表紙に使われている版画「親子よろこぶ」は個人的にはとても好きな一枚。一方、画文集とは言いつつ、本書内に画(絵)は少ないです。
文章はひとつひとつの文がとても短いのが特徴。お話の中では、「聖山」(麻績村)が味を出しています。
一方、女性(特に若い女性)が登場する場面になると、極端に意識してしまっている自分を正直に綴っている箇所が非常に多いのが気になります。特に最後の北アルプス表銀座〜槍〜横尾〜涸沢〜徳本峠〜島々を舞台としたお話では涸沢ヒュッテで女性と相部屋になるのですが、もうその観点の記載のみに紙面が費やされていて、お人柄を現したご愛嬌なのでしょうが、ちょっとどうかと。
そんなこんなで、「山の眼玉」「山の足音」「山の出べそ」とここまでの三冊で比較してしまうと、古いものほど輝いているように思ってしまいました。
解説は三宅修氏でして、雑誌「アルプ」関係の活動など、畦地梅太郎さんを取りまく裏話があってとても参考になりました。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する