何度目の正直?!赤岳主稜


- GPS
- 29:36
- 距離
- 20.9km
- 登り
- 1,641m
- 下り
- 1,642m
コースタイム
- 山行
- 2:26
- 休憩
- 3:07
- 合計
- 5:33
- 山行
- 8:19
- 休憩
- 2:37
- 合計
- 10:56
天候 | 2/6(土) 予報では曇り雪だったが、時折晴れ間も出て予報よりは良い天気。 2/7(日) 未明から快晴。行動に支障があるような風ではなかったが、気温が低くてことさら風が冷たく感じた。AM11時の展望荘屋外にある温度計でマイナス14℃。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
日本登山大系によれば 「主稜の名にふさわしく、西壁の正面からダイレクトに頂上へ抜ける、西壁を代表するルートである。適度な岩場と雪稜が続き、これから本格的な冬のバリエーション・ルートを志す中級者に人気がある。」 詳しくは感想でkameが書くと思うので要点のみ ・わたくしたちは50m8.5mmダブルロープ1本、ピッケルにバイルという装備で挑みましたが、バイルを使う場面はありませんでした。 ・ルートは西壁なので、午前中は天気がよくてもお日様には当たれません。 十分に防寒対策をする必要があります。 ・今回わたくし達が登った状況としては、雪が多くて岩登り的には手強く、リッジ&ルンゼは容易、ということになるかと思います。 岩を乗越して、次の一手が雪に埋もれてたりしたので、とっさにバイルを出す準備が必要です。 ・全体的に支点は豊富です。これみよがしな支点がなくても、ピナクルで支点が取れる場面多数。 ・岩登りの技術と言うより、ルートファインディングの技術が試されるルートだと思います。事前に情報があってもその場ではなかなか難しい、ということをまたもや思い知らされました・・・ |
写真
登山道を外れ、左手にトラバースして取付きます。何本かトレースがついていて有難かったです。
雪面の状態が悪くなかったので、コンテでいきました。
有名な最初にして最大の核心のCS越え
ステミングしつつ、左のサイドプルをとりながら足を上げてCS上のガバをとって乗越す、っていう感じ
乗越した先に雪がびっしりで難儀でした
感想
今週も「好きね〜」の美濃戸口です(≧∇≦)
昨シーズンから講習が3度中止になりなかなかご縁のなかった赤岳主稜に行きたくて行きたくて。
好天を逃したくないので連投になりますが決行となりました。
初日土曜日は入山とロープワーク。
去年投入したアライテントのマカルー70Lは良いお買い物でした。
テント泊装備に登攀ギアもスッキリ収納できます。
外付けはピッケルだけ。
土曜日はあまりよい予報でなかったお天気ですが雲がかかるのは稜線だけのよう。
気温もさほど低くなく風もほとんどないです。
毎週山歩きしているお陰か重めの装備でも本日の宿泊地赤岳鉱泉までは順調に進みました。
美濃戸口から約2時間半。「聖岳だったら登山口にも届いていないねぇ」などと話す。
赤岳鉱泉での初テント泊。お昼過ぎの到着だったのでいい場所があるか少し不安でしたが小屋にもおトイレにも近い場所に張る事ができました。
今回新規投入のkameの安物スコップ。
雪洞やイグルー泊前提の縦走には不安かもしれませんがテント場泊の整地用だったら十分かも。
テントを張ったら、大同心稜方面に少し登ってロープワークの確認。
◎コンテのセット
◎グリップビレイ(左手)から半マスト(右手で)
◎スタンディングアックスビレイ
◎ホイッスルでの合図の確認
こういう練習はやっぱり実際のウエアでやるのがいいですね。
ギアの掛け方とかグローブ着用での注意点とかがよくわかります。
お楽しみの晩ご飯は鉱泉のステーキに対抗して肉!
まずはソーセージとエリンギにししとう。
そして和牛の焼き肉をバジルソースで!
