新穂高より鷲羽岳ワンデイ

2019年05月12日(日) [日帰り]

• GPS: 16:10
• 距離: 46.5km
• 登り: 3,475m
• 下り: 3,476m

コースタイム

日帰り

• 山行: 13:47
• 休憩: 2:19
• 合計: 16:06

1:30 新穂高温泉バス停
1:33 1:34 登山口(双六岳・笠ヶ岳方面)
1:51 1:51 お助け風穴
2:03 2:03 中崎橋
2:12 2:13 笠新道登山口
2:23 2:24 わさび平小屋
2:45 2:45 小池新道入口
3:48 3:49 秩父沢出合
4:09 4:12 イタドリが原
4:30 4:31 シシウドヶ原
5:11 5:31 大ノマ乗越
5:40 5:47 弓折岳(分岐)
5:50 6:00 弓折岳
6:10 6:10 花見平
6:14 6:16 くろゆりベンチ
6:36 6:36 双六池
6:44 6:56 双六小屋
8:11 8:13 三俣峠
8:36 8:36 三俣山荘
9:40 10:20 鷲羽岳
10:52 11:06 三俣山荘
11:40 11:40 三俣峠
12:45 13:03 双六小屋
13:07 13:07 双六池
13:43 13:44 くろゆりベンチ
13:58 13:58 花見平
14:15 14:16 弓折乗越
14:22 14:25 弓折岳
15:15 15:15 イタドリが原
16:08 16:08 小池新道入口
16:36 16:37 わさび平小屋
16:51 16:51 笠新道登山口
17:26 17:26 登山口(双六岳・笠ヶ岳方面)
17:32 17:32 新穂高温泉駅
17:34 17:34 中崎山荘 奥飛騨の湯
17:36 17:36 新穂高登山指導センター
17:35 新穂高温泉バス停

樹林帯の積雪の少なさが顕著であったが、打って変わって2,000m以上の高所は例年並みかそれ以上の積雪量があるように見て取れた。特に薬師岳や黒部五郎岳方面は今だに岩肌の露出も無く真っ白で、まだまだ雪山山行を楽しめそうであった。

しかしながらここ最近の気温の上昇は、現地に対してかなり大きな影響を及ぼしており、雪庇の崩落や全層雪崩、踏み抜き地獄等多くの不安材料が考えられる。日が長くなり天候も安定してきたが、予想外の事態に備え余裕を持ったプランを考えべきである。

総括すると、この時期に日帰りの鷲羽岳登山はあまりオススメしません。

天候

5月12日(日)：快晴猛暑

アクセス

利用交通機関：

自家用車

新穂高の登山者用駐車場を利用。登山センターから徒歩にて10分程度である。現地にはスタッドレスタイヤ装着車で赴いたが道中に積雪や凍結は無かった。駐車場の埋まり具合は3割ほど。GW明け初の週末の為なのかかなり余裕あり。

コース状況／危険箇所等

【新穂高〜林道終点】
スタートからわさび平小屋までは除雪が済んでいた。途中のコンクリ舗装もほぼ露出しており膝に堪える。わさび平より奥は除雪されておらずの雪道となっており踏み抜き多数。グズグズの腐った雪となっている為防水対策はしておきたい。林道終点までに巨大なデブリのトラバースが2箇所ほどあった。

【林道終点〜大ノマ乗越】
デブリだらけの雪渓歩き。標高を900mほど稼ぐことになる。往路は午前中に通過できたのでそんなに悪くない雪質であったが、復路は夕方に通過したため雪が腐っており踏み抜き多発。踏み抜いた所に岩やら灌木やらがあると膝をぶつけて泣くほど痛い。また、至る所で雪崩や落石が見受けられたので、午後の通過は一層の注意が必要。ちなみに林道終点付近は過去に2回ツキノワグマを見たことがある。暗い時間帯や悪天時は気をつけたい。

