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雑誌などに連載されたものなどを集めたものとのことですが、大きくは「山の果実」「峠から峠へ」「信濃路の回想」「北アルプスの記」の4部に分かれています。
「山の果実」に収録されている17話については、山が舞台のお話もありますが、それ以外のものもかなりの比率であり、それほど面白いと感じるものは少なかったです。やはり一冊目の「山の眼玉」は越えられないものなのかな、っと。その理由の一つとして、前作の「山の眼玉」と比較して、絵が断然少ないことも影響しているかと思います。画文集ならではの右脳と左脳とを心地よく刺激してくれる、というところが若干期待外れだったようです。
しかし、後半の文章は、主として「アルプ」に掲載されていたものが多いようで、舞台はどっぷりと山ですし、だんだんと引き込まれる話の展開が多くなってきて、また盛り返しました。
特に気に入ったのは、「十文字峠越え」と「北アルプスの記」の部のすべてです。「十文字峠越え」は、奥秩父の十文字峠が舞台で、4人の子供(おそらく一番下の子は小学生低学年)を含む6人家族で、梓山から栃本まで一日で歩き通すという強行軍になったもの。「北アルプスの記」は、全部で11の小話からなっていますが、続きもので、白馬大雪渓から後立山を越えて祖母谷温泉に抜け、黒部渓谷を阿會原から池の平へ出て、裏剱から三ノ窓雪渓、剱沢雪渓と辿り、立山連峰を縦走して、五色ヶ原から薬師岳、そして三俣蓮華へと続く山旅の話です。(実際はさらに、槍ヶ岳から穂高岳まで縦走して涸沢へ抜けて上高地に下山したはず)
こうしてみると、なかなか羨ましい山行記録をもっている方です。
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