テント中は肉のにおいが充満して大変だったけど美味しかったからいいや。
お腹一杯で明日の登攀に備えます。
この夜はかなり冷え込みましたが湯たんぽを抱えて寝たので寒さ知らずでした。
ただ結露覚悟でテントのフライ(非スノー)の裾を雪で埋めたので朝起きた時は結露というよりテントの内側は雪がびっちり張り付いている感じでした。
翌日3時過ぎ起床。
しっかり朝ごはんを食べ、暖かい飲み物を準備して5時に鉱泉を出発しました。
予報では朝のうちは霧でしたが、星もよく見えて視界も良好。
汗をかかないようにゆっくりとまずは行者小屋へ向かいます。
行者小屋では灯りのついたテントやすでに出発し始めるパーティーもありました。
気温は低いですがこの辺りも風はほとんどありません。
月明かりで阿弥陀の稜線がくっきり見えて美しいです。
ここからまずは文三郎道を進みます。
段々辺りが明るくなってきた頃森林限界を越え、見晴らしがよくなってきました。
徐々に傾斜のきつくなってきた登山道を左手の岩稜を見ながら歩きます。
「あれが取り付きの目印のチョックストーンかなぁ」と話ながら、登山道からはずれ、トラバースするところを探します。
標高2650mくらいのところにトラバースのトレースを見つけました。
またもや我々が本日のトップバッター。
雪の状態はよさそうなので、ギアをセットして、コンテでトラバースすることにしました。
このトラバースは50Mロープだと微妙にチョックストーン直下までは届きません。
ロープを出す時はスノーバーが必要かな。
トラバースを始めようとしていると後続の山岳部の学生風の3人パーティーが到着しました。
1P目はうわさのチョックストーン越え。
今年は雪が少なく、1月中旬までは下がくぐれたそうです。
雪で下が埋まると、雪が深いほうが越えやすくなるそうですが今年はまだまだ浅いです。
リーチのあるhibaは右上のボルトにプレクリップして登っていきましたがkameにはこれが遠くって難儀しました。
チョックストーンの左上に残置のお助けロープがかかっていますがリーチがあればこれに頼らず中央突破した方が登りやすいようです。
hibaはチョックストーンの上のガバをあっさりとって越えていきました。
ただ先週の石尊ほどではないですが湿った雪と氷がホールドにべったりついていて予想よりも登りづらかったです。
次のピッチの支点はスタート地点から少し右に屈曲したところにあるのでロープの流れを考えて、屈曲の手前でピナクルを支点にしてセカンドビレイ。
hibaのビレイをしながら「ふむふむ、そこがつかめるのね。それでそこがスタンスね。」と思っていましたが、kameのチョックストーン越えはリーチの違いが如実に出ました。
左側のホールドをレイバック気味にとり、体を岩に押し付けながら突破。
この後も基本hibaがトップでスタカットにしたり、コンテにしたりして登ります。
このルートは支点もきちんと整備されていますがいい感じのピナクルが所々に点在しているので長めのスリングが数本あるといいですね。
前回の石尊の時に下部岩壁のあとはほとんどコンテで進んでしまったので今回は練習のために出来るだけスタカットにしてみました。
少し傾斜のゆるんだ多分「草付きのルンゼ」と思われるところ(雪がかなりあって草はほとんど隠れていました)にでました。
前方に上部岩峰と思われる岩場が見えました。
二人で「あ〜あの岩峰の右裾あたりまでルンゼをつめるんだねぇ」な〜んて話していたのに二人して岩峰中央にぶらぶらとぶら下がる残置に引き込まれました。。
結構たっている岩でなかなか手強そうですがハーケンもいくつか見えるしどうにかなるか、とhibaスタート。
すると3手くらいで「うへぇ、ここ悪い。ベルグラがついてホールドがない!」
何度も仕切りなおしてなんとか難所突破。
「あれ〜おかしいなぁ。岩登りで難しいのは最初のチョックストーンのところぐらいじゃなかったけ??」と思いながらビレイしていると後続の山岳部パーティーとその後ろの男性2人女性1人の三人パーティーが私達が最初にオブザベしていた時に話した右裾に向かってルンゼをつめていきました。
「ぎゃ、またルーファイミスったよ」と思いながらビレイしているとhibaが「大丈夫、大丈夫。ビレイ解除!」
kameはここはもう美しく登る事なぞ一切考えずAO連発で突破。
後でkamogさんのレコを拝見したらまさにここの状況がよくわかる写真を発見しました。
私達がいったルートはなんとVくらいのバリルートだそうです。
難所を突破して少しトラバースすると右側からの正規ルートと無事合流でしました。
そこで後続の男女3人パーティーのトップのお兄さんに「さっきのルート難しくなかったですか?」と聞かれました。
この後何度かこのバリルートについてお兄さんに聞かれました。かなり登攀力のあるお兄さんだったので実は登りたかったのかな。
このあとはコンテで行けそうだったけど、kameが空腹と寒さ(-15〜-17度くらいで上部岩峰あたりから風が出てきた)でへたれたのでスタカットにしてもらいました。
この日は雪がかなり積もっていたのであまり気をつかいませんでしたが稜線に出る直前は落石注意のつめになります。
稜線に乗っ越すとそれまでと一転、人がたくさんいます。
山頂も写真待ちの人で殺気立っていたのでトップのお兄さんに写真をとってもらったらとっとと退散。
頂上山荘の横で行動食とホットドリンクでほっと一息。
この日は気温が低く風が冷たいですが快晴!
