チャンスは突然に、雲ノ平から北ア最深部周回


- GPS
- 80:09
- 距離
- 63.6km
- 登り
- 4,855m
- 下り
- 4,848m
コースタイム
- 山行
- 7:38
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 8:12
- 山行
- 9:56
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 10:42
- 山行
- 5:52
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 6:30
- 山行
- 9:12
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 9:42
天候 | 1日目 曇り〜ガス〜晴れ 2日目 薄曇り〜晴れ 3日目 快晴〜曇り 4日目 快晴〜ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
折立〜太郎兵衛平 夏道なので特に問題なし 太郎兵衛平〜雲ノ平 最初は木道、段差が大きい急坂を激下り、また木道になり、薬師沢からは滑りやすい急坂になります。登りよりも下りは滑りやすく大変危険なので、できれば下りには使用しない方が無難です。 雲ノ平〜祖父岳 祖父岳手前はザレた急登で特に下山時はスリップに注意です。 祖父岳〜水晶小屋 特に問題無し 水晶小屋〜水晶岳 登山道はしっかりしていますが、幅が狭くすれ違いに特に注意です。片側は深い崖なので、登山道を踏み外すと即アウトです。 水晶岳〜温泉沢の頭 ザレた岩ゴロの登山道でアップダウンも結構あります。登山道も狭いですが、ほとんど人はいないのですれ違いに気を使う場面は少ないと思います。 温泉沢の頭〜赤牛岳 ペンキマークは少なめ、トレースは薄めで、天候が悪いと道迷いもあり得ます。ザレた岩ゴロの道が続きますが、赤牛岳手前は広い稜線もあり、ガスると道迷いしそうです。登山道が稜線の左右で入れ違う所がありますが、特に帰りは稜線をまたがず、まっすぐ進む間違いトレースがあり注意です。 岩苔乗越〜三俣山荘 下りの途中までは岩ゴロで登山道は所々濡れて滑りやすいです。途中何ヶ所か渡渉がありますが、沢幅が狭く問題は無いと思います。登山道の途中で給水ができました。黒部川源流碑からは登りになります。 三俣山荘〜三俣蓮華岳 三俣蓮華岳手前からザレた急登になります。 三俣蓮華岳〜黒部五郎小舎 登山道は比較的整備されて問題は無いと思います。 黒部五郎小舎〜黒部五郎岳 雄大なカールを眺めながら登れるカールコースは特に問題無いと思います。稜線コースは上級者向けコースとされています。 黒部五郎岳〜太郎平小屋 黒部五郎岳の肩からしばらくはザレた急坂ですが、ここを過ぎると比較的なだらかな稜線を歩きますので、問題無いと思います。 |
写真
感想
【感想/記録】
今年から山の日が制定され8月11日は祝日。登山グループの隊長と前日から北穂高に行く予定が流れたものの、なんと10日からは良いお天気がしばらく続く予報。千載一遇のチャンスなので夏休みを頂き、前から行きたかった雲ノ平と、周辺の山々へ出かけることに。欲張って3泊4日の山行を計画しましたが、食料が増えてザックが重くなってしまいました。有峰林道の亀谷口には5時15分過ぎに到着しましたが、既に結構な車列ができており、やはり自分と同じ考えの方が多いようです。折立の駐車場は既に路駐もあるほどの満車(´Д`)。臨時駐車場へ誘導されました。見渡したところ全て県外ナンバーの車でした。薬師岳の登山口でなければ、こんな辺鄙なところには来られないですよね。
■1日目 折立〜雲ノ平
累積標高上り 1,859m / 累積標高下り 661m / 活動時間 8:27 / 活動距離 15.16km / 高低差1,228m
太郎平小屋まではよく行ってますが、その先の雲ノ平への登山道は行ったことは無く未踏の地。重いザックを背負って、薬師沢からの急登を雲ノ平まで歩きとおせるか不安でした。折立から最初の樹林帯は風が無くて暑かったのが、幸いガスって暑さが和らぎました。太郎平小屋には10時過ぎに到着し、登山届を提出して休憩してから出発。