【大ノマ乗越（弓折岳）〜双六小屋】
眺望がよく気持ちの良い稜線歩きだが腰から肩くらいまでの踏み抜きが辛い。数年前に来たときよりはマシだったが。。特に午後の踏み抜きは修行である。ワカンを利用したためかなり楽できたが無ければ99%くらいは踏み抜くと思われる。今回はワカンを増備していた為50%以下の踏み抜き率で落ち着く。ワカンの偉大さに感謝。雪庇も賞味期限切れとなっている為踏み抜きには要注意。今回は1回踏み抜いた。

【双六小屋〜三俣山荘】
鷲羽岳までなるべく短縮したかったため始終トラバース（巻道コースに近いイメージ）した。雪質はグズグズのシャーベット。復路は踏み抜き多数。なお丸山や三俣蓮華の稜線方面より雪崩多数。積雪後や気温上昇時は稜線コース利用が望ましい。

【三俣山荘〜鷲羽岳】
夏道が90%以上を占める。アイゼンを外し淡々と登った。一部アイスバーンとなった積雪斜面有り。アイゼンの着脱が面倒なので横着して岩稜から登下降したが落石多発地帯なので推奨できない。ライチョウが沢山居るようなので美味しそうではあるが静かに見守ってあげたい。

【弓折岳南尾根〜小池新道】
復路は気温がかなり上昇しており、大ノマ乗越からルンゼを利用して下山することを敬遠。比較的安全な尾根を利用したかった為こちらを選択。グズグズに腐った雪であったが雪崩リスクを考えると安心できる。積雪期のエスケープルートとしても取付きルートとしても知っておきたいルートである。

その他周辺情報

新穂高温泉は観光・食事・温泉と何でも揃っている。温泉や飛騨牛の良い匂い。

写真

5/12 1:11

今日もいつもの場所よりスタート。毎回お馴染みの写真。

5/12 1:11

ちゃんと出しましょう。

5/12 1:44

完全に夏道となっている。あまり冬靴では歩きたくない。

5/12 1:44

コンクリ舗装は膝に堪える。

5/12 2:21

笠新道登山口。ヘッデンの灯りが見えた。誰か登っているようだ。

5/12 2:24

デブリが切られている。車両が入っているようだ。

5/12 2:32

わさび平小屋。営業に向けた準備が着々と進んでいるようだ。

5/12 2:54

退屈な林道歩きが終わるととても嬉しい。

5/12 3:36

デブリーランドを進む。

5/12 4:27

4時00分を過ぎると一気に明るくなってくる。大ノマ乗越はまだしばらく先。

5/12 4:28

振り返る。

5/12 4:50

そろそろ夜明け。大ノマ乗越が見えてきた。

5/12 4:50

端から端まで全部穂高。デカイ山だ。

5/12 4:59

あと一息で稜線。

5/12 5:30

いざ稜線へ。大ノマ乗越は雪庇が張り出しており工作が面倒そうであった為見上げて右手側のやや上部へ這い出た。

こちら側を登る。写真真ん中のあたりの雪庇が薄い部分。

こちら側は多少の斜度があった為念の為にピッケル解禁。今回まともに使用したのはここだけ。

それでも多少ハングした雪庇を乗っ越す必要がある。

5/12 5:46

朝陽が冷えた身体を温めてくれる。

5/12 5:52

弓折岳到着。長い1日のはじまり。

5/12 5:52

今日は良い1日になりそうだ。

5/12 5:52

これから向かう方面。スケールの大きな双六岳と目的地の鷲羽岳が右奥に見える。

5/12 5:58

ここからは稜線の空中散歩。

5/12 6:22

西鎌尾根は夏道になっているかも。

5/12 6:22

左俣谷へ延びるトレース発見。誰が歩いたのだろう。

5/12 6:41

双六小屋が見えてきた。中々近付かない。見えてきてからが長い。

5/12 6:46

到着。人の気配無し、オコジョがいるっぽい。

5/12 6:49

冬季小屋は完全に出ている。

5/12 7:09

営業小屋はまだまだ冬眠中。

5/12 7:35

鷲羽岳が近くなった。←感覚が麻痺ってるらしい

5/12 7:50

今回の目的地は鷲羽岳。双六や三俣蓮華はトラバースすることにする。勿体無い気もするが。

5/12 7:50

濃霧時は道迷い注意

5/12 7:58

ひたすらトラバース。

鷲羽岳がかなり近付いた!

