札内川キネンベツ沢(札内岳)
- GPS
- 24:38
- 距離
- 42.3km
- 登り
- 2,697m
- 下り
- 2,575m
コースタイム
8/11(木)6:15(札内ヒュッテ前)→7:56(七の沢出会い)8:13→9:52(八の沢出会い)→10:18(c712mキネンベツ沢出会い)→12:14(c820m二股)C1
8/12(金)5:00(C1)→5:33(c860m)→6:50(c960m二股)→7:50(c1180m二股)→9:05(c1300m三股)→9:52(c1460m付近の二段滝)→10:45(高巻き終了)11:06→11:30(c1600m付近ヤブコギ開始)→12:49(尾根)→13:28 (札内岳)14:05→17:24(十の沢出会い)→17:39(c920m付近C2)
8/13(土)6:30→7:33(九の沢)→8:05(キネンベツ沢)→8:28(八の沢)→9:52(七の沢)10:15→11:43(札内ヒュッテ)
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
長袖インナー
ズボン
雨具
着替え
行動食
非常食
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ナイフ
カメラ
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
スリング
ロープスリング
セルフビレイランヤード
ハンマーバイル
渓流シューズ
|
---|---|
共同装備 |
ロープ
ナイフブレード
アングルハーケン
ツェルト
ビリー缶
火器(ガス)
ガス缶
|
感想
キネンベツ沢は、札内側、戸蔦別側の何れからアプローチしても入下山に時間を要する沢で、中部日高の深奥に分け入る感がある。c880m〜c1460mまで様々な滝が断続的に現れて遡行者を飽きさせない。核心はc1460m付近に出てくる二段の滝の二段目の滝の高巻き(左岸ルンゼ)だろう。二度と登りたくないボロイルンゼ。源頭のヤブコギはそれなりの覚悟が必要か。!!の沢を!!☆に感じてしまう今の自分を知る山行となった。
コイボクシュシビチャリ川本流と札内川キネンベツ沢(記念沢)は、お盆休みに案内する恒例の沢山行。今年もエントリーする者がいなければ、胆振の山仲間と神威岳北東面直登沢に行くつもりだった。
エントリー期限の前日、師匠からエントリーの連絡があった。9回裏サヨナラ勝ちのようなエントリー。うれしかった。師匠との沢は二年前の石狩岳(音更川21の沢左股沢)以来。
札内川から入山してキネンベツ沢を遡行し札内岳からトッタベツ川側に下降するコースルートは、二泊三日で抜けられるが、車が二台必要となる。札内川からアプローチするにしても、トッタベツ川側からアプローチするにしても、入下山先を同じくするために馬蹄形のルートを取る場合は三泊四日を要するように思っていたが、よくよく調べてみると、札内川からのアプローチは二泊三日で行けることが分かった。難は往復の林道歩きと最終日が増水した場合の札内川遡行。師匠に相談し札内川馬蹄形コースに決定。
10日前から天気予報に首ったけ。10日〜13日の天気は動いた。二日しか天気は持たない場合に転戦する山行を計画しつつ、最終日の雨を覚悟したが、入山直前の天気予報では三日間とも晴れマーク。
札内ヒュッテ前にテント泊。道路の向こう側にある駐車場は8割くらい埋まっていた。翌日の行動を考え、節度ある飲み方で就寝。3時くらいに到着した車の音で目を覚ましてからは夢うつつで朝を迎える。
七の沢出会いまでは約7kmの林道歩きで、今回は1時間50分を要する。行きはヨイヨイ帰りはコワいの林道歩き。折り畳み自転車を利用している登山者が昨年にも増して多かった。
七の沢からキネンベツ沢出会いまでは、昨年の9月に歩いているので、記憶に新しい。八の沢出会いがカムエクBCになってから久しい。今年も数張りあった。
キネンベツ沢のc820m二股までは河原歩きでお昼に到着。計画ではc960m二股まで行くこととしていた。帯労の記録によるとここからc960m二股までいくつかの滝を越えて約3時間を要したとあった。
少し早かったが、ここに幕営してたき火と釣りを楽しみつつ体を休め、翌日は軽くなったザックで早出することにした。
ツェルトをたてて、たき火の準備。流木が多く、焚き木集めに労することはなかった。たき火熾しは師匠の卓越技能者の技が光る。良いたき火ができた。がしかし、衣服が濡れていない中での夏日では、日が落ちるまでたき火の有難さを感じることができなかった。
水量が少なくポイントとなる所が見当たらない沢に釣り糸を垂れてみるが、地球とごだっぺ以外釣れなかった。ここまでの遡行中、魚止めになると思われる滝はないが魚影はみえなかった。キネンベツ沢にイワナ(オヒョロコマ?)はいないようだ。
師匠がザックの中身を天日に干していた。ウィスキーを入れたプラティパスの口が空いていたようで、200ccくらいを荷に吸わせていたとのこと。師匠は、300ccのお酒で十二分に酔っぱらって焚火の前で地球と相撲を取っていた。そして、夕食に二食分の尾西とカップ麺を食べる自分。まだまだ若いもんには負けねぇ!