最初は穏やかな木道、その内に段差がある急な坂が続き、沢までは激下りでした。沢を過ぎると木道が現れ、その後は岩だらけの道、またしばらくは穏やかな木道を淡々と歩き、薬師沢小屋手前からはまた激下りとなり、12時前に薬師沢小屋に到着。昼食を食べてから12時半には出発し、吊り橋を渡り、はしごを降りて、いよいよ噂の雲ノ平までの激急登の始まりです。
最初からはしごがあり、その後も木製の簡素はしごが所々にあり、その内に苔むした丸い岩だらけの急坂になりました。滑らないように注意しながら、両手も使って登ります。3泊4日分の食料が入った重いザックを背負っているので、ペースが上がりません。樹林帯のため風が無く暑くて汗がダラダラ落ちます。立ち休みしながら、ようやく木道の末端に14時時頃に到着。しばらく歩くと岩ゴロの道、また木道が現れると、アラスカ庭園に到着。
ようやく雲ノ平らしくなり薬師岳や水晶岳などの、北アルプスの山々も見えるようになって、頑張って来たかいがありました。次は奥日本庭園になり、しばらく歩いてようやく3時頃に雲ノ平山荘に到着。テントの受付を済ませ、キャンプ場には3時半頃にやっと到着。幸いテントの数は少ないものの、ここは岩だらけでテントを張るのに良い場所が少ない。ようやく平らでテントを張りやすい場所を見つけ、テントの設営完了。その後はキャンプ場からは1kmほどある雲ノ平山荘にまでビールを買いに出かけます。500ccのビールを買いましたが、冷蔵庫が無いのか少しぬるい(´Д`)。この後はキャンプ場に戻っていつものハンバーグカレーライスを食って寝ました。
■2日目 雲ノ平〜赤牛岳
累積標高上り 1,616m / 累積標高下り 1,598m / 活動時間 10:47 / 活動距離 20.16km / 高低差 429m
赤牛岳は薬師岳から正面に見えますが、北アルプスの最深部付近で行きづらい場所です。昨年のSWは水晶岳まで行きましたが、その先は行けなかったので、雲ノ平に泊まった今回は赤牛岳までピストンする事に。キャンプ場から出発するもサングラスを忘れてテントに取りに戻る大失態で30分のロス、朝のトイレも渋滞したので、結局予定よりも1時間遅れの6時に出発。キャンプ場からは少し迂回する感じで、まずは祖父岳を目指し、岩苔乗越を経由して水晶小屋に到着。しばらく休憩して水晶岳を目指します。
ここからは少し風が強くなったのでウインドブレーカーを着て出発。水晶岳に到着し、山々を撮影し次はいよいよ赤牛岳を目指します。まずは山頂から少し降りてまた登ると、ザレた急坂を100mほど一気に下ります。次は温泉沢ノ頭まで岩ゴロの登山道をアップダウンしながら目指します。歩きづらい標高差がある登山道は地味に体力を消耗します。
温泉沢ノ頭に到着するも、先はまだまだ長い。また一旦下って登り返すの繰り返しで、岩ゴロの登山道が続きます。赤牛岳に近づくと広い稜線もあり、ガスったら迷いそうです。水晶岳から先を目指す方やすれ違う方は誰もおらず、1人でずっと進んでいましたが、赤牛岳手前でようやく奥黒部へ目指す方に追いつきました。何度か上り下りを繰り返し、ようやく11時ちょっと前に赤牛岳に到着。目の前には薬師岳、奥には立山や剱岳、黒部湖、後立山連峰から、槍ヶ岳、穂高連峰、黒部五郎岳などの北アルプスの山々が一望でき、来たかいがありました!ここでは奥黒部から来た方も現れ、ようやくちょっと人が増えました。
昼食を食べて、残念ですが11時半頃に引き返しました。帰りは今きた道を地味に戻って行きます。体力が持つか心配でしたが、順調に水晶岳、岩苔乗越を通過し、祖父岳まで来ると、雲ノ平キャンプ場が見えました。ここから下ると槍ヶ岳や穂高連峰は見えなくなります。16時半頃にようやく雲ノ平キャンプ場到着。疲れましたが、このまま雲ノ平山荘へビールを仕入れに行き、給水してからテントに戻ってビールで乾杯も、ぐったりでした。夕飯食ってからストレッチして寝ました。
■3日目 雲ノ平〜黒部五郎小舎キャンプ場
累積標高上り 779m / 累積標高下り 1,037m / 活動時間 6:35 / 活動距離 8.99km / 高低差 494m
朝は濡れたテントの撤収に手間取り、出発は結局6時半過ぎになりました。とりあえず三俣山荘を目指しますが、ルートは祖父岳を登頂し岩苔乗越を経由して黒部川源流沿いに進むルートと、雲ノ平の日本庭園を経由して黒部川源流を渡渉するコースがあります。後者は最後にザレた急坂を激下ります。コケると危険なコースはやめて、今回は重いザックを背負っているので、遠回りになりますが前者のコースを選択しました。