アルプスの山々から富士山まで本当によく見えて最高の眺望でした。
地蔵の頭までの稜線歩きは眺めは最高でしたが風が冷たくってあんまりのんびりできなかったのが残念。
地蔵の頭直下の急な降りを無事降りて傾斜のゆるくなったところで装備を解除して一服。
青い空に白い雪がきらきら光って綺麗だったなぁ。
行者小屋まではあっと言う間。
赤岳鉱泉までも基本下りなのであっと言う間。
ぽかぽか陽気の中テントを撤収して赤岳山荘でのランチ目指して下山です。
食材がなくなった分荷物は軽くなったはずなのにシュラフやテントなんかがずっしり湿って重く感じました。
でも北沢はやっぱり歩きやすくて、これまたあっと言う間に赤岳山荘。
待望の焼き肉丼とおしるこでお腹の中からぽっかぽか。
エネルギーチャージのお陰でいつもへたれる美濃戸ー美濃戸口間もさくさく歩けました。
ルーファイミスはありましたがお天気に恵まれ、無事hibaとふたりで赤岳主稜に登れました。
何度も延期になっていたけど、結果的に二人の力で登れたのでよかったんだなぁと思います。
まだまだ課題はたくさんありますがまた次の目標に向かって頑張ろうと思える素晴らしい登攀でした。
山であった皆様、hibaくん、ありがとうございました。
本当に素敵な週末でした!
***
写真を転載させてくださったkamogさん、ありがとうございました。
***
以上kame
ついに赤岳主稜にチャレンジできる日が来ました。
人気ルートだけあって、記録が非常に多く、参考にしたいのはやまやまではありながら、バリエーションルートは行ってみないとわからないのが常。
スタート地点は2650m。これだけでも初級バリとはいえ天候次第で厳しくなる事が予想できます。下手すればいきなり寒風にさらされながらの取り付きとなります。
上部岩壁の取り付きでルートミスしたのはkameも書いてあるとおりですが、いかにルートが頭に入ってるようで入ってなかった、ということでした。。。。
またもやテンションかけちゃいけないハーケンにぶら下がってしまった・・・
去年、小川山の涸沢4峰の最終点直下でいやというほど残置ハーケンにぶら下がったことが頭をよぎりました。
状況としては、正面の凹部にはハーケンが2本、右の方はかぶり気味だがスタンスはある。左はなんとかツァッケで乗り込めそうなスタンスがあるのものの、立ったフェース。気合でスタンスで乗り込めば右手でガバをつかめるが、体をなんとかあげても、左手でつかめそうなところが何もない・・・
おととい、ジムでへたれて5.10aで各駅停車したことも頭をよぎりました。
でも、へたれてても仕方ない、疲れるだけだ。
意を決して右手のガバで体をあげるだけあげる!左足の外傾したスタンスにツァッケをねじ込み加重!右足はキョン気味に押し付ける!
体が上がったんで右の手首でガバを抱え込むように保持、左手で掴めるところがないので、雪面を掘って掘って掘りまくる!
なんとか左手で体を上げられそうな穴が掘れたので、穴を上から押さえつつ、今にも外れそうな左足にそーっと体重を預けつつ体をさらにあげ、右足をリップにあげる・・・
ああ、思い出しただけで疲れた。
「うぉー!!悪りっっっっっっっっ!!」
って叫んだ記憶があるようなないような。
そんな大変な思いもしましたが、赤岳主稜素晴らしいルートです!
やっぱピークに突き上げるっていうのはいいですね。
来年はショルダーリッジにチャレンジできるように頑張りたい!
以上hiba
コメント
この記録に関連する登山ルート

やっぱり、本物のkamehibaご夫妻様、おはようございます。
夏でも行った事の無い赤岳まで
連投
「感想/記録 」コーナーは難しくてパスしました(笑)
手始めのソーセージ の数は多いわ〜
前夜祭と反省会ならいつでもお付き合いいたしまする
ナイスお二人のなナイスな登攀に
ポンさん、こんばんは〜
相変わらず早起き
お天気さいこーで「いえい」が出てよかったですよ〜
でも実は空腹と寒さでいえいじゃなかったりして
あれ〜南八ヶ岳はまだでしたか!
姫様とテント泊がいいじゃないですか
今年も遊んでくださいね〜
あと姫様の梅田岳での戦利品が見た〜い!
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