急遽、前寄せで乗せてもらえる事になった。およそ1時間、狭い東俣線をクネクネ北上していくと椹島ロッジに到着した。
受付を済ませてからレストハウスで昼食を取り、夕食までの時間をノンビリと寛いだ。栄養満点の夕飯を食べて風呂で汗を流し、ふかふかの布団で就寝。質素な部屋ではあったが、いつもの登山口車中泊とは比べ物にならない程、贅沢な前泊であった。
午前3時、千枚岳登山口の吊橋を渡り登山開始。最初から急な坂を登り、鉄塔の下を2回通過すると岩場で狭い尾根道となる。小石下からは平坦な道と登り坂を数回繰り返し、少しづつ標高を上げていく。清水平の手前で水を補給し、階段状に続く蕨段を進むと駒鳥池に到着する。休憩がてら池を見物したが、水量は少なく見えた。ここまで来れば小屋は目と鼻の先であり、30分程で千枚小屋に到着した。小屋のベンチで朝食弁当を食べてエネルギーを補給。遠くにクッキリ見える富士山と景色を堪能し、千枚岳へ歩みを進めた。
千枚岳山頂辺りから一気に視界が開け、南アルプス全体が見渡せるようになってきた。これから登る悪沢岳も視認でき、ぐっとヤル気が湧いてきた。千枚岳から丸山と経由して悪沢岳に取り付くと、今までの雰囲気とは打って変わり、大きな岩がゴロゴロした道となった。岩の隙間に落下しないよう慎重に進むと悪沢岳の山頂に到着。天気に恵まれ、全方位を見渡すことができた。絶景を前に菓子パンを食べて一服し、荒川中岳方面へ出発した。
恐怖を感じるぐらい急でザレた道を下り、コルを過ぎて稜線を進み、つづら折りに登り返すと荒川中岳避難小屋に到着した。コーラを購入し、小屋の外で昼食を食べた。中岳を過ぎてカールの端を一気に下ると荒川小屋が見えてくる。雄大な赤石岳を眺めながら、小さな花が沢山咲いたお花畑を通過すると荒川小屋に到着した。受付を済ませテントを設営。止めどなく湧き出る南アルプスの天然水で顔を洗いリフレッシュ。日陰に座って疲れを癒し、明日に備えて早めに就寝した。
翌日は4時に登山開始。頭上には分厚い雲が一面に広がっており、赤石岳の山頂はガスに隠れていた。トラバースからつづら折りで標高を上げていく過程でガスに包まれる。寒くなってきたのでレインウェアを上下着込み、手には防水の手袋を装着した。小赤石岳を過ぎて稜線を進むと赤石岳の山頂に到着した。この頃には全身ガスでビショビショとなっていた。寒いので長居はできず、山頂標識と記念撮影だけして先に進んだ。
赤い石の上を下り、百間平を過ぎると谷に向かって下り始める。テント場を過ぎてしばらく沢沿いに下ると百間洞山の家に到着した。特に立ち寄ることもなく通過して、大沢岳の稜線まで登り返す。中盛丸山を過ぎた辺りで、大粒の水滴が大きな音を立ててウェアに当たった。と思ったのも束の間、滝のような大雨が強風と共に降り始めた。レインウェアの中が湿っぽくなり、少しづつ服が濡れていく嫌な感覚。小兎岳を過ぎて兎岳が眼前に差し迫る頃に雨は止んだが、ミドルレイヤーはすっかり濡れてしまい、風で体が徐々に冷えていく状態となった。2日目で聖岳を越えて聖平小屋まで行く予定であったが、この状態では危険と判断し、兎岳避難小屋に立ち寄った。
兎岳避難小屋はとても古く、内部は後付けの内屋根が崩落しており、まともに機能していなかった。僅かなスペースを利用して着替えを行い、お湯を沸かして昼食を取った。体温は正常に戻ったが、外はまだ雨が降っており、ガスの強風が吹き荒れていた。今後の予定を決める為に天気予報を収集する。深夜0時〜3時頃の聖岳山頂は晴れ予報であった。行程は大幅に狂うが、雨とガスの中で聖岳に立てる気がしなかったので、一旦仮眠を取って体を整えナイトハイクをすることにした。
22時過ぎ、外はとても静かになっていた。シュラフの中で温められて、すっかり乾いたレインウェアを着込んだ。準備運動をし、気合を入れて避難小屋を出発。月明かりとヘッデンを頼りに、聖兎のコルを通過して聖岳に取り付く。想像よりも登り易い登山道であったが、暗くて山体の影に立体感が無く、幾度も偽ピークに騙された。聖岳の山頂からは月明かりに照らされた周囲の山や滝雲、遠く微かに光る街の夜景を見ることができた。
聖岳から小聖岳へ下り、薊畑分岐を聖平小屋方面へ。鹿の群れを横目にしばらく進むと、小屋へ続く木道が出てくる。夜露でツルツルになった木道で転ばぬよう慎重に進むと聖平小屋に到着した。尽きかけていた水をたっぷり補給して暫し休憩。残りの行動食を取り、3時過ぎに聖平小屋を出発した。辛いオーバーナイトハイクではあったが、当初の予定は聖平小屋を4時出発だったので、1時間巻けたことに安堵した。
沢沿いを緩やかに下り、渡渉を数回繰り返すとトラバースに入る。登山道が崩落している部分が多くあり、なかなか気の抜けない道であった。乗越からは急な下り坂となり、頼りない聖沢吊橋を渡ると改めてトラバース道が続く。一気に下った所で聖沢登山口に到着した。ウェアや荷物を調整し、椹島へ続く林道を小一時間歩く。ロッジが見えた瞬間に、全身から安堵の溜め息が出たような気がした。
一昨年の9月下旬、予定していたにも関わらず台風の影響で林道東俣線の一部が土砂で崩落してしまい、残念ながら中止となってしまった南アルプス周回。今回、やっと実現することができました。大雨に降られ、予定外のナイトハイクと大変な一面もありましたが、南アルプスの奥深さを肌で感じることができました🙂
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