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全部で15編の作品から構成されていて、それぞれのタイトルは次の通りです:
「登山の文化史」
「山岳紀行文について」
「戦時下の登山」
「積雪期の白根三山」
「尾上郷川と中ノ川」
「能郷白山と温見」
「鈴鹿紀行」
「欧州山岳雑話」
「服装と行為」
「あの頃のこと」
「山遊び」
「なつかしさ」
「立派な凡人」
「グラン・シャルモの北面 デュ・モンセル原著」
「雪崩と雪 クラーンストーヴェル原著」
この中で、最後の2編はフランス語で書かれたものを翻訳したもので、実は著者はフランス文学・文化の研究者で文化勲章も受章されており、京大の教授を長く務めている方です。1904年生まれですが、京大山岳部黎明期のメンバーで、年上ですが今西錦司氏や西堀栄三郎氏らと同期のようなことが記載されていました。また、上記最後の「雪崩と雪」がフランス語の最初の翻訳だったとかで、フランス語を志すひとつのきっかけにもなっていたとすると興味深いです。山の方では、1925年3月に北岳・間ノ岳の積雪期初登頂、1958年にチョゴリザ遠征隊長、などの実績もあるようです。
本の解説を読むと、最初の出版は戦時中の末期でありながら「戦時中の登山」の一編ですら、世の価値観が一変した後である戦後からみても通用するまっとうな視点であるところなどを、高く評価していました。
個人的には、「積雪期の白根三山」や、学生時代の思い出を語った「あの頃のこと」などが、あまり肩張らずに読み易かったです。それにしても北岳山頂での記念写真を見ると当時の服装やピッケルの長さ(!)に時代を感じます!
そろそろ次は、古典(?)を少し離れてみようかと思っています・・・
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