祖父岳〜岩苔乗越までは昨日と同じコースですが、重いザックのため昨日よりペースが落ちます。岩苔乗越からは岩ゴロの登山道になり歩きづらく、コケないようにゆっくりと進みました。9時半前にようやく黒部川源流碑に到着。少し休んで三俣山荘を目指し坂道を登って行きます。10時前に三俣山荘に到着し、ここでお昼ご飯を頂きます。メニューからカレーライスを注文しましたが、疲れた身体には大変美味しく感じられました。三俣山荘の食堂は水が飲み放題、山荘前にも自由に使用できる水場があり、水に恵まれています。
給水してから最終目的地の黒部五郎小舎キャンプ場を目指します。ここへもルートは三俣蓮華岳を登頂する稜線コースと、巻道コースがありますが、せっかくお天気が良いので稜線コースを選択しました。巻道コースは昨年通りましたが、足場が良くなかった記憶があります。三俣山荘から山頂までは約300mほど登りますが、ゆっくりと進んで11時過ぎに到着。幸い晴れていたので、周りのすべての山々が見えます。やっぱり山頂に来て良かった。
山頂からはほぼ下りですが、登山道は整備され坂もあまり急では無く、急坂は階段に整備されています。でも足が限界を迎えつつあるので(汗)、ここからもコケないようにゆっくりとしたペースで降りていきます。13時頃にようやく黒部五郎小舎に到着。幸い時間が早かったために、下段(奥)のテン場はまだ余裕があり、サクッとテントを設営できました。でも良い場所は2時頃までにはあっという間に埋まり、早く到着して正解でした。その後もどんどん登山者がやってきてテン場は激混み状態となりました。遅く来た方はテントが設営できなかったかもしれません。水とビールを確保したら、もう疲れたのでビールを飲んで、しばらくテントの中で横になり、ストレッチをして、夕飯を食ってから明るいうちに寝ました。
■4日目 黒部五郎小舎キャンプ場〜折立
積標高上り 982m / 累積標高下り 1,946m / 活動時間 9:42 / 活動距離 17.88km / 高低差 1,473m
朝はテントの天井から滴る水滴で目覚めるほど結露がひどく、どうも外がガスっていたためのようです。3時過ぎに起き、朝飯と撤収の準備をしましたが、今回もいつも以上にグッショリと濡れたテントに手こずり、結局5時半過ぎに出発。もう一時間早ければ、朝日に染まる黒部五郎岳を撮影できたのに、残念!それでも黒部五郎岳の素晴らしいカールを見ながら黒部五郎岳の肩を目指して進んでいきます。標高を上げるに従い、すり鉢状のカール地形や、北アルプスの山々が見えて感激。頂上には7時過ぎに到着すると、たくさんの人でにぎわっていました。快晴だったので頂上からは北アルプスの山々が一望でき、景色を堪能できました。
残念ですが今日は折立まで下山しなければいけないので、8時過ぎには黒部五郎岳を後にしました。後は赤木岳、北ノ俣岳、太郎山を越えていきますが、その間に小ピークがいくつもあり、なかなか距離を伸ばせません。北ノ俣岳手前でガスってしまいましたが涼しくなって返って良かったです。12時過ぎにようやく太郎平小屋にまでたどり着き、お昼ご飯にネパールカレーを注文。12時半過ぎに折立に向けて出発するも足が限界を超え、ガクガクで足裏も痛くて力が入らず、気力とトレッキングポール頼みで、なんとか歩いて標高を下げます。途中何回か休み、最後は残り時間から計算し不要な水を捨てて、荷物を少しでも軽くして15時15分頃にようやく折立に到着。もう疲れてクタクタでしたが、更に500mほど離れた臨時駐車場にまで歩いて、ようやく山行の終了。長かった山行ですが、大きな怪我もなく無事帰ってこられました。
■まとめ
今回は幸いお天気は崩れず4日間も良いお天気が続き、登山日和が続きました。事故や怪我にも会わず無事帰ってこられて良かったです。お盆の直前、山の日を挟んでいたので、キャンプ場、山小屋、登山道、山頂は賑わっていました。赤牛岳だけは閑散しており、北アルプスの中でもアクセスの悪さが影響したのでしょうか。静かな山行を楽しみたい方にはオススメですが、体力は必要だと思います。今回の長期山行で疲労や筋肉痛が足にきて歩くのも苦痛、全身を襲う疲労感で、身体がもうボロボロです(笑)。TJARとは比べものにもなりませんが、北アルプスから南アルプスを走り続ける体力を持つ、TJAR出場選手を本当に尊敬します。また山の日にゴールした望月選手、4連覇おめでとうございます。
【注意点や反省点】
