2019/7/13-15 前穂北尾根・北穂東稜
- GPS
- 22:49
- 距離
- 42.6km
- 登り
- 4,878m
- 下り
- 4,842m
コースタイム
- 山行
- 9:34
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 11:13
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 2:54
- 合計
- 11:19
天候 | 1日目:くもりのち雨 2日目:雨 3日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
帰り→松本駅発特急あずさ |
コース状況/ 危険箇所等 |
東稜へのアプローチは雪渓あり。 56のコルへは雪渓でほとんど歩けるが、上部はガレとなる。傾斜は強い。 |
その他周辺情報 | 涸沢ヒュッテ 小梨の湯(上高地) 駅ナカバル(松本駅) |
写真
感想
パートナーと共にマイルストーンに位置づけていた3日間での前穂北尾根+北穂東稜を無事やってきた。
金曜日のヤマテンをみて、2日目(日曜日)は終日雨のため停滞の判断に。
必然的に、初日は上高地から一気に北穂東稜をやり、最終日は前穂北尾根を抜けて重太郎から下山することになる。
停滞の快適さと重量を減らして全体のペースを上げるためには2泊小屋泊という判断になった。
【1日目 7/13】
初日は10時台には涸沢に到着し、お昼休憩を取ってすぐに北穂東稜に向かう。
北穂沢のゴルジュ上から雪渓をトラバースして東稜にアプローチする。
雪解け後の岩が脆くて、アプローチが一番難しかったかもしれない。北穂東稜はこれで3回目となるが、今までで一番悪かった。
東稜は一応2ピッチ出す。エクスポージャーはあるが、岩は硬く快適。
懸垂してロープを畳み、北穂小屋まで登りつめる。
この日の午後は計3パーティが東稜に取り付いており、先頭で終了した。
涸沢までダラダラ下り、初日は明るいうちに無事終了。
悪天候のため、小屋は混まず快適だった。
【2日目 7/14】
この日は停滞と決め込んでいる。
一応56のコルにつながる雪渓の様子を見に行こうと雪渓を散歩してみたが、何も見えなかったので雪と戯れて帰ってきた。
その後は夜までひたすら「食う→飲む→読む→寝る」のエンドレスループ。
【3日目 7/15】
いよいよターゲットの前穂北尾根を登る日。
2時に起床。天気は霧雨。3時出発。
56のコルまで上がると夜が明け、綺麗な雲海が見られた。文字通り雲上のクライミングになりそうで心が躍る。
4:45 56のコル発。
5峰は明瞭な踏み跡を辿る。
4峰はふたりでルートの目処をつけてから取り付く。基部から8割くらいは涸沢側を登り、大岩が見えたら奥又白側へ。
そこからのルーファイに苦戦して時間を費やしてしまった。なんとか抜けて4峰基部を奥又白側からトラバースする形で34のコルへ。
6:38 ロープを出して3峰登攀開始。
1P Fリード
チムニーとフェイスに分かれるところまでロープを伸ばしてピッチを切る。
2P Yリード
フェイスをS字にルート取りながら登る。
3P Fリード
チムニーを登る。リーチがないと難しそう。チムニーを抜けると涸沢側の簡単な歩き。
4P Yリード
歩き主体。
5P Yリード
前のピッチの歩きで呼吸が乱れたため、パートナーにリードを譲る。3峰ピークと思われる岩稜を涸沢側から巻き、少し登ったところでピッチを切る。
2峰は一旦涸沢側にトラバースするルートを取った。(リッジ沿いが正解な気がする。)
脆い箇所があり、25mほどロープを伸ばしてトラバース。その後懸垂ポイントまでの登攀となった。
1P Yリード
登攀自体は簡単だが脆い。ここでパートナーがエイト環を拾う。
2P Fリード
優しいピッチだが、ダイレクトに懸垂ポイントに出たかったので慎重にルートを見極める。
2峰ピークから短い懸垂下降をしてロープを畳み、主峰まで登る。
10:00頃、前穂高岳主峰。お互い初めての前穂ピークを北尾根から踏むことが出来た。
主峰で喜びを分かち合う。
あとはダラダラ重太郎新道を岳沢に下り、岳沢で一本取ってから上高地へ。
小梨の湯で汗を流し、お酒を飲んで帰路についた。
この連休は梅雨空で予定変更を強いられる人も多かったようだが、パートナーと密にコミュニケーションを取り、日々変わる天気予報を見て計画を微修正し続け、結果的には目標を果たせて満足のできる3日間となった。
天気が味方してくれたのは事実だが、なんとしても「前穂北尾根+北穂東稜3Days」をやり遂げたい思いがお互いに強かったから、天気予報に一喜一憂せず実現できたことだと思う。
高いモチベーションを持って共通の目標達成に取り組めるパートナーシップに感謝です。
個人的にはまだアルパインの世界に脚を踏み入れたレベル。
そもそも経験が少ないので、クラシックルートなどで初級アルパインの経験を積んで力をつけ、より高みを目指していきたい。
前穂北尾根は本当に素晴らしいルートだった!楽しかった!