5/12 8:16

来た道を振り返る。復路は自分のトレースが目印。

5/12 8:29

ん、新しいトレースがある！

5/12 8:29

ツキノワグマか。

5/12 8:37

三俣山荘までもう一息。

5/12 8:41

山荘到着。鷲羽岳まで約400m登る。

5/12 8:53

数年前は横着して右手の雪庇部分を歩いたが今年は雪庇が崩れかけてるのでやめておくことにする。なので90%以上は夏道を登ることになった。

5/12 9:19

応援ありがとう。

5/12 10:12

到着!!

5/12 10:12

黒部五郎や薬師方面はまだまだ積雪が豊富である。

5/12 10:12

水晶は随分と岩肌が露出している。

5/12 10:12

鷲羽岳も周りの山々より積雪が少ないようだ。

5/12 10:18

鷲羽岳より定番のアングル。鷲羽池は雪の下。

5/12 10:19

鷲になって飛び立ちたい。

5/12 10:41

まだ先は長い。もっと居たかったが下山開始。浮石が多く意外と気を遣った。

5/12 11:01

ここから双六小屋までが長い。

5/12 11:17

気温がどんどん上がっており雪質は悪くなる一方である。コイツがいないとこの先はモチベーションが保てない。

5/12 11:56

またトラバースがはじまる。地形が入り組んでいるため双六小屋が見えても距離が縮まらない。

5/12 13:12

ただいま。暑い。

5/12 13:18

お別れです。

5/12 13:50

ワカンを装備していようが問答無用でハマる。

5/12 13:58

ここは雪庇か稜線か。

5/12 14:13

弓折岳まで戻ってきた。

5/12 14:50

復路は弓折岳南に延びるスノーリッジを辿ることにした。雪がグズグズだがルンゼ内より安心して下れる。念の為ピッケル使用。

5/12 15:05

どんどん稜線が遠くなる。

5/12 15:05

往路利用した大ノマ乗越へ至るルンゼ部。

5/12 15:05

積雪期限定の素敵な尾根。

5/12 15:26

小池新道の本道へ戻ってきた。最早稜線は遠い場所。

5/12 16:11

デブリーランドを下って行く。灌木や隠れた岩が邪魔。

5/12 16:21

林道へ戻って来た。いきなりデブリ越えとなっている。

5/12 16:39

わさび平までは雪道。グズグズである。

5/12 17:37

コンクリ舗装は疲れた足腰に響く。無心で戻って来た。良い1日をありがとう。

撮影機器：

OLYMPUS Tough TG-1 オリンパス

装備

個人装備

長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 雨具 ゲイター マフラー ネックウォーマー 毛帽子 靴 ザック サブザック 輪カンジキ アイゼン 昼ご飯 行動食 非常食 飲料 レジャーシート 地図（地形図） コンパス 笛 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ガイド地図（ブック） ファーストエイドキット 日焼け止め 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ストック カメラ

備考

登山者はワカン必須。無いと日帰りでの鷲羽岳はキツイと思われる。午後はワカンを装備していてもキツイ。

感想

kagoru-dake

夢のような大型連休が過ぎ去り早一週間。そろそろ雪山が恋しくなってきた。

ということなので比較的雪が残っていそうな黒部源流方面へ。

期待通り、沢山の雪と動物達が迎えてくれた。

快晴の日曜日であったが登山者は皆無。

黒部源流らしい静かな山歩きと雪庇踏み抜きを楽しむことができた。

雪を目一杯楽しめる今シーズンの山行は多分これで最後になりそうである。

また12月を期待して装備品と体力を磨くことにする。

コメント

also

お疲れ様でした！！
ご本人にはお会いできませんでしたが、鷲羽岳から小池新道降りた場所まで(一部を除く)ずっとトレースと一緒でした。
人がいたという安心感を得ながら下ることができたので良かったです、本当にありがとうございますm(_ _)m

しかし三俣蓮華のトラバースはさすがです、僕はちょっと不安だったので稜線に乗ってしまいました(；・∀・)

あと弓折付近の歩き方はさすがエキスパートを感じるルート取りでした。
勉強になりました！