新穂高〜奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳〜新穂高
長野県
岐阜県
desuyonet
- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.6km
- 登り
- 2,400m
- 下り
- 2,402m
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09/20:穂高山荘05:15〜奥穂高岳05:55(06:20)〜馬の背〜ロバの耳〜ジャンダルム07:10(07:50)〜天狗岳09:50(10:05)〜逆層スラブ10:10〜西穂高岳12:05(12:40)〜独標13:30(13:50)〜西穂山荘15:00(15:30)〜西穂高口16:35(17:10)
| 天候 | 09/19:晴れ(薄曇) 09/20:快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2009年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）
新穂高ロープウェイ有料駐車場(in09/19sat07:10〜out09/20sun17:45)3000円 09/20西穂高口17:10→新穂高温泉17:30(混雑により臨時便増発)1500円 新穂高ロープウェイ時刻表:http://www.okuhi.jp/Rop/timetable/index.html |
| コース状況／ 危険箇所等 |
■新穂高〜穂高岳山荘 特に危険箇所は無いと思いますが、強いてあげるなら次の2箇所。 1) 「重太郎橋」を渡った直後の足場の狭いクサリ場。 2) 「鉱石沢」前後のクサリ場(難所というより落石注意)。 穂高山荘が見えてからが結構長いです。 明るいうちに小屋に着けばいいのですから焦らずに行きましょう。 ■奥穂高岳〜西穂高岳 1) 思ったより、ペンキマークが分かりやすく、クサリとかボルトもしっかりと付いているが、浮石が多いので注意。 2) とにかく長いルートです。ジャンダルムから先が正念場と思って下さい。 (詳しくは「感想/記録」をご覧下さい) ※一週間前の9月11日に岐阜県の防災ヘリ「若鮎2号」が遭難者の救助中に墜落、3名の犠牲者を出す痛ましい事故があった。 http://mainichi.jp/select/jiken/graph/20090911/index.html?link_id=RSD01 翌朝出発する際に小屋の方に状況を確認すると、「現場検証が終わってないので現場付近に散乱している残骸には触れないで下さい」と言われた。 現場付近は現場検証の準備としてしっかりと真新しいザイルが付けられており、おかげでロバの耳の降下やジャンダルムの取り付きを安全に進めた。 |
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感想
奥穂高からジャンダルまであっさりというか、あっという間に着いてしまいます。ジャンダルの取り付きは飛騨側(奥穂から向かうとはじめの方)にもあるらしいのですが、もう少し先の信州側の取り付きの方が断然楽で安全に上れます(飛騨側の取り付きは上るのはともかく下るのはザイルでもないと難しいのでは・・・まぁ頂上は一つなので結局同じ場所に辿り着く訳ですが)。信州側の取り付きは右(ジャンダル登頂)と左(西穂高方面)に道が分かれるようなところにあり、ここにザックを置いて頂上をピストンします(すぐなのでザックを担いだまま行ってもいいですが・・・)。この取り付きは飛騨側の取り付きと違ってハッキリと分かります。
奥穂高からジャンダルまでの途中に「馬の背」とか「ロバの耳」といった「難所」と呼ばれる箇所があります。確かにこのルートの中では屈指の「難所」ですが、だからといって特別な技術を必要とする訳でもなく、極々普通の岩場の、極々普通の技術を持っていれば、全く心配いらないと思います。そもそもこのルート全体にいえることですが、晴れて岩場が乾いていれば、一般の岩場ルートと何ら変わらないと思います(もっとも濡れていればキレットや剣なんかでも危険なのは同じですが・・・)。
他の一般の岩場ルートと違ってここが難易度が高いといわれる所以は、そのルートの長さにあると思います。奥穂高からジャンダルまではホントにあっという間です。ジャンダルを意識するあまり、ここまででルートの半分くらい済んだような錯覚に陥らないで下さい。ここからこのルートの核心部が始まるのです。
ジャンダルの頂上から下りて来てルートに戻ると、嫌でも正面すぐそこに目指す西穂高が目に飛び込んできます。ほんのすぐそこ、手を伸ばせば届きそうな感じのところに見えます。しかし、ここからが長いのです(行ったことがある人はワカルと思います)。この先、西穂高までのルートがなかなか侮れないのです。これでもかっ!ていうほどの厳しい岩場、リーチの長いアップダウンが延々と続きます。段々と体力が消耗してくると、集中力が散漫になり、やがて岩場のやり取りが大雑把になっていき・・・。そしてついうっかり・・・。奥穂高〜西穂高間は滑落すれば何百メートルも転落するような岩場がずっと続きます。確かに大キレットや剣岳でもそのような箇所が部分的にありますが、ここみたいに「最初から最後まで」ということはありません。ここでは技術というより、「気力」「体力」「精神力」が最も重要な鍵となるのです。半日以上に渡り「緊張感」と「冷静さ」を維持しながらハードな岩場をこなしていくことは容易ではないと思います。私は今回単独行でしたが、複人数での進行はメンタル面で大いに励みになることと思います。私は意識的に周りの人に話し掛けたりしながら進みました。そうすると「抜きつ抜かれつ」、「不思議な連帯感」が生まれ(人は大概はそうだと思います。そういう連帯感を嫌がる人もたまにはいますが・・・。)、単独行でも随分と励みになったものです。
それと出来るだけ悪天を避けることです。滑って危ないとか、ルートを見失いやすいとかいうことはもちろんですが、ガスで前も後ろも見えない中を進むのは本当にテンションが下がるものです。集中力も萎え気味になっていきます。私は2年越し、3回目で始めて通過することが出来ました。1回目は風雨(行って行けないことも無かったのですが)、2回目は降雪、そして3回目で快晴に恵まれ、素晴らしい景色の中、西穂高を目指すことが出来ました。目指すゴールを常に見ながら進むのは心理的にも非常に励みになります。富士山、南、中央、北アルプスをはじめ、遠近殆んどの有名な山を眺めながらの山行です。
人それぞれ都合があるのは分かりますが折角の機会です。出来るだけいい条件が揃った時にこのルートを堪能して欲しいものです。
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