前穂北尾根、北穂東稜へ。
いつものパートナーと。
もともと今年の初めくらいに今回のパートナーと初級のアルパインルートに自分たちの力で行ってみようと話していて、まずその第1弾として前穂北尾根を目標にしてみることにした。
それから1ヶ月に1回ペースでトレーニング・プレ山行を行い、今回に至る。
この三連休でちゃんとルートに入れるかどうかで今年他のルートにも入れるかどうかが変わりそうだったので、なんとか行きたいと思っていた。
本来計画だと、
1日目涸沢アプローチ
2日目前穂北尾根
3日目北穂東稜+下山
といった感じで余裕のあるプランを考えていたが、天候がかなり微妙。
結局、1日目と3日目は持ちそう。2日目は雨とのことで、1日目に北穂東稜を詰め込み、3日目に前穂北尾根を詰め込み、2日目は小屋で沈殿することにする。
そもそも天候が微妙となった時点で諦めることもできたが、天候が微妙だからってぐらいで諦めてたら、いつまで経っても行きたいところに行けないし、ルート経験も積めない。悪いなら悪いなりにこなせるプランを考えろよってことで今回はそういった戦略で行ってみることにした。
新宿初のさわやか信州号で土曜朝に上高地へ。冬にアイスで来た以来か。それから涸沢までアプローチ。停滞用にたくさんお酒と食糧を積んできたので無駄に重い。
途中、屏風岩が見えてテンションがあがった。めっちゃかっこいい。トポ持ってくれば良かった。
涸沢に着いたら、一休みしてから軽装備で北穂東稜へ。北穂沢を少し登ってから南陵に乗る。その後、途中で登山道から外れてトラバースし、東稜方面へ。
雪渓トラバースがあったが、バイルがあれば歩けるレベルだった。その後、ザレを上がるが、まだ雪解け後、安定してないせいか、ざれすぎてて悪い。気をつけつつ歩くが、途中落石が足をかする。ここがその日の核心だった。
その後、東稜の尾根に登り、その後は尾根歩き。アプローチのザレに比べると、岩が安定しているので、歩きやすい。核心のナイフリッジあたりでロープを2ピッチ出す。高度感はあるが、難しくはないので、慣れてる人ならノーロープでも良さそう。その後、ナイフリッジ終わりで10mくらい懸垂する。後は山頂に向かってザレを上がる。地味に斜度がきつい。山頂に着くと、ガスガスで景色はなかったが、達成感はあった。
その後は小屋で一休みし、南稜を使って涸沢に下りる。
その日、予報見ても次の日が悪いのは変わっていなかったので、沈殿を決め込み、死んだように眠る。
2日目は酒飲んだり、ラーメン食べたり、漫画読んだりでひたすらまったりして過ごす。
その日はずっと雨も強かったので、判断としても適切だったようだ。
3日目は2時起床、3時出発。
夜中1時くらいまで雨の音がしていたので、どうなるかと思ったが、出る頃には降ってるかわからないくらいになったので、予定通り進行する。
雪渓は締まっていてとても歩きやすい。今回は雪渓状況が読み切れなかったので、12本爪アイゼン+バイルで望んだ。そのかいもあって雪渓どおしでグングン標高をあげる。56のコルに着く頃には天気もよくなり、目の前には綺麗な雲海が!そして、吊尾根や北穂高あたりの稜線は雲がかかってるのに、前穂北尾根には雲がかからないミラクル!笑
他パーティもいなくて、人気ルートを独り占め!
楽しい尾根歩きが始まる。
56のコル〜5峰〜45のコル
踏み跡は明瞭で迷う箇所なし。楽しい尾根歩き。
4峰〜34のコル
他の記録でもある通り、ルーファイが分かりにくい。リッジを涸沢沿いにまっすぐ登っていき、大岩にぶつかるあたりで奥又白側にトラバース。その後、リッジに出ようとしてルートを迷う。もっと大きく左に巻いても良かったかも。
34のコルまでは左に巻きながら下って到着する。
3峰〜2峰
ここからロープを出して登攀開始。5ピッチで山頂まで。
その後、2峰を右に巻きながら進むと、またリッジに乗らないといけなくなったので、2ピッチだして懸垂箇所まで。2峰は完全にリッジ通しで行った方が良かったみたい。
その後、2峰の懸垂ポイントから懸垂10mくらい。
ロープをしまって、山頂へ。
ちゃんとこなせて良かった。
達成感でいっぱい。
本当にいいルートだ、前穂北尾根。
その後は、重太郎新道で下山し、上高地へ。
小梨の湯でゆっくりお風呂に入り、酒飲みつつ、あずさで帰宅。
お疲れ様でした。
3日間終わってみると、1日目も3日目も11時間行動、歩行距離42キロ、累積標高3100m。2日目行動してないのに。連休明けは久しぶりの筋肉痛でした。
****
自分はもともとオールジャンルで山を頑張りたいと思っていて、沢はけっこう行ったけど、アルパインは初級ルートすらやったことなくて、バランスが悪いなぁと思っていた。なので、そこを埋めていくことで総合力をあげていきたいと思っていた。特に積雪期のバリエーションについて、先輩方を見ていると無雪期のアルパイン経験が活きているなぁと感じることがあり、(軽量化や装備の考え方について)そこを学びたいなぁと思っていた。
今回、まず行きたいと思っていたルートに行けたわけではあるけど、自分は初級のアルパイン体験して満足して終わりなんて嫌なので、もっともっと積み上げていかなくては。もっと難しいルートをやるには、自分はまだまだぬるい。登攀力も精神力も体力も。もっと強くなりたい。
fff-ttt
今回もありがとう。
今年まだまだよろしく!
いいなー爽やか。
パートナーと呼び合える仲間とのステップアップ的山行は見ていて心が晴れる思いやね。
これからの山行も記録楽しみやな!
おじさんも頑張らねばと思いうよ。
戦略や裁量が素敵。先週末のトップ目取られた〜(ジェラシー)。おじさん2号も頑張らねば。
ワルさん、ありがとうございます!
入会した年のワルさんの前穂北尾根の記録をみて、憧れていました!実現出来て良かったです!
taka10さん
トップとりましたよ!笑
戦略や裁量の考え方に関しては、taka10さんに教えて頂いたことに大きく影響を受けています。これからもご指導頂きたいのでまた一緒に山行ってください!!
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