暑くてシュラフカバーに入らなかったが、朝方はかなり冷え込んだ。やっぱ山の中。3時に腕時計のアラームをセットしたが、二人とも気が付かなかった。寝坊はしても、やればできる。前の日に仕込んでいた尾西とみそ汁を胃に流し込み5時出発。
昨夜のたき火の熾火に水をかける前にビリー缶をしまってしまった。コップで水をかけるが埒があかない。師匠はたき火に水をかけてはいけない、自然消化が地球にやさしいというが、万が一のことを考え、メットで水を汲んで完全消化するべく、密かに幕営地に戻るオレだった。
c860m二股まで約30分、幕営できる箇所がいくつかあった。標高c880mくらいから淵を持った小滝が出始める。c1300m三股の中股c1450m付近に出てくる二段の滝まで、フリーで登れる滝、高巻く滝、お助けロープを出す滝、ハーケンでランナーを取って登った滝と断続的に色んな滝が出てきた。以下、記憶に残っている印象的な箇所をいくつか紹介する。
○c1050m付近のマーブルのナメ滝が印象的。
○キネンベツ沢は雪渓が残る沢と聞いていたが、今回はc1100m付近で雪渓の残骸が出てきたのみだった。
○c1160m付近のスラブ滝は右岸側(滝の左側)を登るが、最後の2m滝の落ち口付近が微妙に思えて落ち口に向かって足を踏み出す勇気が出なかった。右岸の木を使って巻いた。師匠にロープを出す。
○c1200mの滝は空身でロープを引いた。5m登った所でハーケンでピンを取った。師匠が登ってから左岸の灌木を支点にラッペルし、ザックを背負って登りかえす。
○そして、c1300m三股の中股c1450m付近に出てくる二段の滝。一段目は右岸から簡単に巻ける。問題は二段目。下から見たときは直登できるかなと思っていたが、直下で見ると直登は不可。左岸ルンゼを使って巻くことにした。2m登ると、足もとの岩は崩れる、手にするホールドは崩れるで、ルンゼに詰まった岩をクリーニングしながらの泥臭い登り、鬼の浮石で生きた心地がしない。落石でロープを切断するんじゃないかとハラハラドキドキ。25mくらい登った所の岩の下でピッチを切る。いつ落石が起きてもおかしくないようなところで気持ちが悪い。下から見たときにはこの辺りから滝の落ち口に向かってトラバースするつもりだったが、切り立った岩盤でトラバースなんてできない。師匠を上げてから岩を右側から巻くよう感じで灌木の生えたヤブの中にルートを取る。沢には18mのラッペルで戻る。降りたところの水は枯れていたが、3m下で水が流れていた。
c1300m三股の中股は、ピークとc1774mのコルに向かっている。c1600m付近で出てくる岩盤帯でピーク側に延びている沢型に入る。尾根に上がってからのヤブコギを考えると、ピーク側に向かって上がる沢型を選んだ方がよいと思う。
c1600m付近から約50分のヤブコギで尾根に上がり、尾根からピークまでは40分弱のヤブコギだった。この日も夏日できついヤブコギだった。
ピークから南西面沢を下降。何もない沢で下降に適しているとの机上どおり、難なく下ることができた。伏流して沢が消え、木が覆い茂る箇所が一定程度続き不快。そして疲れた体にダラダラ長かった。
下降中に見えた十の沢カールは、30年以上前に国境稜線か見たカールよりも大きく見えた。
十の沢出会いは大規模なガレ場となっていた。十の沢出会いから10分くらい下ったところにたき火跡のある平らな所を見つけて幕営。焚き木も豊富で12時間行動した身には有難かった。
この夜も素敵なたき火ができた。そして今宵のたき火は有難く感じた。濡れた服を乾かし、昨晩の轍を踏まないよう、ダウンを来て寝る。
二日目の幕営地から七の沢出会いまでは特筆することはない。最後の林道歩きはやはりだるかった。が1.5時間で札内ヒュッテに着いた。ヒタヒタと後ろを歩く師匠の足音がペースメーカになったようだ。
互いに確実に年を食い、体力も酒の量も落ちた我らだったが、沢を見る目や滝を登る時の息はぴったりだったと思う。師匠がそばにいてくれると絶対的な安心感がある。二十数年間培ってきたものは大きい。天気にも恵まれて、よい山行になった。我が師匠に感謝。
※こちらのアルバムもご覧ください。↓
https://goo.gl/photos/xeQxDmsptud3U66y7
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