赤石岳〜荒川三山
長野県
静岡県
yamatomo
その他3人 - GPS
- 27:10
- 距離
- 25.2km
- 登り
- 3,059m
- 下り
- 3,057m
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11日:赤石小屋6:10→6:48富士見平7:08→7:55第1水場8:07→8:47水場跡8:55→9:20稜線分岐9:30→9:45赤石岳10:05→10:20稜線分岐10:30→10:47小赤石岳10:55→11:40ダマシ平12:30→13:15荒川小屋
12日:荒川小屋5:36→6:05水場6:06→7:30荒川前岳7:45→7:50荒川中岳7:55→8:45急登手前8:55→9:45悪沢岳10:46→11:18丸山11:33→12:25千枚岳12:47→13:15千枚小屋
13日:千枚小屋6:19→6:49駒鳥池6:57→7:37見晴台7:45→8:29水場8:40→9:20 1740m地点9:31→10:00小石下10:05→11:45滝見橋11:46→12:00椹島13:30→14:26畑薙第一ダム
| 天候 | 4日とも晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2002年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
赤石岳手前に急坂、悪沢岳への登りはガラガラした岩場の急斜面で注意を要する。小石下から林道まで一旦下るが、その後の登り返しが急坂で結構きつい。 |
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感想
<はじめに>
2002年8月の東京支部・夏のメイン企画は南ア・赤石岳〜荒川三山縦走です。南ア登山は東京支部と相性が悪く、1998年の聖岳〜光岳、1999年の塩見岳は荒天により中止となりましたが、今回漸く実現しました。
<アプローチ>
8月9日は小田急・本厚木駅に集合。参加者はYMさん、YSさんの女性新人コンビにTさんと私の4名で、早速車で出発です。厚木ICから静岡ICまでは東名高速道路を利用。途中、富士川SA付近で渋滞があったものの、ほぼ予定の時刻に静岡ICに到着しました。
静岡駅〜畑薙第一ダム間の路線バスが走る県道189号線は7月の台風の影響を受け、夜間通行止めとの情報を得ていたので、県道27号線に迂回しましたが、これがなかなかの険路で時間がかかり、3時には着くと思っていた畑薙第一ダム手前の駐車場到着は3:45頃となっってしまいました。女性二人は車の中で、男性二人は車の隣に張ったテントの中で仮眠しました。
<1日目・8月10日>
5時過ぎから太陽が輝きだし、気持ちの良い朝です。駐車場には多くの車が止まっており、しかも朝早くから身支度をするパーティーが多く、ざわざわしています。始発のバスは8:10発なので7時に起きればよいと思っていましたが、周りが騒がしいため、6:45頃に起きることにしました。
テントを撤収し、朝食を食べようとすると、臨時のバスが出るとのことなので、これに乗り込み、7:20に発車、椹島には8:20頃着きました。
登山基地の椹島は、のんびりしたところで山峡のオアシスといった感じです。畑薙第一ダム〜椹島間の道が険しかったので余計そうした印象を持つのかもしれません。売店横のベンチで朝食を取り、9時頃出発しました。
林道を少し戻り、鉄製の階段を登ると登山道となり、急な登りが始まります。樹林帯の登りで展望が利かず、蒸し暑く、ペースに乗ることができませんが我慢しながら登り、地図に「林道跡」と記載のある地点に11:45到着。ここで昼食にしました。
この後もきつい登りが続きますが、展望の得られる個所もあり、すこしホッとします。木々の間から聖岳、そして笊ヶ岳の稜線越しに頭だけを出した富士山も望むことができました。そして今夜の宿・赤石小屋には15:45に着きました。
赤石小屋からは赤石岳、聖岳を間近に望むことができます。私たちは小屋の前のベンチに座り、ビールを飲みながら日が暮れるまでこの大展望を楽しみました。
<2日目・8月11日>
二日目も朝から快晴です。御来光&朝日に赤く染まる赤石岳を心行くまで眺めた後、6時過ぎに出発します。
40分ほど登ると富士見平に着きます。一気に展望が開け、富士山がその端正な姿を現します。眼前には赤石岳が覆い被さるように迫り、右手を見ると明日登る予定の荒川三山も望まれます。何とも素晴らしい展望で、来て良かった!と思わずにはいられませんでした。