今回はザック、カメラバッグとウエストバッグの重さは合計約16.6kgでした(約1.25ℓの水を含む)。さすがに4日分の食料を詰め込むと重くなりますね。3日目と4日目の昼食は荷物を軽くするために省略し、山小屋の昼食を食べる事にしましたが
薬師沢から雲ノ平までの急坂は暑くて大変でしたので、薬師沢で多めに給水した方が良いです。
雲ノ平キャンプ場は広いものの、岩だらけなのでテントを張りやすい場所は少ないです。トイレは男女共用で、個室は3部屋ですが、お世辞にもキレイとは言えません。一応ペーパーが流せる水洗でしたが、ペーパーは1日目は切れており、翌日には補充されていました。キャンプ場代金が1泊千円ならもっとキレイにして、ペーパーも切れないようにしてほしいですね。また、害の無いアブや蚊もテントの中に入ってきて困りました。
雲ノ平山荘では渇水のため、20ℓの水歩荷を募集していました。一回で500円相当の商品券的なものが貰えるようです。
水晶岳よりも先は水場、トイレ、エスケープルートなどは一切無く、人も少ないので、何かあっても助けて貰えることは無いと思います。遭難しても見つけてもらうのは難しいかもしれません。万全の準備と体調で望みのが良いでしょう。
黒部五郎小舎キャンプ時は1泊千円、下段(奥)のキャンプ場はペグが良く効きました。外トイレは洋式で個室は2部屋、男女共用ですがとてもキレイで、ペーパーもたくさん置いてありました。でも13日の朝はトイレの前に大渋滞ができており、山の中のトイレの確保は大変です。
今回立ち寄った雲ノ平山荘、三俣山荘、黒部五郎小舎は登山者でごった返しており、1枚の布団に2人ほどのスペースとなっていたようです。泊まる方もお世話される山荘の方も大変だったろうと思います。
折立の臨時駐車場に車を止められたのはまだ良い方で、山の日は入車制限や、折立からはるか彼方の空き地に駐車している方もあり、お盆の登山は大変です。
ソフトバンク接続状況 雲ノ平×、祖父岳 不安定3G、水晶岳 やや不安定な4G、赤牛岳 やや不安定な4G、三俣蓮華岳 4G、黒部五小舎キャンプ場×、黒部五郎岳 山頂手前が安定的に4G、北ノ俣岳 やや不安定3G。高い山の山頂付近ではつながることが多いようです。
【Apple Watch等による計測結果】
ムーブ(安静時を越える推定エネルギー消費量 / kcal)
827
1067
627
1100
エクササイズ( 活発に活動した分数 / 分)
50
130
58
140
スタンド( 1時間のうち1分以上身体を動かした時間 / 時間)
17
15
10
18
登った階数( 一階=約3mの高度を上昇 / 階)
303
390
135
168
ウォーキングの距離(km)
25.64
32.16
18.95
32.48
歩数(1日で歩いた歩数 / 歩)
33,169
40,299
24,040
39,914
心拍数 (1日で最低、最高の心拍数)
58〜107
67〜123
61〜107
52〜121
体重
61.5 -> 60.1
体力の限界を超したので、帰ってきてからは廃人同様となってしまいました(笑)。
コメント
この記録に関連する登山ルート

artylaneさん、こんにちは。
赤牛岳で撮影を頼まれたものです。雲ノ平からのピストンと聞き、元気のある人だなぁと、うらやましく思いました。私の方は、赤牛岳から東沢出合まで下りだけでしたので、比較的楽でした。奥黒部ヒュッテで風呂にも入れました。ビールの味も格別でしたよ。
雲ノ平はいいところですね。私の場合は、雲ノ平から薬師沢に向かって歩きましたが、あの滑りやすい石のある急坂の下りと、その後の薬師沢からの登り返しに苦労したのを覚えています。 今年の北アルプスは小屋泊が続いたので、今度はテン泊でと思っています。
k_fujisanさん、こんばんは。
頂上ではありがとうございましたm(_ _)m。雲ノ平は折立から入るのは初めてでしたが、薬師沢からは噂通りの急登で滑りやすいため、下りはかなり危ないですね。予定通り安全な黒部五郎岳経由で折立に戻りました。
雲ノ平でテン泊するのは初めてでしたが、ここを起点にすると赤牛岳まで狙えて良いところだと思います。今回は晴れの日を狙って、中々行けない赤牛岳までうまく行けてラッキーでした。雲ノ平はチャンスがあればまた行きたいですね。
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