丸山岳(伊南村大原起終点・火奴山経由)


- GPS
- 72:27
- 距離
- 55.1km
- 登り
- 3,967m
- 下り
- 3,969m
コースタイム
- 山行
- 8:31
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 8:52
- 山行
- 11:14
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 11:22
- 山行
- 11:16
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 11:36
- 山行
- 6:19
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 6:23
◯2日目は小手沢の渡渉でずぶ濡れになり、エマージェンシー焚火ブレイクで2時間まったりしてしまっている。どうせ靴は乾かないのだから、身体を温めたらさっさと出発すれば良かった。
◯3日目は坪入山の手前で天気が良いので靴を脱いで足を乾かしながら1時間ぐらい大休止している。
◯4日目は家向山・倉淵山と縦走して小立岩に直接降りる計画だったが、雨だし何より入山4日目の精神状態で下界に短絡する登山道の誘惑に勝てるはずもなく、車道歩きに変更した。
天候 | 3日 晴れ後曇り 4日 曇り時々雨 5日 曇り後晴れ 6日 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
稲子沢と小手沢は、地形図では黒谷林道(廃道)の橋が架かるが、稲子沢の方は消滅、小手沢の方は半壊していて使えない。黒谷川本流の橋はまだ当分保ちそうだった。 現在火奴山の尾根を使いたかったら恵羅窪山から広河原沢左岸尾根を橋目掛けて下ると美しい周回コースが描けるだろう。今回は稲子山と大内木山も目的地だったのでこんなコース。 |
写真
この辺り気候的に極相はブナの純林になるはずだが、若齢ダケカンバの純林地帯があり、拡大造林期の爪痕を疑う。
ここで支流から水を汲んで4リットル満タンにし直す。雪融かすのは面倒だしゴミ混じりの水になるが、融雪期の沢水もゴミ混じりだった。
写真にすると周りの山の迫力に呑まれてしまうが、肉眼だと未丈ヶ岳の白銀に彩られた優美な両翼の存在感が凄い。
装備
個人装備 |
夏用長ズボン
長袖ウール混ジップネック
夏用化繊山シャツ
純毛山シャツ
化繊中綿入り上下
化繊中綿入り半袖
ワークマンカッパ
帽子
手ぬぐい
3シーズン用靴下
象足
寝袋モンベル3番
シュラフカバー
テント
銀マ
50lザック
エアマット
ピッケル
アイゼン
自作クソ重いワカン(未使用)
グラサン
水4リットル
スパッツ
テルモス
ゴム引き作業手袋
ピチピチ手袋
防寒じゃないテムレス
いつもの小物類等
|
---|---|
備考 | ◯渡渉の装備(ビニール袋とか替えの靴下とか)を充実させるべきだった。 ◯ストックとスコップは藪で邪魔になると思い持たなかった。欲しくなる場面もあったが、必須でもない(ピッケルで済ます)。 ◯ワカンはこの時期毎回要らないだろうと思い実際使わないのに不安で持ってしまう。今回もいつも通りウエイトとして存分に働いてくれた。 ◯ワークマンのカッパは基本性能十分だし藪でも気にせずガシガシ使えるが、いちいち靴を脱がないと脱着できない。 ・初日晩飯 α米とレトルトカレー 約530kcal ・2日目朝飯 α米半分に乾燥味噌汁と乾物入れて雑炊 約180kcal ・2日目晩飯 早茹でパスタ100gとレトルトボロネーゼソース、ウインナー1袋 約750kcal ・3日目朝飯 インスタントラーメンと乾物 約230kcal ・3日目晩飯 α米とレトルト焼豚飯の素、ウインナー1袋 約700kcal ・4日目朝飯 2日目朝飯に同じ ・行動食は柿の種、トレイルミックス、小魚アーモンド、チョコ、ブルボンしっとりソフトクッキー、しるこサンド、じゃり豆、チーズ、魚肉ソーセージ、サラダホープ、グミを1日1000kcalずつ用意し、900kcalぐらい食べた。 調理の手間と重量を考えるとだいたいこれ以上持てないがいつも腹が減る。下界では毎日3000〜4000kcal食ってるが、山で再現しようとすると脂質偏重になって消化不良を起こす問題もあり、毎回試行錯誤している。今回はいつもほどの酷い空腹は無かった。タンパク質多めにしたのと、2日前から炭水化物を食い溜めしたのが上手く行ったかも知れない。 朝飯は早茹でパスタがここ数年の定番だったが、昨年数回消化不良を起こしたのでラーメンと雑炊に変えてみた。総熱量は寧ろ減ったかも知れないが、乾燥ワカメが空腹を誤魔化してくれている気がする。 |
感想
丸山岳は中学生の頃雑誌で「360°人工物が目に入らないピーク」と紹介されているのを読んで以来、ずっと憧れていた(この触れ込みはウソで、銀山湖が見える)。しかし何時の間にか丸山岳もマイナーピーク界のメジャーピークと化した感がある。GWの窓明〜丸山間では確実に人に会うだろう。そして長いピストンは嫌いだ。こうワガママを言っているからなかなか登れないでいた。