富士見平からはやせ尾根づたいに歩き、50分ほどで北沢源頭に到着。ここからは今日のコース一番の急な登りです。しかし、登ってみると手前から見上げたほどの登りではなく、高度を稼ぐことができます。そしてなんといってもここのハイライトは豊富な高山植物!手前のやせ尾根からこの斜面で止まっている登山者が見えたので、よほど登りがきついのだろうと思っていたのですが、そうではなく、みんな花に見とれていたのでした。
9:20縦走路との分岐に到着。赤石岳山頂までは15分ほどなのでここに荷物を置いて山頂を目指します。ところがこれまであんなに天気が良かったのに、伊那谷側からにわかにガスが流れてきて、山頂部を隠してしまいます。山頂には20分ほどいましたが、時折青空が見えるものの展望は得られなかったので、記念写真のみ撮って引き上げることにしました。
そのとき「グェー」という独特の泣き声がするので、声のする方向を見ると、何と雷鳥の姿が。しかもひなを4羽もつれて!私たちは興奮して写真を撮りましたが、このあと悪沢岳山頂手前、悪沢岳〜丸山間と、2度も雷鳥とのご対面があるとはこの時は予想できませんでした。
荷物を置いた分岐に戻り、小赤石岳を越え、急な下りを大聖寺平へ向かいます。この間は伊那谷からのガス混じりの強風にあおられ、体力を奪われます。漸く平らとなり、風を避けられるところを見つけたので、昼食にしましたが、ここは大聖寺平ではなく手前のダマシ平と呼ばれるところであることを帰ってきてから知りました。
ダマシ平から荒川小屋までは45分、13:15に小屋に到着しました。荒川小屋は東向きの斜面の中腹にあり、伊那谷側からの風は当たらず、また水は豊富、トイレは水洗、宿泊客は多くなく、小屋の管理人は感じが良いなど、今回泊まった三つの小屋の中では一番快適でした。夕食まで時間があるので、今日見てきた花を図鑑で確認したり、明日極大を迎えるペルセウス座流星群に備え、星座の本を見たりして時間をつぶしました。
夕食後、調子に乗ってビールを飲みましたが、宿泊客が少ないせいか夜中に寒くて目が覚め、トイレに行くことに… しかし満天の星と5分間に流れ星二つ(うちひとつは超特大)を見ることができました。
<3日目・8月12日>
三日目は荒川小屋を5時半頃に出発、荒川前岳に登ります。前岳への急な斜面は広々とした高山植物のお花畑でもあり、可憐な花々や雄大な赤石岳、富士山の眺めに心を奪われ、結構時間がかかってしまいました。
荒川前岳山頂で360度の展望を満喫した後、荒川中岳から一旦下り、標高差200mの急な登りをこなして漸く悪沢岳に到着しました。南アルプス南部の最高峰に登れたことに感慨も一入です。
丸山〜千枚岳間も高山植物が豊富、ガレ場の中にたくさん咲いていました。特に印象的だったのは千枚岳への急登の途中に見たタカネビランジとリンドウの小さな群生です。また薄紫色のマツムシソウやピンクのナデシコの群生も本当にきれいでした。
またこの日の出来事で特筆すべきは、「雷鳥の親子との至近距離でのご対面」。悪沢岳から丸山へ下りてゆく途中に雷鳥の親と4羽の子供達に遭遇し、長い間私たちのそばを離れずに砂浴びをしたりしました。そうこうするうちに千枚岳から登ってきた登山者も交えて大撮影会と相成りました。
千枚小屋は二階建てのきれいな山小屋。山小屋の受付の人にこれまでの行程を聞かれたので、「赤石小屋、荒川小屋に泊まった」と答えると「各駅停車ですね!」と言われてしまいました。南アルプスに登る人は健脚の方が多く、このコースに2泊(千枚小屋を入れると3泊!)かよ、と思われるのかもしれませんが、私としては各駅停車の山歩きが大好きです。
小屋の前はたくさんの登山客で賑わっていました。午後早いうちに到着した私たちも、他の方々に負けずに残った食材をつまみにビールと乾杯!ホントおいしかったです。
<4日目・8月13日>
四日目は下山日。この日の夜明けは壮大でした。私たちの寝床が東側の窓付きに面していたのはラッキーでした。雲海の上に大きく頭を出した富士山が黒くシルエットになり、裾野は暁の橙色に染まっている、そういう美しい夜明けでした。富士山頂の両端が猫の耳みたいにチョンチョンと突き出ていた事が印象的でした。
出発はゆっくり6時過ぎ。下山は樹林帯の中のなだらかな道をトットコ下りました。小石下の三角点まで来て、あともう少しと思ったのですが、最後に試練が待っていました。山腹を巻く登山道が崩れていて通行止めとなっており、迂回路はピーク一つ越さなければなりませんでした。もう登りはないと思っていたのでこの登り返しは応えました。
椹島にはお昼頃に到着。次のバスまで時間があったのでゆっくりお昼にしました。バスで駐車場まで戻った後は、椹島の売店のおねえさんに聞いた無料温泉(白樺荘 2009年にリニューアルオープンし無料ではなくなってしまったらしい)で体をさっぱりさせた後、この山深い南アルプスの地を離れ、帰路につきました。
2010年12月18日記
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