立山〜奥大日岳〜称名


- GPS
- 51:55
- 距離
- 17.3km
- 登り
- 1,143m
- 下り
- 2,554m
コースタイム
8月7日 剱御前小屋6:40-9:15奥大日岳9:50-11:00中大日岳付近(昼食)11:30-12:15大日小屋(昼食)ー12:45(ザックを置いて大日岳往復)13:25大日小屋
8月8日 大日小屋5:50-8:10大日平山荘8:25ー10:30大日岳登山口ー10:35称名バス停
天候 | 6日 晴れのち曇り 7日 晴れのち曇り(夕方一時雨) 8日 くもりのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り 称名滝バス停 10時台、15時台以外はバス1時間に1本立山駅へ20分。500円 立山〜富山は1時間に1・2本程度(富山地方電鉄)1180円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・崩壊して通行禁止になっていた牛ノ首〜猿が馬場の通行が解除になった。ピンクのリボン従って下れば迷うことはないが、依然整備は不十分であり、登りはなんとか通過できるが、下りはザイルだけで下る個所が3か所ある、初心者を含むパーティや雨天あるいは雨天後の場合は、奥大日岳から室堂に戻った方が無難。 ・下山後、称名、立山、富山すべて食堂多し。また大日平山荘は今夏は営業はしていないが、自販機もあり、休憩可能。またそれまでも水場多い。 ・雄山〜別山は特に危険な個所はないが一ノ越のあたりは例年以上に雪が残っていた、アイゼンは必要ないが、通過には注意すること。 ・大汝山、真砂岳には山頂を登らないが、巻き道あり。大汝山には大きな休憩所あり。 ・富士の折立は登れるが危険かも…。奥大日岳の最高点はルートからはずれている。大日小屋より大日岳は往復30分。 |
予約できる山小屋 |
立山室堂山荘
|
写真
感想
30年前剱山荘まで入り、大雨のためにそのまま撤退した思い出がある。当時の自分は槍、穂高と登り、その勢いで剱に登ろうとしたのだ。今年はその剱に会いに行く山旅、立山から大日三山のコースを歩くことにした。本来は去年にこのコースを歩くつもりだったが、日ごろの不摂生がたたりひと月も入院するはめになったにため今年の実施になったのだ。
一日目は新大阪からの直行バスで室堂へ。値段が安いので飛びついてしまったが、座席が狭くあまり眠ることができなかった。眠い目をこすり、室堂でパンのみの朝食をとりながらいつものようにデジタルカメラを取り出してスイッチを入れようとしたが、電源が入らない。故障かな…と思ったが、あわてて家を飛び出し、カメラの中に電池が入っていなかっただけであった。出発の2時間前まで仕事、夕食はコンビニ弁当をバスを待ちながらの落ち着きのなさだったのだ。
仕方なく、インスタントカメラを室堂の売店で購入することにし、いつになく残雪が多い道を一ノ越へ向かって歩きだした。「浄土山いけへんの?」最近体調が悪いらしいtuyoponn。とにかく雄山に行きたいそうだ。石畳の登山道を約2時間程度で雄山。時々雪で足を滑らしそうになる。雄山は大勢の人であふれていた。大きな石の方向板のそばでガスが晴れるのを待つ人、入山料を払い、雄山のピークの祠の前に行くのを待つ人、その前で休んでいる人。以前は入山料なんていらなかったが、今回は500円を払い山頂の神社に入ることにした。お神酒とお祓いつきではあるが…。山も時代とともに変化している。tuyoponnは少し興奮気味で、登頂証まで買っていた。
そこから大汝山までは多くの登山客であふれ、大勢の人と一緒に歩く。大汝山が立山の最高峰。休憩所の裏側に山頂があるが気付かずそのまま通過する登山客も多い。そこを後にして真砂岳へ進むと突然人が少なくなり、その頂上の近くでストーブを出し、昼食をとった。
そして、別山へ。この山は双耳峰。その間ずっとガスだが、たまに見える遠くの山は後立山連峰。「タテヤマ…ですか。」とまだ山に登り始めてから日が浅い人に聞かれて、「立山の後…富山の方から見ると、後にあるから後立山です。白馬連峰ともいいます。」と説明する。「白馬岳ですか?」「白馬はここから見えないかも、たぶん鹿島槍くらいでしょうか。」
そこに長くいたが、とりあえず剱御前小屋まで剱方向を見ながら歩をすすめるが、すっきりと見せてはくれなかった。同行した者が『ガス男』と自称しているのでそれも仕方がないかも…。お目当ての剱は剱御前小屋手前のピークでも見えなかった。
2日目、早起きして御来光を…と思ったが、小屋の前からは別山が邪魔になり、みえない。結局剱御前の途中まで小屋のスリッパのまま登り、そこから御来光を見る。天気が良く、暗いが今日は剱岳もよく見える。「今日はこの剱をいろんな角度から楽しめるよ。」と内心わくわくしながら歩き出したが、また日が昇るにつれガス。最高の剱のロケーションが期待できる奥大日岳でも30分ほど粘ったが、剱はその姿に白いベールをかけ、その全貌を見せてくれなかった。
奥大日岳からは、比較的静かな山歩きになる。大きな岩が登山道を邪魔し、階段まで飛び出してくる結構きついコースだ。それより称名の方が崩壊しているという情報があったので、大事をとって奥大日から室堂へ引き返す人も多いようだった。昼前に大日小屋に到着、受付を済ませ、称名へのコースについて確認してから、サブザックだけで大日岳をピストン。ここもガス。せっかく持ってきたのだからとフルーツの缶詰を開けて食べた。
夕食後雨が降り出し、完全に視界はゼロ。「今日は駄目だな。」と思い始めて、窓を見ながらため息をついていたら、すぐに雨が嘘のようにやみその雨が『奇跡』を呼んでくれた。
巨大な虹が谷の方から空に龍のように出現したかと思うと、その左側に剱岳がはっきりと見えだした。よく見ると剱岳の右側にも薄い虹が、まるで夫婦か親子のように並んで出ている。あの光景は狙ってもみることはできない。今回ほどカメラが使えなかったことを残念に思ったことはなかった。携帯のカメラで写して見るが、やはり満足できる写真は写せない。自分だけではなく小屋にいたほとんどの人が歓声をあげ、何枚もその虹をバックに写真を撮っていた。小屋の人も「こんなの、めったにないすよ。」
ただこの『奇跡』に偶然居合わせたことで今回の山行は成功だと思えた。夜、大日小屋恒例のギターコンサートを楽しみつつ、窓から見える満天の星を楽しんでいた。
3日目は通行解除になった称名へのルートに進む。ただ、解除になったとはいえ、応急処置にすぎず、足元も緩いために非常に滑りやすい。下りに弱いtuyoponnは、コースタイムより時間をかけて慎重に下っていた。そこを通過すれば楽な山道になるかわり、だんだんと、暑くなってきて今夏であったことを思い出す。称名の滝はここ数日のいい天気でほとんど枯れていた。称名滝登山口はもうすぐだ。
大阪への帰り道、特急『サンダーバード』の中で何度も地図を開き、今回の登山を二人で振り返った。今度は剱に登りたいねと言いつつ…。
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