雲ノ平から高天原温泉 〜大東新道を歩いて〜 雨女日記
- GPS
- 104:00
- 距離
- 52.6km
- 登り
- 3,696m
- 下り
- 3,432m
コースタイム
- 山行
- 7:15
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 8:30
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 9:25
- 山行
- 7:15
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 9:20
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 8:35
天候 | 7/26(火)雨 7/27(水)雨のち曇り 7/28(木)曇り 7/29(金)晴れのち曇り 7/30(土)雨のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
毎日あるぺん号 新宿都庁23:00→新穂高温泉06:20 3列シート¥11,400 【帰り】7/30(土) 富山-有峰線 バス・電車乗り継ぎ (バス)折立08:40→有峰口駅前09:30 (電車)有峰口09:58→電鉄富山10:50 ※満点の湯立寄りの為、途中下車しております |
コース状況/ 危険箇所等 |
★高天原山荘〜高天原温泉 北村薫さん著の『八月の六日間』では、主人公が山用サンダルで温泉へ向かっていますが、ふつうの登山道ですので登山靴がおすすめです。飲料水も忘れずに。 ★大東新道 薬師沢にでるまで、EDCBと4つの沢を渡渉します。 一番大変だったのは、4番目のB沢です。水量も多く滑りやすいです。 濡れるのを覚悟で渡りましたが、ギリギリセーフでした。 その後は、ハシゴや鎖場がありましたが、特に危険は感じませんでした。 ただし薬師沢に沿って続く道は、大小の岩がゴロゴロ歩きにくく、時間がかかってしまいました。 それでも、こちらの道を歩けて良かったです。 |
その他周辺情報 | ★満点の湯 富山店 富山市石金2-1-8(富山地方鉄道上滝線 不二越駅の隣) http://www.manten-yu.co.jp/toyama/ ★廻る富山湾すし玉 富山駅店(きときと市場とやマルシェ) http://www.sushitama.com/ |
写真
装備
備考 | 持って行って良かったモノ ゲイター(必須です) |
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感想
前を歩く二人連れのおじさん達が笑顔で言う。
「縦走5日目にして、やっと晴れたよ。」
わたしにとっても、縦走4日目の晴れである。
そして、心の中であやまる。
「ごめんなさい。雨女なんです。」と。
昨日から降り続いた雨は、なんと雷までも連れてきてしまったようである。
縦走2日目の朝。
今後の予定を思案しながら、とりあえず山小屋の部屋で天気の回復を待つことにする。
ひとり旅の良いところは、誰に気兼ねすることなく、自由に予定を変更できることにある。
とりあえず、行けるところまで行ってみよう。
雷が止み、雨が小降りになったところを見計らい出発した。
後からわかったことであるが、前夜の雨は、思いのほか激しく降ったようで、富山県側の有峰林道は通行停めになったらしい。恐るべし、雨女パワー。
4泊5日の夏休み。
新穂高温泉から入り、折立までを歩く、北アルプスの縦走。
雄大な景色を期待していたにもかかわらず、見渡す限りまっ白で何も見えない。けれど、肩を落とすほど、がっかりしていない自分がいた。ただただ歩いているだけで楽しいのだ。
初めて見る北アルプスのお花畑、今年は異常気象とかで、通年よりも少なく、一か月も早いという。だけど、はじめてなのだから比べようがない。その全てが素敵に思えた。
3日目、雲ノ平で別れた青年と、高天原の温泉で再会した。
祖父岳を登り、岩苔乗越をのんびり下りてきた私とは違い、青年は鷲羽岳と水晶岳を登り、破線ルートの温泉沢を下りてきたという。
そして明日、大東新道を通り一気に折立まで帰るらしい。
大東新道は、ひそかに狙っていた道である。
梯子や鎖場もあり、増水すると、途端に危険となる沢沿いの道だ。しかし、雲ノ平経由で帰るよりも、1時間は早く薬師沢小屋までたどり着ける。出来れば、太郎平小屋まで行きたい。
小屋のお姉さんや、小屋番さんに道の状況を詳しく聞き、大東新道を行くことを決めた。
そして話は、冒頭へと戻る。
高天原峠を出発すると、青年の姿は、あっという間に見えなくなった。
標準タイムの0.7倍で歩くという青年。わたしはと言えば、おそらく標準タイムの1.2倍はかかるだろう。晴れを喜んでいた二人連れのおじさん達は標準タイムの足取りだ。
すぐに、おじさん達の鈴の音も聞こえなくなった。
ここからは、ひとりで大東新道を歩く。
すれ違う人は、少ない。
C沢沿いで滑って足を踏み外した。左半身が泥だらけになった。
B沢に降りる山中で、転んで尻もちをついた。後で見たら、大きな青痣ができていた。
いくつかの沢を渡り、岩を越える。梯子を上り、鎖場を抜ける。
昨日までは、北アルプスの山々を見ていたはずなのに、今は、ひたすらに沢を登っている。
不思議な感じがしたが、ここも間違いなく北アルプスの一部なのだ。それも奥の奥。
薬師沢の水は冷たくて、限りなく透明だった。
実は、北アルプスを歩くにあたり、三つの目標を立てていた。
その1、出発前までに『黒部の山賊』を読む。
その2、水晶岳にのぼり、水晶小屋でTシャツを買う。
その3、無事に歩き通し、富山でお寿司を食べる。
結局、
『黒部の山賊』は、雲ノ平山荘でのフィルム鑑賞に変わり、
水晶岳は、水晶池より眺めることになった。
そして、お寿司であるが、太郎平から折立まで通常3時間道のりを、2時間20分で下りてこられたのは、まさしく寿司パワーと言えるだろう。
最後に、太郎平からの帰り、と或るおじさんに、「上(太郎平ら)は曇っているか?」と聞かれ、「きっと晴れますよ。」と答えたのだが、なぜか「晴れ女に会った。」とあらぬ誤解を与えてしまったようである。
【雨女、山から下りれば、晴れ女】
おそまつさまでした。
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