9編から構成され、8つの遭難案件を検証・考察しています。9編のうち、6編は「岳人」に掲載され、2編は「山と渓谷」に掲載されたものをベースに、加筆修正して単行本化したものとのこと。また、最後の1編は「遺族」というタイトルで、遺族の視点をベースに他の8編を振り返ったものになっています。8つの遭難の主体は、早大山岳部、明大山岳部、中高年パーティ、ベテラン社会人登山者、新潟山岳会(社会人)、東洋大山岳部(著者の出身母体)、定年退職後の単独行者でした。悲惨さを包み隠さず表に出そうという方針で書かれており、その分、遺族や生き残った当事者などの関係者からは嫌がられる状況もあったとのことです。「あとがき」の書きっぷりが、その辺りの熱い思いを吐露したものになっているのですが、くどくどと弁明のような、正当化のような主張が、却って独りよがりに聞こえてしまっていて、逆効果となっているように感じられた点が少し残念でした。
【読了日:2016年1月19日】
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