以前窓明に登った際、家向山から木立越しに垣間見た稲子山が格好良さそうだったし、その奥にあるこれまたピストンが面倒そうな秘峰・大内木山も好展望地らしいと聞く。また黒谷の懐深くに名を記された火奴山、これら気になる3座をまとめて丸山岳に繋げるプランを思いつく。黒谷川の橋の状況が問題だが、行ってみないことには分からないので行く(もっと調べりゃ良かった)。
黒谷林道健在なりし頃は火奴山から丸山岳に登る者もそこそこあったらしいが、近年この尾根に入ったヒトは珍しいのでは無いだろうか。
途中で仔熊の死体を見た。ちょうど雪融けで出てきたらしく、綺麗な死体だった。貴重なものを見た。
山毛欅沢山から大内木山まで、所々雪堤が切れて藪を歩くが、殆どヒトの道かと見まごう明瞭な獣道を利用できる。城郭朝日〜突滝沢山の稜線は完全な藪だったので、同じ山域でこの違いが何故生じるのか疑問だ。尾根上のキタゴヨウの大木は多くが根周りにウロを持ち、獣の寝床に良さそうで興味と警戒が入り混じる。
大内木山から黒谷川へ降りる尾根の下部も獣道と、拡大造林期の歩道(伐根やワイヤーを見かける)を使える。
火奴山の尾根への取付きは特徴の無い急斜面だが、藪はまだ薄く、潅木に掴まって無理矢理登る。傾斜が緩んでくると多数の地滑り跡が複合したような複雑な地形になり、池もあった。登りなので迷うことは無い。
火奴山の尾根の1698三角点峰と、窓明山北側だけ本格的な藪漕ぎ。坪入山から丸山岳に至るメインルートも所々藪が出ているが、短いし殆ど漕がずに通過できる密度だった。
黒谷川渡渉点の標高は入山口とあんまり変わらない。大内木山から見下ろすとこのコースを考えた奴に罰を与えたくなる。雪がある高さまではグリゼードを交え高速で下った。
稲子沢の橋は跡形も無かったが、カッパとスパッツ着用のうえ浸水無しで渡渉。小手沢のラーメン橋は半分落ちていて、コンクリの橋脚が立ちはだかる。パーティーならショルダーで上がれるかも知れないが、浅瀬を探し渡渉。1歩目で浸水してしまったので強行突破。流芯は腿の深さで、流木の杖はあまり役に立たず、流されかけた。危ねえ。ハインリッヒの法則のヒヤリハットを1つ積んでしまった。以降ずっと濡れた靴で歩いていたので塹壕足になりそうだった。
梵天岳付近で主稜線に合流した時、高幽山を下って来る登山者が見えた。韋駄天の如く迫って来る。丸山岳山頂へザックの雨蓋だけ持ってピストン、遂に到達した丸山岳山頂は風が強く寒いので長居できず、戻り始めたところで単独日帰りの男性とすれ違う。
高幽山の下りまでは天候も良くなり快調に縦走でき、このまま下山しちゃおうかとも思い始める。好き好んで奥山に入ってるクセに下界のメシが恋しくてたまらない。煙草も尽きそうだし。
坪入山へ前衛峰を幾つか越える登りでは雪も腐ってきてペースダウン。大休止して後続の男性に抜かれる。彼はそのまま下山したようだ。日帰り装備とは言え見事なスタミナだ。
頑張って今日中に下山したところで飯屋も風呂も閉店後になりそうだったので、結局予定通り3泊目。快晴の三岩岳を眺めながら最後の煙草をくゆらす。
最終日は雨の中いそいそと撤収。やっぱり早く下界のメシを食いたいので早出した。昨日と違い朝から雪が腐っている。窓明山北側の雪庇は賞味期限ギリギリで、トレースを無視して藪を漕ぐ。所々トレースに浮気してしまったが、全部漕ぐべきだった。主稜線に出てからはトレースでだいぶ楽をさせて貰っていたが、先行者のルーファイが完璧とも限らないし、雪庇の状態は刻々と変化しているのだから。
窓明を越えた後で夏道は家向山手前まで登り返す。トレースも夏道に従っていたが、巻けそうな所から巻いた。
コンター1460の尾根の分岐で先行者のトレースが間違えていて、しかし歩きやすそうだったのでそっちからも行けるのかなと思い追って見たが、普通に修正して夏道に戻っただけだったのでちょっと損した。
家向山〜巽沢山の区間は以前に登っているが記憶が無かった。巽沢山より下は記憶どおりの急坂で、一般ルートながら気を抜けない。
登山口にザックをデポし車の鍵を持って車道歩き。今回財布を家に忘れたのだが、国道でなんと500円玉を拾ったので大桃の自販機でコーラを買えた。普段車で何十回と通過している道だが、改めて歩いてみると道祖神や、伊南川対岸に知らなかった滝を多数見つけ面白い。
今回は里からの隔絶度では過去最高のコースだったが、渡渉の失敗を運でカバーしての踏破だから、画竜点睛を欠く感じで素直に喜べない。
今回初めて雪上でエアマットを使ってみたら、以前使っていたクローズドセルマットとR値は同じはずだが、明らかに背中が冷たかった。「積雪期にはエアマットよりクローズドセルマットが向いている、エアマットは内部で対流が起こり冷気が伝わる」というような説明を見かける。マットの下部に雪が、上部に熱源が接している状態で何で対流が起こるのか理解出来ない。この説明が合っているのか疑問が残るままだが、実際冷たいことは分かった。普段足元に敷くザックを上半身側に持ってきたり、テント内一面に広げている銀マを折りたたんで身体の下に集中させる等して対応したが、結局あまり眠れなかった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
こちらこそ、いつも南会津ほかの独創的な記録を拝見させて頂いております。踏抜きに伴ってアイゼンで負傷する事故は私も何時しでかすか心配していますが、有効な予防策は思い当たりません。お早いご回復をお祈り致します。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する